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テレビでサッカー観戦(採点つき)コミュのアーセナルvsACミラン

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チャンピオンズリーグ07-08 ベスト16 1st Round
アーセナルvsACミラン
2008年2月20日@エミレーツ・スタジアム

0-0

すごいものを観た。

「おーっ!」
「うわぁーっ!」
「すげえー!」
そんな言葉ばかり、発していた気がする。


事前から、注目の一戦ではあった。
トータルフットボールを体現した、若くてイキのいいアーセナル。
それを迎える、完成されているチーム、ACミラン。

そのゲームは、両者共に持ち味を発揮し、
なおかつラルセン主審という優れたレフェリーに演出された、素晴らしいゲームだった。


いくつものタイトルを獲ってきたミランの3枚のセントラルMFを前にしても、
アーセナルはアーセナルだった。

セスクを基点に、小気味良い、細かいパスを交換してミランゴールに迫っていく。
そのスタイルは、本当に観ていて面白い。
こんなサッカーをやられたら、プレミアの中位・下位クラブはそりゃ敵わないわ。

そしてアーセナルが以前よりも「勝てる」チームになっているのは、
決してショートパス一本調子ではなくなっているから、という点が大きいと思う。

アデバイヨルを活かして、時おりロングボールも織り交ぜるのである。
アデバイヨルは、もちろん高さもある上にスペースへの走り出しも上手いものだから、
ロングボールが活きる。

そのあたりのリズムの変化は、アーセナルにとって新しい。

しかし!

そのアデバイヨルに一歩も引かなかったのが、ネスタ。

彼のディフェンスもすごい。
まさに鉄壁。

トーゴのいかにも野生児みたいなフィジカルをしたアデバイヨルに、フィジカルでも負けない。
(もちろん、読みも秀逸)

そういや、ネスタをユース時代から見ていた指導者が言っていた。
「ネスタはたまたまDFをやっていただけで、FWでも世界一のFWになれるぐらいのフィジカルがある」
その言葉を思い出しました。

そうした攻防を数回繰り返したアデバイヨルが、どうしたか。
ネスタではなく、カラーゼを狙い始めたのである。

1トップなだけに、そうした切り替えが比較的容易にできる。
初めからカラーゼ側(アーセナルから見て右側)にポジションを取る。
あるいは、左側からダイアゴナルな動きをして、ネスタからカラーゼにマークを受け渡させ、
そこで勝負する。

このへんの駆け引きは、すごく面白い。

しかし!

カラーゼもまた、しっかり守るのである。
ネスタやマルディーニに隠れているが、カレーゼもまた、
集中したときはものすごい守備をする。

あたしに言われなくてもいいだろうけれども、
グルジア国民は彼のことを国の誇りにしていいと思う。


ただ、前半にセスクがゴール前でポッカリ空いたビッグチャンス、
あれはまさにこのアデバイヨルの動きが生み出したものだった。

アデバイヨルがネスタとカラーゼを二人つれて、サイド(左側)に流れる。
それはどちらかと言うとネスタのサイドなのだが、
カラーゼは「自分がいかなければ」という意識からか、ついていく。

そこでカラーゼが空いたポジションに、
セスクが誰よりも早く勘付いて入り込んだ、という形。


そんなこんなで、前半が終わる。

後半立ち上がり、ネスタが怪我で交代する。

前半も、立ち上がりにトゥレが怪我でセンデロスに代わり、
その後に少しだけアーセナルがバタバタしたときがあった。
(ただ、ここからの立て直しは意外なほど早かった)

今度はミランの守備陣形の変更に、アーセナルがつけこみ、しばらくペースを握る。

でも、ミランもよく守るわー。

集中力が、ハンパじゃない。
普段のリーグ戦でもそうなればいいんだろうけれど、
これが大舞台に強い、ということなのか。

マルディーニなんて、どう見ても39歳には見えない。

前半、サイドでエブエと一対一の場面があったのだが、
その際の距離感がエブエに近いこと、近いこと。
これは、読みの面もそうであるけれど、フィジカルに自信がないと絶対にできない。
だって、相手はピチピチのアフリカンなわけで。
すごいことだわ、ほんと。


後半も20分ぐらいを過ぎると、
前半からすごい切り替えと運動量でミランの攻撃を防いでいたアーセナルの中盤も、
少しずつスペースができてミランもアタックができるようになってくる。

ただ、アーセナルの守備も集中が切れない。

なおも攻め込むアーセナルに対して、ミランは必然的にカウンターの形が多くなるが、
後半25分にはパトが足を痙攣させてしまう。

けど、パトも素晴らしかった。
テクニックはもちろんだけれど、そのひたむきさが。

足を痙攣させたシーンも、クリシに積極的に勝負を挑んだもので。
例えばこの大舞台に日本人FWが立ったとして、
どれだけこのパトのようにひたむきにやれたことだろう。

18歳のパトも、39歳のマルディーニも、全員が勝利のことだけを考えている。
ミランもまた、素晴らしいチームだと思う。


ゲームは、互いの長所が存分に発揮されスペクタクルさを失わないまま、
時間が経過していく。

ここまでハイレベルな攻防をずっと続けられる集中力、勝利への熱望、
まさに2008年時点の現代サッカー界の最高峰な試合。
さらに、90分間を通してつまらない(興ざめな)プレーを誰もしない、
というのがすごい。

そして、後半のロスタイムにさらにドラマが生まれる。

入ったばかりのウォルコットが右サイドでタテに仕掛け、クロスを上げる。
理想的な放物線を描いたボールに、アデバイヨルが体を伸ばして頭を合わせる。

しかし、アデバイヨルの頭から放たれたボールは、無情にもクロスバーを叩く。

勝利への願いが届かなかったアデバイヨルがカメラの前で崩れ落ちたとき、
あたしは涙がこみ上げてしまいました。

日本代表の試合じゃ、久しくない経験なのだけれど、
チャンピオンズリーグだと涙がこみ上げてくるのはなぜなんでしょう。

より思いが伝わってくるから、
思いが伝わるだけのプレーをしているから、なのかな。

(あのアデバイヨルのカットを映したディレクター、スイッチャーも素晴らしい!)

とはいえ、どちらにも勝たせてあげたい、負けてほしくはないと思わせる、
すごいゲームでした。

ミランはアウェイで貴重な引き分けを獲た、とも言えるし、
アーセナルは勝てなかったもののアウェイゴールを許さなかった、とも言える。

これだけのものがまた観られるとは思わないが、
2ndレグが楽しみだ。

いやー、ほんとにいいもの見せてもらいました。



【アーセナル】
GK:レーマン:6.5
ベテランらしい落ち着き。まだまだやれそう。
RSB:サニャ:6.5
積極性を失わず、大舞台でも普段のプレー。
RCB:ギャラス:6.5
センデロス同様、ノーミスでミランを封じる。
LCB:コロ・トゥレ(→前半8分OUT):−
残念な負傷退場。
LSB:クリシ:6
サニャと同様だが、やや控えめだったか。
CMF:セスク:7.5
いやー、王様だわ。展開力・飛び出し・守備、どれも一流。
CMF:フラミニ:7
カカを潰すことに成功。これは大仕事と言っていい。
RMF:エブエ(→後半45分OUT):7
彼も若いアーセナルの象徴。ステキな積極性と運動量。
LMF:ダ・シウバ(→後半29分OUT):5.5
集中はしていただろうけれど、なかなか流れに入れなかった。
トップ下:フレブ:6.5
後半の方がアグレッシブ。前を向くとやっぱり怖い。
FW:アデバイヨル:6.5
勝利とはいかなかったけれど、ミランにとって脅威であり続けた。

LCB:センデロス(←前半8分IN):7.5
難しい状況で入ったが、ノーミスで高い集中力。
FW:ベントナー(←後半29分IN):6
彼が入って、ダイナミックさが生まれた。
RMF:ウォルコット(←後半45分IN)−
最後に大仕事かと思ったけど…。


【ACミラン】
GK:カラッチ:7
尋常ではない落ち着き。ピンチがピンチに見えない。
RSB:オッド:7
集中を保てば、こんなに守れるんじゃないか!
LCB:カラーゼ:7
陰に隠れがちだが、世界最高峰のセンターバックぶりを見せる。
RCB:ネスタ(→後半5分OUT):7.5
ピッチにいる間は、まさに磐石。彼も負傷が残念。
LSB:マルディーニ:7.5
素晴らしい充実ぶり。センターに入ってもアデバイヨルに負けず。
RMF:ガットゥーゾ:7
後半になるほど地力を発揮。良い展開もいくつかあった。
CMF:ピルロ:6.5
守備で時々綻びの一端を見せるが、攻撃の基点としては十分に機能。
LMF:アンブロジーニ:6.5
いつも通りの安定感。
トップ下:セードルフ(→後半41分OUT):6
地味だが、彼の落ち着きでミランは攻撃をすることができていた。
トップ下:カカ:5.5
後半になってようやく前を向けたが、決定的な仕事はできず。
FW:パト(→後半32分OUT):6

LSB:ヤンクロフスキ(←後半5分IN):6
マルディーニとは違う味をちゃんと見せる。
FW:ジラルディーノ(←後半32分IN):5.5
ゴールに向かう動きをしたが、なかなか絡めず。
MF:エメルソン(←後半41分IN):−
評価できず。


試合内容:9
原博実さんをして「目をつぶりたくない」と言わしめる一戦。
こんなゲームが観られて、サッカーが好きでよかった。

コメント(2)

おひさしぶりですね〜
こんな試合が見れるんだからCLはやっぱり世界最高の舞台なんだなと思わずにはいられないですよね。。。

ほんとに久しぶりに90数分間興奮しっぱなしで目が離せませんでした

またこんな試合に巡りあいたいもんです。

0−0だったことにこそ意味とドラマがあった数少ない名勝負だと思います
>タッキさん

お久しぶりですー。
というか、見捨てずにいてくださり&コメントまでしてくださり、大感謝です。

ですよねー!
まだこの試合の興奮を誰とも分かち合えていなかったので、
同じように感じた方がいらっしゃってうれしいです。

そうですね、中身は濃密だし、そしてあの中身だったからこその0-0なんでしょうね。

2ndレグ、どんな内容になろうとも、今から楽しみです。

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