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アンチTOEIC至上主義コミュの英文を考える

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お目汚しに。最近思ったことを。

「recent(ly)はいつから見て「最近」か」

recentlyという副詞は「最近」といった意味を表しますが、これは完了形や過去形と一緒に使われて、現在完了としか使えないlatelyなどとともに過去志向(現在時制では使えない)だと指摘され、現在志向(過去時制と完了時制では使えない)のnowadaysやthese daysとの使い分けは英文法の比較的基礎知識の部類です(T.D.ミントン『ここがおかしい日本人の英文法』安武内ひろし訳、研究社、54−56p)。
そういう使い分けではよく出てくるrecentlyなんですが、意味は「最近」とあっさり片づけられることが多いです。いくつかの英英辞典でもnot long agoという説明が基本で、これは常識的には現在から見てのことでしょう。色々な例文を探してもほとんどがその理解で問題ないのですが、この理解だと辻褄が合わない例も時より目にします。
たとえば、前にも引用したMinogueでさっき出くわしたのが、

It was invented in 1797 by a French philosopher called Destutt de Tracy who had recently survived the Terror by the skin of his teeth.
Minogue, Kenneth, Politics: A Very Short Introduction.
冒頭のitはその前に出てくるthis curious wordでideologyのことです。
「その言葉は、1797年にフランスの哲学者デストゥット・ド・トラシーによって生み出されたが、トラシーはその前に恐怖政治をからがら生き延びたところだった」

この過去完了とともに使われているrecentlyは明らかに現在から見ての「最近」ではありません。ロベスピエールが断頭台の露と消えた恐怖政治から最近逃げ延びたなどということはありえませんし、単純に時制的にも過去完了と使われていて、過去形から時点が分かる1797年以後という解釈はムリです。したがって、1797年から見ての「最近」でしょう。現時点から「最近」と訳すと変なので、訳さなくてもいいかもしれませんが、ここでは「その前に」としました。
すると、以前ここでも自信がないが誤植ではないかと指摘した文章にもヒントが出そうです(結論は、たぶんぼくの誤読です)。

In the early 1950s, unhappy memories of the crash and the depression of the 1930s kept the stock market outside the purview of economics, or even of finance. Too little time had passed since the end of World War ? to produce a crop of scholars free from the scars of those terrible years. Stocks in any case had never had more than a frail claim to legitimacy among prudent investors, and whatever claim they did have had been wiped out by recent history.
Bernstein, Peter L., Capital Ideas: The Improbable Origins of Modern Wall Street.
「1950年代初頭、暴落と1930年代の不況の嫌な記憶のせいで、株式市場は、経済学はおろか、金融の分野からも追い出されたままだった。第二次世界大戦終結からあまりに短期間しか経っていないので、そうしたおぞましい時代の傷跡から自由な学者たちの成果を生み出すことができなかったのだ。いずれにせよ、株式は、思慮深い投資家たちの間で(利益源としての)正当性へのわずかな資格以上のものをどうにも持ちえなかった。株が持ちうるいかなる資格もそれまでの歴史によって消し去られてしまっていたのである。」

ぼくはこのrecent historyにつまって、現在から見て最近の歴史だろうかと考え、最後のセンテンスがhad been wiped outではなく、hasの誤植ではないかと勘繰りましたが、上で出した英文のrecent(ly)を考慮すると、ここでのrecentも「それまでの」などと訳すことが可能に思えてきます。
whatever claim they did haveのdidは、冒頭のkeptが述語動詞の1950年代という過去の認識でいいですかね。そうすると、その時点において本来可能性としてあった正当性への資格が、それ以前に消えてなくなってしまっていたということになるでしょうか。以前の読みよりしっくりきた気がします。
しかしながら、こういうrecent(ly)の使い方は手元の辞典類ではほとんど見ません。
上記のような用法のrecent(ly)が載っている文法書があれば、メチャ高くてメチャ専門的なものじゃなければ買いますので、ご存知の方は教えてくださいw

コメント(2)

たまにはここも伸ばしておきます。

「冠飾句は英語でも使えるのか」

ドイツ語には冠飾句と呼ばれる文法形態があります。これは、冠詞と名詞の間に元来形容詞ではない句でも突っ込んで形容詞にしてしまうものです。
Ich ging die schmale, erst seit einigen Jahren asphaltierte Strasse entlang.(私はほんの数年前にアスファルト舗装されたばかりの狭い道を通って行った)のdieとStrasseの間に入るerst seit einigen jahren asphaltierteみたいなのがそうで、ドイツ語では比較的見るものですが、規範的な英文法ではおそらく認めらず、これを取り上げるものは、ネット界隈ではほとんどないようです。
しかしながら、時々?目にすることがあり、http://www.princeton.edu/~gpop/PL_GPE_EU%20backsliding_CPS.pdf
この論文の18p8行目に含まれるon the hard to observe socialization effects of international organization,という部分のhard to observeも、おそらく修飾関係の位置的問題という消極的な理由から冠飾句の一種になっていると思うのですが、どんなもんでしょう。たぶんハイフォンを使った複合形容詞(A well-developed sense of humorみたいな)のイメージに近い使い方な気がします。著者がドイツ系の人なのかとか思ったのですが、それはよく分かりません。

ドイツ語の冠飾句について
http://www.dokkyomed.ac.jp/dep-m/german/md_grammatik/8511kanshokuku.pdf
『週刊 東洋経済 2012年 6/2号』の特集は「脱TOEICの英語術」でした。

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