ログインしてさらにmixiを楽しもう

コメントを投稿して情報交換!
更新通知を受け取って、最新情報をゲット!

「友愛数」とその他数論いろいろコミュの  PARIとFC

  • mixiチェック
  • このエントリーをはてなブックマークに追加
  コウ博士がオルタナティブな集合論の自由クラス理論を作ったのは40 年前のことです
  PARIというプログラミング言語を使っていたのですが、最近PARIの文法の記述が自由クラス理論の「ZF集合論のx∈yに相当する記述」とほぼ同じであることに気がつきました
  違う点は、PARIの「=」を使って関数を定義する記述の部分が反対向きなだけです

    ※ 以降、自由クラス理論をFC,ZF集合論をZFと略します

  なお、自由クラス理論という名前は自由群のアナログです  任意の群が自由群の上に表現可能なように、任意の集合論がその上に表現可能ということを表します

  もともと、数理言語学における「普遍文法」を公理化したものを、集合論に応用したのがFCなので、どんな言語の文法もFCの公理で記述可能なのですが、PARIの場合は関数の定義の書き方がFCの公理の記述とほとんど同じだったわけです

  PARIを公理化すればFCが理解しやすいと思うので、そのように解説したいと思います


  1. PARIの公理

  PARIの関数の定義は、次のように書かれます

  f(n) = {g(m),h(i), j(k), .... }

  右側の文は関数 f(n) の作り方を表していて、この文が関数 f(n)を作ることを表しています
  関数 g(m), h(i), j(k), ... は文の要素です

  PARIの「=」は、普通の数式の等号ではありません  数理言語の置き換え規則と同じものなので、こう書くべきでしょう

  f(n) → {g(m),h(i), j(k), .... }

  プログラミング言語で、 N=N+1 、と書くのと同じです  なお、PARIの等号は「==」です
  ここでは、日本語でそのまま書きます

  f(n)  は右の文によって作られる  {g(m),h(i), j(k), .... }

  受動形を能動形にして、助詞も省きます

  {g(m),h(i), j(k), .... } 作る f(n)

  英語の make にして ma と略します

  {g(m),h(i), j(k), .... } ma f(n)

  これを公理化します


  A.ma ∀X∀Y∀a∀b (X ma a ∧ Y ma b ∧ X=Y) ⇒ a=b

    X、Y、Z、....は文の変数、a、b、c、....は関数の変数です

    文は、ただ1 つの関数を作ること、を表します

  PARIの関数の定義文は、並べられている関数が同じなら同じ文ですから、それを公理化します

  A.el ∀X∀Y (∀b b∈X ⇔ b∈Y) ⇒ X=Y

    文は要素によって決定されることを表します

  PARI は、いろいろな関数を文でつくれますから、それを公理化します

  A.F ∃x∃B (∀a a ∈ B ⇔ F(a)) ∧ B ma x

  望む計算Fに必要な関数を並べた文が存在し、それが関数を作ることを表します

  PARIの公理の、X、Y、Z、....を集まりの変数、a、b、c、....をクラスの変数と読み替えると、FCの公理になります


  2. FCの公理

  A.ma ∀X∀Y∀a∀b (X ma a ∧ Y ma b ∧ X=Y) ⇒ a=b

  A.el ∀X∀Y (∀b b∈X ⇔ b∈Y) ⇒ X=Y

  A.F ∃x∃B (∀a a ∈ B ⇔ F(a)) ∧ B ma x

  X、Y、Z、.... は 集まりの変数、a、b、c、.... は クラスの変数です

  A. ma は 集まりはただ一つのクラスを作ることを表します

  A. el は  集まりはその要素によって決定されることを表します

  A.F は  制限のない内包性の公理図式です

  A. F は 性質 F を持つクラスを集めると、それは集まり B になり、集まり B はクラス x を作ることを表します

  FCの集まりに対応する概念は普通の集合論には存在しません
  「集まり」とは、要素をただ集めたもので、まだ要素になれません  それが作るクラスは要素になれます
  FCでは、クラスは点や個体のように要素を持たず、集まりの要素になれます






  例 :

  { ピーチ、キウイ、オレンジ、バナナ、イチゴ、.... } ma 果物

  { ピーチ、....}という集まりが果物のクラスを作ります

  PARI では 2 つの異なる文が同じ関数を作る可能性がありますが、FCも 同じです
  いちごは野菜だと思っている人もいるので、いちごを持たない集まりが果物のクラスを作ることもありえます

  { g ; h;i:{x;y;....};、、、.}のような文 の文は PARI では文法的に正しくありません

  FCでも同じ、集まり { g , h , i , { x , y , .... } , .... } のようなものは不可能、集まりの要素はクラスだけです



  FCへの翻訳 :

  ZFの式をFCの式に翻訳すると、次のようになります

  例えば ​

  オレンジ ∈ 果物 は、 ∃ B オレンジ ∈ B ∧ B ma 果物 、と翻訳されます

  一般に

  ZF の  x ∈ y  は、FC の ∃ B x ∈ B ∧ B ma y に翻訳されます    - TR -


  3. ラッセルのクラス

  ∀a a∈R ⇔ ¬(∃B a∈B ∧ B ma a)

  式の右辺は ZF の ¬(a∈a) を意味する   TR より

  この集まり R はラッセルのクラス r を作るので、R mar

  a=r とすると、

  r∈R ⇔ ¬(∃B r∈B ∧ B ma r)

  r∈Rが真とすると、R ma rも真であることを考慮すると、

  ∃B r∈B ∧ B ma r が真になり、式の右辺は偽です。これは矛盾です

  したがって、以下の式が得られます

  ¬(r∈R), ∃B r∈B ∧ B ma r.


  「Set」という概念 :

  クラスの大きさを表すために「Set」という言葉を使用します

  Set の定義は次のとおりです

  Set x  Df. ¬(∃B x∈B ∧ B ma x)

  FCの全てのクラスが集まりの要素になりえます

  なぜなら、A.F は制限のない内包性公理図式だからです

  次にような、ZFの Setによる制限は必要ありません

  A. 内包性  ∃x (∀a a ∈ x ⇔ F(a)) ∧ Set x

    Set × Df. ∃y x ∈ y

  「Set」は必要ないので、それに「自分を要素としない」という意味を与え、再利用します

  この「Set」を用いると、ラッセルのクラスは次のように書けます

  ∀a a∈R ⇔  Set a

  そして結果は、

  ¬(r∈R), ¬Set r


  4. 定理

  次のような定理が導けます

  X と X の冪集まりの間に 1-1 関数が存在することは FC における矛盾ではない

  ゆえに、全集合「U」は存在する

  連続体に関するマーティンの公理は矛盾しない


  5. 順序数

  順序数は、ZF と同様に、推移的で整列順序付けされた 順序集まりが作るクラスと定義されます

  Ord x  Df. ∃ B Ord B ∧ B ma x

  Ord B  Df. Tr B ⋀ WOr B

  Tr B   Df.∀x x∈A ⇒ ∃!B B<A ∧ B ma x

  WOr B  Df.∀x∀y x∈A ∧ y∈A ⇒ x<y | A V y<x | A V x=y そして

  ∀B (∃b b∈B) ∧ B<A ⇒ ∃a a∈B ∧ (∀b b<a|A ⇒ ¬b∈B)

    但し、 x<y | A  Df. ∃B (x∈B ∧ B may y) ∧ B<A

        B<A     Df. (∀a (a∈B ⇒ a∈A)) ∧ ¬(A=B)

        B<A は、B が A の真部分集合であることを意味します


  6. 表現
  FC上に、述語「Obj」を定義し、任意の集合論を表すことが可能であり、集合論を分類することも可能です


  7. 有限モデル

  FCには有限モデルが存在します
  M5は、次のように定義されます

  U={0,1,2,3, n}

  { } ma 0、{0} ma 1、{0,1} ma 2、{0,1,2} ma 3、{0,1,2,3} ma n、{0,1,2,3、 n} ma n、

  他のすべての集まり X について, X ma n

  M5 上で、3. ラッセルのクラス の結果を確認できます

  M5 では、クラス 0、1、2、3 がSetです

  したがって、R={0,1,2,3}

  および r=n 、R={0,1,2,3}  ゆえに

  3. の結論の 2 つの式は、¬(r∈R)、∃B r∈B ∧ B ma r ですが、それらは

  ¬(n∈{0,1,2,3}) と n∈{0,1,2,3,n} ∧ {0,1,2,3,n} ma n ゆえに、どちらも真です

  FC の任意のモデルは、基礎の公理を除く ZF のすべての公理を満たします

  FC では、∃B x∈B ∧ B ma x となるようなクラス x が存在します。これは、ZF では x∈x を意味します

  したがって、FC のモデルは基礎の公理を満たしていません

  M5 では、P(U)=U であり、当然、U と U の間に 1-1 関数が存在します

    但し、P(U)はUの冪集まりを意味します

  M5では、 フェルマーの定理が正しくありません

  2^3 + 3^3 = 3^3 = n

  "-" と "+" は ZF と同じように定義されます
    

コメント(0)

mixiユーザー
ログインしてコメントしよう!

「友愛数」とその他数論いろいろ 更新情報

「友愛数」とその他数論いろいろのメンバーはこんなコミュニティにも参加しています

星印の数は、共通して参加しているメンバーが多いほど増えます。

人気コミュニティランキング