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シャーク◎市屋の面白い話コミュのサクラチル

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半年程前、受付嬢としてオフィスにやって来たAさんに

俺は仄かな恋をした。

彼女は誰もが認めるような美人ではなかったし

体系は少しぽっちゃり。

いや、正直言ってデブだった。

それでも彼女の見せるほんわかした優しい笑顔が

激務に忙殺される毎日を送る俺にとって

掛け替えの無いオアシスだった。


彼女に彼氏がいない事は同僚たちがしていた噂話から知っていたが

部署が違う俺には挨拶程度しか話す機会はなく

何の行動も起こせない日々が続いた。


しかし、チャンスは突然やって来た。


いつもは電車通勤なのだが、

その日は社外へ出る用事があった為、車で出勤した。

電車通勤者用の駐車スペースは無い為、駐車するには

来客駐車場に止める許可証を受付に貰いに

行かなければならなかった。

申請書に記入し許可証を貰う。

ただそれだけなのにAさんと話せるかもしれない。

そう思うと心弾んだ。

受付に行くと運良く来客の応対を終えたAさんが対応してくれた。

彼女の対応は想像以上に丁寧でより一層好意を抱いた。

せっかくの機会だから何か話さなければ。

そうは思ってみるものの無駄に緊張してしまった俺は

言葉に詰まり必要以上の事を話せなかった。

しかし、

記入した用紙を見ながら彼女の方から話し掛けて来た。

「車名ナノってありますけど、どんな車なんですか?」

好機到来。

あいさつ程度の会話しかした事が無いのにも関わらず

彼女の方から質問する。

これはきっと俺に興味があるから。

俺に興味があるって事は多分俺の事が気になるから。

俺の事が気になるって事はずばり俺が好きだから。

と言う三段論法が成立する。

よって両思いの確率90%以上。

って事は車繋がりから話を広げて

一気にドライブの誘いをすればきっとうまく行く。

ドライブはどこがいいかな。

うーん。この季節なら伊豆か。

伊豆ってことは温泉? 温泉と言えば・・・?

A「シャークさんせっかくここまで来たんだから温泉入っていかない?」

俺「えっ?でも一緒に入るなんてまだ二人は出会ったばかりじゃないか。」

A「もー。シャークさんのエッチ。 だれも一緒に入るなんて言ってないじゃん。

  でもシャークさんとなら一緒に入ってもいいかも。」

俺「一緒に入ったら今宵は伊豆の踊り子だぜ?」

A「・・・。うん。」

俺はAを抱き寄せると唇をそっと重ねた。

そして彼女の源泉を探るべく・・・

とそこまで妄想した所で現実に返ると彼女の質問に答えた。

「ナノってのはタタ・モーターズって言う会社の・・・」

そして更に会話を広げるべく

まずは当たり障りのないところで

彼女の乗ってる車について聞いた。

すると彼女はちょっと待ってと言うとポケットから携帯を出し

その待ち受け画面を見せてくれた。

そこに写っていたのはトヨタのヴィッツだった。

「かわいいでしょう。先週納車されたばかりなんだ。」

自慢げに言う彼女。

へぇー。そうなんだ。かわいいね。

そう会話を進めようと思った。

しかし、思い留まった。

これでは並みの男と同じである。

例え両思いであろうと

この後のデートを確約させる為にも

より面白い男である事をアピールする事が必須である。

だから俺はボケた。日本刀の様に切れ味するどいボケで。


俺「かわいいね。このポークビッツ!」


決まった。

ヴィッツとポークビッツ。

この二つを掛ける事は島田紳助でも無理かもしれない。

きっと彼女も爆笑・・・

と思ったら爆笑したのは彼女の隣に座る

もう一人の受付嬢だけだった。

一方彼女は

「最低。」

そう言い放ち駐車許可証を俺に投げつけると

席を立ち何処かへ行ってしまった。

一体何が起こったか全く判らなかった。

呆然としていると

笑いすぎて涙目になっていたもう一人の受付嬢Bが俺に言った。

「Aさんにポークビッツとかホント最低ですね。」

そこで俺は気付いた。


ポークとAさんも掛かっていたことに・・・

コメント(1)

その後、受付嬢Bと熱い夜を過ごさなかったのは
言うまでもない

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