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ALICE Experiment アリス実験コミュのQ: 加速されている「陽子」の重さは?

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2010年のLHC加速器では陽子をエネルギーにして3.5TeVに加速させています。「エネルギーが3.5TeV」の陽子の重さを考えてみましょう。

で、いきなり話の筋を折るのですが、その説明の前に数字の話を少し。

よく世界の人口は「50億人」という書き方をします。「億」は「100,000,000」のことなので「50億人」は「5,000,000,000人」と同じ意味になります。「億」以外にも「万」「千」「兆」「京」と続き「無量大数」まで様々な単位があります。同様に「メガ盛り」だとか「ギガカワユス」など、「メガ」や「ギガ」などの言葉も元々は「メガ=1,000,000」「ギガ=1,000,000,000」という数字の大きさを示す言葉です。勿論「メガ盛り」だからと行って1,000,000人前の牛丼が出てくる訳ではないので心配しないでください。

このように「10を何回掛ける」という指数関数で表すことが普通です。例えば、1000は0が3個、つまり10の3乗倍なので、「10^3」(本当は3を小さいフォントで10の右肩に小さく書きたいのだがblogでは書けないのでこれで勘弁)と表示します。「50億人」は「5x10^9人」と書けるわけです。

さて話を元に戻しましょう。エネルギーが3.5TeVというのは、E=mc2の式から実効質量として3.5TeV/c^2という単位を使うことがあります。ちなみに3.5TeV/c2を陽子の静止質量である0.938272029GeV/c^2で割ると3730倍、つまり実効質量のほとんどは加速により得られていることが判るでしょう。1eVが 1.60206 x 10^-19 ジュール。c=2.99793*10^8 m/sを使い質量に変換すると1.79 x 10-36 kg。ここから3.5GeVの質量を求めます。

つまり「エネルギーが3.5TeV」の陽子一個とは
「6.3 x 10-21 グラム」に相当します。

2010年9月現在、「エネルギーが3.5TeV」の陽子を「バンチ」という単位で加速します。一つの「バンチ」は(2010/9現在)5x10^10個の陽子の集まりで全部で48バンチ。すなわち、加速している陽子を全部足し合わせると、

「15ナノグラム」

ほとんど「すかすか」ですな。

http://lhc-machine-outreach.web.cern.ch/lhc-machine-outreach/lhc-machine-outreach-faq.htm
にLHCのFAQがあって、和訳と共に少し話を発展させていじってみました。ちなみに2010年11月には重イオン衝突を予定しておりALICE実験の最大の見せ場を迎える予定です。その話はまた別のトピックにて。

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