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THE 半ば面白い話(仮)コミュのあなたとわたしのハンバーグ【怖】(シャム)    

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どーも新参のしょこたんです。
皆さん祭りの進捗はいかほどですか?

実はこちらいいとこまでいったんですが、日ロワでポシャッりました。


ご挨拶にかえて、加筆校正を施して、こちらにトピ立てさせて頂きますm(_ _)mご意見ご感想など頂けたら幸いですm(_ _)m






オリジナルホラーです。※閲覧注意


翔やんプレゼンツ「あなたとわたしのハンバーグ」をご覧下さい。







「えみるは勇人くんが大好きです。勇人くんといっしょにこんど動物園いきたいな。
いっしょにフランクフルトとポテトたべて、おさるさんみながらいっぱい笑うの。」





ここの所、疲れている。彼がいなくなったマンションの一室は思ってたよりもずっと広い。
もう、あれから1週間は過ぎただろうか。
悔しいけれど、彼に依存していたのは私のほうだった事を痛感している。
失って始めて気付く事もある。なんて使い古された言葉が私の脳内のあちらこちらに散乱していた。


無駄に広いこの空間が、私自身の心に空いた隙間を余計に広く見せているように思える。
彼は誠実な人だった。それがなぜ、あんな風に別れを切り出したのか。その本音は私にも分からない。


ただ言えることは、あの手紙がふたりのマンションに届くようになってから私たちの関係は著しく形を変えていった。

差出人の名前は「えみる」。切手もないその郵便物。その女が直接、郵便受けに入れていったモノだろう。
最初の手紙が届いてから2、3日置きに同じような内容の手紙が届く。そんな事が2カ月は続いていた。


決まって赤色のクレヨンで書かれたその手紙は正直、気味が悪かった。
玄関の前まで来ているのであれば、私達がふたりで暮らしていることも知っているはずだ。
初めは卑劣な嫌がらせである事を疑わなかった。
ただ、その手紙が頻繁に届くようになってから、次第に彼の私への態度も変わり始めた。それもまた、事実だ。
少しずつ、私との距離を置くようになっていったのは一緒に暮していれば、言葉にするまでもなく伝わってくる。


そんなある日、私は久しぶりに手料理を作った。
というのも、私の方が彼より帰宅が遅いのが日常だった。
遊び呆けていたのではない。単純に残業が続いていた。

元々料理は得意な方だ。
今日は彼の大好物のハンバーグを作った。
牛骨と野菜のヘタを煮込んだスープにブルドックソースとケチャップ、それからたくさんのごまを挽いてブレンドする。
そして隠し味に少しだけナツメグとガラムマサラを入れる。
ハンバーグの味はもちろん、その私のオリジナルソースの味が彼の味覚にはとても合っていたようだ。
いつもなら、美味しいといいながら、おかわりまでしてくれた。
料理を作る人なら分かると思うが、そういった反応は例え嘘でも嬉しいものだ。


そのときは、離れていきそうな心を繋ぎとめようとした私の想いが彼の勘に触ってしまったのかもしれない。


無言の夕食の中、彼が突然切り出した。



「なぁ深雪、俺、お前と別れたいんだ…。」


そう言って、彼はクリスマスにお揃いで買った左手のリングをそっとテーブルの上に置いた。


そこからの私の行動は悔やんでも悔やみきれない。
どうしてあんな事をしてしまったのだろう。
そこはしおらしく泣いてしまうほうが正解だったはずだ。
私は咄嗟に彼に掴みかかった。
私は冷静な女のはずだった。

まさかここまで取り乱す事があるなんて夢にも思わなかった。


そもそも…自分が振られるなんて思いもしなかった。未だかつて私を振った男なんていなかった。


自分ではいわない。

でも気づいている。

私は女として他人よりずっと魅力的だ。

顔、スタイル、知性、社会的地位、そして、それに不釣り合いな若い年齢。
これだけの条件をすべて満たしている女が他にいるだろうか。

それを決して表には出さず、優しい人を演じる能力にも長けている。
異性から嫌われる事はほとんどない。
同性の嫉妬に晒される事はあっても、そのほとんどはどこかで私の事を羨望しているのだから、懐の広さを見せればまるで犬みたいに懐いてくる。

可愛いモノだ。


彼だって、私のような女と一緒にいれる事を誇っていたはずだ。
同僚と遊びにいくときも、彼は何かと理由をつけて一瞬でもその同僚達の目に、私が触れるよう仕向ける事が多かった。

男としてのプライドはそれで充分に満たされていたはずだ。もちろん私自身もそれに対して悪い気はしない。

私はそんな事はまるで知らない素振りで、同僚達の前で彼を誉めたたえ従順な女を演じた。その方が、彼が喜ぶからに他ならない。
いわば、完璧にいい女を演じてきたつもりだった。


そんな中で突き付けられた突然の別れの言葉に私は我を失ったのだ。
力いっぱい彼に掴みかかった。
それは彼にとっても突然の出来事だったのだろう。
彼の最後の怯えたような表情が今でも忘れられない。



彼がいなくなってからも、えみるからの手紙は途絶える事はなかった。



「えみるはきょうハンバーグをつくりました。勇人くんにたべてほしくてつくったのに、勇人くんきょう、えみるのとこにきてくれなかったから、えみるひとりでたべちゃったんだ。勇人くんあしたはえみるにあいにきてくれるよね?」





一体何のつもりなのだろう。
彼がここにいない事を知らないのだろうか。
そして彼はそのえみるとはどんな関係なんだろう。
私の頭の中は空虚な疑心に占拠されてしまっている。

彼は今、えみると一緒にいるのだろうか。
いや、そんな気色の悪い手紙を送ってくるような女と私を天秤にかけたときにそちらに傾く理由などないようにも思える。

これはもしかしたら、誰かが私達を別れさせる為に仕込んだ罠なのかもしれない。もしかしたら彼が…

いや、彼は直接、私に別れを告げた。
もしなんらかの理由で別れる為の口実が欲しいが為にするのであれば、もっと別なやり方があっただろう。

それとも彼との別れとこの謎の手紙は全く無関係で、たまたま誰かが嫌がらせをしているタイミングにふたりの別れが訪れた。
そういうことだろうか?


分からない。
分からない。
分からない。


勇人…早く私の所に帰ってきて欲しい。



あれから私は仕事を休んでしまっている。
精神的なものだろう。正直、体調もあまりよくない。
吐き気、それに伴うものなのか…ここのところ頭痛もずっと続いている。

大丈夫、これくらいで私を手放してしまうほど、会社も間抜けではない。
私がいることによってどれだけの貢献になるかは、あの頭の弱い上司達も充分に理解しているはずだ。


そういえば、ほとんど寝ていない。医者にでもいってこようか…。
外の光もほとんど浴びていない。
締め切った部屋で生活しているのはどう考えても健康によくない。
食べ物もほとんど口にした記憶がない。
冷蔵庫にストックしてあった野菜ジュースももう底を尽きてきた。
明日は少し気晴らしに外に出てみよう。



郵便受けの中にはまたえみるからの手紙が入っていた。




「えみるはきょうもハンバーグだよー。もうえみるのところにはかえってきてくれないのかなぁ?また勇人くんのぶん、えみるひとりでたべちゃったんだから。もう。ぷんぷん。」






もう、全部なかったことにしよう。
私も潔く勇人の事を忘れればいい。大丈夫。私の魅力に気付いてくれる男なんてどこにでもいる。
ちゃんと思い返せば、私はあの男のどこに魅かれていたというのだろう。

少し成宮寛貴に似てるってだけで、ものすごくかっこいいワケでもない。
収入だって私の半分あるかないかだし、セックスだって特に何がいいというワケでもない。
あんな男がどうして私にふさわしいものか。そんな風に思うと少しすっきりしてきた。

なんだ。私にはもっと私に似合ういい男がいるじゃないか。
ここももう、引っ越そう。
どうせ彼の名義で借りている部屋だ。
私がここに居座り続ける理由もない。
そうすればあの変な手紙に悩まされる事もない。
私は私の人生を歩んでいけばいい。


病院はもう大丈夫。
明日からでも仕事に復帰できるような気がしてきた。
明日はもう何事もなかったかのように取りつくろえばいい。
無断欠勤をしていたワケでもない。

少しだけすまなそうなふりをして、後はいつものように可愛い女を演じるだけでいい。もう、大丈夫だ。


私はお風呂に向った。
そういえばここ最近美容をさぼっていた。
触っただけで肌が荒れているのが分かる。

大丈夫。これくらいなら、すぐに取り戻せる。

これだけ何も食べないで過ごしてきたのだ。
もしかしたらダイエットにもなっているかもしれない。
むしろ私がダイエットするなんて、世の女性に申し訳ないくらいだ。



あれ?おかしいな。全然体重が減ってない。どうしてだろう。


ストレスというものは、こんなにも不可解に体を蝕むんだろうか?むしろ僅かながら増えている。



今日はもう眠ろう。

私は簡単にシャワーを済ませてキングサイズのベッドに寝転んだ。
ひとりで眠るには広すぎる。
まだ、そこに残る彼の香りが何とも恨めしい。
寝ようとすればするほど、何か余計な事を考えてしまう。

そういえば…彼が出て行ったときの記憶が、少しぼんやりしている。
私が彼にしがみついて、彼がそれを振り払うような仕草を見せた。
それからの記憶がない。
あの後、私はどうしたのだろうか。
気がついたときには今こうしているように、ここにいた。

玄関のドアを開けたような記憶があるような、ないような…
それからあんまりよくない夢を見たような気がする。
どんな夢だっただろう…

まぁいい。今日はもう眠ろう。




「えみるはきょうもハンバーグです。さすがにまいにちまいにちハンバーグばっかりたべてるのはあきちゃってきょうは勇人くんのぶんまではたべられなかったよぉ。のこしておくからもしかえってきたらたべてね。きょうのはとくべつにえみるの大切をいっぱいいれたよ。はぁと。」




目が覚めると、もう7時30分を過ぎていた。
早く準備しなきゃ。
軽くシャワーを浴びて、テレビをつけて時間を確認しながらメイクを始めた。
8時までに家を出ればいい。まだ少し余裕はある。


少し焦って準備をしているとインターフォンが鳴った。
こんな朝早くからめんどくさいと思いながら、彼宛てに届いた大きな荷物を受け取った。

彼の実家から新米が届いたのだろう。


少し重いそれを引きずるようにダイニングキッチンに運んだ。


すると作った記憶のない小さなハンバーグがテーブルの上に置かれていた。
ラップ越しのそれを触ってみると、ほんのり温かい。
ハンバーグに添えられたソースは私のオリジナルのそれによく似ている。


私が寝ている間に彼が帰ってきたのだろうか。
いや、そうとしか考えられない。彼は一体何のためにここに帰ってきたのだろう。
それにしても彼は料理を作っている姿は見た事がない。
一体何がどうなって…



テレビから8時の時報が聞こえる。



余計な事を考えている時間はない。
もうさっさと仕事にいかなきゃ…

私はそそくさと支度を整え、再度忘れ物がないか部屋を見回した。
これで大丈夫だろう。


テレビを消そうとリモコンを探したが、なかなか見つからない。
慌てているときはよくあるものだ。
さっきまであったのになぁ…
おっちょこちょいな自分に苦笑いをしながら主電源ごと切ろうとテレビに近づいた。


近くの山で両足と左手の薬指を切断された男性の変死体が見つかったらしい。
死後1週間以上が経過していて、切断された部分はまだ見つかっていないそうだ。

更に、悲惨なニュースは続く、民家で4人の惨殺死体が見つかったらしい。
続きが気になる所だけれど、もういかなきゃ…

私は思い直して、主電源をオフにした。


それにしても…世の中、物騒な事もあるものだ。
いや、事実そこまでの悲惨な状況ではないにしても、私自身も割と物騒な事に巻き込まれてしまっているではないか。
そう思うと、少しだけ笑えてきた。


私は駅を目指して家を飛び出した。次の電車に間に合えば遅刻を免れることができるだろう。




そのとき、私は自分の左手の異変に気付く事はなかった。

コメント(2)

((((;゚Д゚)))))))読み直してもこえー
てか加筆された部分がどこなのかまったくわからんかった(笑)
ヨーデルさん/

おかしな日本語をちょっと直したのと、少しだけ真相を分かりやすくした感じです。
日ロワのとき最初の5コメくらいまでは謎解きスレになって無効票だったのでwwwwww

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