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怪を語った後でコミュの恐怖夜話 〜浦島太郎〜

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桜が咲き始めると思い出す出来事があります
それは言葉で表すなら
 

浦島太郎


とでも言いましょうか・・・





私の友人に降りかかったある奇妙な出来事です





友人のYとは中学で同じ剣道部に所属しており
この先進学する高校でも一緒に剣道部に入ろうと話すくらい仲は良かった

中学生活もあとわずかのこの季節
進学も高校も決まって春休み前ということもあり
卒業式までよく後輩達と残りわずかの部活を楽しんでいた

いつも部活が終わるのは7:30くらい
稽古を終え掃除を済ませ、皆で校門を後にする時にYは
「高校でもこんなに楽しく出来るかなぁ」
って言ってたけど私が「高校はもっと楽しいかもな」と言うと
私たち二人は顔を見合わせてワクワクさせながら笑ってた


次の日からYは部活にも卒業式にも来なかった





部活にこれなくとも「卒業式」には来れるとYの両親から聞いてて
その時の理由も病気をこじらせて・・・という理由で会えず
その日は寂しく家に帰ったのを覚えてます


入学式・・・Yは来ていない
病気が長引いてるのか、それとも遅刻してるだけなのか
式の後、Yのクラスへと足早に向かった

私はそこである重大な事実を知った




彼は高校に合格したものの名簿から削除されてる
正確には斜線が引いてあり
そこには『退学』と書いてあった


私には訳がわからなかった





何があったかわからなかった私は、授業を終えた後彼の家へ向かいました
家に着くとおじさんが出てきて
『息子は事故にあってね、もう一緒には通えないのだよ』
と私に話してくれたが納得いかず、彼の入院する病院を聞き出してたら奥からおばさんが
『ひろくん(私)には本当のこと教えましょう、お父さん…』
と、声を詰まらせながら教えてくれました


10日ほど前…彼は行方不明になった
ちょうど私と校門で別れた日だった

この時期になると家出の人が急増するらしいのだが
彼の場合は事件に巻き込まれた可能性が高かった



彼の家から学校までは徒歩10分くらい
その行動範囲で彼が所持してたと思われる
『剣道の防具と鞄』
が、車のブレ−キ痕の近くで発見された


それから数日たったくらいに彼の着ていた衣服が
『血のついた状態で発見』されてたのです


警察で鑑定したら血液型が彼のものと一致したらしく
二人とも言葉を失ってた


遺体となって発見はされてないのでひきつづき
行方不明者として捜索すると話してくれました





始めのうちは彼がひょっこり戻ってくるんじゃないかと
願っていたものの
時がたつにつれてそれがむなしいものだと思い知らされた

彼に関する情報はブレ−キ痕があった現場以外、目撃者なども皆無で
八方塞がりでした

2年が過ぎ、3年、5年と長い年月が過ぎると
警察からは『死亡届け』についての説明もしてくるようになったそうです


けど、おばさんとおじさんは『彼がどこかで生きているんだ』
と強く思ってたので首を縦に振ることはなかった



そして10年が過ぎ…
おばさんが病気で入院してるときに話し合いで決めたそうです



もし、もしも彼が亡くなってて成仏もできず彷徨ってるなら
浮かばれることができないなら
せめて私たちがいる間にともらってあげましょう

親として、最後に息子にしてあげられることを…


それから数日して彼の葬儀が親族だけで行われました
私は無理を言って参列させてもらいました


彼の眠るお墓の前で泣きながら手を合わせてる
おばさんとおじさんの姿が目に焼きついてました



私は勝手に彼の命日と決め、彼をともらってました







それから3年が過ぎ、彼の命日が近づいてきたある夕暮れ時
『あれ、まさかヒロかぁ?』
不意に誰かが私を呼び止めた

私の下の名前を呼ぶ人はそういない
誰かと思い振り返ると見知らぬ少年が立っていた

誰だ、こいつ?
私は始めそう思った…そう思ったのだが
『誰かに似ている』

思い当たるのは彼しかいなかったが
彼はもう死んでいる…生きていても私と同様に年を経ているから少年はありえない


唖然としてる私に『少年』は笑顔で話しかけてくる

もうすぐさぁ『高校じゃん』
絶対一緒に『剣道やろうな』
お前がオレに『剣道誘ったんだからな』
このまま一緒にやろうな、剣道を…


頭の中は真っ白になったが、私は彼を抱きしめてました
人前なのに泣きながら彼を力いっぱい抱きしめてました

彼がお化けだったとしても
私の前にいるのは間違いなく『私の知っている親友』だったから





暫くして、彼のお父さんが来た
一年前にに家に帰って来たのだという

さすがに、見た目が行方不明になった年齢と一緒ということもあり
度が過ぎる悪戯だと説教しようとしたら
彼が言うことがあまりにも息子そのものだと気がつき、とりあえず警察に届け出たそうです


さすがに警察も困惑してたらしく

『死んだはずの息子が家に帰ってきた、当時のままで…』

って云われてもねぇ


その時には役所でも対応は同じ
死亡届けを一度受理してしまうと取り下げることは「法律上行うことはできない」
なぜなら『前例がないから』といわれたそうです

ただし、裁判所に届け出て訴えたほうがいい結果がでるとおもいます
と助言を頂いたそうです





再会できた翌日から彼の止まってた時間がめまぐるしく動き出してました
病院、警察、裁判者、私も参考人として出廷したのを覚えてます

その間、病院の先生に
『退行催眠療法』というのを進められたそうです

普段はトラウマなども治すのに使うそうですが
彼にある『空白の時間』を呼び戻す必要があったからです

ただ、担当の先生に説明を受けたおじさんが言うには
多少のリスクがあると話されたそうです

過去の記憶を閉じている場合
その多くは衝撃的なことを精神的に耐えられないと体が防御反応をだしている場合があり
それを呼び戻すことで『最悪人格(精神)崩壊も考えられます』
といわれたそうです


裁判所や警察に絶対に提出しなければいけなかったものではないので
息子のことを考えておじさんはそれをしなかったそうです






彼は今、一生懸命勉強しています
夢が学校の先生なので今は定時制で高校生活を送ってますが、あと1年で卒業です
そのあと大学へ行って教員試験に合格すれば夢がかないます

私には彼がいない『空白の12年』がありますが
彼自身の時間には空白がありません

今も彼はゆっくりと夢に向かって動いてるわけですから





コメント(2)

>>[001]
ぶっとんだ話過ぎるみたいなのであんまり話したことはありません

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