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ママの働き方☆関西コミュのROEでの変化…

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ある学校で5年生の児童たちが給食の列に並んでいた。すると、Mという男の子がTのかぶっている野球帽をさっとつまんでとった。Tは惨めな気分になり顔を真っ赤にしている。周りの大人たちは、やれやれと顔をしかめたり首を横に振るばかり。
 よくあるちょっとした「子どもっぽいいたずら」の光景だ。しかし、ジェシーという男の子はそれを許さなかった。Mに歩み寄り「帽子をTに返しなよ」とはっきりと冷静に言った。帽子を指に乗せてくるくる回していたMは仲間の助けを求めて周囲を見回すが、誰も助け舟を出さない。助けがなくて孤立したMは「返しゃいいんだろ、わかったよ。こんな汚い帽子誰がいるもんか!」と捨て台詞を吐き、Tに帽子を投げた。
 どこにでもある些細ないたずらやからかい。それが放っておけない悪の芽ともいえる。プログラムはちょっとしたいじめにも敏感になる心を子どもたちの中に育てていく。自分や人の気持ちに鈍感である環境は一種の空気汚染のようなもの。そんなところにいじめは起こるという。ジェシーがMのTに対する軽いからかいを裁いたことによってこの学校には「少しのいじめも許さない文化」ができあがったと言える。


9歳の女の子、シルビィにはこんなエピソードがある。
彼女は貧しい家庭の子。いま流行のナイキやリーボックのスニーカーなど高嶺の花だ。ある日、子どもじみた安っぽいマジックテープのスニーカーで登校したシルビィは、たちまちからかいのターゲットになった。何人かは彼女のスニーカーを指差して笑いこけている。カッコ悪くてみすぼらしいだけじゃなく、子どもじみた醜いスニーカー。仲間はずれには恰好の材料だ。
 授業が終わって運動場にみなが走り出るときだった。ジューンがシルビィに近寄って言った。  「スニーカーを片方ずつ替えて走ろうよ!」
 ジューンとシルビィは、片方ずつちぐはくなスニーカーを履いて仲良く手をつなぎ、クラスメートの輪に加わった。クラスメートからは笑いが漏れる。明るく、楽しい笑い。ジューンは見事な機転を利かせ、残酷ないじめに発展しそうな事態を面白い遊びに変えた。言葉を全く使わずに発想を逆転させたジューンはとびきりのピースメーカーだ。





 ダレンがクラスに初めて参加したのは14歳のときだった。幼い頃、母親が自分の目の前で殺されるという痛ましい経験をした彼は暴力的になり非行を繰り返す。あまりの乱暴さに養護施設や里親を転々とし、手に負えない暴れ者として通っていた。
 クラスの初回、赤ちゃんを見たダレンは関心のないそぶりをして相変わらず強がっていた。図体の大きなダレンは、モヒカン刈りの頭に剃り込みを入れ、首の後ろには入れ墨がある。うっすら髭が生えかかり暗い形相の彼を、誰もが恐がり遠巻きにしていた。
 ところが、変化はすでに2回目のクラスで見られたという。普段は野球帽を目深にかぶり凄んでいたダレンが初めて人前で帽子を取り赤ちゃんに近づいたのだ。赤ちゃんは奇声とともに満面の笑みをダレンに投げかける。彼の暗い表情が一瞬いきいきと輝いた。3回目のときには、どこからか汚れたピンク色の羽根を持ってきて赤ちゃんの足の裏をくすぐった。赤ちゃんは喜んでまた奇声を発した____________________
それからダレンは次回のクラスの予定日をこっそりと自分のノートに書き込み、楽しみにするようになったという。おそらく彼の人生で初めて心の触れ合いだったのだろう。そんな彼の変化を見届けたクラスメートたちの彼への態度も当然変わっていった。クラスが終わってから、「抱っこしてみたい」と自ら申し出た彼の目を、その赤ちゃんは満面の笑みをたたえて見つめ、居心地良さそうに抱かれていた。部屋の隅でしばらく見よう見まねで甘いミルクの匂いのする赤ちゃんを揺すっていたダレンは、これ以上ない優しさと注意深さをこめてそっと赤ちゃんを母親に返した。そしてインストラクターに近づいて尋ねたという。

        「誰からも愛された事がなくても良いパパになれるの?」と。





「ダレンは大変に繊細で愛情深い人間なの。母親の死で受けた悲しみ、トラウマがあまりに大きくて自分の中の弱さや繊細さを封じ込めて生きるしかなかったんです。周りを威嚇して誰も近づけなかった彼が無垢な赤ちゃんに触れたことで内に秘めていた最も優しい部分がなみなみとあふれ出した、と言えるわ」と、ゴードン。
「ダレンは生来の敏感さで『深い学習』をしたんです。『深い学習』とはつまり頭で、ではなく心で、学ぶことです。彼は将来、ひとの気持ちに敏感な素晴らしい大人になると太鼓判を押しますよ」





いじめの加害者は自分の内にある弱さや脆さに気づいていない人だとゴードンは言う。自分の中の粘膜とも呼べる最も傷つきやすい部分の存在に気がつくとき、ひとは初めて他人の弱い部分にも敏感になり相手の気持ちに寄り添う「共感」という能力が生まれる。








長々と書いてきましたが私は初めてダレン君の変化を読んだとき涙がでました。


どんなことでも構いません。
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