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小説・ストロベリーコミュのストロベリー・10

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覚醒


昼の日差しを受けながら山を歩く俺がいた
俺の記憶ではこの山で青い鳥を描いたはずだ・・・
姫野さんは確実にここにいる、根拠のない自信がそこにあった
全ての過去を思い出したわけではなかったが
自分の幸せには姫野一枝という女性が必要というのは分かっていた
俺は姫野さんを探して山の中に入って行った
そして、分かっていたように自分が向かった場所に姫野一枝がそこにいた
俺は嬉しさを感じながら「姫野さん。」と声をかけた
一日ぶりだが、姫野さんの姿を見た俺は心がドキュンとした
恋のような気持ちなのか?愛という気持ちなのか?そんな気持ちと重なる様に姫野一枝という女性に会えたのが俺は嬉しかった
俺が声をかけると、待っていましたという視線で姫野一枝は俺を見返した
「DAIHUKU・・・・・・・・・・。」
姫野さんが俺を見ながらそう呟いた
「みつけたよ・・・。」
俺がそう言い姫野さんに近づいて行った
「全てを思い出したの?」
姫野さんが俺に質問してきた、俺は正直な答えとして首を横に振った
俺の動きを見た姫野さんは少し考えた後に俺に再び問いかけてきた
「あだ名の由来は分かるの?あなたが付けたあだ名?」
姫野さんが俺に質問してきた
俺は姫野さんを見ながら仲間のあだ名を一人一人思い出そうとした
「ヨッシー事、若林光彦のあだ名の由来は?」
姫野さんは俺にまず若林について訪ねてきた
「なんでも喰い付く性分からスーパーマリオに出てくる恐竜のヨッシーからとってヨッシー!!!」俺がそう話すと姫野さんは少し笑いつつ「正解!!!」と答えた
俺は少し、疑問になり姫野さんに質問をしようと話しかけた
「姫野さん、貴女は全てを思い出したの?」
俺がそう話すと姫野さんは小さく頷き再び俺に質問してきた
「ダークホース事、新屋孝史のあだ名の由来は?」
姫野さんがそう話すと俺はすぐさま
「あいつの趣味の競馬で人気薄の穴馬で数多くの馬券を当てた実績と穴馬つまりダークホースを探す能力を含めてダークホースと付けられたはずだ。」
俺がそう言い姫野さんを見た
姫野さんも少し歩きつつ俺の周りを回りながら
「元宮朋のトマトは上から読んでも下から読んでも、まあ、正確にいえば違うけどトマトとはそういう由来できているの。」
姫野さんがそう言い俺の目の前まで来て
「菅生愛美のピーチはただ単純にあの子が果物のピーチが好きだったから・・・・。」
姫野さんが俺に何かを思い出してくださいという表情を浮かべながら
「私のストロベリーの由来は?」
姫野さんの訪ねに俺はすぐさま分かり切った答えである
「4文字熟語の一期一会からとって、女の子らしくストロベリー。」
俺がそう話すと姫野さんは再び俺の顔を真剣に見つつ
「では、貴方のDAIHUKUの由来は分かりますか?」
姫野さんの問いかけに俺は再び頭を整理しようとした
DAIHUKU?つまり、俺のあだ名である
どうして、このあだ名?俺は自分の記憶を疑いつつDAIHUKUの意味を必死に考えていた。どうして、俺だけがあだ名の由来が分からない?自分のあだ名だぞ?DAIHUKUとは和菓子の定番?だから分からないのか?意味が分からない?俺はしばらくの思考のあとに姫野さんを再び見た、俺はその時に姫野さんが俺を見つめながら微笑んでいるのに気付いた。
俺はそんな姫野さんに「なんで笑っているの?」そう訪ねると
姫野さんは俺の花を自分の指で突きながら
「DAIHUKUの名付け親は私なのよ。」
そう言い俺に愛らしい笑顔を見せた
「あだ名の由来聞きたい?」
姫野さんは俺の目を見ながらそう口にした
俺は「・・・・・。」と考えつつ少し姫野さんから距離をとった、そんな俺に姫野さんは少し怒った顔をしつつ再び「聞きたいの?」と訪ねてきたので俺は改めて「教えて。」と答えた
「あなたのDAIHUKUは私に大きな福を運んでくれた人としてそうあなたにあだ名をつけたのよ。私にはあなたに大きな福があるような感じでそう呼んだの。」
姫野さんがそう話した時に俺はその姫野さんの可愛らしい顔や姫野さんの女の子らしい華奢な体格や愛らしい笑顔やその仕草、全てが俺の大好きな女の子という記憶がでてきた全てが思い出せそうな感覚になってきた、俺は目の前にいる姫野さんが懐かしいという感情なのか愛したい気持ちからかそれとも愛おしい思いからかその場で姫野さんを抱きしめてしまった、多少の強引な抱きしめに姫野さんは意表を突かれた感じで驚きを俺に見せつつも顔は嫌がってはいなかった
「待っていた・・・。」
「本当に?」
「思い出せそう?」
「あと少しで・・。」
「そう・・・・。」
俺と姫野さんは抱き合いながら小声で二人、喋りつつも姫野さんは俺の腕から離れ近くにあった袋から一枚の絵を取りだした。
「この絵は?」
俺がそう訪ねると姫野さんは
「貴方の描いた、青い鳥よ・・・。」
とそう言い俺にその絵を見せてくれた
その絵は大きな山々を2羽の青い鳥が空を裂くという感じで空を羽ばたいている様子が絵を見るだけでそう思えるような絵だった
この絵を自分が描いたのか?というのがぱっと見の俺の印象だったがその絵を見て俺の頭の中で何かが動き出した感じだった。
そんな俺に姫野さんは真剣そうな口調で
「お願い、山下さん・・・・。全てを思い出してあの時の続きを聞かしてください・・。」
そう言い俺の言葉を待っているかのように頭を抱えている俺の前に立っていた
俺は俺でそんな姫野さんに何かを伝えなくては?いや伝える?違う俺は彼女に告白しようとしていたのだった・・・・


苺大福


目の前にいる山下さんは一年前と同じ顔をしている
全てを取り戻した感じを私は感じていた
ふと、彼の一年前が頭を過った
高根の花と思われている?
自分には無理?
勝手に自己完結するなよ
これが最初の山下豊さんから抱いた印象だった
幻想的な絵を描く人とは最初の出会いで分かっていた
私は絵にも興味を持ったがそれと同じくらいにその絵を描く山下豊にも興味を持った
数回のデートを重ねた
私には楽しいデートなのだが、彼の頭にはどう思っているのだろう?
好きな気持ちは伝わっていた
問題はその後にある・・・・・・・
女の子を助けてお互いの記憶が無くなった
でも、全てを取り戻すべく友達が動いてくれた
DAIHUKUは私のメッセージに気付きここまで私を探しに来てくれた
私は嬉しかった
だが、彼はまだ全てを思い出していない・・
それなら、それで私も協力したい
あだ名の由来や青い鳥で彼の記憶は全て戻ったような気がした
あの時のあの続きがようやく私は聞けるみたいだ
一年という長い歳月をかけて・・・・
「ストロベリー・・・。」
山下さんが私をそう呼んだ
「思い出してくれたの?」
「ああ・・・。何もかも・・・。」
「私は聞きたいの・・・あの時の続きを・・・。」
「俺は君に伝えたい・・・俺は君に告白したい・・・。」
山下さんは一年前と同じ雰囲気で私を見つめてくれた
私はその目で心がドキドキしていた
こういう気持ちも私には一年ぶりだった
「最初は君との容姿の違いに何か近寄りがたいものを感じていた、君は可愛らしい女の子でモテルというイメージが僕にはあったからだ。君に声をかけられた時の僕の心境はまさしくこの山を飛ぶ僕の描いた青い鳥のように羽ばたいたよ。」
山下さんはそう言い私の肩を掴んだ
今の私はただ山下さんの言葉を聞いていた
「そして、俺は君とのデートを重ねてここで君に言いたかった・・・。ただ、あの時は事故でそれが言えなかった。でも、友人のお陰で俺は再び君とこの場所にいる・・・。」
「あの時と私達は何も変わっていない、それは私の気持ちも・・・・。」
「嬉しいよ、ストロベリー・・・・。君は俺に包み込む優しさを求めていた俺につけたあだ名はDAIHUKU。俺が君につけたあだ名はストロベリー・・・・・。」
山下さんは私に目を真剣に見ていた、彼の顔は私の顔ともう30Cmも離れてはなくかなり近い距離だった
「俺は不釣り合いという気持ちはあったが大切なのは結果ではない君に思いを伝える事、俺は君を包み込んであげたい俺のこの腕でそして愛してあげたい。そして、DAIHUKUとストロベリーという一見、合いそうも二つの物も合わしてみたらとても美味しくなる関係になる。俺が君を包み込む事により・・・・。俺はそうあの時、君に伝えたかった・
・・。」山下さんはそう言い私の答えを待っていた
苺大福?そういう答えなの?合いそうにもない二つが合わして見るととても美味しく甘酸っぱくある意味最強の組み合わせになる・・・私はそう心に思い
しばらくの沈黙の後に山下さんの目を見て
「二人で苺大福になろう・・・・。」
私がそう答えると山下さんは私の顔を見つめ優しくキッスをしてきた
二人の唇が重なり合うイチゴとダイフクの甘酸っぱい恋の始まりの気がした・・
キッスは数秒間続いていた
それぞれの思いと過去が唇のように重なり合っていた
キッスの後に山下さんは再び私の目を見つめた後に
「これを、あげたかったのだ・・・。」
とそう言い青い鳥の額を外して中から指輪を取りだした
私は驚きその指輪をただただ唖然と見つめて
「こんなところに・・・どうして?」
私がそう問いかけると
「あの時、君に渡したくてね・・・・。」
そう言い山下さんは私の薬指に指輪を嵌めてくれた
「俺の幸せの青い鳥は君という幸せを運んでくれた。」
「うううん?私の幸せが貴方の青い鳥に呼ばれたのよ・・・。」
「よせよ、照れるよ・・・。」
私達はそう話し二人とも全てを思い出していた
お互いの幸せが見えてきたような気がしていた
「帰ろう・・・。」
山下さんがそう言ったので私は山下さんと手を繋ぎながら帰る事にした
愛美達には
「苺大福になって帰ります・・・・・。」
というメールを一件送っていたのだ
このメールを見て愛美達はどう思うのか?今の私にはその事も楽しみの一つになっていた
「何を笑っているの?」
山下さんが私に訪ねてきた
「秘密よ・・・。」
私は山下さんに笑顔でそう答えた
苺大福とは何ていい組み合わせだな・・・・と心の中で思う私がいた
この言葉を私は一年待った
待ったうえでその言葉は私にとって
ケッコー気にいったみたいだ


幸せの定義


行きからくらべて帰りの道、それは楽しかった
隣には姫野さんが当たり前のように俺と同じ道を歩いている
姫野さんが俺に話しかけてきた
「さっき、愛美からメールがきてね。真帆ちゃんとかも呼んでお祝いしたいって!!!ていうか私と孝史さんが婚約するからお祝いしてって・・。」
と姫野さんは嬉しそうに俺に話しかけてきた
俺は「そっか・・・。」と言いつつも自らの幸せについて考えてみた
幸せとは自らの力で掴んでこそ価値があるもの
俺は一年ぶりに思い出し思った事があった
姫野さんを守ってあげたい、包み込んで優しくしてあげたい
彼女がイチゴなら僕はダイフク・・・つまり苺大福
その事も俺の一つの幸せの形である
姫野さんの幸せの一つの俺があるのならそれも俺の幸せなのだろう
自分達の時間を削ってまで動いてくれた仲間達
彼らの友情も俺の幸せであり、無償で動いてくれた事その事からも
俺のために彼らが当たり前のようにしてくれた事
その事に報いる事も友たちへの幸せの恩返しなのかもしれない
俺と姫野さんは若林の車に乗り自宅に向かった
俺たち二人が姫野さんのアパートに着くころにはそこには4人の他に真帆ちゃんや
姫野さんの主治医の神谷文吾先生もいた
後から思い出したのだが神谷先生はこの俺の主治医でもあったみたいだった
そこにいるみんなの顔は「お帰りなさい。」の雰囲気がでていて
俺に対しての幸せを心から喜んでいる様子だった
俺は祝福されている、心から嬉しかった
「私、幸せだよ。」
隣で姫野さんが俺を見てそう言い皆に指輪を見せていた
一年ぶりというか一年かけて渡したというのが一番正しいのか
「幸せそうだな、お前ら?」
若林がそう言い俺を見た
「幸せだよ。」
俺はそう答えた後に
「若林、一つ聞いていいか?」
「なんだ?」
「幸せってなんなのだろう?」
「幸せか?」
「ああ、幸せだ。」
俺の問いかけに若林は真剣に考え出した
真面目な若林は真剣に考え出していた
そこまで真面目に考えなくてもと俺がそう思いかけていると若林は
何かを考えとしてまとめた後に俺を見て
「俺にとってここにいる事が幸せだよ、この仲間の一員として入れる事が・・。うん、そうではない、お前達と出会えた事がとても幸せだよ。一期一会、今日という出会いを大切にしなくては。」
「すこし、違うが嬉しいよ。」
俺は若林の言葉に少し心がジーンとしてしまった
確かにそのとおりなのかもしれない
すると真帆ちゃんが俺に話しかけてきた
「私の幸せは今日という今を生きている事です。」
そう言い俺に微笑み別の場所へ行き新屋とか菅生さんと話していた
今日という一日を今、生きるか・・・確かにあの子の命を俺は救ってあげた
だから、あの子は今を生きているだから出た言葉か?
いや、それだけではない何気ない毎日を精一杯生きることそれだけでも幸せではないのだろうか?
俺はそう思い姫野さんに問いかけた
「姫野さん。」
「何?」
「姫野さんの幸せは何?」
俺の問いかけに姫野さんは少し考えた後に
「私の幸せは今日一日をどういう幸せを見つめるかよ・・。さあ、豊も飲みに行きましょう。」そう姫野さんはいい俺の手を持ちお酒がおいてあるテーブルに向かおうとした
俺は思う、幸せは自分で考えるようなものではないし、人から教えてもらうものでもない、ただその幸せは考えなくても自ら感じてそれは目には見えないが心で感じていくものだと思う今日の日記のタイトルは青い鳥みつけたに決まりそうだ・・・・



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