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原子力災害コミュの風評被害【マイミクさんから】

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先日、茨城県のほうれん草などから、食品衛生法上の基準値を上回る放射能を検出したと発表されました。これについて説明します。

http://headlines.yahoo.co.jp/hl?a=20110319-00000556-yom-soci



超長文なので、結論から言うと、冷静に対応しようということです。



まず、一般の方には、またわけのわからない単位が出てきました。

その単位とは、「ベクレル」です。

最近、せっかく、「シーベルト」という単位には慣れてきたのに、ベクレルとは。

放射能にはいったいいくつ単位があって、何をどう判断すればよいのか?

一般の方には、わからないと思います。



長くなりますが、基礎知識をある程度もってもらう必要がありますので、説明します。

まず、比較的なじみのある単位で考えます。

懐中電灯をイメージしてください。

懐中電灯には、豆電球からLEDまでいろいろな種類があります。

放射線を発生する放射性物質にもいろいろな種類があります。



次に、同じ豆電球でも明るく光るものからあまり明るくないものまであります。

ふつう、これをW(ワット)という単位で表します。例えば200Wと100Wで比べると100Wの方が暗いということになります。これは、光を出す能力を表しています。

同じように放射性物質の中でも強く放射線を出すものから弱いものまで放射線を出す能力を表す単位があります。これが「ベクレル」です。大きなベクレルは、それだけたくさんの放射線を出します。よって、大きなベクレルを持つ放射性物質は、大きな放射線を出す能力、すなわち放射能を持っているといいます。

ちなみに、人間も実は放射能を持っています。その能力は、6,000から7,000ベクレルです。



次に、同じ100Wでも1m(メートル)の距離で見たときと100mの距離で見たときでは当然明るさが違います。この明るさを表す単位を光では、lx(ルックス)といいます。

放射線も同じように、同じベクレルの放射能でも距離が離れれば、放射線の強さは弱くなります。

この放射線の強さ(光で言う明るさ)を表す単位を、Sv(シーベルト)といいます。

放射線の強さは、距離の2乗に反比例します。簡単に言えば、1mで100μSVでは、距離が2倍の2mになれば、2の2乗=2×2=4に反比例。要は、4分の1の強さになります。100μSvの4分の1は25μSvです。では、3倍の3mになれば、3の2乗=3×3=9で、9分の1になり、100μSvの9分の1は、11.1μSvになります。

テレビでは説明しませんが、普通1mでの放射線強さを公表していますので、例え400mSvなど高い値が福島原発で検出されても、20km離れれば、20km=20000mということは、1mの20000倍、20000倍の2乗は20000×20000=400000000ということで400000000分の1になります。そうすると、400mSv=0.000001mSv=0.001μSvで自然界と同レベル以下になります。これが、政府が安全という根拠です。

もちろん、風で放射性物質自体が近づいていることがあるので、20kmもの避難距離を設定しています。



ここで、話し整理します。

懐中電灯で、光を出す能力に相当する単位が、ベクレル。出された光(放射線)の強さを表す単位がシーベルトです。

ここで、もう少し話しを掘り下げると、放射線を出す能力を持つ物質を放射性物質。放射線を出す能力を放射能。そして出される光のようなものを放射線といいます。

放射線には、アルファ線、ベータ線、ガンマ線、エックス線、中性子線と大まかに5種類ありますが、最近の報道で関係しているのは、ガンマ線ですので、ガンマ線に限って話しを進めます。他の線について知りたい方は、おっしゃってください。



ここで、なかなかイメージしにくいのですが、光の場合は薄い紙はある程度通過します。

例えば、懐中電灯の前にティッシュペーパーをおいても、光は見えます。これは、紙のすきまを光が通過するからです。何を当たり前のことをと思うかもしれませんが、重要です。

放射線とは、見えなくて怖いものと思われていると思いますが、実は光の仲間です。

正確には違いますが、光はそのエネルギーの強さでいろいろ呼び方が変わります。

エネルギーは低い方から、遠赤外線、赤外線、可視光(赤→紫)、紫外線、エックス線、ガンマ線となります。可視光とは人が目に色として見える光の範囲で、エネルギーの低い場合赤色、高い場合、紫色に見えます。まれに、光のエネルギーがはっきり肉眼で確認できる現象があります。これが、空気中の水分で光のエネルギーが分解して見える「虹」です。

そして、赤から外れているエネルギーなので、赤外線。さらに赤色から遠い赤外線なので遠赤外線といいます。そして、紫色から外れ、人の目に見えないのが紫外線。さらに紫色より遠いのが遠紫外線といえばよかったのかもしれませんが、人間(レントゲン博士)が発見したとき、得たいの知れない線だったので、わからないという意味でエックス線と名付け、現在に至っています。紫外線は、殺菌などに使われるくらいですし、エックス線はレントゲン写真など、人間の体を通り抜ける力があります。そして、ガンマ線も当然、それより強いエネルギーなので体を通り抜けます。そして、殺菌にも使います。

よく使うところで言えば、じゃがいもの発芽を防ぐためや自動車のタイヤの強度を向上するために使われてもいます。

http://www.atomin.go.jp/atomin/high_sch/reference/radiation/radiation_light/index_03.html



ここで、もう一度整理します。

放射線を出す能力である放射能を持つ、放射性物質が付着(汚染といいます)した場合は、当然、放射性物質を洗い流せば取れます。これを除染といいます。除染とは、基本的にはお湯などシャワーを浴びて洗い流すことです。次に放射線は、体を通り抜けます。一度に強い量が通り抜けると人体に害を与えますが、除染などで放射性物質がなくなれば、基本的には放射線もなくなります。

だから、人体に影響のない範囲での放射線を浴びる被ばく(漢字では、被曝:曝の字は、爆発の爆ではありません)であれば、影響が持続することはなく、ヒト細胞は日々される放射線と同じように細胞を修復します。(人はいろいろな自然のものから放射線を浴びています)

しかし、これは、あくまで体の外に放射性物質が付着した、外部被ばくという場合です。



やっと、本題に入れます。

では、口から食べ物と一緒に取り込んだらどうなるのか?

体の中に放射性物質を取り込めば、それが蓄積され、体内で放射線を浴び続け、がんになる。これが一番心配だと思います。

実は、答は簡単ではありません。YESでもありNOでもあります。

まずは、YES(がんになる場合)を説明します。

放射性物質の中に、放射性ヨウ素や放射性ストロンチウムがあります。放射性ヨウ素は甲状腺に集まる性質があり、放射性ストロンチウムは骨中のカルシウムと置き換わって体内に蓄積することが知られています。このため、放射性ヨウ素を体内に取り込まないようにするために、放射性でない安定ヨウ素を体内にあらかじめ蓄積しておき、体内に入った放射性ヨウ素が甲状腺に溜まらないようにします。このような薬を安定ヨウ素剤といいます。原子力事故の際に配布されます。今回の事故でも近隣住民には配布されているようです。もちろん、放射能の影響を受けにくい遠方の地域には配布する必要はありません。

そのため、ヨウ素の含まれると考えられる、うがい薬や海藻を食べれば効果があるとデマが流れました。実際は、ヨウ素量が少なすぎて効果は薄いようですし、うがい薬は消毒液がほとんどで普通に体に悪いようです。もともと、ヨウ素の取りすぎは体に悪いことでもあります。

例として、放射性ヨウ素で説明します。放射性ヨウ素は、空気中で広がり、牧草や野菜に付着します。今回、ほうれん草などで検出されたのは、この付着された放射性ヨウ素です。先ほど説明した通り、本当は洗い流せば食べることは可能ですが、イワクのついたものを口に入れるわけにはいきません。

そこで、日本では、チェルノブイリ事故のあと、海外からの輸入品に対しては次のURLのような検査を実施し、食品の放射能を測定しています。

http://www.mhlw.go.jp/houdou/0111/h1108-2.html

また、なぜ牛乳は付着したわけではないのに放射能を持っていたのか?

これは、次のような理由で調査しています。

放射性ヨウ素、牧草、水に付着→牛が食べる→牛の体内からミルクとして排泄→人が摂取→甲状腺に溜まる→甲状腺がんのリスクが高くなります。

WHO(世界保健機関)などが2006年にまとめた「チェルノブイリフォーラム」によると、チェルノブイリ事故では汚染された牧草を食べた乳牛の乳(牛乳)を飲んだ子供たちが放射性ヨウ素を体内に吸収し、甲状腺に大量被ばく。2006年までに4千人の小児がん患者が確認されたとしている。ただ、適切な治療で、99%の患者は生存している。

当然、これは、人間にも当てはまります。私は、人の母乳も安心のためにも調査した方が良いと思います。ただ、人の場合は、放射性ヨウ素が直接付着した牧草などは食べていないので、空気中を漂う空気から取り込みます。これは、非常に量が少ないので、母乳に影響を与えるまでの影響があるかは疑問です。でも、だからこそ、安心のために調査した方が良いと思います。



チェルノブイリの経験から、政府は今回の事故後の3月17日に厚生労働省が、食品の販売や加工などを禁止する放射線量の暫定的な基準値を初めて策定しました。国の原子力安全委員会が原子力災害用に定めた「飲食物摂取制限に関する指標」を採用し、生産者などは基準値を上回る食品の販売や加工などが食品衛生法に基づき禁止されるものです。

http://www.mhlw.go.jp/stf/houdou/2r9852000001558e-img/2r9852000001559v.pdf

http://www3.nhk.or.jp/news/html/20110319/k10014786771000.html

この基準では、半減期(後で説明します)が約8日の放射性ヨウ素の場合、飲料水や牛乳、乳製品は1キログラム当たり300ベクレル、乳児用調製粉乳は同100ベクレル。根菜や芋類を除く野菜類は同2000ベクレル。半減期が約30年の放射性セシウムは牛乳などが同200ベクレル、野菜類や穀類、肉、卵、魚などが同500ベクレルとしています。

もちろん、この基準は食べたら即、影響がある数値ではなく、食べ続けても何も影響しないけどより安全な数値で規制しているというものです。



今日、茨城のほうれん草でこの基準を超える放射能を測定し、茨城県は販売を中止することを発表しました。

食品については、適切に測定し、安全なものを出荷すれば、人体に影響を与えることはありません。ですから、茨城や福島から出荷されたものだからと言って、過剰に敬遠する必要はありません。国も自治体もきちんと測定しているから、放射能が検出されたのであって、これは、適正に測定して、安全を確保していると評価する方が良いと思います。



次に、No(がんにならない)の場合

最初の方で、人体にはおよそ6,000から7,000Bqの放射能があるといいました。これは人体に含まれるカリウム40という放射性物質によるものです。ということは、この程度の放射能であれば人体に及ぼす影響はほとんどありません。また、実はカリウム40という放射性物質は、ほとんどの食べ物に含まれています。カリウムとは一般的にミネラルと呼ばれるものの一種でミネラルをとるということは、放射性物質であるカリウム40も一部食べているということです。人はミネラルがないと健康に生きていけませんので、逆に言えば健康のためには、ある程度の放射性物質を食べることも問題にはならないということです。

ただ、程度によるので、先ほどの量を超えないようにコントロールすればよいと思います。

先ほど、がんになるシナリオの時には、体内に蓄積されることばかり言いましたが、実は、放射能は体外に排泄もされます。また、半減期という言葉が出てきましたが、自然に放射能が減っていく時間というのもわかっています。



まず、難しい言葉の半減期から説明します。半減期とは簡単に言うと、放射能の量が半分の力になる時間のことです。先ほど、「半減期(後で説明します)が約8日の放射性ヨウ素の場合、飲料水や牛乳、乳製品は1キログラム当たり300ベクレル」という記載がありました。これは、8日たてば放射能のレベルが半分の150ベクレルになるということです。さらに8日たてば、さらに半分の75ベクレルになります。

今日、検出された放射能の量は、基準値の5倍の1510ベクレル。半減期8日とすると、約1か月かからないと基準値以下にならないということで販売を禁止したということになります。

これは、体内に取り込んでも一緒です。体内に取り込んでも8日後には半分のレベルになるということです。そういう意味では、半減期が長く30年というセシウムの方が問題と考えるかもしれませんが、法律を見ると、「半減期が約30年の放射性セシウムは牛乳などが同200ベクレル」とあります。なぜ、半減期8日の放射性ヨウ素が300ベクレルで、より長い半減期のセシウムが200ベクレルなのか?実は、半減期が短いということは、それだけ頻繁に放射線を出すという意味なので、放射性ヨウ素の方が短時間でたくさん放射線を出すので基準値が高くなっています。

次に、そんな30年もの長い間、放射能が半分になるのを待つことはできない!とお考えになると思いますが、一般の食物同様に糞尿として排泄されます。ただ、先ほども書きましたが、母乳などとしても排泄されます。糞尿を再度食べる人はいないでしょうが、母乳だけは赤ちゃんが口にするので、私はチェックした方が良いと申し上げた次第です。



ここで注意していただきたいのは、なんでもそうなのですが、結局は多量に摂取しなければ、基本的には害はないということです。もちろん、摂取した一部は体内に取り込まれる可能性はありますが、普段からカリウム40のように放射能を摂取しているレベルであれば、問題となる量ではありません。

それが、本日発表のあった、基準のレベルの放射能を含む食品を1年間食べ続けたとしてもCTスキャン1回分と説明しています。



最も大切なのは、きちんと放射能を測定し、放射能の高いものは販売しないこと。そして販売されているものについて、消費者は過度に敬遠せずに購入することです。

本当は安全なのに、風評被害で消費者が購入しなくなってくると、生産者がごまかしたり、だましたりして高い放射能のまま出荷することを誘発する可能性もあります。

当然、そうならないように、国が責任もって安全を保障できるように事故を終息して、安全である証明をする必要があると思います。



長くなりましたが、パニックやネットのデマに流されないように正しい知識を持ってもらえればと思います。

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