おもろい坊主を囲む会　紀州支部コミュの管長に会う

いま日本に、タイからチンナワンソと言うタイ仏教のお坊さんが来られています。実はチンナワンソというのはタイでの僧名で、元は京都で不動産屋をなさっていた藤川清弘さんという方です。当りまえですが、柔らかい関西弁を話し、パソコンや携帯でインターネットを使いこなし、日本の若い方に大変なファンを持っていると言う方で、「タイでおもろい坊主になってもうた」という本もお出しです。不動産バブルの折り、タイにまで進出し、現地の社員にそそのかされたのをきっかけにとうとう会社を畳んで本格的に出家してしまったのだそうです。

　お話しをうかがっておりますと、タイでの出家生活は日本の僧侶と大変違ったところが有ります。僧侶の生活もそうですが、タイの仏教は小乗仏教と言いまして、経典と言い、お説教と言い、２５００年前からの形がそのまま伝わり、使われて居るのだそうです。ですから、タイの若いお坊さん達は、中国を通じて日本に伝えられ、日本で変貌を遂げ熟成された日本仏教を学びたいと言う人が大変多いのだそうです。
　
　それで、藤川さんは日本へ勉強に来たいという、若いお坊さんのため日本語学校を建てています。既に完成させ開校している物もありますが、僧侶に限らず、一般の方々も日本語に対する関心が高く、もっともっと学校が必要なのだそうです。

　日本には再々足を運ばれ、各地で瞑想の会を開いたり、勧募に廻ったりされています。この度、和歌山の私の寺にも足を運ばれ、寺に沢山ある、英語を始め、ミャンマー語、タイ語、サンスクリット語の経典が、タイの寺院や学校で使えないものかと見に来られます。

　私も、お念仏の教え、中でも西山浄土宗の教えがタイを始めとする東南アジアの若いお坊さんによって、いつか世界に紹介される事もあろうかと、大変期待しているのです。二十一世紀に入っても、なお世界には戦争の悲劇が繰り返されて居ます。殺伐とした世界の情勢が、世界中の人々が、戦うことを好まない、仏教の持つ平和な思想を待っていると思うのです。