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聖ナックルガイ高校部室コミュのVSまとめ・エスコート・タイム(ラテ&蝶之介編)

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調理実習室・テーブル

「車輪部部員の「高瀬ラテ」と申します、今日はよろしくお願いいたしますわ」
「生徒会・副会長の「菊池蝶之介染太郎」です、こちらこそよろしくお願いします」
「菊池蝶之介様?」
「蝶之介と呼んでください、皆はボクのことをそう呼んでいますので」
「わかりましたわ、蝶之介様」
「ボクのほうは・・・高瀬さんとお呼びしてもよろしいですか?」
「はい♪」

ラテと蝶之介は、お互いに自己紹介をしていた

「蝶之介様は、副会長をなさっておられるのですか?」
「えぇ、何故か皆が「お願いします」って推薦するものでつい・・・」
「それだけ人望があるという事ですわ」
「そうでしょうか?」
「そうですわよ」

二人は他のメンバーが暴れまわる調理実習室内で、二人は他愛の無い話を
していた
この二人、普段から「近寄りがたいオーラ」のようなものを放っており
よく知らない人には「怖い人」と(一方的に)思われていた
実際には「とても温厚で思いやりのある人柄」なのだが、こうして
話さないとその事が伝わらないため、色々と損をしていた

「ところで・・・」
「はい?」

ラテが話を切り替えてきた

「今日はチョコレート作りでこちらに来たのですけれど・・・
 蝶之介様、チョコレート作りをされたことは?」
「いえ、私はそういう事は全く・・・」
「どうしましょう、ワタクシもこういった事は出来ませんの」

困惑した顔をするラテ

「大丈夫ですよ、今回のチョコレート作りには会長が参加されて
 いますから、お聞きすればご指導してくれますよ」
「会長様?」
「えぇ、とても温厚で、それでいてしっかり者で誰からも信頼される
 ボクの尊敬している方です」
「素晴らしい殿方なのですね」
「はい、いつかは会長のような立派な人になろうと思っております」

そういうと、染太郎は少し恥ずかしそうな顔をした

「ワタクシにも、尊敬する方がいらっしゃいますの、ですから蝶之介様のお気持ち
 よく分かりますわ」

ラテは笑顔で、蝶之介にそう答えた
全く淀みの無い、心のそこから喜んでいるような笑顔だった
蝶之介はその笑顔に見とれてしまい、言葉を失ってしまった

「で、では時間も過ぎてきていますし、そろそろチョコレート作りに
 入りましょうか」
「そうですわね」

照れを必死に隠しながら、蝶之介はラテにチョコ作りを勧めてきた

「それでは会長にご指導を・・・って、あれ?」

辺りをキョロキョロと見回す蝶之介

「・・・?・・・どうかされまして?」

不思議そうな顔でたずねるラテ

「いえ、さっきまでそこに会長がいらしたんですけど・・・」
「あの方ではございませんの?」

しのを探している蝶之介に、ラテが指差しながら話しかけてきた

「え?」

ラテの指差すほうを見ると、確かにしの(会長)がそこにいた
どうやら「リン子」と呼ばれていた女生徒と口論になっているようだった
心配になった染太郎は、しのの元へ行こうと思い

「すいません高瀬さん、少し席を外してもよろしいですか?」

と、ラテに話しかけた・・・しかし・・・

「いいえ、私も一緒に行きますわ」
「え?」
「どうやらリーダーが駄々をこねている様子ですので、ワタクシが少し
 お話をいたしますわ」

意外な答えが返ってきて、染太郎は困惑した
結局染太郎は、ラテと一緒にしのの所へ歩いていった

「会長、どうなされたのですか?」

染太郎は事情を尋ねた

「あぁ、蝶之介君・・・彼女が「チョコレートに蛸を入れる」って聞かないんだよ」
「はい?蛸ですか?」

「チョコ」と「蛸」という完全にかみ合わないキーワードに、蝶之介は一瞬
状況を理解できなかった

「素蛸〜!!」

妙にハイテンションな女生徒「リン子」が、湯がかれて程よく真っ赤に染まった蛸を
手に持ってポーズを決めていた

「すまないね、本当は君達のところへ行くはずだったんだけど・・・」
「いえ、そんな・・・お気になさらず・・・」

二人がそういうやり取りをしている間、ラテはリン子の傍によっていき
リン子に話しかけていた

「リーダー・・・何をなさってますの?」
「え?蛸をチョコレートに入れようと思ってるんだけど」
「そういうことは、ご自身で食べる時だけされてください
 今日は会長様にチョコレート作りをご指導していただくために
 ここへ来たのでしょう?でしたら会長様のご指示に従うのが常識ですわ」
「でも・・・」
「リーダー」

そういうと、ラテは「まるでトーンの消えたような、暗い眼」をして
リン子を顔を見ながら、笑顔ながら抑揚の無い声でこういった

「少し・・・頭冷やしましょうか・・・」

その一言を聞いたリン子は、まるで冷水を頭からかけられたかのように萎縮し
「スミマセンモウシマセン」と、震えながらラテに謝りだした


「会長様、蝶之介様、これで大丈夫ですわ♪」

彼女達のやり取りを横から見ていた二人は、声をかけられるまで固まっていた
ラテの放つ「黒い重圧」のようなもの、それに圧倒されていたからだ

「あ・・・えっと・・・助かりました、高瀬さん」
「いえいえ、同じ部員として当然の事をしたまでですわ・・・それで
 会長様、私達にもチョコレート作りのご指導をお願いいたしたいのですが
 よろしいでしょうか?」
「わかりました、ではテーブルへ・・・さっ、蝶之介君も一緒に戻ろうか」
「は、はい・・・わかりました・・・」

すでに「元に戻っている」ラテの後姿を見ながら、しのと蝶之介はヒソヒソと
話しだした

「会長、あの高瀬さんという方は何者なんですか?」
「彼女は日本でも有数の大企業「高瀬グループ」のご令嬢です」
「そんな凄い人が、何故チョコレート作りに参加されているんですか?」
「さぁ・・・リン子ちゃんの話では自分から率先して参加されたらしいですよ」
「自分からですか?」
「普段は温厚で、滅多に怒るような方では無いんですけど、怒らせたらさっきのように
 凄く怖い人なので、気をつけてくださいね・・・」
「わ、わかりました(汗)」
「私も出来る限りフォローしますから」
「本当にお願いします、会長」

蝶之介は背中につめたいものを感じつつ、テーブルへと戻っていった

(author ニャルリンさま)

コメント(7)

「ゴホン!・・・それでは、チョコレート作りの説明を始めます」

しのが説明を始めた
一応、前もって説明はしていたのだが、聞いただけと実際に作るのとでは
結構違うため、実践を交えての説明を行う事になった
何せ、ラテも蝶之介も完全な素人である、間違わないという保障はどこにも無い

「さっきの説明の通り、まずチョコレートを均等な大きさに刻みますので
ラテさん今日お持ちしたチョコレートを出してください」
「わかりましたわ」

しのに言われて、ラテは机の上にチョコレートの入っている箱を数個置いた
・・・何だか妙に豪華な箱だった

「・・・高瀬さん?このチョコレートは?」

蝶之介が不思議そうに尋ねる

「えっと・・・確か「レオニダス」という名前のチョコレートだったはず・・・」
「レオニダスゥゥゥーーー!?」

チョコの名前を聞いて、しのが絶叫した

「・・・?・・・どうかされました?会長」
「蝶之介君、このチョコレートはね・・・」

しのが一呼吸おいて、染太郎に説明をはじめた

「ベルギー産の高級チョコレートで、この一箱で軽く1万円はする
 一部の人から「宝石チョコ」と呼ばれる代物です(汗)」
「ウェェェーーーイ!?」

びっくりして変な絶叫が出る蝶之介

「本当はスーパーで購入していたものがあったのですが、つい我慢できなくて・・・
 仕方ないのでセバスチャンに頼んで買ってきてもらったんですの」

モジモジしながら答えるラテ、どうやらくる途中で買ったチョコを
平らげてしまったらしい・・・このラテという少女、スタイルからは想像できないが
かなりの大食らいだった

「・・・本当にこのチョコレートを材料にしていいんですか?」

しのが恐る恐る尋ねる

「えぇ、大丈夫ですわ♪」

さらっと答えるラテ

「・・・ありえない・・・」

先ほどから「違う次元の話」が飛び出してきて、混乱している蝶之介だった
普通の人なら「食べる事すら躊躇する」ような品物を、この女生徒はそこいらの
業務用チョコレートのように砕いて作ろうとしているのである

「じゃ、じゃあ・・・蝶之介君、高瀬さんと一緒にチョコを刻んで」
「え?本当に刻んでもいいんですか?」
「持ってこられたご本人が「いい」とおっしゃっているんだから、大丈夫」
「わ、わかりました」

その後、蝶之介はラテと一緒に指示通りチョコを刻んだ
一生懸命、このチョコレートを作った職人さんたちに(心の中で)土下座しながら

(author ニャルリンさま)

「さて、刻んだチョコを湯せんで溶かすのですが・・・」

しのが次の工程の説明を始めた

「このとき、直接火にかけたりせずお湯を使って少しずつ溶かしていきます
 お湯を入れるボールと、その上に重ねてチョコを溶かすボールを用意して下さい
溶かす時は丁寧にゆっくり行い、空気が入らないよう注意してくださいね
 なお、とても熱いので容器を触る際には必ず手袋をしてください」

説明が終わり、二人は指示通りボールにチョコを入れてかき混ぜ始めた
二人とも、元々器用だったらしくあっという間にチョコは溶けてトロトロになった

「ふぅ・・・これは大変な作業ですわね」
「確かに・・・これは予想以上でした・・・」

額の汗を拭きながら、蝶之介とラテはチョコ作りの大変さを知った

「これなら、車のエンジンをバラす方が簡単かも」
「え?」
「いえ、何でもありませんわ」

ラテから不思議な言葉が出てきて、少し驚く蝶之介
そうこうしているうちに、チョコレートつくりは進んで型入れまで終了した
・・・ただし・・・

「高瀬さん、湯せんしたチョコレートなんですけど・・・ってあれ?
 ここに置いていたチョコレートご存じないですか?」
「(口の周りにべったりとチョコを付けて)さぁ?存じませんわねぇ〜・・・」
「・・・(汗)」

ラテが我慢できず、何度か「つまみ食い(という名の完食)」をやらかしたため
湯せん〜型入れまで、相当な時間がかかってしまった

「・・・これはかなりしてやられた感がありますね」
「蝶之介君もそう思う?実は私もだよ」

疲れきっているしのと蝶之介
一方のラテは、あらかたチョコレートを食べつくしたので満足していた

「そういえば・・・前にリン子ちゃんがこういう話をしてたなぁ〜」
「どんなお話ですか?」
「部のメンバーに、「満腹を無視された王女(ゲシュペンスト・プリンセス)」とか
 いうあだ名の人がいるとか・・・」
「それが高瀬さんだったと?」
「おそらく・・・」
「パッと見、全然分かりませんね」
「そういう人たちばかりらしいんだよ」
「・・・その気になれば、一大勢力を築けそうですね」
「実際、築いているらしいよ・・・」
「本当ですか!?」
「リン子ちゃんの「正丸峠」って本名じゃないし」
「本名じゃなかったんですか(汗)」
「とにかく、これ以上被害が出ないように配慮していかないと
 最悪「学校が吹っ飛ぶ」くらいの事態は考えられるし」
「どこのテロ組織ですか!?」

しのと蝶之介は、そういったやり取りを暫くしたあと
ラテと一緒に残りの工程をこなそうとしていた

その後、型から取り出したチョコレートを包装紙に包んで
チョコレート作りは、一応の決着をみた

(author ニャルリンさま)

「それじゃ蝶之介君、私は他の所も見てくるので後は宜しく」
「わかりました」
「ラテさん、暫くゆっくりされていてください」
「わかりましたわ」

しのは二人にそういうと、他の机と移動していった・・・
突然二人きりになる蝶之介とラテ

「(・・・さて・・・これからどうしよう・・・)」

蝶之介が心の中で呟く、依頼されたチョコ作りは終わり
自分のするべきことは完了した・・・のだが、だからといって
ラテや会長を残して生徒会室に帰るわけにもいかない
かといってこの「トンデモお嬢様」と一緒にどうやって時間を
潰す方法を、蝶之介は思いつかなかった

「蝶之介様」

いきなりラテが、蝶之介に話しかけてきた

「何でしょうか?」
「実はワタクシ、男子校には初めて来ましたの・・・ですので少し
 校舎を見学して回りたいのですが宜しいでしょうか?」
「そうですか・・・分かりました、では僕が案内いたしますね」
「ありがとうございます、蝶之介様♪」
「では、会長にその旨伝えてきますので、少しお待ちください」
「わかりましたわ」

ラテはお礼を言うと、ニコニコしながら蝶之介を見送っていた
蝶之介はしのに見学の事を伝えた

「こちらは大丈夫ですから、案内をお願いしますね」

「好きな車は?」という話題で口論していたリン子と虚無太郎に説教しつつ
しのは蝶之介にそう答えた

「(本当に大丈夫かな?)」

心配しつつ、蝶之介はラテのところへ戻り、校舎を案内するため実習室から
ラテと一緒に出ていった

「こちがら生物室で、こちらが準備室になります」

校舎をラテと一緒に歩きながら、蝶之介は教室や施設の説明を行っていた

「不思議・・・ワタクシの学校とつくりがそう変わりませんのね・・・」
「それは、この学校と高瀬さんの学校が姉妹校だからですよ」
「そうでしたの・・・」
「ですから、殆ど同じような造りになっているのですが・・・体育館は
 少し違うつくりになっています」
「では、体育館に案内していただけますか?」
「わかりました」

蝶之介とラテは、のんびり談笑しながら体育館に向かっていった

(author ニャルリンさま)
「こちらが体育館です」
「まぁ!・・・これは!」

それは室内の模様や床が変化し、壇上になったりバスケットコートになる
リモコン操作で容易に仕様を変更できるという、最新鋭の体育館だった

「僕もこの仕様を聞いた時には、信じられなかったのですが・・・
 実際にこうしてみると、技術の進歩がいかに凄いか思い知らされます」
「確かにそうですわね・・・これにはワタクシも驚きました」

二人は体育館の設備を見た後、グラウンドへと移動した
グラウンドでは、サッカー部が練習に勤しんでいた

「こちらがグラウンドです」
「皆さん、一生懸命練習されてますね」
「えぇ、近々大きな大会があるそうなので頑張っているところです」

蝶之介はそういうと、少し寂しそうな目をした

「蝶之介様?」

不思議そうな顔をして、ラテが顔を覗き込んできた

「ちょ、チョット高瀬さん!?」

驚く蝶之介

「もしかして・・・サッカーをされたいのですか?」
「いえ、そういうわけでは・・・少し羨ましいと思っただけですよ」
「羨ましい?」
「えぇ・・・情け無い話なんですけど、優柔不断というか・・・
 僕は人に対して自分の意見を言い切れないときが多いんですよ
 ああやって、仲間同士で声を掛け合いたいと思っているのですが
 話し出そうとすると、つい口籠ってしまって・・・どうしても
 その次が出てこないんです・・・」

そういうと、蝶之介はうつむいてしまった

「そういう時は、お腹の底から声を出せば大丈夫ですわ♪」
「へ?」

ラテが、ニコニコしながらそう答えた

(author ニャルリンさま)


「蝶之介様は、相手から拒否される事が怖い・・・だから次の言葉が
 出てこないのですわ・・・でも大丈夫、その心配は全くございません」
「何故、そう言い切れるのですか?」
「それは・・・蝶之介様や会長様を見ればよく分かります・・・
 皆さんとお会いした時からずっと、会長様は蝶之介様を「ご友人」として
 ずっと接しておられたじゃないですか・・・会長様だけでなく、他の方も・・・
 ですから、蝶之介様が心配される事なんて何も無いのですわ
 きっと、蝶之介様からお声をかけてくれることを心待ちにされているはずですわ」
「会長が・・・みんなが・・・」
「ワタクシだって、最初はリーダーや梵天堂さんに声をかけるとき
 かなり緊張いたしました・・・最初のご挨拶の時なんて、声が変に裏返って
 お二人に笑われましたもの・・・でも、あのお二人は見ず知らずの私を「仲間」と
 呼んでくれました・・・私が何者であろうと関係なく・・・」

ラテは昔のことを思い出す・・・
かつてお嬢様として、学校内でもてはやされていた頃
とある偶然から、二人の女生徒に出会った時の事を・・・

彼女達はスクラップ置き場からマシンを拾ってきて修理・改造し走らせていた
ラテはそれを見ていて、自分も参加したいと思い意を決して声をかけた
その後は仲良くなり、充実した日々を送っていたが、ある日
ラテは二人が自分のことをどう思っているのか、尋ねた事があった・・・
「何故、自分を受け入れてくれたのか?私のことを疑わなかったのか?」と・・・
すると二人はラテに「その手を見れば分かる」と答えた
オイルにまみれ、つめの隙間にまでオイルが染み込んでしまっている手を指差しながら

「アナタの本気は最初から分かっていた、だから聞かなかったし聞く必要も無かったの
 それに今はその手が全てを教えてくれる・・・それにね、私達の事を
分かってくれる人がいてくれたことが、とても嬉しかったの」

リーダーと呼ばれている女生徒が、ラテにそう語った
ラテはそれを聞いて、安心し気が緩んでしまい二人の前で大泣きしてしまい
女生徒二人はかなり慌てたという恥ずかしくも大事な思い出を・・・

「・・・何も・・・気負いする事なんて無いですわ・・・」

ラテは蝶之介を見て話しかける

「確かに失敗や拒否される事は怖いですし、出来ればそういうのには遭いたくありません
 ですが、その先にしか「答え」はございませんの・・・どんな結果になろうとも
 最初の一歩を踏み出さないと、何も変わりませんし何も変えられないですの
 あの時こうしていれば・・・という、そういう後悔だけしかのこりません・・・それに・・・」
「それに?」

蝶之介が尋ねる

「やり直しができないからこそ、人生は面白いのではなくて?」

その一言を聞いて、蝶之介はハッとする

「僕がすべき事は悩んだり羨ましがったりすることじゃ無かった、前を向いて
一歩踏み出す事だったんだ」

蝶之介は、何か吹っ切れた感じがした
そして蝶之介は、ラテに向かって礼をした

「高瀬さん、ありがとうございます」

その顔は、とても晴れ晴れとしていた

「いえ、ワタクシは何もしておりませんわよ?」

そう言うラテの顔は、どことなく赤くなっており
必死に照れを隠すお嬢様のような顔になっていた

(author ニャルリンさま)
二人がそんな感じでいると、グランドのほうから声が聞こえた

「そこの二人、危ない!!」

声のしたほうを見ると、先ほど練習をしていたサッカー部員が大声で
ラテと蝶之介に話しかけていた
そして部員が指差す方向に、飛んでくるサッカーボールが見えた

「高瀬さん、下がって!」

蝶之介はそう叫ぶと、大きく左足をあげ、踏み込みと同時に腰で溜めていた右手で
コークスクリューパンチを放った

「全てを打ち砕け・・・正義の鉄拳!!」

突き出した拳は、ボールの真心を捉えた・・・だがボールの勢いは止まらず
そのままはじけ飛んでしまった・・・ラテのいる方向へ

「高瀬さん、逃げてください!」

蝶之介がラテに叫ぶ・・・しかしラテはのほほんとした表情で立っていた

「ふぅ・・・仕方ありませんわね・・・」

そういうと、ラテは髪をスッとかき上げた後
左足を上げ、フラミンゴのようなポーズを取った
・・・そのせいで、「お約束のアレ」が見えてしまっていたが
ラテは全く気にかけていなかった
そしてボールが目の前に飛んでくると、ラテはものすごい勢いで
左足で十字に切り始めた
すさまじい上下左右からの蹴撃によって、ボールは空中に静止し
そして・・・

「我が威光にひれ伏しなさい・・・ディバインアロー!!」

右の後ろ回し蹴りで、ボールはまるで「荷電粒子砲」のような勢いで
グラウンドへと飛んでいってしまった
なお、飛んでいった先ではボールを受け止めようとしたキーパーが
ゴールに突き刺さり「くの字」になって気絶していた
ラテは右手の人差し指を立て、空を指差しつつ呟いた

「御婆様がおっしゃってました、目には目を、キーパーには殺人シュートを・・・」
「一体何者なんですか!?あなたのお婆さんは!?(汗)」
「一度くらい「お別れです!」をする自由があってもいい」
「フリーダム過ぎます!!」

蝶之介は、今までの自分が嘘だったように元気良く突っ込みを入れていた

(author ニャルリンさま)
「蝶之介様・・・」

突っ込んで疲れている蝶之介に、ラテが話しかける

「チョットかっこ悪かったですわよ?」
「うっ・・・そ、それは・・・」
「嘘ですわ、とてもかっこよかったですの・・・」
「そ、それはどうも」

ラテの変なテンションに、少し困惑気味の蝶之介

「・・・決めましたわ!ワタクシ、蝶之介様とお友達になりますわ!
 そして一緒に必殺技の特訓をいたしますの!よろしいかしら?
 答えは聞いてませんけれども」
「いきなり選択権を剥奪されたー!!」
「・・・フフッ・・・」
「・・・クスッ・・・」

夫婦漫才をした後、二人はさっきまでの出来事を思い出し笑っていた

「それでは高瀬さん、もうそろそろ実習室に戻りましょうか」
「えぇ、わかりましたわ」

こうして二人は「いまだカオス臭を放つ調理実習室」に戻っていった
・・・そして廊下でのひと時・・・

「ところで蝶之介様、ワタクシとお友達になっていただけますのよね?」

ラテがいきなり尋ねてきた

「・・・断ると言っても、聞かないんでしょう?」

呆れ顔で、蝶之介が答える

「当然ですわ、ワタクシこう見えても諦めの悪い人間ですのよ?」
「だったら尋ねる必要ないじゃないですか(汗)」
「いいえ、こういうのは本人の口からお聞きする事に意味があるのですわ」
「はいはい・・・わかりました高瀬さん」

蝶之介はそういうと、ラテの前に立って右手を差し出してきた

「改めて、菊池蝶之介染太郎です・・・こんごともよろしく」
「高瀬ラテと申します、こちらこそよろしくお願いいたしますわ♪」

そういうと、二人は握手をして実習室へと戻っていった
____________

おまけ

「・・・いつのまにか、雰囲気が変わりましたね」
「あの二人、何かあったのかな?」
「そういえば・・・グラウンドのほうが騒がしかったけど」
「さっき保健の先生が飛び出していってたけど、何かあったのか?」
「話によると、グラウンドで練習していたサッカー部員の一人が
 酷い目にあったらしいぞ」
「え?どうして?」
「何でも「もの凄く強烈なシュート」をくらったらしい」
「大丈夫かよ・・・地区予選明日だろ?」
「いざとなったら、蝶之介君に頑張ってもらうかもしれませんね」
「副会長が?」
「蝶之介君、むかしゴールキーパーをしてたらしいので」
「意外じゃのぅ〜」
「何でも「きゅうきょくおうぎ」とかいうのが使えるらしいですよ」
「マジか!?」
「見てみたいなぁ〜・・・」
「まぁそれはさておき、チョコつくりを再開しますか」
「は〜い」

(author ニャルリンさま)

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