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懐かしい昭和の風景やエッセイ集コミュの第8話 昭和の風景 『カルテット・ザ・銭湯』

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「おかみさーん!時間ですよ〜」

けんちゃんの呼びかけで始まる、ドラマ『時間ですよ』
確か・・・約40年ほど前のドラマだったかな?
そこに登場する、ハマさん、けんちゃん、みよちゃんは

“トリオ・ザ・銭湯”

あたしたちは、銭湯通いのトコちゃん、みぃちゃん、キコちゃん、みよちゃん(あたしの名前)の4人組。

名づけて“カルテット・ザ・銭湯”


夕方のお母さんたちは、子供の世話で忙しい。

お稽古の送迎、塾のお弁当作り。

「早く、塾の準備しなさーい!」
「宿題やったの?」
「忘れ物ない?」

平成時代に入り、あたしはママになり、こんな風景を描きながら子育てをやってきた。


でも・・・

あたしの子供のころの夕方の風景は違っていた。

40年以上前

夕方、商店街の母ちゃんたちは、店に買い物にやってくるお客さんの応対や夕餉の支度に追われていた。


「早く、お風呂に行っておいでぇ〜」

「ぐずぐずしていると、日が暮れるよ〜」

どこからともなく、こんな声が聞こえてくる。

あたしたちは、三々五々おふろセットを抱えて集まる。

メンバーは、
あたしより、5歳上のトコちゃん、2歳上のみぃちゃん、1歳下のキコちゃん、あたしの4人組。

いつも、4人で銭湯に通っていた。

お風呂屋さんは、徒歩5分もかからないぐらい近い。
でも、あたしたちは、ぺちゃくちゃおしゃべりしながら行ってたので、10分以上はかかった。

仲良くお話しながら、行くときはいいんだけど、、、、
時々、年の近い、キコちゃんとあたしは口けんかを繰り広げた。

そんなときは、必ず、お姉さんのトコちゃんとみぃちゃんが仲裁に入ってくれるんだけど、
二人のお姉さんたちの努力の甲斐もなく、キコちゃんかあたしのどっちかは、
「あたし、帰る。」
と、おうちの方に向きを変えて歩き出す。


でも、次の日はやっぱり4人で銭湯に行く。

本当の姉妹のように毎日銭湯に通った。
お風呂のなかでは、学校の話とかアイドルの話なんかをして過ごした。

子供のあたしたちも母ちゃんたちと同じように情報交換を熱いお湯の中で、あつく語った。

やがて、トコちゃん、みぃちゃんが高校、中学にあがり、部活やお稽古で忙しなると、

キコちゃんとあたしとで銭湯に行くようになった。
このころになると、けんかをすることなく2人で仲良く通った。

あたしたちは、小学校高学年になると、お風呂の中に入りながら、体をこすりながら、髪を洗いながら、

学校で習ったお勉強の内容をクイズ形式で出題して、知識の確認をしあった。
「県名と県庁所在地の名前がちがう県は?」
「庄内平野を流れる川は?」
「日本で一番長い川は?」

もう少し大きくなると
「オーストラリアの首都は?」
「イギリスの首都は?」
なーんて、社会科のお勉強をした。
銭湯で勉強していると、
行くとき明るかった外も、帰るころにはすっかり夜になっていた。


今度は、星空を見上げながら、
「カシオペア座から北極星を見つけるやり方知ってる?」

冬になると、オリオン座を見つけて
「オリオン座の中で一番明るい星の名前は?」
なーんて質問ごっこをした。

ことわざや慣用句なんかもクイズごっこで覚えた。

銭湯通いは、冬の寒い時や大雨のときはいやだったけれど、
あたしは、お姉さんみたいなトコちゃん、みぃちゃん、妹みたいなキコちゃんと一緒に楽しい時間を持てたことを、今でも昨日のことのように思い出す。



トコちゃんは海外

みぃちゃんは千葉

キコちゃんは鹿児島

あたしは長崎

それぞれ結婚して、子供を産んで育てて、お母さんになったけど

みんなで銭湯通いをしたこと、あの日見上げた星空が澄みきって美しかったこと、今でも覚えていてくれているんじゃないかなと思う。

トコちゃん、みぃちゃん、キコちゃん!

みんなの住む街にも、あの日、あの時見た、美しい星が輝いていますか!


つづく





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