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帝王学研究所コミュの「日本人は、精神に電池を入れなおせ」(対談)司馬遼太郎VS西澤潤一

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「日本人は、精神に電池を入れなおせ」(対談)司馬遼太郎VS西澤潤一

 私の司馬遼太郎の講演集、対談集が好きで、本屋や古本店で見つけ読んでいます。司馬遼太郎講演集に「織田信長の安土城は、ザビエルの故郷にある要塞型の城に似ている」と現地まで確認に行き、それを講演で語ったとありました。

 司馬氏の「八人との対話」に、元東北大教授で、現首都東京大学総長の西澤潤一氏との対談「日本人は精神に電池を入れなおせ」に西澤氏が、「21世紀はやはり技術立国・日本であるべき」とありました。

 「猿まね日本人」と非難された時代があります。明治期、大正期に、欧米の技術を導入し発展したことは事実ですが、既に大正期には日本独自の発明、構想が生まれていました。ところが日本人は、「独創」を評価しない社会でした。西澤氏が、「レーダー」の発明者、東北大学の八木秀次氏について語っています。

・レーダーの基本は、日本が発明
 大正15年八木氏は、八木アンテナを発明します。八木研究室の岡部金治郎が、陽極分割型マグネトロンを八木の指導で発明、これは電子レンジのマイクロ波の基になるものです。昭和9年八木研究室の松尾貞郭が、航空機から電波が反射して来ることを見つけ、それを八木氏が英独仏の雑誌に投稿させています。それを基にレーダーを作ったのがイギリスです。

〜本文、抜粋〜
(西澤氏) 第二次大戦下のシンガポールで、日本軍がレーダーを見つけ、ニューマンというイギリス兵に「これは何だ」と聞いたら、「ヤジアンテナだ」と答えた。「ヤジとは何か」と訊ねると、兵隊はけげんそうな顔をして、「日本人の名前だと聞いている」と言う。そこで慌てて調べたら、東北大の八木先生だということが分かった。(中略)


 私は、20代後半に西澤潤一氏の著書「10年先を読む」を読んだ。こんな研究者が日本に居るのだと感銘を受けた。司馬氏との対談を読み、益々その叡智の高さ、先見力に感動した。
 この対談の終わりは、「日本の未来を支える独創」というテーマだった。その前置きに「独創性を損なう受験塾」について熱き議論があった。

〜本文、抜粋〜 
・独創性を損なう受験塾
(西澤氏) 今の子供たちは、幼稚園前に幼稚園に入る塾に行く、次に小学校へ入る塾に行く、フルタイムで上の学校に入るために勉強している。だから大学に入った途端に、目的を到達してガックリとくる。いろいろなことは覚えているけど、人間的にまったく成長しないまま大学へ入って来るわけですから、結局いちばん手近なお金とか権力とかに憧れてしまうわけです。独創など伸びっこありません。(中略)


 昨日私は、アフリカのウガンダから熊本大学の電気工学科に留学している青年と意見を交わした。すると「日本人は、大学に入るとやる気がなくなる」と語っていた。また「(就職活動で)自分の研究分野と全く違った仕事に就くのも疑問」とも指摘しました。 
 余談が長くなりました。

〜本文、抜粋〜
・日本の未来を支える独創
(西澤氏) 今のうちから(対談:1990年5月)独創的な新しい産業を日本から運でいくようにしないと、世界中の経済が伸びてしまう。(中略)

 火力発電所は酸性雨、炭酸ガスがふえる。原子力発電所は廃棄物が出る。でも、需要を満たすためには新しいエネルギー以外に方法はないわけです。この間も「風力発電をやる」と言うが、建設費が嵩む割に電機が取れない。そうするとクリーンエネルギーがものすごく値上がりする。(中略)

(西澤氏)直流を1パーセント以下の損失で交流に変化できる静電誘導(SI)サイリスタがあります。交流だと遠くまで届かず途中で無くなるので、電気は高圧(直流)で送っています。でも直流(高圧)は遠くまで送れるけれども、変圧器で供給電圧まで下げることが出来ない。それが静電誘導(SI)サイリスタで、電気エネルギーの不足分を遠くから(例えば海外から)高圧電力で補うことができる。

 この先端技術は、既にインバーター蛍光灯に使用され、同じ電気量から倍の光量が得られる。このような技術を、世界へ輸出すれば大いに喜ばれると言う訳です。このような新世界に貢献できる新しい技術を日本から次々に出して行くのは、やっぱり独創です。

(司馬氏) 有能な青年が武者ぶるいするような時代でしょうな。(中略) 


 これは、1990年5月に発刊されてものです。それから18年、日本の技術立国にかげりが見えてきました。製造業の落ち込みは酷く、車、半導体の製造が、急激に縮小しています。

 今年、インドの25万円代の車が発売されました。新しい価値観を打ち出しました。

 また北欧には、温暖化ガス排出0(ゼロ)を目標に掲げる国が出始めています。これも新しい価値観と思います。

 これを裏付けるのは、先端技術と思います。日本からも、新しい価値を打ち出すことのできる新技術を創造し、21世紀の世界に貢献し、喜ばれる技術立国に成ることを目指すべきと思います。

長文、最後までお読み頂き感謝します。

*参考資料:司馬遼太郎著「八人との対話」より

コメント(2)

私は思うに
時代はハードからソフトへ転換するべきで、ハードの発明イコール価値の想像
と云う従来の思考から脱却しきれない点に

価値の想像に値しない気がします。

その上で
技術的に便利を享受でき、時間とコストを削減し続けた結果

世界的な構造不況が蔓延り

無為な政策が空を斬る

損な時代に


私たちは何を規準に
生きるべきか

改めて考えるべきでしょう
素晴らしい教示ありがとうございます。

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