仕事帰りには
必ず、寄った
あの、場所。
2人だけの
秘密の時間。
秘密の場所。
毎夜、毎夜
手を繋ぎ
ココロを重ね。
何を
語り合ったのか
今では、もう。
記憶の奥底に、沈んで
思い出すことすら
できない。
あの頃は
2人、離れても
忘れることは、ない。
忘れられる
ハズがない。
そう、思っていた。
それは、
あながち
間違いでは、なくて。
あれから
幾年かの月日が
経って。
記憶や想い出は
少しずつ、色を
失っていった。
それでも
切ないほどに
いま、なお。
忘れられず
鮮明に残るのは
あなたの笑顔と。
覚えていては
いけない
あの、約束。
流星群を
眺めながら
誓った、約束。
封じ込めた記憶は
些細なキッカケで
甦ってしまいそうで。
そんな時は、ひとり
空に向かって
呟いてみる。
『彼は、
約束なんて、
覚えていない』と。
そう、言い聞かせる
わたしの瞳に
映ったのは。
涙で、霞めども
あの日と同じ
しし座流星群。
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