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7days,7flowersコミュのアイムソーハッピー

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「手を放すのも、勇気だよねー」



隣を歩いていた友人がぽつりと呟いた。



何の脈絡もなくあんまり突然なその一言に、私はうまく反応することが出来なかった。

彼女は見るともなしに空を眺めていたから、ゆったり群れをなした呑気そうな雲の集団に話しかけた様にも見えた。

陽は正午より少し傾いてはいたが、まだ“昼間”と言える時間帯、2人であたたかなカフェオレでも飲める場所を探して、商店街をのんびりと歩いていたところだった。

会えるのは久しぶりだった。大学の頃は同じ管弦楽のサークルで毎日の様に顔を合わせていたのに、仕事を始めてからは中々休日が合うこともなかった。



商店街は賑わってはいるが、夕飯時程の喧騒は無い。どの人の顔も心なしかゆったりのんびりして見える。きっと皆、急ぐ理由なんてないのだ。




私は少し考えたけれど、結局何も言わなかった。
彼女が続きを呑み込んでしまわない様に。





「はぁー」





彼女は、ため息ではなく、わざと声を出して、奇妙にハッキリとそう言った。

考えている顔ではあるけれど、悩む風ではない。



1月だというのに、うっかり訪れた春みたいに穏やかな日和だ。

涙を誘うみたいな世にも優しい風が、彼女のまっすぐな髪をそよがせる。彼女そのものみたいな、まっすぐで細くて、言うことを聞かなそうな髪。





「ゆずきさんは、勇敢ですよね」





考えている時でも目線を下げない、歳上の友人に私は言ってみた。

彼女はちょっと笑って、



「そんな風に言われたら、撤回出来ないじゃないよ」



と言った。

だけどこの人は、撤回する気なんてないのだ。私が何を言おうと。



迷っている振りをしながら、既に正しい答えは知っている。

必要なのは、躊躇う少しの時間、それは助走の様なもの。大切にしてきた思い出たちとの名残惜しい離別の儀式。

だけどもう、その頃には彼女の足は、出逢うべき新しい未来へと歩み出している。

アイムソーハッピー、
彼女のモットー。





「あっ、ゆずきさん、あそこのカフェのシナモンロール絶品ですよ」

私がそう言った刹那、彼女の表情は未知なる甘味に対する期待でぱあぁっ、と輝いた。



「はい決定、迷う余地なし」




その人は花が開くときみたいに笑って、私を置いて小走りにカフェの入り口へと駆け寄って行った。

艶やかな髪が嬉しそうに揺れて、残像がスローモーションみたいにきらきらと輝いた。

コメント(2)

アイムソークレイジー、ぼくのモットー。

でもこのひとぼくに似てるね。
> (・×・)ともくん

ん?!そう??笑

きっとともくんはわたしの小説読むとき、自分を重ねて読んでくれてるんだろうなぁ。そう思うと嬉しいよ。

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