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オダサク倶楽部コミュの織田作文学トリビア20・町田康と織田作の「僕と共鳴せえへんか」

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 町田康は「僕と共鳴せえへんか?」という歌のCDを出しており、その歌詞の一部は以下のようなものである。(町田町蔵+北澤組『腹ふり』CD、1992年WAX/徳間ジャパン)
 
 心に愛をこめて 奪いあえ 心に愛をこめて 狂いあえ 
 心に愛をこめて  ひっひっひっひっひっ 
 心に愛をこめて 僕と共鳴せえへんか?
 
 町田が得意とするパンク調のがなりたてる歌のなかで、「僕と共鳴せえへんか?」の台詞だけはつぶやき口調。
*ロンドン下町の貧民街から生れたパンク、メシを食っても癒されない空腹をリズムや大音響で紛らそうとした。(同書の島田雅彦による解説より)

 この詩は町田康『壊色』(えじき/1993年、リトル・モア刊行)に掲載されており、8連43句からなる。そして、4ヵ所にこの台詞が書かれている。

 ところが、「僕と共鳴せえへんか」は元々、織田作の小説『夫婦善哉』において柳吉が安カフェの女給の手にさわり、口説く殺し文句として登場する。なにやら、男女の交わりの興奮状態を表すようなきわどい言葉であるが、蝶子と同棲しながらの柳吉の軽薄ぶりを象徴した言動である。
 当時、水商売の女性に対するこのような口説き文句が流行ったのだろうか、それとも織田作の造語であろうか?

 いずれにしても、町田は織田作の「共鳴せえへんか」という言葉に触れて、いたく共鳴したことは間違いない。なお、町田の詩にある「ひっひっひ」は織田作が小説にたびたび使っており、実は織田作自身の特徴ある嘲笑的な笑い声である「けっけっけ」に似ている。

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