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岡山で 『名探偵コナン』好き!コミュの「安室透に出会ってから世界がきらきらして見える」安室の女の胸の内!。

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「安室透」ブームがとどまるところを知りません。安室をメインキャラクターに据えた劇場版コナン最新作『ゼロの執行人』は興行収入78億円突破の爆発的ヒット。彼が表紙を飾った雑誌の売り切れが続出したり、もう1つの“顔”である「降谷」を刻んだハンコが売り切れたり、バーボン樽で貯蔵した日本酒がランキング1位になったり――と、至るところで安室が経済を動かしています。

 そのブームをけん引しているのは、『ゼロの執行人』を見たあとに安室にハマった「安室の女」たち。しかし、一言で「安室の女」と言っても、安室への愛の注ぎ方はみなそれぞれです。

 いわばアイドルにハマるように好きになった女、映画を見終わって「そういう意味なら私は安室の恋人だわ」と思った女、作中の男性や女性キャラとの組み合わせで燃える女、安室と自分が恋人同士になった世界を繰り広げる女……。

 100人の女がいれば、安室の愛し方は100通りあります。では“お隣の安室の女”は、どんな風に安室を愛しているのか? 「安室透に出会ってから世界がきらきらして見える」と真剣な顔で語るちおるさんに、安室との出会いと安室との日々について切なる思いを語ってもらいました。

●水曜日の朝、唐突な出会い

 水曜日だから映画館行くか、くらいのノリだった。『ゼロの執行人』が流行っていて、安室透がかっこいいと騒がれていることもちらっと見聞きしていたけれど、どこか他人事のように眺めていた。

 コナンに「安室透」というイケメンが登場したことも前から薄々知ってはいたし『純黒の悪夢(ナイトメア)』もテレビで見ていたけれど、「いまこんなかっこいいサブキャラいるんだー」くらいのもので、安室透に対してそこまで興味があったわけじゃない。

 とりあえずレディースデーだから映画館行きたい、今回のコナン映画おもしろそう、というだけのモチベーションだったから、安室さんとわたしが出会ったのは偶然みたいなものだ。

 それを思うと、人って本当にいつどこで恋に落ちるかわからない、と少し怖い。

●安室透のどこが好きかって聞かれると言葉にできないけれど

 軽い気持ちで劇場に行ったのに、序盤から心がざわざわした。サミット会場の爆発後、右頬に大きなガーゼを貼って喫茶ポアロの前を掃除している安室透。コナン君の会話を盗聴している時の安室透の冷たい顔がローアングルで美しくも怪しく映し出された時にはどきりとした。え、安室さん……さすがに敵ではないと思うけど、この人一体何を考えてるの? 何をしてるの? きれいな光と影のある構図のなかで、もういやらしいくらいに美しく描かれる安室透のことを、じっと追ってしまう。

 決定的だったのは、今回の劇中で話題になったセリフ「僕の恋人は……この国さ」を聞いた瞬間だった。息が止まった。なんだかすごく一方的な愛し方で切ない。彼は途方もなく孤独な人なんだと思った。恋人=好き同士、共に支え合う者同士、のようなイメージを持っていたけれど、彼にとっては「恋人=自分がこの手で守る対象」で、何の見返りも求めない人なんだ。だって国からの見返りって何。国と両想いってどういう状態。わからない。恋人と呼びつつ、それは片想いなんじゃないかと思った。

 今回の劇中でも、公安である彼は真意を明かせなくてコナン君や部下から誤解されたりしている。それでも本人は全く気にする様子がなくて、ああ本当に自分のことより公安としての職務に没頭してるんだな、って感じだった。彼は誰からも理解なんて求めていない。それに、「僕の恋人はこの国だ」と言う彼の覚悟なんてきっと誰にもわからない。わたしだってそんな彼の恋人にも理解者にもなれそうにないけれど、どこかでそっと寄り添っていたいな、と思った。

 名探偵コナンというコンテンツが長期連載している国民的作品であることや、安室透がブームになっていることはとても幸せなことで、劇場を出たその足で単行本の1〜94巻まで大人買いして読みふけり、二次創作を漁り、いろんな角度から彼のことを知っていくにつれますます気持ちが高ぶっていった。

 少し手持ち無沙汰になると安室透の画像を見てしまったり、誰もいない部屋で「安室さん……」とため息をこぼしたり、あの人のことを理解してあげられないわたしは彼のことを透とか零とか下の名前で気安く呼べない、そんな距離感になれないと悩んだり、朝に目が覚めただけで果てしないほど幸せな気持ちになったりした時、あれ、今、恋してるかもしれない、と自覚した。

●安室透に出会ってから世界がきらきらして見える

 彼を好きになってから、なんでもないものが尊く見えてくる。

 夕飯を何にしようか考えている時にふと「安室さんに似合う食べ物ってなんだろう」と気になりだして、惣菜コーナーのコロッケを見つけた時に「これだ」と思った。黄金色の衣に包まれているから中に何が入っているか食べてみるまで正体不明だし、国民食のようでありながら和名じゃないところも、金髪でハーフっぽい顔立ちの安室さんに似合っている。100円のコロッケが特別なものに変わった。

 愛しくなったものは他にもある。お菓子売り場にある糖質ゼロとかカロリーゼロの表記をみると、彼の所属している公安組織、通称ゼロを連想して嬉しくなった。公式から出てるわけじゃないけれど、「これは彼なんじゃないか」とオフィシャルグッズのように大事に思えるものは日常に色々転がっている。

 失恋ソングを聞いている時にも、安室さんのことを思い出す。名探偵コナンのエンディング曲をよく歌っているGARNET CROWの「Float World」なんて、「実は公安で働いてる安室透の素性を知らないまま恋してしまい、薄々彼の正体に気づいているけれど知らないふりをして悶々としている一般女性の恋心を歌った歌」に思えてしまってかなりぐっとくる。

 ゼロの執行人を見てからまだ1カ月少ししかたっていないけれど、人生がきらきらしはじめている。

 ここ最近、美意識がぐんと高まったのも安室さんのせいだ。彼はわたしを恋人にはしてくれないかもしれないけど、少しでも安室さんに見合う女になりたい。きれいになりたいと思った。初めてゼロの執行人を見に行った時はすっぴんで唇もカサカサだったけれど、今では蜂蜜で唇のパックをしたり頻繁にリップクリームを塗ったりしている。

 安室さんの隣を歩くなら背筋をしゃんと伸ばして堂々としていたい、と思うようになり、姿勢もよくなった。

 美容面のケアだけじゃなくて、買い物の仕方も変わった。映画を見て以来、「安室さんと◯◯する時に着るならどの服か」というのを考えながらショッピングしている。

 これまでは「ロングスカートは日焼けしなくていい」とか「歩きやすい靴がいいな」とか利便性ばかり考えていて、どうしても欲しい一着、必要な一着に巡り合うことはあまりなかった。

 けれど、「安室さんとドライブデートするならどんな服をきていくか」とか「黒の組織の一員として安室さん(バーボン)と会う時に履いていく靴」とかテーマを考え始めると、「絶対に手に入れたい一着」「大事にしたい靴」がつぎつぎと見つかった。安室さんの愛車RX-7の助手席に乗ってドライブするなら絶対ミニスカートがいい。運転中の安室さんは前を向いているからわたしの足なんてみないだろうけどやっぱり短すぎるかな、なんてそわそわしている時に安室さんから「そういう服も似合いますね」って言われたら嬉しい、とか。

 彼の車の助手席によく乗っているベルモットという美女に負けないように、わたしもハイヒール履こう、ってヒールが10センチくらいある靴を買ってうきうきしながら映画館に行ってみたりとか。

 街デートする時は地味な配色だけどそのぶんボディーラインの出る服を着て会いに行きたい。だって彼はトリプルフェイスの男、あまり目立つ女を連れ回すのはよくないだろう、間違っても赤いワンピースを着て行きたくはない、とか。

 洋服のサイズも、今まで気にしていなかったけれど、最近は0号にこだわっている。試着した時店員さんに「お客さまにはゼロがお似合いですよ」と言われてすごくきゅんとしたからだ。ゼロ=安室透。ゼロがお似合い=安室透がお似合い……。“ゼロ”を着こなし続けられるよう体型維持にも気をつけようと思った。

 ボディーソープも新しくした。安室さんはどんな香りが好きだろう。誕生日はまだ明かされていないけどなんとなく秋生まれっぽい感じがするし、さわやかに薫る金木犀の香りとか好ましく思ってくれるかもしれない、安室さんの気をひくならべたべたに甘い香りより清涼感あるのがいいだろうな。……なんて、あれこれ買い物するのがすごく幸せだ。

 そうやって身綺麗にしていると自然と気持ちも前向きになって、笑顔でいる時間が増えた。出かけるための素敵な靴や服なら揃っているし、飲み会にも臆せず行けるようになった。

 安室さんと付き合いたいと思い続けているのに、恋に深く落ちていくほど、リアルな人間との距離が縮まっていくのはなんだか不思議で面白い。大人になっても人はまだまだ変わっていけるのかもしれないと思った。

●安室透と結婚することはできないけれど

 胸の中が好きでいっぱいで、ひとりでに笑顔になったり、かと思えば「どうせ叶わない恋だから」と苦しくなったり、めまぐるしく感情が揺れ動く。とっくに通り過ぎたはずの思春期がまた巡ってきたみたいで、少し手を焼いてしまうこともある。けど、そうやって好きな人のことを考えて心がぐらぐらするのがなんだか楽しかったりもする。

 彼と結婚することはできないけれど、夢を見るぶんには自由だ。今は単身赴任中だけど安室さんがそのうち家に帰ってくるかも……と妄想すれば部屋を片付ける気力も湧く。愛の力は偉大だし、役に立つ。もはや安室透は伝家の宝刀みたいなところもあるけれど、それでいろんなことを明るく楽しくしていけるなら、ひっそり安室透を頼りにしてがんばるくらいは許されると思いたい。

 そしてちょっとずつ成長しながら、これでまた「安室透の“いい”女」に一歩近づけたかな、なんて心の隅で幸せに浸りながら生きて行きたい。

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