近年、アカデミー賞への影響力こそ落ちてきているものの、やはりその注目度は他の前哨戦を遥かに上回るゴールデン・グローブ賞のノミネーションが発表された。 ブロードキャスト批評家賞(以下BFCA)と比較すると作品の選出がやや異なり、面白い結果となっている。最大のサプライズは、BFCAで最多7部門候補となった「Into The Wild」が作品賞部門から洩れ、作曲賞、主題歌賞の2部門候補にとどまったこと。BFCA候補でアカデミー賞戦線に大きく浮上したと思われた「〜Wild」だが、思わぬ躓きとなった。 最多ノミネートとなったのはジョー・ライト監督が贖罪をテーマに描く恋愛叙事詩「つぐない」。作品、監督、主演男優、主演女優、助演女優、脚本、作曲の7部門で候補にあがった。スケール感もありアカデミー賞向きの作品だけに本番でも本命視されそうだ。 それに続いたのは、コメディ・ミュージカル部門作品賞、主演男優賞、助演男優賞、助演女優賞、脚本賞で候補にあがった「Charlie Wilson's War」。早くからオスカー戦線本命の下馬評高かった本作だが、前哨戦序盤は苦戦。早々にオスカー戦線から脱落かと思われていたが、ここに来てようやくエンジンがかかってきた。ただし、BFCA作品賞では選から洩れており、本番で再び強さを見せられるかどうかは微妙なところだ。 前哨戦で優位に立つ「ノーカントリー」は作品、監督、助演男優、脚本の4部門でノミネート。「There Will Be Blood」は作品賞、主演男優賞で候補にあがるも、BFCAに続き監督賞部門で落選となった。どうやらアカデミー賞で上位にランクするのは前者のようだ。 他、サプライズ候補はドラマ部門作品賞の「The Great Debaters」。無名大学のディベート・チームの活躍を描いたドラマで、デンゼル・ワシントンが監督を務める。本作は先にアメリカ製作者組合から、影響力の強い社会派作品に贈られるスタンリー・クレイマー賞を授与されており、過去の受賞作「グッドナイト&グッドラック」「不都合な真実」らと同様、アカデミー賞戦線を沸かせる可能性もある
■ 作品賞(ドラマ部門) アメリカン・ギャングスター(監督:リドリー・スコット/ユニバーサル) つぐない(監督:ジョー・ライト/フォーカス・フィーチャーズ) Eastern Promises(監督:デヴィッド・クローネンバーグ/フォーカス・フィーチャーズ) The Great Debaters(監督:デンゼル・ワシントン/MGM) Michael Clayton(監督:トニー・ギルロイ/ワーナー・ブラザース) ノーカントリー(監督:ジョエル・コーエン、イーサン・コーエン/パラマウント・ヴァンテージ) There Will Be Blood(監督:ポール・トーマス・アンダーソン/パラマウント・ヴァンテージ)
■ 作品賞(コメディ・ミュージカル部門) Across The Universe(監督:ジュリー・テイモア/ソニー・ピクチャーズ) Charlie Wilson's War(監督:マイク・ニコルズ/ユニバーサル) ヘアスプレー(監督:アダム・シャンクマン/ニューライン) Juno(監督:ジェイソン・ライトマン/フォックス・サーチライト) スウィーニー・トッド/フリート街の悪魔の理髪師師(監督:ティム・バートン/パラマウント)
■ 主演男優賞(ドラマ部門) ジョージ・クルーニー(Michael Clayton) ダニエル・デイ=ルイス(There Will Be Blood) ジェームズ・マカヴォイ(つぐない) ヴィゴ・モーテンセン(Eastern Promises) デンゼル・ワシントン(アメリカン・ギャングスター)
■ 主演男優賞(コメディ・ミュージカル部門) ジョニー・デップ(スウィーニー・トッド/フリート街の悪魔の理髪師師) ライアン・ゴズリング(Lars and the Real Girl) トム・ハンクス(Charlie Wilson's War) フィリップ・シーモア・ホフマン(The Savages) ジョン・C・ライリー(Walk Hard: The Dewey Cox Story)
■ 主演女優賞(ドラマ部門) ケイト・ブランシェット(エリザベス:ゴールデン・エイジ) ジュリー・クリスティ(Away from Her) ジョディ・フォスター(ブレイブ ワン) アンジェリーナ・ジョリー(マイティ・ハート/愛と絆) キーラ・ナイトレイ(つぐない)
■ 作曲賞 ダリオ・マリアネッリ(つぐない) ハワード・ショア(Eastern Promises) クリント・イーストウッド(Grace is Gone) マイケル・ブルック、カーキ・キング、エディ・ヴェダー(Into the Wild) アルベルト・イグレシアス(君のためなら千回でも)
■ 主題歌賞 "Despedida"(Love in the Time of Cholera) "Grace is Gone"(Grace is Gone) "Guaranteed"(Into the Wild) "That's How You Know"(魔法にかけられて) "Walk Hard"(Walk Hard: The Dewey Cox Story)