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致遠館 14回生 3年1組コミュの「3年1組 最後のホームルームに」 卒業文集『翔』より、山田先生のお言葉

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 3年前、14回生の入学式からこの学年がスタートした。私は6組(致遠館史上最後にして最強の女クラ)担任からこの学年に関わり、早くも3年間という時が過ぎ去ろうとしている。女の子だけで埋め尽くされた阿蘇研修へ向かうバスの中、1ヶ月前まで3年担任をしていた私は、聞こえてくる君達の会話に対し、ある種のジェネレーションギャップを感じつつ、「今年はさわやか路線でいこう!」などと、クラスの方針について考えていた。が、阿蘇研修の楽しい夕食の時間の後、その思いが打ち砕かれた・・・。食事後のテーブルはまさに「食べ散らかし」の状況!呼び出しをかけ、中学校の部活の監督みたいに説教しながらこの学年との格闘が始まった気がする。女クラはやっぱり大変だった・・・。でも、いろんな意味でおもしろかった。そんな1年担任の間に、最初の娘が誕生した!
 2年は1組の担任となった。今の1組のメンバーはほとんどとは始業式が最初の出会いだったであろう。しかし、新たなクラスでの生活は、提出物の期限を守れずに職員室での正座から始まった者も多かっただろう・・・。2年1組の教室は、カブトエビが飼育されてたり、世界史関係のフィギュアが増えていったり、7月には七夕飾りがあったりと、にぎやかなものであった。しかし、1組なりの厳しさも求められた。英週は満点のみが合格!全員駒台全国模試を受けるべし!全員で九大オープンキャンパスへ参加など・・・。そして、2年生の最大の行事はイギリス修学旅行!初めての体験ばかりで、最高の思い出ができたであろう。また、ハロウ校との交流会では、浴衣姿の1組のダンスが見事に優勝!クリスマスには文化会館での県大会に出場した!充実した高校生活を満喫してくれたものと思う・・・。
 そして、昨年の4月、3年1組の教壇に立った日の事が昨日のことのように思い出される。教壇から34名の顔を眺めながら、「これからどんな1年間になるだろう?」という期待と不安が交り合う複雑な心境であった一方で、「この生徒達の進路を実現するために自分の力を出し切ろう!」と身の引き締まる思いがした。
 この1年間もいろいろなことがあった。5月末から始まった高校総体では、これまで文武両道で頑張ってきた部活動の成果を発揮してきてくれた。6月には教育実習があり、男子諸君が鼻の下を伸ばしていた・・・。(私事だが、6月24日には二人目の娘が誕生した。)そして、いよいよ受験生としての本格的な生活も始まった。7月には恒例の七夕用の竹が出現し、それぞれ思い思いのお願い事を短冊に書いてくれたが、やはり「受験」を意識したお願いが多かった。そして、(なんちゃって)夏休み・・・「夏は受験の天王山」を合言葉に、熱い夏が始まった。お盆以外ほとんど補習で学校へ出て来たが、エアコンの効きすぎで、スカートの下にジャージという奇妙なファッションが流行した。そして、最大のイベント致遠館祭の準備が始まった。普段の学校生活では見ることのできない、君達や先生方の意外な一面を見ることができた。白団は惜しくも準優勝だったが、解団式のリーダー達の涙は青春そのものであった。そして、模擬試験の連続で、ほとんど休みの無い2学期が始まった。11月からはマーク模試の連続で、出て来る自己採点の点数に一喜一憂したことだろう。そして、クリスマスも無く、大晦日も無く、お正月も無く、寒くつらい日々が過ぎていき、黒板の左上に掲げていた「センターまで○○日」の数字は見る間に減っていった。そして、焦りや不安が最高潮に達する中で、いよいよセンター試験がやってきた。そして、自己採点、面談、出願、二次対策授業、私立大学入試、国公立前期試験と、息つく間もない日々が過ぎ去っていった・・・。
 そして、旅立ちの日がやって来た・・・。
 これまで君達には説教ばかりしてきた気がする。「机の周りば方付けろ!」「提出期限ば守れ!」「人の話ば聞け!」「周りのことば考えろ!」「なんでこがんマークミスの多かとか!」「3年1組○○、職員室担任まで!」・・・。ホームの時間は短いが、連絡と説教だけで、あまり話らしい話もできなかった1年間だった気がする。また、授業に出るのは35名中世界史選択の20名のみでもあった。しかし、毎日教壇から君達の顔、そして私の話す言葉を様々な「眼」で受け止めている君達生徒がいる。自分の話す言葉で、君達の「眼」は、ある時は輝き、ある時は伏せられ、ある時は背けられたりもする・・・。そんな時、教師である自分は何を君達に伝えることができたのか?何が伝わらなかったのか?そもそも、自分は何を伝えたかったのか?・・・。そんな中で、君達の輝いた「眼」を見た時に、ふっと気がついたことがある。これまでの様々な経験の中で、自分自身の「眼」が輝いた瞬間というのはどのような時だろう?と自問自答してみると、それは、自分が「何か」を発見し、そこから確かな「何か」を得た時ではなかっただろうか。そして、その「何か」によって、自分は成長してきたのではなかったのだろうか・・・。
 君達の年代は、「自分探し」即ち、自分のアイデンティティーを模索する時期であり、「自分とは何か?」がこれからも君達の最大のテーマとなっていくだろう。しかし、その答えは自分自身の内側のみからは決して得ることはできない。君達を取り巻くもの、即ち、家族・友人・先生・学問・芸術・新聞・書籍・テレビ・自然・・・など、何でもよい。そこから「眼」を輝かせて「何か」を発見してゆくプロセスを通じて、君達は成長し、「自分とは何か?」という答えを見出していくことだろう。そして、そのためには「何か」を発見できる「感受性」が必要だ。これから様々な体験や経験、そして「出逢い」を通じて、その感受性を磨いていって欲しい。君達のこれからの日々が「眼」を輝かせる「発見」の連続であって欲しい。これが旅立ちに向けての担任からの最後のメッセージである。
 そして、次に会う時は、教師と生徒ではなく、それぞれの人生を歩み成長した「大人」と「大人」として話がしたい。一緒に酒(ビール)でも飲みながら・・・

                                        それまで、しばしの別れである。

追 記
 センター試験の前日、1組の進路決定者がクラス全員の靴を磨いてくれていた。
 センター試験の当日、受験する1組全員に手作りのお守りを作ってくれた者がいた。
 涙が出そうになった。3年間で成長してくれたのだなと思った。
 こんなに素晴らしいクラスを受け持つことができたことに感謝したい。

                                              ありがとう!3年1組!

コメント(2)

涙が止まらない。

ありがとうと言わなければいけないのは、私の方です。
先生、ありがとう。

これからもずっと、私の先生でいてください。
これからもずっと、私は先生の生徒です。
これを打ち込んだあなたにありがとう涙

食い散らかした女子の一人より

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