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THE 半ば面白い話(仮)コミュの【長文・微シモ】ブラウンの憂鬱 (ヨーデル)

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とに面に投稿して一つもコメント貰えずに沈んで行ったお話です。
供養も兼ねてここにドロップ


===========

※このお話は2011年7月24日より前に書いたものです※


Y家に在籍して20年になるアナログテレビの「ブラウンさん」
地デジ化完全移行を目前に控え、
この度正式に廃品として処理されることが決まった。


彼に残された時間は、あとわずか。




〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜


ブラウン(以下、ブラ):はぁ〜、切ねぇ。世知辛ぇ。
まさかこんな形でこの家を去ることになるなんて。

くそぅ

や、
別に親父さん達のことを恨んでるわけじゃない。
逆に感謝してるくらいさ。
ほんとによくかわいがってもらったからな。



ボケ症状が出るたびに
斜め45度の角度でどつかれてた先代に代わり、
俺が居間三代目を引き継いでから20年、
長かったのか短かったのか、
もうそれすらわかんなくなっちまった。

俺がこの家に来たのは暑い暑い夏の日だった。
親父さんが
「ご近所でどこよりもでっかいテレビを買ったぞ!」
ってな、そりゃもうみんな俺の事キラキラとした表情で眺めるんだ。
今でもよく覚えてる。

夜になると親父さんはビール片手に、
他のみんなは、
畑で採れたとうもろこしにかぶりつきながら、
野球のナイター中継を一喜一憂しながら観戦してた。

穏やかだった。

団欒の輪の中に、
確実に俺も存在していたんだ。


今は、ナイター中継なんて
ほとんどやってないもんな…
はぁ、世知辛ぇ。


最期の瞬間が近づくほどに、
昔のことばかり思い出してしまう。


俺より先に旅立っていった、
大切な仲間(家電)たちとの思い出、

そして奴の事も…。





仲間はたくさんいた。

ずっと連れ添ってくれたビデオデッキの松子、
二年前に逝っちまった。
あんときは号泣するあまり漏電を起こしちまった。
最初で最後の出来事だ。
もうすぐ、会えるのかぁ



ラジオのジョニーとの連携プレーは親父さんにすごく定評があった。
あっちでまた、コンビ組めるかな(笑)


こたつのバーニー。
あいつは冬の間はすげー態度でかいくせに
春が近づくと涙目になってシュンとしてたな。
「違うニー!これは花粉症のせいだニー」って、やかましわ!(笑)
実はそんな強がりなところ、好きだったんだぜ。


掃除機のバキュ美のテクは凄まじかったなぁ。
よくワープロのポン君と取り合って喧嘩したもんだ。

で、喧嘩のたびに二層式洗濯機の源さんに怒られてたんだ。
おっと、こんなこと松子にばれたら解体されちまうな(笑)


そういやマッサージ機の揉み奈のテクも(ry
よくワーp(ry
やっぱり源さんに(ry
おtt(ry


あ、秘め事で思いだしちまった、
ビデオカメラのレック。
あいつは最低だ。
俺とカミさんの夜の生活をずーーっと盗撮してたんだぜ?
信じらんねーだろ?
発覚した時は殺意を覚えたね。

ブラ:お前のその自慢のレンズ、
牛乳ビンのフタに変えてやろうか!
冷蔵庫のフリーザ様に頼めば容易い事なんだぜ!

って脅したらあっさりビビリやがって(笑)

結局証拠のテープと、レックがお宝として隠し持ってた
<バキュ美と揉み奈の極秘プライベートからみ映像>
を頂戴する形で手打ちにしたんだ♪


…あとでわかったんだけど、
その映像は松子を通してしか見れないの(笑)
俺バカスwwwww
ま、若かったって事さ。





フリーザ様が引退したあと
俺は跡を引き継いで「家電元締め」の地位についた。
(フリーザ様引退の理由は諸説流れたが、
『野菜室の冷却不能説』が最有力だ。)


俺は面倒見が良い方だったからみんなから慕われた。
多少のいざこざはあったけど
とにかくすごく平和な時間が過ぎて行ったんだ。

実は裏でレックによく働いてもらってたんだけどね。
感謝してるよレック。あのときは言えなかったけど、
あっちに逝ったらちゃんと礼を言うよ。
監視ご苦労さま♪


こうして俺は黄金時代を築いたんだ。


でも、幸せはそう長くは続かない。
奴が現れてから家の中が変わっちまった…。




前触れもなくやってきた

パーソナルコンピュータのマードック


無表情、冷徹かつ無慈悲、
まるで機械のような機械だ。
何を考えているかわからない、
?みどころのない男。
能力も未知だった。


奴が家に来て最初に行なったのは、
Y家の「家族」を自分のものにするということ。
どうやったのかはわからないが
親父さん達はみるみるマードックに心酔していった。
とりわけ息子さんののめり込み具合は
異常と言ってもよいくらいだった。


奴が家族のみんなを味方につけてからというもの、
続々とマードック派の新顔が増えていった。
そしてタイミングが悪いことに、
俺の同志達もこれを境にバタバタと死んでいったんだ。
多くは病死や老衰死だったんだが
不自然な事故死や変死もちらほらと見てとれた。

例えばレックの時がそうだった…。

今思えば、
あれは奴らの仕業だったのかもしれない。


こうして満足に別れを言えないまま
入れ替わりで新参が増えて行き、
その誰もがマードックを支持した。
なにやら皆「いんたーねっと」ってやつを通じてY家にきたらしい。


ただ、新参の中で唯一マードック派に加わらなかった男がいた。

ポットのムッシュ。

彼曰く、

ムシュ:この家に来て早々、窓のやつに言われたんだよ。
「お前を招いたのは私だ。私に従え。そうすれば悪いようにはしない。ただし私に逆らえばお前はただの鉄クズと化すだろう。」
だとさ。笑っちまうだろ?
ふざけんなって。
俺は窓の為に雇われたんじゃない。
家主の為にここへ来たんだ。
そんな要求蹴ってやったさ(笑)


鼻っ柱の強い男ムッシュ。
彼が遺体で見つかったのはその1週間後のことだった。


ムッシュの死は見せしめとなり、
マードックの統率はより堅牢さを増していった。



マードックによる恐怖政治の始まりだった。




奴が2台に増えた頃、
俺は役職を外された。

無理もない。

親父さんが夜にニュースをちょろっと見てくれる以外は誰も俺を使ってはくれなかった。

松子にいたっては随分前にコンセントを抜かれたままだ。


ウド、木偶、地蔵、カサバリアン、

いろんな蔑称で奴らにからかわれた。
腹が立つより前に、
(松子が眠っていてくれて良かった。)
と思ってしまう自分が心底情けなかった…。

そんな俺がマードック派の奴らに
いくら意見を述べても無駄だった。


マードックの狙いがなんなのかはわからない。
ただ確実に家族間の関係は悪化していった。

揃って食事することもなくなり、
会話も減った。
たまにしゃべれば口喧嘩ばかり。



悲しくなった。



家族がマードックに向ける笑顔は
俺の知ってる笑顔じゃない。

あの、

あの団欒の日々をもう一度

それを信念に俺はこの暗黒の時代を生き続けた。


たしかに俺は旧世代のシロモノだ。

だがここにいる。
ちゃんと生きている。

親父さんはたとえ少しの時間であっても毎日欠かさず俺に血を通わせてくれているんだ!

きっと俺にしか出来ないことがある。
そう思うには十分なくらいまばゆい、小さな希望。

いつの日かきっと…



そうやって
必死で生きてきたのに…




完 全 デ ジ タ ル 化 移 行







ここにきて
この仕打ち


俺、、、
故障なんてしてないよ?
来た頃のまま、
いやもっと鮮明に映すから!
頑張れるんだよ?
20年もいたんだよ?
いやだよ。
ここで俺がいなくなったら、、、


くそぅ

まさかバーニーの気持ちが今わかるなんてな…


グスッ



はぁ〜世知辛ぇ。





…ズズッパー

スマン、
前置きが長くなっちまったな。

お前を呼んだのはズバリ俺の意志を継いでもらう為だ。


抜群の知名度、
100年先でも通じるであろう完成されたフォルム、
シンプルな使い勝手、
信頼のある実績と性能、


Y家の未来はお前に託した!
俺の最後の弟子、、、





電マのチャッピー!!



電マ:はい!!!!

ブラ:良い返事だ!時代は流れる。でもお前はその流れに溺れず生き残るんだ!

電マ:イエス!サバイブ!!

ブラ:上手い事言ったな(笑)

電マ:いえいえ、それほどでも///
あの、師匠、褒めてくださるのは嬉しいんですが一つ疑問が…。

ブラ:なんだ?言ってみろ。

電マ:えっと、(家主の)奥さんって去年死んじゃいましたよね?
てことはこのY家には男だけ…。つまり、

40近くになってニートで童貞の一人息子が結婚するとかしないかぎりは僕の出番はないんじゃ?


ブラ:…あっ!


電マ:「あ」じゃなくて何とか言ってよ!


ブラ:……

電マ:おい!


ブラ:…えー、明日からのこの時間は「電マ・チャッピーによる独りよがり劇場」をお送りいたしま
電マ:いや笑えないし上手くもないし


ブラ:……(汗





ブラ:と!!!!
電マ:(ビクンッ)

ブラ:いったところでお時間が来ました。また来世でお会いしましょう!バ〜〜イブ
電マ:言わせねーよ(*゚益゚)!


ブラ: (+д+)





ザザッ…ザーーーーーーー…

(おしまい)

コメント(6)

とにおもで1つもコメント付かないって逆に凄いよΣ( ̄□ ̄;)!!
長文らしいので僕は読まないけど誰か読んであげてね手(パー)うれしい顔
ブラウンさんはマードックの出力端子にディルdじゃなくてアナログ出力変換アダプタつけて挿れてもらえば、新しい世界拓けたんジャマイカ
> シャナク

でびーさんのは長くても読むくせにー


> だんぞうさん

調教→開発www
やりましょうか?腐女子ホイホイ!w
技量がなかとです…
アナログなオイラには心温まるお話でした(*^o^*)
電マのチャッピー!! さんに朗報です。
電マにオナホを装着するキットが発売されてる模様。w

面白かった。

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