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怖い話で眠れなくする!!コミュの困った人達シリーズ 廃ラブホと十人目と困った人達 1

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私は心霊スポットと呼ばれる

各地で幽霊が出ると言われている場所を

休日などを利用して訪ねて廻ることを趣味としています。

私がA君達と知り合って

共に心霊スポット探検をするようになって一年、

それを記念して、

超有名な上に最怖なスポットへ行ってみようということになりました。

俄然、やる気満々となった私達

週末になりますと

ファミレスから始まりボーリング、焼肉屋、Barにカラオケ、ビリヤードと

会議の場を移しながら

それはそれは熱い打ち合わせが明け方近くまで行われ…

数多ある心霊スポットの中から選び抜かれ

最期まで残ったのは

某県北部の某山…

その頂き近くにある

廃ラブホテル…

通称『失落園』へ行く事に決まりました。

正確な名前は伝わっておりません…

そこでの目撃談、体験談は質も量も高く

肝試しに入った者達が出てこれなくなり、

管轄の巡査等が捜索に入って衰弱しきったところを救助したことがあるとか…

救助したが精神に異常をきたして元に戻らなかった…とか…

中で自ら命を断っていた…なんて…

実際に新聞記事になる

悲惨な結末を迎えた例もありまして

全てを失う覚悟、命を落す覚悟で望む場所

旧約聖書『創世記』第3章の挿話やミルトンの著書に登場する『失楽園』をもじって

『失落園』と言う名でマニアの中で呼ばれるようになったと言われています。


プロの霊能者すら二の足を踏む…

ぺーぺーの駆け出しがおいそれと手を出してはいけない物件

マニアの選んだ恐怖スポット県内ベストスリーのひとつ

かなりの高確率で『本物』と遭遇、

さらに高確率高信頼度のデリバリーで

自宅へ帰っても楽しめてしまう顧客満足度ナンバーワン物件…


情報収集していくうちに

『失落園』での体験談とか聞いたり読んだりしていくうちに

なんだか私…テンション下がって…

これって稲川怪談傑作集の詰め合わせ級…

へらへらしながら垂れ流しなところを発見されたという話を読んでから…

もう!テンション下がりまくりです!

絶対、こんな目に遭ったら私なんか尿漏れ必至ですよ!

生理用品と尿漏れパッドとハル●ケアの三重防御でも

生ぬるい気がします

嫌な予感が増大…

怖い目プラス…尿…

人前で…そんな…(T_T;)


本当に…そこ…行くんですか?


それで


ついに


私の気持ちも知らず…尿が心配なんて…


テンションが高いままのA君達…


さらに参加者を募って計9名で…二台の車に分乗して


『失落園』へ!


私の『祝!心霊スポット探検一周年特別企画』として


向かうことになりました。

高速道路から下りて

しばらく国道を北上し民家が途絶えた県境…

車は山道へと入りました。

九十九折を対向車もない真っ暗の中…

ヘッドライトが照らす視界だけ

車内はだんだんと口数が減って

重苦しい空気に包まれていきました。

三十分ほど山中を走って

山頂近く

黒々とした樹木をフレームに

星々が煌く夜空が

私達の頭上に現れました。

道路の右側…ガードレールの向こうは険しい崖

遥かかなたに隣県の街明かりが見えます。

確か…もうすぐ…

100mも行かないうちに

道路の左…

路側帯が大きく設けられたところががあります。

そこが終点…

車二台を路側帯へ停め…

まずは

窓から左側の斜面を舐めるように見上げていくと…

黒い木々の中に…

直線的な

明らかな人工物の陰…

ついに…

私達は『失落園』へとやってきてしまったのでした。

今回のスポットは

かなり、

侵入者に対して悪意を持っていると聞いていたので

車内で探検用の準備をします。

粗塩を和紙に包んだものが10包、若水を詰めた小瓶を五つ

般若心経を書いたカンペ…神社で買ったお守りが数種類

それから、皆とはぐれた時に音で知らせる為の

パーティ用のクラッカーに、

目印として壁などに貼って使う夜光テープ

マスクに耳栓、ウェットティッシュ

目薬、止血用水絆創膏に包帯、傷薬…チョコとか軽い食べ物…

それら等を詰めたポーチを持ち

携帯とデジカメはポケットに、

転んだときの用心に肘と膝のガード用パッドを装着、

FRP製のヘルメットを被り

防刃機能の備わった手袋を嵌め

シュアファイアの懐中電灯を右手に持てば

私は準備万端整いました。

車外へ出た時、

念には念を入れてとリーダー格のA君から、

「カートにはマグネシウム増量で詰めたから発火には気をつけろよ」

と、皆からはぐれた時の用心に

ホルスターに納まったM586のモデルガンを渡されました。

私がそれをベルトに通して右の腰に据えられるのを確認して

『失落園』への探検開始となりました。

突入は、路側帯のすぐ脇…雑草が生い茂る急な斜面を3mほどよじ登るコースと

遠回りですが、車を停めた路側帯のちょっと先にある道を

やっぱり草がぼうぼう生えてるのを掻き分けながら建物の入り口へと向かうコースの

二つがあるそうで…

今回はバックパックを背負ったメンバーや

バール、電動ガンにエアガンを携えた重装備な方もいますし…

なにより、

私がいるので…

遠回りしても平坦な道を進むことになりました。

「こんばんは♪」

建物へ向かう道の入り口付近にあった木の切り株にお爺さんが座っていたので

私は挨拶しました。

「お前…誰に挨拶してくれてんの?」

「え?」

次に見た時…お爺さんはいませんでした。

畑仕事が終わった後に一服している風なお爺さん…いたのに…

「この辺に田畑なんざねーよ!」

「山と崖と廃墟しかねーとこに爺さんいるかぁ!?」

「こんな午前様まで野良仕事してるのが人間なはずねーだろ!?」

お怒りはごもっとも…デス…

ちょっと涙目になりました。

皆…入る前からこれかよ…って

戦慄を隠せない様子…

私だけではなく

全員、怖かったんです

だって県内最怖ベストスリーに数えられる場所ですもの

せっかく軍用にも用いられているフラッシュライト

シュアファイアも草の壁に阻まれ

その性能を発揮できず

目の前を照らすに留まってます。

背丈を越える草を掻き分け

敷かれた砕石の名残りが

ここは道であったということを証明している上を

進んでいきます。

左手に…

蔦植物が絡みに絡んだ

金網フェンスが見えてきました。

フラッシュライトの明かりに奥の方がキラキラと

反射して光っています…

「水か…」

誰かがつぶやきました。

川とか沼…でしょうか…

道を進むにつれ…

「これ、プールじゃ…ね?」

本当に…コンクリートで四角く区切られた上に…

競泳のスタート台らしきものまで見えます…

「ラブホの廃墟に競泳もできるプールだって!?」

それだけではありませんでした。

さらに背の高い緑の金網フェンスに囲まれた

テニスコートまで現れたじゃないですか…

「どういうことだ!?」

全員が立ち止まるに充分な事態でした。

騒然となりましたよ

高速を使ってここまでやってきて…

ラブホの廃墟とは思えぬ佇まい…

「場所を間違えているんじゃ…」

幾人にも聞き取りを行った上に地図まで書いてもらい

県別マッ●ルと照らし合わせて

やってきたのですから

それはあり得ません。

では…

「地図は合っていて

 この先に建物は

 確かにあるんだ…とりあえず進もう」

A君が歩きだしました。

私達も、もう文句は言わず彼の後に続きました。

草の中に直進と左へ折れる分岐…

「T字路がある…」

書いてもらった地図にも、その分岐は示されていました…

それに従い

私達は左折…

強烈なフラッシュライトでやや上に照らすと

黒々とした草の海に

白壁に二階造りの巨大な建物が浮かび上がりました。

丘の上に建っているみたいです

そして、見た男性諸氏が口を揃えて

「こ、これは絶対にラブホなんかじゃねぇぞ!?」

経験値の無い私には判別が出来ませんが

彼等が言うにはどう見てもラブホテルの外観ではない

断言されてしまいました…あの廃墟…

では…なに?

「あれは間違いなく学校だろ!?」

私もそう思いました。

学校風のラブホテルってないんですか?

ああ、ないんですか…

でも中学生の頃

理科の準備室で先輩とかが…

それとは違うんですか…

ずらりと並ぶガラス窓がキラキラと

フラッシュライトの明かりに反射してます。

それから…一階部分には懐かしさがこみ上げてくる

登下校時には

生徒でごった返した下駄箱が並ぶ大きな昇降口らしきものが…

屋上には手摺りが備え付けられて…

建物の両端と中央には階段でもあるのでしょう…

そこには大きな窓がついてない…

そう、誰もが学校を連想してしまう建物が…

恐怖の廃ラブホがあるべき場所に

鎮座していたのです。

プールにテニスコート…確かに…

学校ですよね…



これほどガッカリしたのは

ジ●リの『ゲ●戦記』を観た時以来ですよ!!

ああ、でも

ガッカリを通り越して怒りが込み上げてきたっけ『ゲ●戦記』…

「こぉ〜ころを何にたとえよぉ♪」

さすがのA君も

ただ、前方に照らし出された建物を睨みつけるのみ…

まさか…

地図で案内されて来てみれば

そこは学校だったなんてオチ…

誰にも想像つきませんよ

誰からも自嘲の笑いは起こりませんでした

どんだけ…

どんだけの恐怖に打ち勝ち

ここまで来たと思ってます!?

今の私達が巨神兵だったら七日どころか二日で

世界を焼き尽くせますよ

分水嶺はとっくに越えてました。

全員、もう進むしかなくなってました。

あの学校は心霊スポットであるしかない…

心霊スポットでなくてはならないのです。

これがギレン総帥がガルマ様追悼演説仰っていた

悲しみを怒りに変えて立てよ国民!

なんですね!?

私達は退く事を知らぬ日系アメリカ人によって編成された

第442歩兵連隊戦闘団の如く

あの建物に向かって怒りの突撃を開始したのでした。


十分後

元は運動場だったっぽい

広い広い草の海を泳ぎきり

竹やら笹が生え放題の

丘に刻まれたスロープを上り

私達は昇降口の前に立っていました。

全員、汗みどろ

息を荒くする

目の前…

昇降口が山と積まれた机で塞がれてました。

それはもう無秩序に積み上げられた

机の山です。

侵入者を拒む為でしょうか…

全教室の机を全て持ってきたみたいに

奥の方まで机が積まれているのが

確認できました。

「窓を割って中に入ろう」

そんな意見も出ましたが…

しかし…

そうなんです。

ここって廃墟なのですから…

訪れた先人によって

ガラスを真っ先に割られている筈なのに…

今まで見てきた廃墟は全て…例外なくそうでした。

なのにここは…

建物の窓枠に納まったガラスが全て、健在でした。

割れ窓理論に則り

私達もこの建物に傷をつけることができません。

割ったりしたら大変なことが起きるような

そんな嫌な予感もありましたし…

それで

四つん這いになって積み上げられた机の隙間を通って

中へ侵入を果たすことになりました。

机を9人で一個一個どかしながらなんて

まず不可能です。

朝になってしまいますよ。

それにこの机の積み方も異常でした。

移動することを拒むような…崩れにくそうな

侵入者の私達からすれば

それはもう、いやらしい積み方でして…

普通なら建物周辺をまわって

他の突入ルートを探そうとなるのですが…

窓ガラスは無事なことは前述しましたけど

一箇所のみ

昇降口の壁にスプレーで落書きされているのを見つけ…

読んでみると

この結界めいた机の山を通過するルートが描かれていました。

誰が書いたものなのか…

これに従ってみるか…

面白半分と言いますか、ダメ元覚悟といいますか

「俺が来いというまで誰も入るなよ」

まずはA君が壁の絵に記された通りに

机の脚の間へ

四つん這いになり身体をもぐりこませました。

B君が懐中電灯で壁の絵を照らしながらルートをA君に指示を出します。

A君のお尻が奥へ進んでいくのを

全員が固唾を呑んで見守ります。

それから

三分としない内にA君から

「抜けた!入っても大丈夫そうだ」

突入OKの指示が出ました。

全員が餌を巣穴に運ぶ蟻みたいに一列となって

机の山にできた隙間を這って進みます

怖さ…

そうですね

来るときは県内最怖ベストスリーってこともあり

ガチガチになってましたが

廃ラブホの筈が廃校だったことで

人違いならぬ廃墟違い…

最怖な場所じゃないっていう安心?

怖いって感覚がかなり薄れてました。

だからでしょうか

こんな四つん這いで狭いところを進むのも平気だったのは…


全員が机の山を潜り抜けると

懐中電灯に照らし出されたのは

まだ学校として使えるんじゃないかというほど

綺麗な佇まいでした。

廊下も壁も天井も荒らされた様子も無く

朝になれば生徒が登校してくるんじゃないか…みたいな…

校庭の荒れ方と昇降口の机の山が無ければ

廃墟だとは本当に思えませんでした。

だからでしょうか

一階部分を探索していく内に

いつもの心霊スポット探検みたいに

軽口が飛び出て笑いが起こり

和気藹々な雰囲気が

高速道路を降りて以来、

やっと私達に戻ってきました。

まっすぐに伸びる廊下

その片側に並ぶ教室…

本当に学校の造りそのままでした。

一階には職員室があったみたいで

一番広い部屋には先生達が使っていたのでしょう

スチール机がずらりと並んでいていました。

通知表やら書類等は全て持ち出されていて一枚として

面白そうなものはみつかりませんでした。

ああ、教室ですが

やっぱり昇降口に積む為に机を残らず持ち出されて何も残っていませんでした。

椅子…椅子はどこだろ?

そういえば一脚も見当たりませんでした。

一階部分の探索を終えて

次は二階…

建物中央にある階段を上って

行くことにしました。

A君が先頭でB君が殿(しんがり)

わいわいがやがやと階段を上っていきます。

踊り場で向きを変え

階段をトントンと…

最後の段を左足が踏み

右足を二階に乗せた時…

それまでの喧騒がいきなり途絶え

明かりは私のシュアファイアが煌々と行く先を照らすのみ…

「ええ!?」

私の周囲にいたはずの8人が忽然と…

消えてしまいました。

最初からここには

私一人しかいなかったみたいに…

辺りの空気が急激に二三度下がったような

妙な肌寒さを感じました。

背筋がゾクゾク…

二の腕にぞわわっと鳥肌が立ちましたよ

こ、こわっ!


いや…


でも!


でも!!



そうだよ!


私以外の八人が共謀して

私が目を離した隙にさ、

凄い速さで階段を上り

私を脅かそうとかで

どこかの教室に入ってたりして…

私を驚かそう…そうだよきっと…

ポツンと廃墟の中に一人残された私…

廊下に出て一番手前の

教室の引き戸を開けてみます。

フラッシュライトの明かりが空っぽの室内を照らします。

A君、B君、C君はじめ誰の姿もありません

その隣の教室へ急いで向かい…

また引き戸を開け放ち…

視界には無人の教室が映るのみ…

今の今まで

D君なんか

私と肩を並べ

ラブホテルの様子について自慢げに語っていたんだよ!?

「あはははは!

 十分、肝が冷えたよ!みんな出てきてよ!!

 本当にマジで怖いんだから出てきてよ!!」

泣きそうです…いえ、もう…涙が溢れて…

何もまともに考えられない…

怖い…

めちゃくちゃ怖い!

頭パニック!!

廃墟の二階で廊下でひとりぼっちでオロオロするばかり…

どうしたら良いか?より

どうしたら怖くなくなるか…

まず、ユウレイはダメ!

出てきちゃ絶対ダメ!

百歩譲って…宇宙人は


この際…いいです…解剖は嫌だけど…


未来人、異世界人、超能力者がいたら


私のところに来なさい以上…なんねて♪


うわぁ




ハルヒ…




ハルヒと言えば…




「ひゃっひゃらっひゃ〜♪ひゃっひゃらっひゃ〜ひゃ〜ひゃぁん♪

 ぽっぽぽぽぽっぽん♪

 ナゾナゾォみたいにぃ〜地球儀を解きぃ明かぁしたら♪

 みんなでぇどぉこまでも行けるね〜♪」

誰もいないし…怖さを紛らわせる為にも

踊っちゃお♪

心霊スポットでの杏里は禁止されてるけど…これなら♪ 

この歌詞で怒る幽霊なんているわけないですもん!

「ワクワクゥしたいとぉ願いながらすぅごしてたよぉ♪

 叶えてくれたのはぁ誰なのぉ♪

 時間のはぁてまで Booooon♪

 わぁぷでぇ〜るぅぷなぁ〜このお・も・いはぁ♪

 何もかもぉお巻き込んだ想像でぇ〜

 あ・そ・ぼ・お♪

 あるぅ晴れた日の事ぉ〜魔法以じょ…」

「なにしてるの?」

ピキッ!!





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