メルプロジェクト1月公開研究会 ○日 時 1月22日(土)午後3:00〜6:00 ○場 所 東京大学本郷キャンパス・大学院情報学環アネックス2F会議室 Meeting Room of the Annex Buiding 2F, Joho-Gakkan(iii), the University of Tokyo <http://www.iii.u-tokyo.ac.jp>の地図を参照して下さい ○テーマ 「市民メディアとデジタル・テクノロジー:北欧と日本、メディアの夢」 Citizen Media and Digital Technologies: Dreams of Media in Nordic Countries and Japan ○報告者 アスケ・ダム(メディア・プロデューサー/アーティスト、 東京大学大学院情報学環国際研究員) ○コーディネーター 小川明子(愛知淑徳大学現代社会学部専任講師) 水越伸(東京大学大学院情報学環助教授) ○コメンテーター 草原真知子(早稲田大学文学部教授) ○概要 新しい情報テクノロジーを、ビジネスや消費の文化によってだけではな く、子どもの遊びや市民の文化のなかで活用し、メディア表現や芸術を展 開していくためにはどうすればよいのでしょうか。これは、映画やラジオ が社会に姿をあらわした20世紀初頭からネットやケータイがあふれかえっ た21世紀初頭の現在にいたるまで、くり返し問いなおされてきた課題でし た。 今あるメディアの社会的なありさまを厳しく批判しながら、しかしメディ アが潜在的に持っている可能性を信じ続けること。マスメディアのプロや 芸術家たちがくりひろげる先端的な表現や芸術に瞠目しながら、鶴見俊輔 が語った「限界芸術(marginal arts)」のような、地域に住む普通の人々 によるメディア表現の喜びを大切にすること。アスケ・ダムさんは、これ らを可能にする絶妙のバランス感覚の上に、メディアとアート、そしてテ クノロジーをとらえ、北欧諸国と日本を中心に世界のメディア状況をみつ め、参画し、プロデュースして来られました。 今回は、まず1970年代以降の市民メディアとデジタル・テクノロジー の歴史的展開について、自らの経験を踏まえたお話をしていただきます。 日本の関係者がとうに忘れてしまった数十年前の日本のメディア表現に関 する、アスケさんが撮られた貴重なドキュメンタリーの数々もご紹介して もらいます。その上で、現在北欧などで展開中のデジタル・ストーリー・ テリング(digital story telling)やケータイを介したメディア表現やリテ ラシーの動向について、たくさんの映像や実物を見せてもらいながら語っ ていただく予定です。 この報告を踏まえ、メディア・アートとテクノロジーの理論と実践を展 開する草原真知子さん、市民メディアやローカリティの研究に取り組むメ ディア論の小川明子さん、メディア・アート関係者の方などからコメント をいただきつつ、みなさんとともに批判力と構想力を持った「したたかな メディアの夢のありよう」を議論していきたいと思っています。 みなさまお誘い合わせの上、ふるってご参加ください。 (参考資料)アスケ・ダム著/小川明子訳「メディア・アート・コミュニ ケーション:北欧と日本、メディアの夢」??水越伸・吉見俊哉編『メディ ア・プラクティス:媒体を創って世界を変える』(せりか書房、2003)所収