ビバ！ライカM6コミュの恐るべき子供たち

先日のこと。

息子と遊ぶ日だったので、彼の通っている学校近くの公園横にオートバイを停めて、植え込みの石垣に腰掛けてぼけっとしながら彼の帰りを待っていた。暑い。

「なにしてんの」

そう言われて声のほうを向くと、小学校低学年らしき女の子が一人。

「あー、おじさんはね、息子の帰りを待ってるんだよ」

「ふーん」

いつの間にかぼくの横に腰掛けて、足をぶらぶらさせている。

「今日は学校暑かったやろ。おじさん冷たいお茶持っとるけど飲むかい？」

「いらない」

本当に暑い日だった。今年最初の猛暑日。ぼくは

「そっか。んじゃおじさんは飲んじゃおう」

ゴクゴク飲む。

「ぶはーっ、うまい。　飲むかい？」

「うん」

今度は飲んだ。なんかうれしい。

そのうちわらわらと友達も集まってくる。

「おじさんのカメラ触りたい」

「おお、いいよいいよ」

わーわーわーわー

「どうやって撮るの」

「それは、まずはカメラをしっかり両手で持って、そう。んで、ここの丸い窓からのぞく。おじさん見えるか？」

「うん」

「そしたらここを押すとシャッターが切れる。ちょっと待ってくれストラップを」

チャ

早っ。そして近っ。　子どもはためらいがない。

「ねー撮れなくなっちゃった」

「あー、そしたらここのレバーを動かす」

（シャッ）チャ（シャッ）チャ（シャッ）チャ（シャッ）チャ（シャッ）チャ

「･･･うん、撮りすぎだ。でもいいな。気持ちいいわ。ただ、どうせなら、すきなもの写しな。距離は合わせてあげるから」

チャ

「お～、いいじゃんいいじゃん」

「おじさんこれ写真見れないよ」

「うん、すまん。でもこのカメラはすぐに見られないところがいいところなん」

チャ

「おお～寄るねえ！よっしゃどんどん撮っちゃえもういいや！」

そうやってひとしきり盛り上がったらたのしくなってきた。

「おじさんにも撮らせてくれよ」

チャ

そうやってみんなでゲラゲラガハハと遊んでいるうちに怪訝そうな顔をした息子がやってきたのでみんなに別れを告げて、息子を後ろに乗せてオートバイで帰った。

DATA（共通）:Leica M6 Summicron 50/2 Kentmere 400 f8 1/250~1000