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7days,7flowersコミュの月とこじかとゴミ袋3

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僕は考える為に無意識に空を見た。
僕たちを取り囲む様にして立ち並んだ背の高いビルの更に天高く、アクセサリーみたいな細い三日月がぼんやりと光っている。

大学生の頃、月はもっと輝いていたと思ったのに。
同じ様に東京の空の下、打ち上げだとかコンパだとか色々理由を作っては少しでも遊んでいたかったあの頃、仲間の輪から外れふと見上げた空に月はいつでもあった気がする。

どんなに高い建物がそびえていても、原色の照明がきらびやかに点滅しても、月はくっきりと、何かのしるしみたいにそこにあった。




「そうですねぇ、謙太さんは…ガタイ良くて、でかくて、声も器もでかくて、とにかく全てがでかいって印象ですかねぇ」

莉子さんは泣きすぎて疲れたのか、目を閉じて、体育座りの膝に顔をもたげながら、それでも何となく幸せそうに僕の話を聞いている。

「謙太さんの近くにいればいつでも楽しいことがあって、あのでかい声と態度に引っ張られるみたいにして俺らはいっつも遊んでもらいましたよ。テニスはそんなに上手くなかったけど」



莉子さんは最後の僕の台詞に反応してくすくす笑った。



「側にはいつもあの彼女さんがいて、俺らは羨ましいなって」



僕がその言葉を言い終わらない内に莉子さんの瞳からはもりもりと涙が溢れ出してきて、頬っぺたに再び涙の河が出来た。

僕はそうなることをわかって言った癖に、たちまち後悔した。やっぱり。





「今日ねー、デパ地下のチョコレートのコーナーのところ、すごかったよ?女の子たち皆、すごい可愛かったぁ…なんかキラキラしたオーラが取り巻いてて、笑うたびにお花が咲くみたいな感じで、羨ましかった…」



謙太さんは大学を卒業した後都内の高校に就職して、教師をやっているらしい。
当時の彼女さんは別のサークルの人だったから僕はよく知らないけれど、今でも円満で、就職してからは一緒に暮らしていると聞いた。



「あげたら良かったじゃないですか、チョコレート」

「そぉんな簡単に言わないでよ〜」


莉子さんは左の手で僕の肩をばっしばっし叩いた。
化粧が落ちて、目の下が黒っぽくなっているのが涙の痕跡みたいに見えた。


コメント(1)

つづく
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