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笑えた話コミュの良い話「2年前の夏の暑い日」

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253 名前:名無しさん@HOME[] 投稿日:2007/06/03(日) 13:45:47
おばあちゃん、2年前の夏の暑い日に死んじゃった。

早くに母を亡くした私たちの面倒をずっと見てくれた。

のちに再婚した父の後妻に、つらい目に遭わされてた私をかばってくれた。

体が弱かった私が発作を起こすたびに、夜の道をおぶって病院まで走ってくれた。

朝昼晩と
「あの子が健康で幸せになりますように」
と、涙をこぼしながらお仏壇を拝んでいたそうだ。

私が一人暮らしを始めて疎遠になってしまったが、たまに遊びに行くと、体が痛い痛いと言いながら、こんなに誰が食べるのさ、というくらいのもてなし料理を出してくれ、
「都会暮らしは野菜が高くていかんから」
と、畑で採れた野菜を、虫をぜんぶ取って持たせてくれた。

車で帰る私の姿が見えなくなるまで、手を振って見送っていた。

「こんなにかわいくて、大学まで行って、ちゃんと仕事も見つけた○ちゃんは、おばあちゃんの自慢」

私は全然美人でもないし、大学だって別にいい大学じゃない。

会社では大変なことも多いんだよ。

でもおばあちゃんがそう思って喜んでくれるんならいいか。

254 名前:253[] 投稿日:2007/06/03(日) 13:46:58
年金暮らしで車もない離島暮らしだったので、
「風邪が治らないから」
と、おばあちゃんが病院に行った時は、もう手遅れだった。風邪じゃなく、白血病。

入院中、ほとんどご飯の食べられないおばあちゃんに、子どもの時と逆だね、と言いながら、スプーンで流動食を食べさせていると、
「○ちゃんが食べさせてくれるから、今日はこんなに食べられた」
と、弱々しい声で言いながら、空のお椀に目をやった。

まだ、他のお椀には中身がたくさん残っていたけど、おばあちゃんの笑顔が見たかったから、「うん、そうだね」と言った。

それがおばあちゃんと話した最後の言葉になった。

それから2日後、危篤の知らせを聞いて、遠く県外からも孫たちが集まってきた。

みんなおばあちゃんに可愛がってもらってたから、仕事も休んで、飛行機に乗ってやってきたんだよ。

夜通しおばあちゃんの周りを取り囲んで手を握り、かわるがわる声をかけて、励まして、汗をふいて。

入院着が汗びっしょりだからって、私と従姉妹の二人で着替えさせた5分後に、眠るようにおばあちゃん死んじゃった。

255 名前:253[sage] 投稿日:2007/06/03(日) 13:48:56
おばあちゃん、もっと話したいことがあったのに。

あの味付けだって教えてほしかったし、無精な私に漬け物のコツも教えておかなきゃ。

大事にしてた庭の鉢植えも、私が2個もらって頑張って育ててるけど、うまく花が咲かないんだ。
何が足りないのか教えてくれる?

おばあちゃん、わたし来年お母さんになるよ。

ひ孫ちゃんができるよ。

私が子どもも産めるくらい元気になったのも、おばあちゃんのおかげ。

おばあちゃんに抱いてほしかったな。

子どもには、おばあちゃんの名前から字をひとつもらって名付けるつもりだよ。

きっと優しくあったかい子になるよ。


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