[mixi]第147回（ストラヴィンスキー　バレエ音楽「 - クラシック音楽鑑賞会

[1] mixiユーザー 03月01日 00:59

この曲は35～40年前に足るほど聴きましたね(^O^;)

私は、メータ・ニューヨークフィル77年をもらいます。このリズミカルな打楽器群は、後のこの曲の演奏のスタンダードとなりました。

カラヤンが認めた3人の後継者候補、アバド、メータ、小沢のうち、小沢がニッポン的リズム、休符、間、を重要視する考えをクラシック音楽に取り入れたのに対抗し、メータはリズミカルなインドのリズムを取り入れました。どちらも後のクラシック音楽の演奏に大きな影響をあたえました。

結局いちばん地理的に正統派であるはずのアバドが、カラヤンの後継者になりましたが。

ストラヴィンスキー前後の名物作曲家を生誕順に並べてみますと、ストラヴィンスキーを最後に、ここらへんのグループは一旦しばし途絶えるんですね。諸先輩方にやりたいことはほとんどやり尽くされてしまい、最後に残ったのはもうエスニックしか選択肢がなかったのかもしれません。

しばらく後に出てくるガーシュインは、また別の方向のエスニックですし。

マーラー：1860-1911
ドビュッシー：1862-1918
リヒャルト・シュトラウス：1864-1949
ラフマニノフ：1873-1943
シェーンベルク：1874-1951
ラヴェル：1875-1937
ストラヴィンスキー：1882-1971
～
ガーシュイン：1898-1937

ハルサイの作曲初演された1913年は、シェーンベルクの12音技法はまだ試作段階。こういうプログレッシブな音楽は、最初は聴衆に受け入れられないものなんです。それでこそ後世に古典の仲間入りができる。ベートーヴェン然り、ビートルズ然り、、、

[2] mixiユーザー 03月01日 12:24

>>[1] あれっ、ロスフィルではなくニューヨークですか？

[3] mixiユーザー 03月01日 17:04

>>[2] ええ。ニューヨークのほう。

むかしLPでよく聴いたのは、ロスのほうでしたっけ(@o@?

[4] mixiユーザー 03月01日 20:02

>>[1] おぉ、トップパッターはメータで来ましたか。今やすっかり「古典」である春の祭典ですが、ハイドンから続く一連の古典派の流れの中で、確かに「やり尽くす」感がある作品です。楽譜を見ると旋律がしっかりある古典音楽なのですが、従来技法でここまでやるかのオーケストラ技法はレスピーギとタメを張ると思います。
メータをインド的に解釈する見方は無かったのですが、確かにそう云われると、マイスタージンガーの行進の曲もインドの王様の大行進に聞こえてきました。
余談ですが、昨年本邦公開されたインド映画「きっとうまくいく」は最高に面白かったです。

[8] mixiユーザー 03月02日 12:10

ブーレーズ/クリーヴランド管で聴きました。

昭和４５年（１９７０年）の新譜でした。

当時、高校生だった私たちにとって「春の祭典」という曲そのものがスターであり、アイドルでした。

当時の日本のオーケストラの実力では単なる騒音のかたまりとしか聞こえず、そういう粗雑極まりない技量ではとても適わない高みに君臨する難曲でもあったわけです。

仲間うちでは、大判の分厚い輸入版のスコアを持ち歩くのが自慢。昼休みの部室や放課後の教室に集まりそのスコアを見ては嘆息。最大３３段に及ぶ複雑極まりない表記が埋め尽くす譜面の美しさや、頻繁と入れ替わる変拍子をいったいどうやって振ったらよいのかと話しは尽きませんでした。

そういう私たちにとって、このブーレーズの新譜はまさに啓示的だったと言えます。

スキャンダラスな初演、高度な技術を要する難曲、ロシアの原始宗教、土俗的狂乱、ハイファイ再生にふさわしい大音響…といった、今でもこの曲につきまとう暴力と猥雑のイメージを一新するような緻密で正確極まりないブーレーズの演奏は、そういうスコアの美学そのものに直結していました。新しいリズムの数理を解き明かすかのような明晰な演奏は、相対性理論や素粒子論、位相幾何学と同じように古典的概念を一掃するような最先端科学の光輝を放つ新星だったのです。

この曲は、いうまでもなく２０世紀前半の音楽に対して大きな歴史的、技法的影響を与えました。それは大きなふたつの流れがあって、ひとつはロシア音楽を原点とする原色的、土俗的なバーバリズムの傾向であり、もうひとつはフランス音楽を原点とする色彩的、数理的な時空認識というモダニズム。

この曲の二面性の一方を代表するのがマルケヴィッチであり、もう一方を代表するのがこのブーレーズ。一般には、ゲルギエフ/キーロフ管のようなロシア的バーバリズム派があいかわらず人気なようですが、最近になってサロネン/ロスフィルのような無国籍なモダニズムも再び人気を呼んでいるようです。

ブーレーズがフランス国立響を振ってコンサートホール・ソサエティ（１９６３年）にいれた最初の録音が日本コロンビアで復刻され、最近になってようやく聴くことができました。解釈に大きな違いはありませんが、実に先鋭なリズム感覚です。この６９年盤を経て、９１年にＤＧでの再々録音に至るまで、徐々にこの先鋭さのカドが取れてより洗練されていきます。オーケストラの機能進化ということもあるのでしょうが、フランス的な透明な色彩感のほうがより強調されていくようになったという気がします。その点では、この６９年録音が一番バランスが取れているのかも知れません。私にとっては、当時の音響的興奮も含めて忘れられないＬＰレコードのひとつです。

ストラヴィンスキー
春の祭典
ピエール・ブレーズ指揮／クリーブランド管弦楽団
録音：１９６９年７月２８日　クリーブランド/オハイオ　セヴェランス・ホール
ＣＢＳ・ソニーレコード　国内オリジナル（アナログＬＰ）

[10] mixiユーザー 03月02日 21:15

>>[5] そう、この時代になると作曲者自身の指揮が出てくるんですよね。私は映像でストラヴィンスキーが指揮する春の祭典を持っているのですが、餅は餅屋。作曲家が指揮する自作って、良くないのかなと思いました。同じ事がリヒャルト・シュトラウスの映像にも言えるのですが、バーンスタインが指揮するウエスト・サイド・ストーリーは最高なので分けが分からなくなります。

[11] mixiユーザー 03月02日 21:26

>>[6] 音楽の好き嫌いを何処に置くのか。これはとても難しい問題で、例えば私がワグネリアンではあるけれど、ハンスリック張りにワーグナーの音楽を批判されて、ブラームスの優越性を解かれても、私自身がブラームスが好きで、ブラームスがワーグナーに密かに送っていた書簡を読んで「ブラームスはワグネリアンだったんだ」と感心してその事を語ったとして、ハンスリックの共犯者に理解してもらえるのかという、非常に難解な理屈に行き当たる訳ですが、やはりここはトスカニーニが言うように「楽譜の音」だけを忠実に視てみますと、「良く書けている」と言うのが答えではないでしょうか。
本来音楽は、言葉で言い尽くした後から表現する手段だとするならば、春の祭典も今や古典ながら、聴く段階が有る作品なのかも知れません。
クラシック音楽で最も恐ろしい現象は「聴き飽きる」と言う事で、その意味では私にとってもこの曲はそうであるとも言えそうです。
好きか嫌いかは、音においては難しい問題ですよね。

[12] mixiユーザー 03月02日 21:31

>>[8] ブーレーズという作曲家は、多分近代において最もストラヴィンスキーの良き理解者かも知れません。最近の日本のオケはどこも春の祭典くらい朝飯前で演奏してしまいますが、70年代の日本のオケときたら！
N響ですら「なめとんのか！」と思う事すらあります。
今やオケコンでも弦打チェレでも何でも朝飯前でこなすのですから対したもんです。高いお金を払って来日チケット買う必要が無くなりました。

[13] mixiユーザー 03月02日 21:41

>>[9] 私の大好きな漫画のひとつに「ニジンスキー寓話」というのがありまして、そういう世界観でこの曲を捉えるのも良い物ではないでしょうか？　私、耽美な世界の湯船にどっぷりと漬かっている「出来上がった腐中年」ですから、モーリス・ベジャールが演出する細い男の華奢で盛り上がった筋肉が、汗を飛ばしつつ舞うのを視るのが大好きです。
だれが殺したクックロビン
などと頭の中で萩尾望都のイラストが舞う私。
池袋の乙女ロードも、蘇嶽草址庵には男装の女子執事に紅茶を入れてもらって悦に入る。
春の祭典はクールジャパンにもほとばしるばかりです。

[14] mixiユーザー 03月02日 22:00

言い出しっぺも聴かねばならぬでしょう。
だれの演奏を聴こうか迷いましたが、1989年にレコ芸の別冊として発売された名盤100選で「春の祭典」のベスト盤として選ばれていたのがこれでした。

アンタル・ドラティ（指揮）
デトロイト交響楽団
※録音：1981年

私の中で、ドラティという指揮者のイメージは「スーザのマーチくらいが順当な指揮者」というイメージでした。この古いCDを引っ張りだしてきて聴いてみると、なんと素晴らしい！
アメ車の香りのするデトロイト交響楽団の音色が、テンポの良いドラティの指揮で生き生きと演奏されている。20世紀の古き良きアメリカの音楽といった感じ。「奥様は魔女」のホームドラマを木目の荒いがちゃがちゃダイヤルのカラーテレビで視るような快感。サマンサのような奥さんと共に広告代理店に勤めて、
ダーリンに私もなりたい！

[15] mixiユーザー 03月02日 22:18

今日は、私の好きなストラビンスキーがお題でしたので、春の祭典を聴きまくっておりました♪

何種類か聴きましたが、やはり、私はストラヴィンスキーの自作自演に戻ってまいります。

親友というか弟子というか、秘書兼助手というか、リヒテル曰く腰巾着(笑)のロバート・クラフトの録音も幾つか聴きました。
ストラビンスキーの48年ぶりの帰国とともに付いてった際に演奏したソ連での春の祭典は凄い演奏でしたし、2007年のフィルハーモニアとの録音も素晴らしいものですが、やはり、親玉の演奏です！

カザルスkJさんが聴いたコロンビア響とのステレオ盤も昔から好きな録音ですが、今日は、40年録音のニューヨークフィルとの録音に大いに感銘したところです。とても力強い演奏です。

春の祭典は、火の鳥を作曲してる時に、春の訪れに向けて処女が生贄とされる異教徒の儀式の幻影がテーマとなって作曲したそうですね。
この曲は、よく原始主義と云われますが、決しておどろもどろしい交響詩として作曲されたわけではなく、ベートーベンのピアノソナタ13番や14番のような、幻想曲の類ではないかと思います。
ストラビンスキーにふと訪れた幻影をコアに結晶が大きくなったような曲ではないかと。

ストラビンスキー自身の演奏では、じっくり一音一音積み上げていくような感興があります。けっこう力瘤と勢いに任せてなる場面はあっても、一場面一場面に、えらくこだわります。

自作自演で聴いてると、結構、内省的な曲に聴こえるんです。

特に、コロンビア響との録音は、大変繊細な表情を持つ演奏ですよ。

作曲したのが1913年ですから、まだ革命前、大戦前ですが、ある種の不安感、時代の訪れに襲われたストラヴィンスキーの心象が反映されている曲ではないか、と思います。

曲が有名になりすぎて、よく鳴る大管弦楽曲として演奏されてしまうことが多いのが残念です。

[16] mixiユーザー 03月02日 23:56

>>[9]

この曲は版による違いというのはあまり気にすることはないと思います。大体が１９４７年版だと思います。ブーズ＆ホーク社が出版していて、それ以降の版はこの出版社によって若干の訂正がされているだけで、すべて４７年版と称しています。

あまりリズムが難しいので、戦後に来日してＮ響を振ったときは、すべて４拍子に書き直した自筆譜を持参したとかの話しを聞いたことがありますが真偽のほどは確かめていません。まあ、当時のオーケストラというのはその程度だったというエピソードだと思います。

昨年の東京春祭・ベジャール版のバレエ公演では都響がピットに入りましたが、あまりリズムの切れがよくなく平板でした。本気でリズムをやったら踊るほうも大変なんだろうなぁと思いました。

[17] mixiユーザー 03月03日 00:04

>>[12]

ブーレーズは、まず作曲家、次にこの曲を分析した論文（「ストラヴィンスキーは生きている」）で有名になったくらいですからネ。とにかく申し子なんですね。それでも彼の「ハルサイ」を実際に聴くと、ちっとも大音響に聞こえないので大概のひとはがっかりするでしょう（笑）。

日本のオケでストラヴィンスキーを聴いて感心したことはありません。４年前に聴いた長岡京室内アンサンブルの「ミューズを率いるアポロ」が唯一の例外かなぁ。

[19] mixiユーザー 03月03日 02:39

>>[18] 私もその聴き方がいちばん「正しい」と思いますよ。

例えば私にとっては、ベートーヴェンが比較的心を打たないんです。ああいう大上段に構えて、人に説法をたれるような音楽を、本能的に拒否してしまうんです。それが自分の性格なんでしょうね。まさに音楽は心を写す鏡/(^_^;)

このハルサイにしても、確かに言われるような幼稚性はありますね。まあどんな音楽でもそういう側面はあるものですが、聴く人によってはそれが絶対に許されないと感じる人もいるでしょう。

万人に受ける平均点主義の、トヨタカローラみたいな曲は、それこそ後世には残らないでしょう。

[21] mixiユーザー 03月03日 11:17

>>[9]

ドラティ指揮ミネアポリス響の二枚は、米マーキュリー・レーベルが録音したものですね。今現在の優秀録音の観点からすると人工的な録音とは思いますが、当時は優秀録音として有名だったようです。最近マーキュリーの55枚激安ボックスを購入して、そこに含まれる数々の録音を大変気に入っているのです。ドラティ盤も確か入っています。確かプロデューサーはコザートという女性のはずです、この時代に優秀な女性プロデューサー、さすがアメリカ。

オーマンディの古いモノ録音にも何とも言えない迫力というか前進性というか熱さを感じました。古い時代の録音は下手かもしれませんが懸命さがいい方向に向いている気がします。

[23] mixiユーザー 03月03日 12:50

>>[22]

ストラヴィンスキーは、自作を中心に頻繁に指揮してるようで、生前はかなり人気があったようです。（作曲家としての看板が大きかったとは思いますが…）
さすがにモントゥーのようなプロ中のプロとは格が違うといわざるをえず、なんとも不器用で無骨です。
しかしながら、その録音を聴くと、その真摯で集中力ある音楽にはいつも引き込まれます。プロ野球より高校野球だろう、みたいな（笑）

[26] mixiユーザー 03月03日 21:49

>>[15] 「私の好きな」春の祭典ってのが良いですね。この曲は本当に沢山の録音が有り、名盤が豊富ですよね。幻想的と言われてみると、そうかも知れないと思いましたが、個人的にはやはりスコアから受ける音の洪水のイメージが印象深く、「どう鳴るんだろう？」と一歩引いてしまう緊張感が湧いてくる曲のように思えます。ストラヴィンスキーは映像も残しているので、そちらもなかなかですよ。

[27] mixiユーザー 03月03日 21:52

いやー。スレ主と云うものは、なかなか重圧ですが、皆さんの文章を丹念に読む機会になりますね。今度スレ主やる時は、得意分野の時にやります。（笑）

[28] mixiユーザー 03月03日 22:20

ベルリンフィルハーモニーＯ
ヘルベルト・フォン・カラヤン指揮
１９７７年録音、ＤＧ盤

で聴いた。

学生時代の文化祭でらいらいけんさんたちと「音楽の部屋」というブースを作った。
フルトヴェングラー、カラヤン、ベートーヴェン等のパネルを飾り、JBLのユニットをらいらいけんさん手作りのエンクロージャーに収めたスピーカーで、一日中クラシック音楽を聴かせる部屋だ。

校舎が高台上にあったので、大音量で鳴らしても周りの迷惑にならない。
この時とばかりに、徹夜で「春の祭典」を大音量でかけまくり、聴き比べをしたのを覚えている。

その時かけたレコードは、マルケヴィッチ：フィルハーモニア、メータ：ロスフィル、ブーレーズ：クリーブランド旧盤、カラヤン：ベルリンフィル旧盤等だ。音は校舎のブースから２００ｍ以上離れた独身寮まで聴こえていたらしい。

いずれも甲乙つけ難い名演ぞろいで、楽しい思い出だ。
カラヤン盤のレコードは、古代女性の壁画を模したようなユニークな絵が描かれた独特の見開きジャケットだったのを覚えている。

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今回聴いたカラヤン盤は、この旧盤（６０年代）ではなく、２度目（７０年代）の新録音の方だ。この新録音と旧録音のどちらを選ぶかは、ベートーヴェンのシンフォニーと同様に評価が分かれると思う。

新録音は、推進力よりも劇画的な描写に重点を置いた演奏だ。
ストラヴィンスキーは、カラヤンの旧録音を聴いて「解釈が全く間違っている」と断言したそうだが、この新録音を聴いたなら、なんと言うのだろう？

演奏は精妙かつ豪華で、「ボレロ」や「展覧会の絵」のように、ソリスト達の名人芸を堪能できる。ティンパニも荒々しく野性的に叩くのではなく、ズズンと抑えた響きで貫録を出している。

この演奏を聴いて「カラヤンはリズム感に欠点がある」などと評する評論家もいるが、これはこうゆう演奏なのだ。
リズム感のない指揮者がスーザやタイケの行進曲集などを録音する訳がない。（笑）

[29] mixiユーザー 03月03日 22:49

>>[28] ストラヴィンスキーにしてみれば、ドイツ音楽のような精神性、物語性はこの曲にはそぐわないと思っていたのかも知れませんね。どこまでも絵画的な色彩豊かな曲ですものね。

[30] mixiユーザー 03月03日 22:54

>>[28] そうか、あのときはまだメータ・ＮＹ盤は出てなかったんですね。たしか学生会から経費として5000円せしめとって、それで二人で寿司食いにいきましたよね。もう40年前、時効です(^O^;)

[31] mixiユーザー 03月04日 04:28

>>[28]

カラヤンって、すっごく生真面目なところがありますよね。
カラヤンは、ストラヴィンスキーの批判をまともに受け取り、曲を勉強し直したそうですが、残念ながら７０年代の演奏は聴かずに他界、もし聴いたら、ストラがどう評価したか興味深いところです。
2度目の録音に記憶が薄くて恐縮ですが、カラヤンの７０年代ライブはあまりにも強烈な演奏でありました。まさに「こうゆう演奏」としか言い様がない・・・

[32] mixiユーザー 03月04日 19:38

>>[31] カラヤンのDG盤は総じて真面目な演奏ですね。録音技師：ギュンター・ヘンルマンスの影響もあるのかも知れません。ＥＭＩ盤は若干カジュアルな感じです。

[33] mixiユーザー 03月05日 15:10

この曲を初めて聞いたのは高２の時。友人がイチオシだというドラティ指揮デトロイト響のを貸してくれた。当時から現在まで、不動の名盤だ。私も数年後購入した。ただ、聞き終わって覚えているのは最初のファゴットだけで、この曲って一体何なのか？？？だった。当時は誰の演奏で聞いても同じ感想だっただろう。その後、インバルのCDの解説書(金子建志氏による)に譜例入りの分析が出ていてわかりやすく、だんだん親しんでいった次第。今までバレエといっしょに演奏されるのを聞いたことがないが、音楽だけでおなかいっぱい、という感じ(バレエといっしょにやることのよさはもちろんあるとは思う)。

今回は三種類。まず、コリン・デイヴィス指揮コンセルトヘボウ管。勝手なイメージで、少し穏やかなハルサイ？とか思っていたが、怒れるコンセルトヘボウ、だった。さすがに鋭くなりすぎはしないが充分迫力があり、録音のよさがそれに拍車をかける。アナログ時代の完成されたフィリップスの技術が、指揮者・オケ双方にとっても重要なこの録音を生み出す大きな手助けになったことは間違いない。

次に先程挙げたインバル指揮フィルハーモニア管。この録音はテルデックによってアビーロードスタジオでされたものだが、本当にすごい録音だと思う。異常にリアルな音というか、打楽器が鮮明を極める。ドン！！！と叩きつけても歪まず迫力だけ飛び込んでくる。演奏もインバルらしい克明なもの。遅めのテンポで打楽器を強調し凄みを倍加させたりする。この凄絶な音響体では、ダンサーは踊れない。忘れられた名盤だと思う。

次にProbさんも挙げておられたドラティ指揮ミネアポリス響の1953年モノラル盤。さすがにインバル盤の後に聞くと音や演奏は見劣りする。当然だ。しかしこの録音、たった１本のマイクだけで収録されたという。それにしてはティンパニの打ち込みがすごい！3人の職人による手作りの録音。あと、特有の熱気・迫力があって面白い。

本当はあともう一枚、アシュケナージ指揮ベルリンドイツ響盤という、存在を消されたような演奏を挙げたかったが今のところ見つからないので、もし見つかったら書かせて下さい。