クラシック音楽鑑賞会コミュの2012年春季特別鑑賞会

2012年春季特別鑑賞会

日時：２０１２年３月２０日（祝日）

お題：モーツァルト　レクイエム　ニ短調　K.626

カザルスKJさんの許可を頂きまして、特別演奏会として「モツレク」を取り上げました。
3月20日は、春分の日。そして春彼岸、お墓参りの方もいらっしゃるでしょう。
また指揮者シノーポリの急死の日でもあり、世紀の独裁者アドルフ・ヒトラーの誕生日でもあります。

モツレクは、数あるレクイエムの中でも「特別」な曲。という事で、特別観賞会宜しくお願いいたします。

コメント(25)

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[4] mixiユーザー 03月06日 01:26

今年の３月は、昨年の東日本大震災から１周年の月。
そう言う事で、例年に無く特別な「レクイエム」の月でもあります。
震災や津波で亡くなった方々、また福島の原子力発電所の爆発で、それを復旧作業するのに身を呈して被曝し、亡くなってゆかれた東京電力の下請け会社の社員の方々への追悼を込めて「レクイエム」を聴きたいと思います。
遣り切れないこの事件を「レクイエム」を聴いて追悼いたしましょう。

[8] mixiユーザー 03月20日 00:05

カラヤン指揮ベルリンフィル。1961年録音盤。

カラヤンはこの曲を何度か録音していますが、この盤は嘗てのイエス・キリスト教会での録音なので、独特の響きです。また曲の冒頭からコーラスの音程の取り方がはっきり純正調しており、昨今の平均率でごまかす歌い方とは歴然とした貫禄の違いを見せつけられます。

この10年後、1971年にベームがモツレクを録音し、名盤になりますが、双方の演奏を聴き比べれば、このカラヤン61年盤はそのベーム盤のたたき台となっていることは明らか。ベームの方が12歳年上なのですがね。

カラヤン盤の方がややテンポが遅く堂々としており、ベーム盤の方がやや軽いのですが、双方とても良く似た解釈と演奏です。

ただ、ラクリモーサ途中から以降のジェスマイヤー作曲分については、ベーム盤がその部分にさしかかるといきなり急ブレーキが掛かって崩れてしまうのとは対照的に、カラヤン盤は圧倒的なテンションと迫力を維持しながら最後まで突っ走っており、その差は大きいです。

ベーム盤録音の4年後の1975年、再度カラヤンはこのモツレクを録音しますが、今度はずっと軽く、ベーム盤にあきらかに負けている。やはりこのカラヤン61年盤はすごいです。

[10] mixiユーザー 03月20日 08:53

１．ドビュッシー四重奏団　2006年

朝起きて、弦楽四重奏の編曲版から聴き始めました。
リヒテンタールが1802年に編曲した弦楽四重奏版をベースに、ドビュッシー四重奏団が更なる編曲を施したものらしい。。。
声楽なしで、美しい旋律を楽しめる素晴らしい編曲です。

２．ワルター指揮／ウィーンフィル／ウィーン国立歌劇場合唱団、他　1956年Live
・デラカーサ(S)
・マラニウク(Ms)
・デルモータ(T)
・シエピ(Bs)

79歳の老巨匠の慈愛に満ちた演奏。モ－ツァルト生誕200年記念のライヴ。
この年には、ニューヨークフィルと２種、ウィーンフィルと２種、合計４種類の録音が残されていますが、その中では演奏も、歌手陣も最上のものだと思います。

３．ワルター指揮／ウィーンフィル／ウィーン国立歌劇場合唱団、他　1937年Live
・シューマン(S)
・トルボルク(Ms)
・デルモータ(T)
・キプニス(Bs)

第二次世界大戦の影が迫る世情の中、パリのシャゼリゼ劇場でのライヴを商業用録音として収録したもので、この当時の録音としては音質が優れていますが、「Tuba Mirum」での管楽器が安定しない等、多少ウィーンフィルらしくないミスがあります。
この演奏は、61歳の絶頂期のワルターの渾身の演奏を満喫できます。
時折減速する歌心溢れる演奏の中で、情感たっぷりに歌い上げる歌手陣も素晴らしく、ワルターの７種類あるレクイエムの録音の中では最初期のものですが、1956年のライヴと並ぶ名演だと思います。

[11] mixiユーザー 03月20日 09:39

らいらいけんさん＞
ふうむ、６１年盤のカラヤン。私も持って居る筈ですが、そうも凄かったですか！　これは聴き直さねばなりませんね。未完成のモツレクゆえ、色んな解釈が現れるものですね。

[12] mixiユーザー 03月20日 09:50

cafe心地良風堂さん＞
そう。モーツァルト最晩年の作品は、ピアコン２７にしてもクラコンにしても透き通るような開き直りというか、そう云った「白」がありますよね。それが古今演奏されるモツレクにはそれがない。ヴェルディのレクイエム以上にモツレクは鬱屈とした世界ですよね。
しかしゴロワノフをチョイスされたのには驚きました。私もゴロワノフの異常な演奏には面白さを感じて特にヴァーグナー作品に興味を持って集めていました。
モツレクは神の前で裁かれる、小さな人間。
私は今、人間の小ささ、しかしその苦しみの大きさを感じています。
モツレクはそれを嫌おうと無しに味あわせてくれる音楽なのかも知れませんね。

[13] mixiユーザー 03月20日 09:53

VALE46さん＞
やはりワルターですか！　ワルターのレクイエムも鬼気迫る物があって凄いですよね。私は37年のライヴが好きかな……

[14] mixiユーザー 03月20日 09:54

さて、言いだしっぺの私は何を聞こうか。
ケルテス盤が大好きだったので倉庫の中を探しているが見付からない……。
外のを聴くか？

[15] mixiユーザー 03月20日 10:11

18世紀以前の欧州では、女性は教会に入れなかったそうである。聖歌隊も高音部は少年が歌い、独唱のソプラノもカストラートが歌っていたと言います。
カストラート歌手の現在では居ないし、録音も私の知る限りにおいては1950年代のモノラルくらいしかない。更にモツレクの録音はカストラートでは皆無である。
と云う訳で、次の録音を聴く事にしました。

ペーター・マルシック（指揮）
ウィーン・フォルクスオーパー交響楽団
ウィーン少年合唱団
マックス・エマニュエル・チェンチッチ（ボーイソプラノ）
デレク・リー・レギン（ボーイアルト）
ミヒャエル・クナップ（テノール）
ゴットホルト・シュヴァルツ（バス）
1994年盤

有名な録音ではありませんが、少年合唱特有の健気で耽美な、まるで竹宮恵子の少女漫画世界。
私は実は大のボーイソプラノの録音の蒐集家で、蒐集を始めたのが確か小学3年生くらいから。一番のお気に入りはレーゲンスブルク大聖堂少年聖歌隊だったりします。
１４～１８歳くらいの青春時代は少年愛に走ったくらい多情な人間だった私は、このモーツァルトのレクイエムを「美しい耽美な世界」と捉えたくて、彼岸中の本日、この録音を選びました。

演奏の指揮をするペーター・マルシックはウィーン少年合唱団が来日する際に、よくピアノ伴奏者として随行して私にはおなじみの人物。少年合唱指導の専門家です。この録音は、いかにも透き通るような声の中に、少年の「幼さ」を内包し、堪らなく危険な愛の味がある。
聴きながら漫画「風と木の詩」を読むと、とっても似合う録音です。

[17] mixiユーザー 03月20日 14:15

カザルスKJさん＞
私も今から羽根木公園の梅を観にゆこうと思っています。
今日は素敵な陽気ですね、
カール・ベームの71年4月の録音は、定番の名に相応しいしっかりとした創り込みですよね。私はバーンスタイン盤を聴いた後にベーム盤を聴きましたが、あまりのギャップに驚愕しました。ベームはどこまでも「正当」な響きだと思います。

[20] mixiユーザー 03月20日 21:52

ルチアさん＞
「人の死は決して終わりではない」
物凄く深い言葉です。自分への試練は死後も続くのでしょうか？　凄まじい何かを感じます。ベーム盤、良いですね。何と言っても聴きごたえがあります。

[21] mixiユーザー 03月20日 22:00

ぬかにしんさん＞
成程。私はホグウッドをアカデミックに聴くのが好きでしたが、ガーディナーはそういう癖があまり濃く出無いのかも知れませんね。彼のベートーヴェンの交響曲全集もそうですし。
バーンスタイン盤を特に聴かれた方は今回居なかったようですが、私はあの終楽章のどこまでも伸びて伸びて終わらない合唱が好きです。
なかなかモツレクは決定版は出無さそうですね。

[22] mixiユーザー 03月20日 23:27

春季特別鑑賞会、そろそろ終了ですね。御鑑賞にお付き合い頂いた方々、心から感謝いたします。
有難うございました。

[23] mixiユーザー 03月21日 17:22

少し出遅れました。

本日、墓参りに行って参りました。たまたま職場が菩提寺に近いのです。昼休みに散歩がてら出かけました。

ジョルディ・サバール指揮ル・コンセール・ド・ナシオン

徹底した古楽器での合奏と少人数での合唱は鮮烈。教会の高い尖塔にまで立ちのぼるような残響。とても新鮮な響きのレクイエム。こういう演奏を聴いてみると、レクイエムはモーツァルトの峻烈な感情はそのままに教会典礼音楽としての本質を決して失っていないと感じさせます。

レクイエムは、「死者のための教会典礼曲」。本来は、死者の安息を神に願うミサのためであって、必ずしも葬礼のための音楽でも、鎮魂といった死者を悼む曲ということではないようです。

彼岸、すなわち春分の日は、西欧ではむしろ復活祭を連想します。復活祭は「春分の日の後の最初の満月の次の日曜日」に祝われるからです。２０１２年は４月８日になります。

お寺のそばの小さな公園で梅が咲いていました。新しい息吹きにふさわしい青空に映えてきれいでした。

いまだ３・１１の心の痛みが癒えない人々が多いと思います。被災の悲劇を思う気持ちは痛いほどですが、それだけに新しい再生を願う気持も強い。

私にとってはそういうお彼岸でした。