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自分探しの就活しませんか??コミュの母と子の444日就活戦争(5)

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最高気温15.7度というよく晴れた2011年の4月1日。息子は社会人となった。

 東日本大震災の影響で大学の卒業式は中止となり、春休み中は毎朝アルバイトに出かけていたため、当日の朝、送り出した後にようやく「あ、今日から社会人か…」と思った次第である。子供が社会人になることは親にとって子育てが一段落する節目だが、いつもながらのあわただしさで感慨もなく過ぎてしまった。

黒い就活バッグを茶色の革のカバンに買い替え、社会人として働きはじめた。

 息子はというと、黒い就活バッグを茶色の革のカバンに買い替え(伊勢丹新宿店メンズ館で購入したそうだ)、毎日張り切って仕事に出かけている。

 2010年10月16日、息子が本格的に就活を始めてから1年を過ぎて、ようやく最初の内定通知が届いたときには、心底ホッとしたようだった。いつもにぎやかな息子なので、もっと大げさに喜ぶかと思うと、ちょっと意外ではあったが、それだけ将来への不安が大きかったのかもしれない。家全体も安堵のムードに包まれた。

 それから約1カ月後の11月23日、夜、子供たちと食い入るように「ガイアの夜明け」(テレビ東京系)を見た。タイトルは「息子たちの戦 争〜親たちの知らない新“就活”戦線」。一橋大学、早稲田大学など超上位校の男子学生たちが就活に苦戦する姿を追ったドキュメンタリーだ。「(内定が決まるまでの)苦しい気持ちがよく分かる」と、ポツリと息子が言う。たぶん内定していなければ、私も子供も見られなかったと思う。

 しかし、息子はさらに就活を続けた。勤務先が都内ではなかったためだ。「自分の生まれ育った東京で働きたい」というのが彼の希望だったのである。

 そして、12月18日に内定が出た都内の学校で働くことになった。

 教師という職業は、まったくの想定外だった。大学に入学したときも、いや、就活を始めた大学3年の秋ですら、私は予想していなかった。ゴールデンウイーク前に「持ち駒」がなくなったときに就活からリタイアしていたら、こういう結果にはならなかっただろう。


■「就活セレブ」の登場、進む就活生の二極分化

 今回は、就職浪人はせずに、卒業までに内定を獲得する学生の条件を探ってみたい(企業の求める人材については次回触れる)。

 今、就活では二極化が進んでいる。ブランド大学に在学し、成績も優秀、ゼミやサークルにも力を注ぎ、コミュニケーション能力も高く、在学中から社会人とのネットワークを持ち、コネクションも開拓してきた学生は、就活であっさりと何社もの内定をゲットする―――そんな「就活セレブ」(昭和女子 大学客員教授・福沢恵子氏)が出現している。ひとりで多くの企業から内定を獲得するセレブと、その一方で何社にアプローチしてもダメで(息子のように)就活が長引いてしまう学生たち。

 あなたのお子さんが前者であれば、この連載を読む必要はないだろう。でも後者である、または後者の可能性が高い、就活はまだだけれど知っておきたいという方にお読みいただきたい。

「続けていれば必ず内定をもらえる」と多くの専門家が口をそろえる。

 「継続は力なり」。この古くからの格言は、現在の就活でも生きている。

 「就活がつらくても逃げない、放り出さないこと。目の前の現実を受け止めて、やり方を変える、視点を変えてやり続けることが大切です」(福沢氏)

 福沢氏によると、エントリーシート(ES)を書いても、書いても選考を通らないと、早い場合は3年生の2月ころにはドロップアウトしてしまう学生がいるという。そして、例年大手企業が採用活動を終える4月、5月には敗北宣言して、就活を先送りしてしまう。

大切なのは続けること。うまくいかなくても、リタイアせずに走り続けることが大切

 「内定が一つも取れていないのはつらいでしょうが、今の学生はプレッシャーに弱すぎます。途中でリタイアせずに走り抜けて欲しい。子どもの就活が順調でない時に親がすべきことは、安易に就職浪人や大学院進学をすすめることではなく、今の就活状況を理解した上で、『就活では落ちることのほうがノーマル、あなたが今経験していることは当たり前のこと。この経験は後で必ず役に立つのだから、今のつらい気持ちから逃げるな』と伝えてやるべきでしょう」

 確かに、落ち続けると精神的につらくなる。まるで自分を全否定されたような気分になる。

 就活事情に詳しいジャーナリストによると、東京大学のような超上位校の学生のほうが受けるプレッシャーはより強いという。彼ら、彼女らは受験の“勝ち組”であるというプライドもあり、両親のみならず祖父母(!)の期待も非常に大きく、生半可な就職先では、自分だけでなく周囲も納得しない。それゆえエントリーも、応募先も厳選するため、結果として会社数も少なく、落ち続けると精神的なダメージがより大きいという。


■自分が何をしたいかではなく、どんな役に立てるかを考える

 当然だが、就活がうまくいかないからといって、その人の価値が下がるわけではない。悲劇のヒーローやヒロイン気分に陥らず、時代が悪いとか大学や親、誰か他人のせいにするのでもなく、早めに、戦略をチェンジできる人が内定を獲得する人といえる。

 たとえば、ポルトガル語が非常に堪能な優秀な学生がいたとする。しかし彼・彼女が志望する企業がこれから中国市場を拡大する局面であれば、中国語が堪能なほかの学生を採用するだろう。しかし、ブラジル市場を重要と見る企業であれば、その学生こそ欲しい人材だ。要はマッチングなのだ。

 「自分が何をしたいかではなく、『誰のためにどんなお役に立てるか』という視点を持つのが就活の基本です」(福沢氏)
 人気企業には「御社の○○(商品やサービス名が入る)が大好きなので、御社を希望しました」という学生がわんさと集まる。「でもウチの会社の製品が好きだという学生さんは、ファンのままでいただいて結構。今後ももっとどんどんお買い上げいただきたい」とはある人気企業の関係者。

 「ウチがほしいのはファンではなく、将来、企業の成長に貢献してくれる人間なのです。新しい価値が創造できるかどうかという観点で選びます」

 なるほど。私も、これまで数回ではあるが、書類選考や面接にかかわったことがある。ありがたいことに、女子学生の多くは「日経ウーマンの大ファンです」と、当編集部を志望してくれる。でも、確かにファンであるかどうかは採用の重要な基準にはならない。それよりも、この人と働きたいか、この人は今後伸びそうか、この人が加わることで組織が活性化するか、新たな視点や企画を創出できるか――。つまり私であれば、雑誌の売り上げが伸びて会社の業績に寄与してくれるかどうかという点で判断する。

 何がやりたいかではなく何ができるか、この会社が好きかではなく、自分が役に立てるか、価値を作ることができるかと、視点を変えてみると企業の選択肢も広がるのではないだろうか。


■日経新聞はビジネス世界の共通言語

 就活は情報戦である。この世にあふれている情報を上手に取捨選択して、就活に生かせるかどうかもポイントになる。

 楽天・みんなの就職事業長の矢下茂雄氏は「情報は有り余っていますが、学生が持っている情報に偏りがあり、取るべき情報が取れていません。 例えば、ある就活セミナーで日本経済新聞を読んだほうがよいかどうか質問したところ、多くの学生が読んだほうがよいと回答しました。しかし、実際は参加者140人中6人しか読んだことがなかったのです」。

 本連載の3回目に触れたように、学生の多くは認知度が高く、競争も激しいBtoC企業の名前しか知らず、BtoB企業にアプローチできないというのもそれが原因だ。受け身のままでは、前者の情報しか入ってこず、就活に苦労することになる(例えば、ある超上位校では某大手化粧品会社の社内説明会に女子学生が400人参加、エントリーは1000人を超すと推測されるが、内定まで行くのは5人程度という厳しさである)。

 情報は自ら取りに行くべし、だ。

 「今は新聞を読まない学生がほとんどです。ケータイのニュースは断片的で、全体をとらえる力がつきません。それで、企業に受かろうとするのは無理というもの。おすすめはやはり日本経済新聞です。私の学生には日経新聞を読ませていますが、最初は分からなくても半年続けて読むと面白いと言い出す。日経新聞は丸の内ビジネス世界の共通言語。できるだけ早く共通言語を覚えたほうが理解力もコミュニケーション能力も高まります」(東京女学館大教授・ 西山昭彦氏)

 「お父さんが日経新聞を読んでいるなら子供にも読ませたほうがいい。日経ビジネスも同様。紙のメディアはコンパクトにまとまっていて読みやすい。みんな食わず嫌いなだけで、続けて読むと連載小説のように読めるはずです」(人材コンサルタント・常見陽平氏)

 この連載をしているのが日経新聞だからそう言う…とは思わないでいただきたい。専門家がこぞって推薦していたのだ。
 私の就活の初歩のおすすめは、日本経済新聞電子版のツイッター(@nikkeionline)である。来年就活生となる大学2年の娘が、最近、「日経平均株価がさあ…」「景気って…」と言い出したので、「おっ! どうした、どうした?」と思ったら、「ツイッターで日経電子版をフォローしてるから、(経済情報が)自然と入ってくるようになった」とのこと。これなら興味のあるテーマは、日経新聞電子版の記事とリンクしているので詳しく読むことも可能だ。

 もし、現在就活中ですぐにでも優良な企業が知りたいのであれば、『日本の優良企業パーフェクトブック2012年度版』(日経HR)がいいだろう。日経新聞や日経グループが調査・発表した6つのランキング・調査結果をまとめたもので、中堅・中小企業の情報も収録している。また、現在発売中の日経ウーマン5月号では独自調査「女性が活躍する会社ベスト100」を掲載しているので、ぜひ、参考にしてほしい。


■20人の社会人に会えば就活はうまくいく

 今、企業が採用で最重視しているスキルの1つは、コミュニケーション能力である。どんなに超上位校でハイスペックでもコミュニケーション力がないと判断されれば、内定までこぎ着けることはできない。

 コミュニケーション力を急に伸ばすことは難しいが、常見氏がすすめるのは「社会人と会うこと」である。「社会人との接点を大切にすることです。自分でアポを取って、1対1で20人の社会人に会えば、私の経験上、就活はうまくいくといっていい。就活でOB・OG訪問に力を入れた学生は、納得のいく就活ができています」。

 社会人とアポを取るのは学生にとって勇気のいるタフな作業である。それはメールや電話で自己紹介して自分の希望を伝え、訪問や面談の時間設定をし、ときには交渉もし、結果、幅広い世代の人たちと直接会話する機会を持つということだ。「それを重ねれば、自然とコミュニケーション力や社会人基礎力が磨かれていきます」(常見氏)

 そういえば息子の就活のキーパーソンとなったHさんも同じことを言っていた。彼女は先輩や親戚など、ありとあらゆるつてを頼っていろいろな人に会った。そして面談したほとんどの人にESを見てもらい、アドバイスを受けたという。

 「私には合同説明会よりも何よりもそれが一番よかった。第一志望の企業だけでも7人に会いました。すると、初対面の大人の人と臆せず話せるようになるんです。普段話すのは友達や家族とか気心の知れた人だから、いきなり面接で会社の人と会うと緊張する。それが重役とか偉い人ならなおさらです。でもOB・OG訪問で鍛えていたから、緊張せずに面接はうまくいきました」

 20人のOB・OGを訪問した人は就活もうまくいく。そうであれば、子供に望まれたときは親がOB・OGを紹介することも効果的だろう。ただし、当然だが、アポは子供に取らせるべし。


■入学の時から「就活」は始まっている

 これを一言でまとめると、主体的に就活した人が内定を獲得するということだ。

 受け身で過ごすのではなく、主体的に行動すること。戦略を立てて情報を取りに行き、ネットワークも自分で開拓する。でも全部自分でゼロから やる必要はなく、各大学に設置されている就職支援セクションを最大限活用することでそれはある程度手に入る。「ESの書き方などテクニック的な指導もしている。専門の相談員もいるし、OB・OG名簿もある。セミナーやイベントも随時実施しています。積極的にキャリアセンターを利用している学生ほど内定が早い傾向にある」(早稲田大学キャリアセンター課長・西尾昌樹氏)。

 「ESの書き方とか面接の仕方とかテクニックを身につけることも大切だが、テクニックだけでもダメ。自分がどんな学生生活を送ったか、そのすべてが就活には出る。その意味で就活は入学のときから始まっているといえます。主体的に過ごすためには、『とりあえずのテーマ』でいいから、『いろんな人に会う』『エコロジー』とか、自分の大学生活の『軸』やキーワードを設定するといい」と福沢氏。

 早く就活を始めると、早く終わるのが就活のセオリーでもある。

 ただし、それはスーツを着て会社説明会に行ってエントリーして、という就職活動そのものを指すのではなく、就活のずっと前から主体的に充実した学生生活を送っている学生が内定を獲得しやすいということなのだ。

 とはいえ、「大学生活のテーマを持て」とか「主体的に生きろ」などと親がいきなり子供に言ってもなかなか難しい(普段コミュニケーションがないならなおさらである)。そういうときに「日経ウーマンのなんとかという編集長が、こんな記事を書いているぞ」と子供たちに紹介してくれたら、そこをとば口にして親子の就活タッグが組めるかもしれない。

 ひと足先に就活に苦労した親として少しでもお役に立てたら幸甚である。

(次回へ続く)

---2011年5月日本経済新聞新聞より抜粋---

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