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ルビー&レ*ボーイズが大好き!!コミュの季刊発行ウェブ限定マガジン 「ルビレボ*群像」 創刊号

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大変長らくお待たせ致しました。

副管理人ひまわりキティーズさん持ち込み企画!
季刊発行 コミュ限定配信!「ルビレボ*群像」発刊のご挨拶です。

ルビレボを愛する全ての皆様の、皆様による、皆様のための文藝企画!
「ルビレボ*群像」では.,ルビレボをテーマにした小説、詩などの純文学を
自選・他薦問わず編集部の厳選な審査のもと不定期で掲載していきます。

誌名は昭和を代表する日本の文芸誌、「群像」から命名させていただきました。


創刊特集といたしまして、サイドギターアンディさん作の珠玉の小説、
「銀の譜面台」の連載を開始致します。

銀の譜面台とそれを取り巻く人々による儚くも美しい物語とは?
本年度直木賞にもノミネートされかけた、もちろんゴーストライター一切ナシの
小説を最後までお楽しみください。




                    『銀の譜面台』 
                                                 アンディ・W 作
        
                        1 

 ターミナル駅から少しばかりのところの街角に絶つ小さなビル。ここに「スタジオルビー」
という音楽用の貸スタジオがある。ジャンルを問わずたくさんの人がこのスタジオを利用している。
 アンディはロックのバンドでギターを弾いている。ずいぶんと前からここのスタジオを使っている。
マッキーはベーシストでリズム・アンド・ブルースのバンドの紅一点のメンバーだ。よく似た時間に
練習するので、二つのバンドのメンバーはみんな那珂がいい。練習後、近くの居酒屋「綾太郎」に
集まって、いつも酒を飲んでいるのだ。
 個人練習にこのスタジオを利用している人もたくさんいる。ニーナはサックスの練習をしている。
時々居酒屋「綾太郎」に来ていることもあるが、いつも一人だ。彼女はプロのプレイヤーを目指して
いる。

 「スタジオルビー」にはいくつかの部屋があるが、Aスタジオにはちょっと豪華な感じの銀色の譜面台が
置かれている。なぜここに置かれているのかは誰も知らない。けれどこのAスタジオで練習すると、
上達が早いとか、プロで活躍する某はここで練習したとか、そんな風評が利用する人たちには広まって
いる。できればAスタジオを使いたいと、練習する人たちはみんな思っている。だから、予約はいつも
いっぱいとなり、抽選で決めることになっている。マッキーのバンドは、抽選によく当たっている。アンディ
のバンドも時々当たることもあるが、ニーナは抽選に外れてばっかりだ。プロを目指している自分は
ほとんど利用できなくて、趣味で演奏しているマッキーのバンドが、いつもいつも使っている。楽しそうに
練習しているマッキーを見ると、ニーナは腹立たしい気持ちになるのだ。なんでマッキーばかりが
Aスタジオを使っているのか。自分の運の悪さがマッキーへの怒りとなり、そして怒りはいつしか
憎しみの感情に変わっていくのだった。
 「マッキーが憎いずら!」



                        2

 アンディはレコードを集めるのが好きで中古レコード店によく行く。ある日、いつものようにレコード棚を
見ているとき、「ルビー」という名のアーティストのレコードを見つけた。1960年代末にでたカバー曲の
LPレコードのようだ。一番好きな時代のレコードだ。何曲かは知っている曲が入っているし、いつも使っている
スタジオと同じ名前なのも面白いと思って買うことにした。他にも何枚か購入し、家で聴いてみた。
オリジナルの歌手よりも素敵な歌声だ。明るくて、力強くて、そして切ない歌声だけれど、
暖かいものが感じられ、希望の光が見えるような歌声、そして何度も聴きたくなる、そんな歌声だ。
レコードジャケットには一人の女性の写真が配されている。この歌手の写真だろう。この表情、
この目の鋭さ、この顔をどこかで見たような気がする。いつも使うスタジオで、時々、
オーナーかと思われる女性がフロントに来ていることがあるが、その女性の表情に
似ているような気がする。このレコードの歌手も「ルビー」、スタジオの名前も「スタジオルビー」。
これは何か関連があるかも知れない。次にスタジオに行ったときに聞いて見ようと思うのだった。

 それから数日後、アンディは「スタジオルビー」にいった。練習以外で訪れるのは初めてだ。
スタジオのミーティングスペースに座ってオーナーが来るのを待った。この場所をゆっくり見るのは
ハジメテだったが、内装にも色々と気を配っているのがわかる。これはオーナーの好みなのか。
やがてオーナーが現れた。アンディは、彼女にレコードを見せて、見つけた経緯を話し、このレコードの
ルビーとはあなたのことですか、と尋ねた。彼女はレコードを見て少し驚いた様子だったが、自分が
このレコードのルビーであると認めて、少しずつ話してくれた。それは悲しい物語だった。


                        
                        3

 スタジオのオーナーは、歌手のルビーと同じ人物とわかったので、これから彼女のことをルビーと
呼ぶことにしよう。ルビーは昔、ジャズ喫茶で歌っていた。自分専属のバンドも持っていた。
バンドメンバーは彼女のことを慕っていて、とてもいいバンドだった。バンドのリーダーはドラム担当の
パパールという男で彼女の恋人でもあった。
歌手がだめになったら小さなスタジオでも作って暮らしていこうと二人は将来を誓い合って
いたのだった。
 そんなある日、レコード会社からレコードを出す話が持ち上がった。色々な作曲家が曲を作り、
早速バンドと一緒にレコーディングを行い、発売に合わせて全国をまわることになった。
コンサートで使用するために、少し豪華な銀色の譜面台も作った。
 しかし、レコードの発売も近づき、ツアーの準備も整い、やっととることのできた休日、ゴーカートで
遊んでいるときに、パパールが事故で死んだのだ。ルビーのショックは計り知れなかった。が、レコード
会社は、急遽別のドラマーをたててツアーを始めようとした。彼女も練習をしようとした。けれど、
スタジオで何曲か歌い、「砂の十字架」という曲を歌おうとしたとき、涙が止まらず、それ以後声が
出なくなり、歌えなくなってしまったのだ。
 ツアーの予定は総べてキャンセルされ、レコードの発売も中止となってしまった。彼女のために
作られた曲は、他の歌手が歌うことになり、それぞれその歌手の曲として知られるようになった。
レコードは発売直前に回収された。そして、ルビーの歌手としての人生は短くも終わってしまった。
彼女は全てを失った。残されたものは、スタジオを持とうという恋人との約束と、銀の譜面台だけだった。
 
 その後の彼女の人生は語られなかったのでよくわからないが、何年か前、ようやくスタジオを持つことができた。
「スタジオルビー」と名前をつけた。そして、銀の譜面台をAスタジオに置いた。


 
中編に続く






コメント(5)

編集部より

「ルビレボ*群像」編集部では、掲載する作品を募集しております。
我こそはという方がおられましたら、作品を編集部(京橋・カラオケ喫茶コンパ内)まで
お持ち下さい。

編集長:ジゲン
副編集長:ひまわりキティーズ(←勝手に任命)

宜しくお願い致します。
ジゲンさんトピック立て有り難うございます♪

アンディさんは物凄い文才をお持ちでビックリしました!

白昼にまどろんで見た夢のような魅力に満ち溢れてますね

「憎いずら!」の今後の展開が気になって堪りませんあせあせ(飛び散る汗)
>>[2]

アンディさんの小説、読みながらまるで景色が目に浮かぶような気がしました。

小説なので、もちろんフィクションなんですが、虚構と現実が交錯するような不思議な気持ちになりますね。
是非、8ミリビデオで実写化したい物語ですね!

続きが楽しみです!
ジゲンくんありがとうexclamation
アンディさん天才やろ☆〜(ゝ。∂)

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