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自分探しの就活しませんか??コミュの母と子の444日就活戦争 (1)

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■通用しない親世代の常識

 「内定、もらったよ。」

ある土曜日の午後、大学4年の長男から電話があった。

 午前中、最終面接に行くと言って家を出たのだが、面接の最後に内定を告げられたという。

「そう、それはよかったね。おめでとう。」

そう言って受話器を置いた後に、心の中で「終わった、ああ、長かった…」とつぶやいた。

 この日は2010年12月18日。今の大学生が本格的に就活をスタートさせるのは、大学3年生の秋、具体的には就職情報サイトがオープンして企業にエントリーが始まる10月1日といわれる。長男の就活(就職活動)が2009年10月1日から開始したとすれば、なんと1年2ヵ月以上、日数にすると、444日目にようやく終わったことになるからだ。

スーツは入学式着用のものがストライプ柄だったので、就活に使えず購入。最初の1着がボロボロになり、2着買い足した

 1年余にわたる長男の就活に接して、自分の頃の80年代の就職活動とあまりにも様変わりしていることに驚いた。

 ウチの子だからこんなに長引いたのか。

しかし、平成22年度卒業予定者の大学生の就職内定率(厚生労働省と文部科学省の共同調査)をみても、2010年10月1日現在で57.6%となっている。その数値はその後もあまり上がらず、12月1日現在でも68.8%にとどまった。これは両方ともこの手法で統計を取り始めた平成8年度以来 過去最低の水準となっている。さらに、男女別でみると、男子は70.1%(前年同期比マイナス2.9ポイント)、女子67.4%(同マイナス5.8ポイント)となり、女子学生にさらに厳しい状況になっている。


■景気と連動した「氷河期」の再来ではない

 つまり、就活を1年以上続けても4割超が就職先が決まらず、さらには、大学4年次の12月、文系であれば卒論の締め切りが迫る頃になってもまだ3割超が、来たるべき春の予定が立たないのだ。

 これは異常ではないだろうか。

 リーマンショック以降の景気の悪化で新卒採用が絞られているから仕方ないのか。「数年前であれば就活は楽勝だったはずなのに、先輩たちがうらやましい」と学生はほぞをかむしかないのか――。いろんな疑問が親である私にわいてきた。

 果たして、求人倍率0.99となった99年のような就職氷河期が再び訪れたのだろうか? 人材コンサルタントの常見陽平氏はその見方を否定する。

 「現在の就職難は、景気と連動した単なる就職氷河期の再来ではない。構造的要因が生み出した『就活断層時代』である」と指摘する。その構造をきちんと把握せずに、いわば丸腰で就職に臨むことはあまりにリスキーだといわざるを得ないだろう。

 「親世代の就活の常識はまったく通用しないと思ってください」とは、大学での学生の就活指導経験も豊富なキャリアコンサルタント小島貴子氏(埼玉県雇用・人材育成推進統括参与)。「ウチの子供は超上位校だから大丈夫」という思い込みも捨てたほうがいい。たとえ、東大だろうが、早慶だろうが、大学名だけで内定が取れるような時代ではなくなった。

 この構造的要因等については次回以降書きたいと思う。


■親の世代とこんなに違う、今時の就活

 実際、息子の就活は、私の目から見ると謎だらけであった。

 まずは早期化そして長期化である。

 私は84年に大学を卒業した。就活は前年の83年。4月に東京ディズニーランドがオープンした年である。男女雇用機会均等法もない時代で、「四年制大学・地方出身・下宿(アパート)」という当時の女子学生に不利な三条件を背負っていた私の就活は苦戦続きだった。

 「おいしい生活」などのキャッチコピーとイメージ戦略で、文系女子学生に人気ナンバーワンだった西武百貨店に1次面接で落とされたり、ある編集制作会社では、答えに窮し面接で泣き出してしまったりと、まあ、散々だった。しかし、しかしである。10月にはいくつかの企業から内定をもらっていた。4年の春からマスコミ対策ゼミに入り、5月に就活用のスーツを購入しOB・OG訪問もしていたが、本格的な就職活動というと数カ月程度だったのではないか。

 その頃の男子たちはもっとラクだったようだ。当時は就職協定があり、建前上は大学4年の10月1日が会社訪問解禁日、そして11月1日が入社試験解禁日であった。しかし、1984年11月1日付けの日経新聞では、「男子学生の9割が入社試験待たずに内定、しかもその8割が10月1日前には内定」と自社調査を記事にしている。それを読むと、当時の学生は夏休み前後から本格的な就活をはじめ、平均約14社を訪問し、3、4カ月で内定をもらっているようだ。今から考えるとなんと短期決戦であることか。

 今の学生の就活の本格的なスタートは、冒頭で書いたとおり、就職情報サイトがオープンする大学3年の10月1日(2011年は変わる可能性が高い)。この時点で親世代に比べて1年早い。早く始まり早く終わるならまだいいが、そこから長きにわたり、ゴールの見えないレースが始まる。

 しかも、非常に煩雑化しているのも特徴だ。就活でやるべきことが山積しているのだ。親世代であれば、就職案内誌や大学に来ている求人票を見て資料請求はがきを企業に送り、その後は履歴書を送付し、それが通れば、一般教養や時事問題などの筆記試験を受け、その後は数回面接がある程度だったろう(と言っても十分大変ではあったが)。

 しかし、今の学生は、まず就職サイトや企業のサイトなどで資料請求や会社説明会を申し込んで、その企業に志望するという意思を表明する。そのエントリーがすむと、企業からは会社案内や説明会の案内などが郵送やメールで届く。その後で志望企業にエントリーシートや履歴書を送る。そこが通ったら、基礎能力適性検査や性格適性検査などの筆記試験を受ける。その後面接へと進み、面接を3〜5回受けることになる。

就活本は全部で1万円くらい購入した

 面接も親世代は、面接担当者が質問し学生が回答するスタイルが主だったが、今はその内容も多様で、個人面接、集団面接の他に、1つのテーマについて学生5、6人が討論するグループディスカッションや、課題を与えられ話し合ったり作業をしたりするグループワークなどもある。「親世代と比べて内定までの関門が非常に多くなっている」(日経HR日経就職ナビ編集長・渡辺茂晃氏)。

 息子は、10月以降、就職情報サイトなどから企業にエントリーするためパソコンに向かう時間が多くなった。11月下旬からは、ほぼ毎日スーツを着てどこかに出かけるようになった。「スーツ着用のときは面接」という私たち世代の感覚とは違っていて、それは、「ゴウセツ(企業の合同説明会)」であったり、会社説明会であったり、インターンであったり、OB訪問であったり、セミナーであったりしたが、とにかくスーツの出番が多い。一着のスーツでは間に合わなくなり、あとから2着ほど買い足した。


■1枚書くのに4時間かかるエントリーシート

 12月は息子のエントリーシート(ES)指導で夜は更けていった。エントリーシート、これも親世代にはなかった難物だ。我々が書いたものといえば履歴書と志望動機の作文くらいだったろうか。履歴書はその名前のとおり、学歴・職歴、免許・資格など個人のプロフィールを書けばよいが、エントリーシートは違う。とにかく記入欄が広い。「志望動機」「自己PR」「学業以外で力を注いだこと(略してガクチカとも言う)」「将来の展望」などで構成されている。それを400文字など決められた文字数でまとめないといけない。しかも何千枚ものエントリーシートに目を通す採用担当者に「会ってみたい」と思わせなければいけない(ある大学生は「1枚につき作成に4時間はかかる」と言っていた)。

 就職情報サイト「日経就職ナビ」のモニター調査(ディスコ調べ)によると、2011年度学生ひとりあたりの平均エントリー数は91.1社(前年比9.4社増)、エントリーシート提出は23.3社(同2.5社増)、筆記・ウェブ試験15.7社(同4.3社増)と激増している。ウェブでの申請であれば、ある程度のコピペでエントリーシートの一部は作ることができるが、しかし、それが23社ともなると――。それに費やす時間や手間が膨大になるのは想像に難くない。また日経就職ナビの人気企業100社の調査によると57.1%は、ES提出をインターネット経由にしているが、提出書類は手書きと考える企業もいまだ多く、郵送受付も30.1%ある。手書きの場合、文章だけでなく、白紙のコーナーに写真やイラストを使って書き込まなくてはいけない場合もあり、さらに複雑になっている。

 2009年12月のある土曜日、息子の大学で開催された保護者対象の説明会に参加した。この大学にとってははじめての保護者向けの説明会だという。400〜500人は入る大教室は立ち見まで出るほど満杯だった。そこで、ある企業のデータを聞いて驚いた。文系学生に絶大な人気を誇り、人気企業ランキングの常連である某企業には、エントリーの段階で4万人が登録するという。ES提出が1万2000人、筆記試験や適性検査まで進めるのは8000人、その後、グループ選考段階でも3500人、それから面談を何度か繰り返し、内定が出るのは100人ほどだという。

 つまり、競争率は400倍である。

 名の知れた有名企業であれば、万単位でのエントリーはもう普通なのだという。親世代でいうと、例えばアナウンサーなどの人気職種のそれは何百、何千倍だったと思うが、いまや女子アナ並みの競争倍率が就活で標準化しているのだ。

 「大学受験よりもかなり厳しいことを覚悟してください。皆さんのお子さんがシュウカツで落ちるのは当たり前なんです!」。
大教室のまん前で説明していた女性の声が甲高く響く。その例となった企業には息子もエントリーしていたが、行き先が明るくないことはそこで十分に予想できた。


---2011年4月6日 日本経済新聞より抜粋---

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