1、現状とシンポジウム開催理由 私たちTokai International Communication Club(以下TICCとする)は東海大学に所属するチャレンジセンタープロジェクトとして、地域国際交流と外国人支援を理念とした活動を行っている。中でも秦野市内の小・中学校に通う外国人児童・生徒を対象に学習支援と精神的サポートを行う国際教室という活動に力を入れている。 しかし、母国と異なる言語や文化を持つ国に来た彼らに対し支援を行うことは、価値観の違いや文化の知識が不足している点で想像以上に難しい。一方彼らは学校生活や、人間関係などの様々な問題に直面している。そこで私たちはTICCメンバーに留まらず、地域の人々に国際理解や支援の必要性を認知してもらいたいと考えた。そのために、地域の方々に外国人児童・生徒・保護者の生活環境や来日の理由などへの理解を促し、参加者に自分たちにできることは何かを考えてもらいたい。 そこで2009年12月に私たちは【外国人児童・生徒が抱える問題を理解しよう】というテーマで広く学生や地域の人々に呼びかけ、外国人児童・生徒が抱える言語や生活、行政に関した様々な問題を考えてもらう為のシンポジウムを開催した。これにより私たち自身も、学校に通う外国人児童・生徒の背景や現状を知ることで、ボランティアの重要性を再認識し、より良い支援につなげた。 第1回シンポジウムから一つ明らかになったことは、日本人が考える必要な支援と外国人が求めている支援が必ずしも一致していなかったことである。このことから、こうした認識の違いはなぜ起こるのか、そもそもなぜ支援が必要なのかを疑問に思った為、「在日外国人支援の必要性」に焦点を当てた第2回シンポジウムを行うべく、今回の企画を立ち上げることになった。また、アンケートからもそれらの意見が多くあった。 このシンポジウムを通して、TICCの目標である国際理解と独自の国際観念を培い、一人の人間として何ができるのかを問い直す機会とする。