宇野弘蔵コミュの革命は３回以上、やらないと成功しない。

革命は３回以上、やらないと成功しない。

現在、アラブ諸国は、革命的動乱の渦中にある。

しかし、エジプト、チュニジアでは秘密警察、軍が、そのまま残され、アメリカの手先が、権力の中枢を握っている。

いつ、ＣＩＡに命令されたクーデタで、再度、軍事独裁政権が出来るかもしれない。

リビアでは、軍の半数はカダフィについている。

１９１７年のロシア２月革命では、軍隊が崩壊し、兵士ソビエトが結成され、

兵士ソビエトのヘゲモニーを握ったが故に、１０月革命は無血革命となった。

ロシアでは、１９０５年革命、２月革命の失敗を経て、初めて１０月革命を成功させた。

フランスでは、１７８９年の「大革命」、７月革命、２月革命、パリ・コミューン、１９３０年代の人民戦線、レジスタンスという６回の革命的行動を経て初めて、ブルジョワ自由主義体制を確立させた。

１７８９年から１９４５年までの１５６年間の年月が革命の成功には必要だった。

１９１７年のロシア革命から、また、１００年もたっていない。

革命による人間解放のためには、１００年や２００年、かかるのである。

ソ連崩壊によって、マルクス主義を批判する者は愚劣である。

また、彼等は、マルクス主義とスターリン主義の区別も理解できない無知蒙昧な白痴である。

イラン・イスラム革命でも３回目に成功した。

１９０５年、日露戦争に鼓舞されたイラン人民は「立憲革命」によりカージャール朝を打倒した。

しかし、イラン人民は、現在のエジプトと同じで軍隊を解体し、革命軍を創設する事をしなかった。

そこで、イギリスが、軍人のレザー・ハン・パーレビーにクーデタを起こさせ、革命を圧殺し、イランの石油を獲得した。

１９５３年、モサデク首相は、石油国有化を宣言、レザー・ハンの息子＝モハンマド・パーレビーの親衛隊がクーデタを起こそうとすると、イラン人民は実力でクーデタを阻止し、国王は外国に亡命した。

アメリカは、ＣＩＡの手先＝ザヘディ将軍を使って、クーデタを断行、国王が帰国し、イランの石油は、アメリカのものとなった。

１９７９年、イラン・イスラム革命の時は、兵士の反乱、反動的な将軍、将校の処刑、軍隊の解体、秘密警察メンバーの皆殺し、

革命に参加した者だけからなる軍隊である革命防衛隊、革命の支持者だけから成る警察＝革命委員会を創設した。

既存の軍隊、警察の解体、革命政権の暴力装置の創設、それが、ＣＩＡによるクーデタを不可能にした。

国家とは、人民の「同意」と取り付けて支配する側面と、軍隊、警察という暴力装置によって支配する側面の二つの側面がある。

アメリカの支配階級はブルジョワ階級である。

しかし、独立革命によって出来た革命的国家であるという仮象を取っている。

検事も裁判官、教育委員も公選制、判決は陪審員が下す。

警察官のストライキも頻繁である。

省庁のトップの事をセクレタリー（書記）と呼ぶ。

国防長官（セクレタリー・オブ・ディフェンス）である。

その点、革命国家を自称する中国、北朝鮮と同じである。

アメリカ政府はソ連の権力者をセクレタリー・ブレジネフと呼んでいた。

悪法も法だから従えという思想は、アメリカにはない。

日本の法務大臣に当たるものを、日本のデマゴーグは司法長官と訳しているが、英語では「正義書記」（セクレタリー・オブ・ジャスティス）である。

アメリカでは、実定法より自然法に基づく正義を重視すべきだという思想がある。

アメリカは「人民による、人民のための、人民の政府」である革命政権であるとう「革命幻想」によって被支配階級の同意を取り付けて支配しているのである。

マルクスは「共同幻想」だと言ったが、アメリカ、イラン、中国、北朝鮮などは「革命幻想」と呼ぶべきである。

イタリアの共産主義者＝グラムシは「国家は暴力の鎧を着たヘゲモニー」だと言った。

権力者は、人民の同意を取り付け、ヘゲモニーを作りださなければならない。

しかし、同意が崩れる時には、暴力装置による弾圧が前面に出る。