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京都の医療・介護・福祉情報コミュの障害を活かし、楽しく生きる

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鈴木信行さん 談話


「身体がわるいのに大変ねぇ〜」
歩けば障がい者だとわかる私。自分が経営するカフェで店頭に立っていると、時々言われる言葉です。多くの方は、お年を召した方。やさしさから声をかけていただいているのはわかるので、ありがたいことです。
でも、内心、多分、あなただって身体に無理がきかなくって、大変になりつつあるのでは? などと思うんです。
そう考えると、「障害」って何なのでしょうね?
そこで、今日のテーマは、「障害を活かし、楽しく生きる」。自分が一般市民の方を対象に講演をするときに、よくお話しする内容の最初の部分を紹介します。

タイトルから少し考えてみましょう。
まずは「障害」ってなんなのでしょうね?
大多数の人と違いがあると「障害」。私は、足が自由に動かないし、おしっこやうんちをしたいという感覚もない。そうなると、下肢障害だの、内部障害などという「障害」者に認定される。
でも、生活は、工夫すればなんとかなる。多くの他の人とは違うけど。
私からすれば、障害とは、他人との違いがあるに過ぎないんです。

また「楽しい」ってなんなのでしょうね?
私は、大企業に勤めていて「楽」だったのを辞め、あえて生活も仕事も厳しい世界を選択しました。
そう、楽(らく)ではないけど、楽しい(たのしい)毎日を過ごしているんです。
一方で、毎日、楽な仕事や生活をしているのに、楽しめていない人を大勢見ています。
楽は楽しいわけではない。では、どうすれば楽しいんでしょう?
私が考える回答は、「充実している」ということです。
つまり、私からすれば、楽しいとは、充実しているということだと考えています。

今日のテーマの、「障害を活かし、楽しく生きる」は、「違いを活かして、充実して生きる」と言い換えると一般的話になりそうですね。

では、いまのあなたは、「違いを活かして、充実して生きて」いますか?

違いを活かす文化が日本にはありません。
みんな一緒で、普通が好き。国民総中流社会なんて言われた時期もありましたね。出る杭は打たれ、どんぐりの背比べがいい。そんな国民性ですよね。
それを否定するつもりはありません。
でも、私たち障がい者や患者を取り巻く環境は、不思議がいっぱいあります。

おなかの中に芽生えた赤ちゃん。
医師は告げます。「赤ちゃんには、『二分脊椎』という、治らない疾患があります」と。
それを告げられた夫婦のなかには中絶を選択する方もいます。
私は中絶を反対しているわけではありません。ただ、初めて聞いた病名を告げられたとき、その人の違いを活かすという発想があったでしょうか? そういう目で、同じ病気の人を探してみたでしょうか?
二分脊椎とは、まさに私の疾患。障がいを活かして楽しく生きている私の存在はどう映るのでしょうか?
違いを活かすというのは、難しく大変なことです。でも、楽しく、喜びを感じられることです。中絶を選ぶのならば、それを理解した上で、決断してほしいのです。

私の元には、多くの方から相談のメールなどをいただきます。
なかには、中絶後に、二分脊椎であっても楽しく生きている私の様子を知り、後悔を感じ、懺悔の気持ちで一杯になってしまう方もいます。
そのような苦しみを感じることがないように、家族みなで、あるいは必要に応じて、ソーシャルワーカーや家族会なども一緒に、考えてほしいのです。

いまや日本では当たり前になっているがん。
この病気でも同じです。
「がんになって、つらいよぉ、くるしいよぉ〜」と嘆くことは誰にでもできます。
でも、「がんになったんだから」という視点で物事を捉えられる人は多くないと思います。だから、チャンスなんです! がんの罹患は新しいチャンスです!

他人との違い、それは「専門性」ともいえます。
専門というと堅苦しく、大々的に考えてしまうかもしれませんが、よく考えれば、専門とは他の方とは違う知識や能力があることではないでしょうか?
私は、40年以上、「患者」という立場の人間。それは患者としての専門性が高いということであり、だからこうやって患者道場を開いている、ということです。そこに、高度な学問的な研究などがあるわけではなく、日々の専門性を磨くための工夫をしているだけなのです。
そう考えていくと、あなたにも、なにかの専門性はありませんか? 多くの人との違いです。

では、いまのあなたの専門性はなんでしょうか?

私自身は、二分脊椎、がんという専門性を活かしたいと考えました。ただ、それをどう活かせばいいのか・・・。一方で、医療に関わっていく中で、医療者と患者の距離があまりに遠いことを痛感していました。そこに、なにか自分が関われることがあるのではないだろうか?
その一つが、患医ねっとという組織の結成に、また一つが、カフェの経営に繋がっています。この先もいくつか手がけるかも知れませんね。

そして、その専門性を活かすために、日々努力することが、まさに充実した毎日を過ごすことになるのです。単に、違いを専門性と認識しても、それだけでは自己満足に過ぎませんから。
私は、自分の専門性を活かして、医療に役立てたいと考えてからは、患者会や勉強会、シンポジウムなどに、休みのほとんどをつぶして参加し、自分の視野と人脈を広げてきました。
まさに毎日が充実していると言ってもよいです。

さぁ、あなたの、「違い(専門性)」はなにで、そのためにどのような「充実」した時間をすごしていますか?
こういうときに、ちょっと自分の毎日の過ごし方を見直してみるのも、いいのではないでしょうか?
そういう日々の実習が、患者になったときに、前向きになれる秘訣を気づかせてくれると私は考えています。

さて、次回は私が時々講師を務める「会話術」について。これは患者としても役立つ手法です。

◇      ◇      ◇

私が登壇する講演会のお知らせです。

<告知>

イベント名 ましかば講演会

日 時 2011年2月13日(日) 13:45〜18:30

場 所 東医健保会館 (東京都新宿区南元町4番地)

参加費 1,500円(学生)/2,000円(一般)

内 容

 一部(講演会)
  日本理化学工業株式会社会長 大山泰弘氏
    「真の福祉と役に立って幸せになる社会のあり方」
  みのりカフェオーナー 鈴木信行氏
    「障がいを活かし、楽しく生きる」
 二部(交流会)

詳細・問い合わせ
http://ameblo.jp/otagaisamasama/entry-10749665839.html

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