くだらない日記部コミュの害虫論。

「ヨボヨボの爺ちゃんが運転すると新車ですらヨボヨボな走り方をする。」

〜蛙〜








今日は、僕の祖父の三回忌。

他の親族より先に祖父の家へ向かう。

祖父、祖母の両方共が既に亡くなっているので今は無人の祖父の家。
小さい頃は良く遊びに行ったものだけれど、中学、高校と進学し、身長が延びるのと反比例するように祖父の家へ行く回数は減って行った。

今では月に一度、祖父の家は父親が雨戸を開け、掃除をし、庭の雑草を抜いて管理をしている。

人が住まなくなった家はガタが来るのも早いらしい。

祖父が生きていた頃は自分の実家だと言うのに中々帰ろうとしなかった父親。帰ったら帰ったでしょっちゅう祖父と喧嘩していた。

そんな父親が祖父亡き後、せっせと実家を掃除する姿を見るとなんでだろう…優しい気持ちになると同時に、なんであんなに意地を張ってたんだい？祖父が生きてる時にもっと素直になってれば良かったのに…。

って思いが湧いてきて、僕は父親に感謝の気持ちをなるべく伝えるようにしよう。うん。

との思いを新たにしてしまう。

そうやって踏み入れた祖父の家。

まずは窓を開け換気。そして来賓の為に座布団を並べる。そのうち父親、母親も応援に駆けつけるだろうから、なるべく負担をかけないように出来る範囲の雑用を片付けておくつもり。

額に汗を浮かべて座布団を並べていた


―――その時。



一匹のハエが部屋の中を飛び回っている事に気がついた。

田舎だからハエぐらいどうって事ないんだけど、ハエが飛び回る中、長時間正座ってのもなぁ。頭に止まったり甥っ子が気にしてキャアキャア言うに決まっている。かと言って、祖父の三回忌に殺生するのも忍びない。

時間もあるので、ここは一つ御退場を願おう。

そう思って、大きく開け放った窓へカバディを彷彿とさせる動きで追い込んで行く。

カバディカバディカバディカバカバディカバディカバディカバディカバディカバディカバデ……無事に外へ出て行った。


…と。


振り返れば奴がいる。


さっき追い出したばかりなのにまたもや来訪。他の窓も開け放っていたのでそこから入って来たのだろう。

面倒だなー。と思いながらも、またも御退場をして戴く。再度入って来ては面倒なので開けた窓を閉めていると…残念。最後の窓を閉めようとした所でまたハエが入って来た。

くそぅ。いや、ハエだけに糞ぅ。

一瞬、

「もう。殺してしまうか？コイツのせいで盛大にスベったんだから。」

とも思ったのだが、ちょうど母親が来たので訳を説明したところ母親がこう言った。

「もしかしたらお爺ちゃんの生まれ変わりかもしれないから、そっとしておこう。あとカバディカバディって外まで聞こえてたけど何なの？怖い。」


そうか。今日は祖父の三回忌。祖父が亡くなってから少し元気が無くなった父親、あまり実家に帰らない僕。そんな僕らを心配したお爺ちゃんがハエと成りて見に来たのかもしれない。

そう思ってハエはそのままにする事にした。

三回忌も無事に終わり、件のハエを探したのだけれど、それっきりハエの姿を見る事は無かった。



――――お爺ちゃん。わざわざ見に来てくれてありがとうね。

僕。頑張るから応援しててね！










――――なんて事を言ってる人は生まれ変わりをまるで信じていないッッ！！
(教卓を激しく叩きながら)

いや、文章読む限りでは生まれ変わりを信じてるっぽいですよね？

でも絶対、信じてない。

何故かと言いますと


(お爺ちゃん−生命力)×生まれ変わる＝(ハエ＋クソ)÷可哀想


って式が成り立つからです。
もし、自分の大事なお爺ちゃんが来世でハエに生まれ変わった。
なんて話を天界情報に詳しい天使か悪魔に聞かされたらワシャ神様を恨みます。

俺のお爺ちゃんが…俺の…お爺ちゃんが……ウンコさん主食てッ!!!

て、なります絶対。

そんなんおかしいやん。お爺ちゃんの来世はマッコウクジラとかダイオウヒラタクワガタとかフクロウとか天津飯、そんなんであって欲しいですやん。

もし、お爺ちゃんの転生先がハエ。その転生が妥当。って神様が判定したのならば、俺のお爺ちゃん、実は知らない間に人を数十人殺してたんじゃないか？裏の世界では泣く子も黙るグラン・Ｄ・ファーザーとしての顔があったんじゃないか？と。そう思わざるを得ない訳です。

それぐらいハエへの転生って罪深い物でしょう？


もし、本気の本気で転生を信じているのなら、そんな爽やかな良い顔しながら空を見つめ

「お爺ちゃん！僕、頑張るかんね☆」

なんて呑気な事を言える訳があるだろうか、いや無い。


来世でハエ、蚊、ゴキブリ、ゲジゲジ、ムカデ、毛虫、カマドウマ、ヤムチャ。そんな物に転生させられた人ってのは前世で数々の悪行を働いた極悪人だと思うんです。

「存在するだけで疎まれ、嫌われ、そして命まで奪われる。そんな思いをして前世の行いを悔いるがよいぞよ。」

〜神〜


みたいな事だと。


そう思って害虫をそれこそ虫ケラの如く殺してたんですけどね俺。
生まれ変わったら



クソを主食にする事になりました。
\(^o^)／ｸｻｰ






なんて事にならないように
人だろうが、その辺の虫だろうが、命は命。

大事にしないといけないですよね！


はい！それでは二学期に会いましょう！
みなさん良い夏休みを！
(黒板に書いた公式を消しつつ退室)