THE　半ば面白い話（仮）コミュの【ＳＤ３】電車に乗ったんよ・・・ (ｼｭｳﾄ)

男は最終電車に駆け込み乗車する！

ピシューーーー・・・ッガタン！

ドアが閉まる。

男（はぁっ、はぁっ、

なんとか間に合ったぁっ！）

荒れる呼吸を落ち着かせる。そして車内の椅子に深く腰掛けてため息をつく。

男（ふぅ、やっと今日も終わった）

男の名前は山田一郎（32）

証券会社に務める彼は、奥手な性格が邪魔をして仕事でもこれといった成果は無く、そして私生活でも未だに独身。それどころか恋愛すら経験した事も無く、いわばこの年にしてまだチェリーボーイなのである。

毎日まいにち会社と家の往復のみの生活。しかしながら、そんな生活に本人は不満すら無い様子。唯一の趣味と言えば、SNSの世界にて自分を開放する事である。

ちなみに彼は、そのSNSの世界ではちょっとした有名人でもあったのです。

ハンネは【電車男】

まさに電車男が最終電車に乗ったという訳だ。

そんな山田の呼吸もある程度落ち着きました。

辺りを見回す。

最終電車ともあり人は少ない。

山田（また１人かぁ）

と心の中で思ったその時でした。

アナウンス【つぎは～○○えきぃ～。

次は○○駅でございま～す】

山田の降りる駅はあと３駅先。そんな○○駅にて、山田と同じ車両に１人の女性が乗車して来ました。

乗車して来た女性はゆっくりとこちら側へと歩み寄ってくる。

その乗車して来た女性に山田はふと目をやる・・・

その女性を見た山田・・・

・

・

・

山田（な・な・な・・・

なんだあの女性はぁっ！！？）

なんと・・・

その女性ですが、顔は酷い火傷を負ってズクズクに爛れた状態であり、そして着ている衣類もボロボロ・・・

山田は慌てて目線を降ろす！

山田（えっ！

ええっ！？

エエエエエエエエエエッッ！？！？）

女性の足元に目線をやった山田。思わず声が漏れそうになるのを必死に抑える！！

山田（足が・・・

足が無いっっ！！！）

なんとその女性、その女性には足が無かったのです！

山田（おいおい・・・まさか・・・まさかの幽霊！？）

山田は自分に言い聞かせます

山田（落ち着け！落ち着けオレ！相手とは目が合っていない！知らないフリ・・・

違う！寝たフリだ！寝たフリをしてこの場を切り抜けよう！）

そう自分に言い聞かせると、山田は強く目を閉じた。

山田（オレは寝てる。

オレは何も見てない。

オレは何も知らない。

オレは何も見てない。

オレは何も知らない。

オレは・・・）

繰り返し自分の心の中で唱え続ける。

目を閉じている山田だが、その幽霊であろう女性がどんどんこちらに近付いてくる気配は感じていた！

山田（おいっ！何でこっちに近付いて来るんだよ！？）

山田はさらに強く目を閉じる！

スタ・・・スタ・・・

スタ・・・スタ・・・

どんどん近付いて来る！！

そして・・・

ふ・・・フワッ・・・

右側の頬に生暖かい風が当たる！目を閉じている山田、その顔を少しずつ下に傾けながら、右側の目を少しだけ開く・・・

パチッッ！

山田（なんで隣に座ってるんだーーーっ？）

なんと！

その女性、数ある座席の中で事もあろうか山田の隣に座っていたのでありました！

薄っすらと見えた女性の左手

顔と同じく、酷い火傷の様な跡がクッキリと解る

山田はたまらず左側の窓ガラスに顔を少しずつ傾ける

山田（なんだよ・・・

なんだよこいつは！？）

完全に顔を傾けた山田。安心したのか、ふと目を開いてみる

パッ!!!!

・・・

・・・・・・

山田（あ━━━━━━━━━━━━!!!!）

窓ガラスに反射した車内を見てビックリする山田！

隣に座っている幽霊らしき女性！

なんとその女性、身体を完全に山田の右下側から見上げながら、そして覗き込むかの様な格好で座していたのであった！

山田（うわぁぁぁぁっ！こ、これはヤバいよ！！

とりあえず

とりあえず知らん顔しておこう！）

そして山田は目を閉じる。

しかし！

ふぅぅぅ・・・

っすぅぅぅぅ・・・

ふぅぅぅ・・・

っすぅぅぅぅ・・・

耳元で女性の吐息が聴こえる！それと同時に女性の吐く息が右側の耳に当たる！！山田の手は震え始める！ガタガタと震え始める！今まで生きて来てこの様な心霊体験を経験した事の無い山田は頭がパニック状態に陥る！まだか・・・まだ着かないのか！？いや、むしろ次の停車駅で降りよう！あと２駅あるが、歩けば良いじゃないか！それに最悪タクシーって手もある！！よし・・・次だ！次の停車駅でオレは降りよう・・・絶対に降りよう！！！）

しばらくすると、女性の吐息が当たらなくなった。

そして

女性『ちっ！この男にも私の姿は写らないか』

突然ボソッと一言漏らした。

山田（よ・・・よかったぁ～っ！

気付かれてないみたいだ！？）

どうやら上手く女性をかわしたみたいだ！

しかし女性はまたも呟く！

女性『わたし・・・わたしはここにいるよぉぉ

貴方の隣にわたしはいるよぉぉ！！』

山田に語りかける女性の幽霊！

山田は目を閉じ、そしてじっと耐える！その後も女性は呟き続けるが、山田は耐える！耐えて耐えて耐えまくる！！！

するとやがて・・・

アナウンス【つぎは～□□えきぃ～。

次は□□駅でございま～す】

ついに来た！

山田の降りる最寄りの駅についに辿り着いた！

高鳴る胸の鼓動を抑えながら、山田は電車が停止するまで時を待つ！

山田（もう少し！

もう少しで到着するっ！）

ドンドン電車のスピードが緩くなる。

そして

っぷしゅゅゅゅゅゅゅゅ・・・・・ぅぅ!!

電車が停止した！

山田はその瞬間、立ち上がると同時に目をカッと開く！そして出口に目線を向けて出口に向かい出します！！

しか～しっ！！！

ガシッ!!!!!!!!!!

女性は山田の右手を強く握り締めた！

そして

女性『おぉぉぉまぁぁぁえぇぇぇッッ！

ほんとうは・・・』

女性『『『『ホントウハミエテタンダロォォォッッ！』』』』

山田『ッッギャ━━━━━━━━━━━━━━━━━━ッッ!!!!!!』

━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━

その日を最後に山田は姿を消した・・・

実はあの時

山田が降りようとして出口に向かう際！

その時山田はやってはいけないある事をしてしまったのであった！

出口に気持ちが捕らわれた山田は慌てて降りようとして出口に進みます！

その際に！

すくっ！

なんと山田、その女性の幽霊を無意識にまたいでしまったのであった！

またぐ＝見えてた

そのせいで山田はその幽霊らしき女性に捕まってしまったのであった・・・

この話し、東京～埼玉に繋がる路線で本当にあったと言われている都市伝説の１つみたいです

信じるか信じないかは

あなた次第です！

おわり