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ケツポケットに文庫をコミュの1−1. 「新刊離れ」と「読書離れ」

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●そもそも出版業界は縮小し、読書文化は衰退しているのか?
これを検証するには様々な指標があるみたいですが、残念ながらどの指標をもとにしても出版業界の縮小は疑いようのない事実のようです。永江朗さん『本の現場 本はどう生まれ、だれに読まれているか』によると、新刊は「89年から04年の15年で、点数は倍になり、一点当たりの実売部数は半減した」そうです。つまり、新刊の発行部数は2倍に伸びているのに、新刊の売り上げは変わっていない。いわゆる「出版洪水」です。これによって、出版業界は圧迫され、その規模は縮小しつつある。これが現状のようです。

しかし、ここ10年20年で僕らを取り囲む情報環境は著しいほどに様変わりし、PC・携帯・音楽プレイヤー・ゲーム機などなど、様々なものが本の競合として立ち現われて来たことを考えれば、多少の縮小ならある意味では当然です。要するに、「昔に比べて縮小しただけ」かもしれない。だから、悲観的になりすぎるのは良くないと思います。

●「読書離れ」は本当か
では、次に「読書離れ」についてです。これにも本当に様々な観点・指標があります。読書量や読んでいる本の質の問題、図書館で借りられた本の数や小学生・中学生・高校生の読書冊数、などなどなど。指標によっては「読書離れ」が起きていると考えられるものもありますし、逆に「読書離れ」が起きていないと見てとれるものもあります。観点や指標によって評価が大きく分かれてしまいます。

そもそも、情報環境の変化や余暇時間の増減などを考えれば単純に「読書離れが進んでいる」と言い切ってしまうことは出来ませんし、逆に「読書離れなどしておらんわ!」とはねつけることも出来ません。

つまり、「読書離れ」が起きているとは言い切れない(・・・・・・)状況であるということです。

●「読書離れ」ではなく「新刊離れ」
しかし一方で、少なくとも新刊離れは確実に進んでいます。要するに、「読書離れ」というよりはむしろ「新刊離れ」の方が正しいのではないでしょうか。僕はそう思います。実際、Bookoffの売り上げはここ数年右肩上がりですし(ゲームやCDのことを考えると、単純に比較はできないのかもしれませんが…)、新刊ではなく古本を読むようになったという方が適切な見方なのではないでしょうか。

●「読書離れ」イメージの蔓延
しかし、このような状況であるにもかかわらず、さも明確な事実であるかのように「読書離れ」という「イメージ」は蔓延している。問題はむしろこっちのほうにある。

なぜなら、「読書離れ」イメージはさらなる「読書離れ」を助長するからです。「みんな読んでいないんだったら、僕も読まなくていいか。」と考えてしまうのが人間です。この「読書離れ」イメージは百害あって一利なしです。いち早く取り除かなければなりません。

●新刊は売れてもらわなければ困る
一方で、「新刊離れ」も放置してはおけない問題です。当然のことですが、新刊の購買減少はそのまま出版業界の縮小に直結します。そして出版業界の縮小は読書文化の衰退にもつながりかねません。

●解決すべきは「読書離れ」イメージと「新刊離れ」
つまり、「読書離れ」イメージを払拭すると同時に「新刊離れ」も解消しなければならないということです。本を取り巻く現状を回復するためには、この二つをともに解決するような新しいアプローチが必要不可欠です。

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