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ロ-ドバイクチ-ム「Patora」コミュの昨日の白石峠

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朝5時に起床、ゆっくり用意して6時半に出発。今日は白石峠に行くつもりだから無駄に疲れてしまわないようにのんびりと25キロペースで目的地を目指す。

※知らない方のために…白石峠は埼玉のチャリ野郎が通う超有名な峠。秩父に最短距離で行ける。そしてここでタイムを測ったりする。そこそこの距離と傾斜がありチャレンジしがいのある林道。ここを登らない埼玉のチャリ野郎はモグリと言われる…多分ほっとした顔速いヤツは25分かからず登るらしい。ちなみに俺の記録は39分。遅っ。

天気予報では今日の最高気温は17℃になるらしいがさすがに朝はかなり寒いぜよ、by龍馬。で、今回も散々悩んだ末、薄手の長袖ジャージに短パン、レッグウォーマー、ウインドブレーカー、指切りグローブにした。しかし毎年毎年この時期のウエア選択は難しいのぉ冷や汗

さて、自宅を出発、今日は荒川サイクリングロードには出ないで一般道を進むことにする。「しかし寒いのー。」手足の爪先が冷たくて痛い。でも日中暖かくなることを期待して我慢我慢。そんなこんなで順調に早朝のさいたま市内を抜け新上江橋。ここで荒川に出て土手を走る。なんだか河川敷は濃霧ですごいことななっていた。開平橋を通過し川島町の見飽きた田んぼの中の県道を淡々と走り高坂、さらに進み清澄ゴルフ場の坂も負荷をかけずサクサクと越える。そしていつものコースでときがわ町に入り明覚駅でも休憩せずにストレートに白石峠入口に向かう。すぱらしい!すばらしいモチベーションだ。

信号待ちをしていたら後ろでパキッとクリートを外す音がした。振り向くとそこにはルックに乗った見るからに速そうなオーラを出しているスマートなお兄ちゃんがいた。「おはようございます」と会釈。うーむ、イヤなタイミングで現れたなーと思う。しかもヤツのサングラスの中の鋭い視線が俺を眺めながらこいつは速い奴かトロ〜い奴かと品定め…。世の中、痩せたくてチャリンコを始めたヤツはゴマンといるがちょこちょこ乗っているくせに逆に6キロも増量した哀しすぎる経歴を持つ俺の身体を見れば速いか遅いかなんて一瞬で判断つくだろうに…。ま、大人なのでいちおう「おはようございます」と返事をする。「しかしイヤだなー、こいつルックなんか乗ってきっと速いんだろうな、先に行ってもらおうかなー」別に用はないが背中のポケットからケータイなんか取り出してさも使うようなそぶりを見せ、ちょっと情けないが俺はまだ動かないんだぞアピールをする。信号が青になる。「あら?アンタ行かないの?」とちょっとためらいがあったルックのお兄さんは一呼吸おいて「パチーン」とクリートを嵌める音を響かしたと思ったらオラオラオラーとぐりぐりダンシングで加速しながら行ってしまいました。「あー、今日はたくさん走っているだろうなー、これだから日曜日はイヤなんだよー。」とブツブツ文句を言ってみる…おっと、俺も行かねば!まー、そんなことはあるわけないが間違ってもルックのお兄さんに追いついてしまわないようにスピードを調整しながらひーこらひーこら緩い登り基調の道を行く。

しばらくすると松郷峠の入口が迫る。T字路を右折すると松郷峠だ。信号は青、その信号を見ながら「ここを右折して松郷峠を抜け、小川町のセブンイレブンでホカホカのピザまんを食う」というとっても魅力的なプランが頭をよぎる。

※知らない方のために…松郷峠はこっち方面に来ると最初に現れる300メートル級の軽い峠道。距離も短く斜度も緩く、でも峠越えの雰囲気は味わえるライトな林道。白石峠に行くのは気が引けるがとりあえず峠は越えたいというビギナー向けの軟弱コース…ではなくここから東秩父村へ向かえば小川町を通っていくよりも短い距離で定峰峠に行けるという割と便利なショートカット用の峠。

しかしその魅力的なプランを頭から振り払い、姿勢を正して白石峠に向かう。うーむ、やはりすばらしいこのモチベーション!目の前にある御馳走には目もくれずひたすら厳しい道を目指す、「男はやっぱこうでなきゃ」と自分を痛めつけながら峠を越えるMな行為に自画自賛。紅葉が綺麗だなーと旅情派にもなってみる。だんだん傾斜が強くなってきた。まだ峠の入口にも到達していないのにこんなにキツい坂を登らせるなんて!無駄に疲れるだろーが、まったくー!

さて、そろそろ白石峠の入口だ。ここに来るのは今年で3回目。今日はどうやって登ろうかなー、なんて考えてみる。毎回毎回ギアを軽くしてみたり重くしてみたりダンシングの仕方を変えてみたりと、いちおう時間短縮を目指してあれこれやってはいるものの自分レベルでは実のところタイムなんてその日の体調と気分でいくらでも上下しちゃうのであてにはならないということは十分に承知している。と、そうこうしているうちに白石峠の入口に到着した。うーむ、いつ来てもドキドキするなー、なんでだろう?まずはいったん停止。呼吸を整え、後ろから誰も来ないことを確認しサイクルコンピュータの時計で9時41分ジャスト、いざスタート〜衝撃

まずはあわてずペースを崩さないように登る。ギアはまずは4枚残しから。シッティングで上体を起こして呼吸を乱さないことを意識する。何しろ俺の場合、心拍がすぐにマックスになっちゃうので。登っている最中に突然死なんかしたら恥ずかしいし。ふらふら
スタートから2キロくらい行った辺りだろうか、「あら、なんか今日は調子出ねーな」と感じる。スピードが乗らない。って、まぁスピードはもともと出てないんだけどなんか違う。「あちゃー、こりゃ今日は記録更新は無理かもなー」と諦めた矢先、ゼーゼーと激しい息づかいが聞こえてきた。

「ゲッ」

いつの間にか追いついてきた黒いジャイアントTCRに抜かれた。抜きざまに「どーもー」だって。こちらも「あっ、ども」と短めに返事。「なんだよー、もう抜かれちゃったよー、でもまぁやっぱり日曜日でたくさん走ってるだろうから調子のいいヤツと出会うこともあるだろーな」と気にしないことにした。TCRはサクサク登ってあっという間に見えなくなっちゃった。あー、速えーや、アイツ。さて、気を取り直しでまた黙々と登る。知っている人は知っている丸太小屋辺りの坂道が緩くなったところのタイムアップポイント。ここはタイム短縮を図るためギアを落としダンシング、伝家の宝刀「アンディアターック!」と、気合いを入れ直す。

※知らない方のために…アンディアタックとはツールドフランスで総合2位になった若手有望株選手の山岳ダッシュのこと。

アターック!といっても当然ながら長続きはしない。呆気なくエネルギー切れでサドルにドカッと座り今度はまるでスローモーションのようなシッティングで改めて登る。キコキコキコ…なんか余計に疲れてしまった。だんだんヘロヘロになってきた。意識がもうろうとしてきた。「ひぃ〜疲れた〜」ベロを出して息を吐くことに意識する。こうするといいって確か本に書いてあったから。ホントかー?でも自分に出来ることは限られているのでやってみる。疲れてくるとついつい顔が下を向いてしまうので上体を起こして酸素がたくさん入るようにしてペダルを回すことに集中する…クルクルクルクル…「よかったー、タバコ止めて」…クルクルクルクル、あっ、間違えた。クルクルなんてもう出来なかったんだ、クルクルじゃなくてギィッ…ギィッ…て感じ。

「あっ!」

いつのまにか青いウィリエールが横に!あっさり抜いてわざわざ俺の前に出やがった。「おいおいなんだよ!挨拶無しかよ!…とか言って挨拶されても今の俺には声は出せねーけどよ!」しかしやるなコイツ、そーっと近づいてきやがって。性格悪いなー、たぶん息止めて来たな、ん?確かそんな姑息な手段を使って追い抜きしようとする奴がいたなー、誰だっけなー?あっ、思い出した!昨日の川越市田舎マラソン大会に出たピナレロ野郎だ。まったく青いチャリ乗りにはろくなヤツがいねーな。もうやだ〜(悲しい顔)

※知らない方のために…昨日の川越市田舎マラソン大会に出たピナレロ野郎とは最近少し痩せたのをいいことに俺のことをデブだの肥満だのと呼ぶヤマヴェルデさんのこと。

さて、前方を見るとこの先は左ヘアピンの急勾配。いつものように俺は早めにアウト側に進路を取り勾配が少しでも緩いコースを狙う。きっとヤツも回り込むに違いないと思ったら青いウィリエール野郎はイン側そのままで偉そうにギアまで落としてダンシングでクリアしやがった!あらら、無理しちゃって!しかもアンディアタックは俺のお家芸だしー!横取りすんな!あーあ、バカだなー見栄はってそんなことしたら早めにタレるぜーなんて思ったら元気よくそのまま行っちゃいました!スンマセン謝ります。あんたは速い。認めよう。はぁ〜たらーっ(汗)
がっくりきて下向いて、しばらくして前みたらもういねえでやんの。しかしみんな速いねー、見たところみな若い奴らだからこりゃ体力の差かなー。昭和38年式にはやっぱりキツいのぉと納得する。またまた気を取り直して「もう2台に抜かれた、今日はとりあえず足着きだけは無しで、できれば40分は越えないというのを目標にしようっと」ダメダメな雰囲気に包まれる。そして相変わらずのスローモーションシッティング&ダンシングでヘロヘロ登る。やっと「勝負平」の看板が見えてきた。あと1キロだ。ラスト1キロで「勝負平」ってなんか出来すぎなくらいのネーミングですな。ここからは傾斜が緩めになるからちょっとペースをあげることができたらもしかしてタイム更新できちゃうかも?なーんて欲が出てきたところに…。

「おおっ」

またまたジャイアントが横に!「あちゃーこれで3台目だよ、お前いつ後ろに来たのよ、なんでやねん!なんでみんなそんなに速いのさ?白いフレームに青いロゴ、あっ、またカーボンのTCRかい!大体おまえら何分で登ってんだ?まったくー!気が散るからもっとあとから登ってこいっつーの!」と毒づく。ちくしょうあと少しだぜー!頑張るどー、頑張るどー、頑張るどーと呪文のように唱える…

「ぎゃーっ」

「おいおい、今度は白赤のトレックかよ、しかもマドンか、いいチャリ乗ってるなーおい、すげー軽そうだ、だから速いんだな、きっと。きっとそうに違いない。5センチくらいありそうなエアロホイール。カッチョいい!超〜カッチョいい!でもねー君、超〜カッチョいいけど今は邪魔なの!俺は今、一生懸命ラストスパートしてんだから!スパートしてんのにあっさり抜かれたらおかしいでしょーが!俺の立場を考えて抜いてやー!」俺も男、俺も一端のチャリ野郎、負けじと過去の自分比で最高のパフォーマンスで頑張ってみる。「ちくしょー、ついていきたいよー、ついていきたいけどスピード差がありすぎて後ろにつけない…っていうかレベル違いすぎー!おまえプロだろ?絶対にプロだ、間違いない。でなきゃこの坂道をあんなに速く登れるわけがない、あーあ、また見えなくなっちゃった。」はぁ…。もう太ももがプルプルしてるよ。もー力入らないよ。上体を支えるのもつらいわ、呼吸も苦しいし。でももうすぐゴールだ、勾配も緩くなった、ここは気合いで最後のもがき、アウターにしてダッシュじゃー!ガチャコン。ペダルをぐいぐい踏んでみる。太腿が痛い。ふくらはぎも痛い。でもぐいぐい踏む。脚全部痛え、腰も痛ぇ、ひぇー、もー無理。しかし気合いで踏む!うりゃー!どりゃー!あーだめ、やっぱ力が続かない。それでも負けじとまた踏む。こっ、呼吸が、呼吸が苦しいよー…でもあと少し。気合いだー!気合いだー!気合いだー。

「わっ!」

「またトレック!しかもまたマドン!」へなへなへな〜バッド(下向き矢印)もう力が入りませーん。気合いも入りませーん。やっと、やっと頂上が見えた〜、もーだめーとヘロヘロになって頂上に到着。時計を見ると10時21分を過ぎている…負けたー、自分に負けたー。40分を越えてしまったー。ラストスパートではマジで死ぬ気で踏んだ。踏んだけどトレックにはついていけなかった。自分にも負けた。悔しいー。力が抜けたあと、ゴールまでの数メートルは惰性で到達。乳酸たっぷりの脚はもうペダルを回すことができません。

白石峠の頂上にある東屋では先に俺をぶち抜いていった奴ら4名がさわやかな笑顔で談笑中。みんな知り合い?最後に抜いて行ったトレック野郎もそこに合流。俺はそんな速いオーラを漂わせているグループになんか入っていけないからそそくさと定峰峠方面に下って行った。ホントはちょっと休みたかったし出来れば走り方とかタイムとか聞きたかったけどさ。俺そーゆうキャラでもないし。でも楽しかった。苦しいけど楽しい。達成感たっぷり。それで仕方ないからそのまま定峰峠経由で下山する。ビューンと下山し東秩父村まで下り基調の県道を流す。東秩父村も順調に通過、そしていつもならそのまま小川町を抜けて嵐山から高坂方面に向かって帰るのだがまだ時間も早いし丘の上のパン屋アライでチーズパンも食いたかったから松郷峠を裏から登り返してときがわ町に戻るルートと先日ヤマヴェルデさんと開拓した碑原峠という500メーター級の林道でときがわ町に戻るルートとどっちがいいか散々悩んだけどせっかくだからと調子にのって碑原峠ルートをひーこら登る。さすがに白石帰りでまた500メートル級の峠は全身に堪えるぜー。とりあえずタイムとかは関係なくシーンと静まりかえり自分の呼吸しか聞こえない薄暗い林道をえっちらおっちら登り頂上へ。いちおう記念に写メをパチリカメラ看板に「熊に注意」って書いてある。風で落ち葉がガサガサと音をたてる。

「ビクッ」

白石峠の登りで突然死もイヤだが碑原峠で熊に襲われるのもカッチョ悪いのでそそくさと退散する。絶対に反対側からは登れないと思われる超〜急な坂道をゆっくりと下る。そして道に出たところはついさっき登って悶絶してきた白石峠の入口の近くなのだー。いやーんハートもう一本いっとくー指でOK

おしまい。

コメント(6)

お疲れさまでした。
あいかわらず面白い文章を書くコンタニーノさん♪素晴らしいですわーい(嬉しい顔)
ちゃんと全部読めました。こんなに長く携帯の文字を読んだのは人生で初ですなわーい(嬉しい顔)。読んでたら電車新橋から上野まで着いた。

しかし、面白い文章うれしい顔。特に赤白のトレックに抜かれた所は、電車内で1人で笑ってしまい、だいぶピンチでしたあせあせ(飛び散る汗)
ロードバイクはプロ級じゃ無いけど、この手の三文小説はプロ級な事を認めますわーい(嬉しい顔)

お疲れさまでしたウインク
気合いの入ったエッセイ?楽しく読みました目こっちの方で意外な才能があるかもウッシッシ(笑)青いチャリにはやなやつが多いってウケるいい気分(温泉)

今度は他のライダーぶち抜きのシーン読んでみたいですね〜グッド(上向き矢印)グッド(上向き矢印)
みなさん、コメントどーもです。手(チョキ)
一部の方にはケータイで時々配信していた「実録チャリ野郎(仮題)」ですがとても評判がよいので気が向いたらまた掲載します。パソコンだと文章作成が超〜楽ちんなのでいいです。

※無職なのにそんなことしてていいのか?という意見や批判は却下します。

けんじょうさん、今の実力と今後の伸び幅を考えると「他のライダーぶち抜きシーン」というのはおそらく実現しないと思いますよー。かたつむり
が、しかし、超級山岳ステージでの執拗なアンディアタックダッシュ(走り出す様)や破壊力抜群のカヴェンディッシュスプリント衝撃で廃車目前の青いクラシックピナレロを差すくらいなら頻繁に出てくると思います。ウッシッシ

では次回作をお楽しみに。…って次回あるのかー?自転車

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