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山の空, 海の色コミュのWalking over the Blue ‐四国の青い時空を浴びて

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9月27日

今週末土日に高知で体力医学会という学会があり、そこで研究発表することになっている。昨年の仙台での発表に続き、2回目である。発表はポスター形式であり、準備さえ出来てしまえば、口頭発表のように当日プレッシャーがかかることもなく気が楽である。
その学会後、四国をぐるーと今回は電車で1周しようと考えている。
<ちょうど3年ぶりなるかな。>
そう3年前、ちょうどオーストラリアから帰ってきて、何かやることを模索している時(今だにそうだが)、四国八十八ヶ所、およそ1500kmを歩き遍路をしてまわった。

今回もその時と同じように東京湾からフェリーで徳島に渡ることにする。徳島から電車を使って学会のある高知に出て、1周する予定である。
東京臨海交通ゆりかもめの国際展示場正門前で降り、オーシャン東九フェリーが出航する東京港フェリーターミナルまで歩く。このフェリーは東京、徳島経由、北九州間を往復している。
時間がギリギリで時折走りながら小雨の中を速足でターミナルに向かう。汗が噴出してくるのがTシャツを通してわかる。
<汗、かきたくないなぁ、明日の発表でも着るのに。>
とくだらない事をわりと真剣に考えつつも、内心少しあせっている。
<<そういえば3年前もそうだったような気がする。>>


10月1日

家を4:00PMに出る。
百合丘から新宿に出て、新宿から山手線で新橋に出る。新橋から"ゆりかもめ"モノレールで国際展示場正門へ。
新橋からの埋立地は新しくきれいになっていたのはたまげた。
既に陽は落ち暗くなっていた。外の景色はよく見えない。しかし、多くの若者、勤め人がお台場近辺にあふれているのがわかる。
モノレールを降りてからフェリーターミナルまで歩く。思った以上に距離があり、大きなトラックなどが頻繁に通り淡白としておもしろみがない。
徳島行きのオーシャン東九フェリーのチケットを買いに窓口にいく。今日は奇数日なので二等寝台室しか扱っていないと言われる。8610円の二等乗船料に2040円の二等寝台料が多くとられ、予定外で気分を悪くした。旅の始めでこういう出費は大きい。後でひびかなければいいが。
チケットを買うとすぐに乗船が出来た。船の中は予想以上に贅沢で好きになりそうである。テレビがある部屋など寛げる場所が数ヶ所ある。販売機の食堂があり、5枚の食券が乗船チケットといっしょに付いている。フロもシャワーといっしょにあり、一定の時間まで使える。
家から作って持ってきた焼肉弁当をフロに入った後に食べる。5枚の食券をどう有効に使おうかとしばしば考える。昨日夜遅く、今朝早かったせいか、フロの前に軽く寝たにも関わらずフロと飯の後にも眠くなる。仮眠を取ることにする。今日はウェールズで第4回ラグビーワールドカップの開催日だ。夜の1:00からTV放映がある。
起きてから試合が始まるまで甲板を散歩した。空はきれいに晴れてはいなかったが、やはり光害がないため町よりは星がよく見える。
TVの受信が時々悪く見苦しい時もあったが、ボーっとしながら最後まで試合を観た。ウェールズでの出場が問題になっていたオーストラリア人のJason Jone-Hughが後半から出場。アルゼンチンのゴールキッキングが良く僅差のゲームになったが、ウェールズが5点差で勝ち、地元の意地をみせた。
フトンに3時ごろ入ったが、なかなか寝つけられなかった。


10月2日

10時に起きる。
昨夜寝つきが悪かったので、快眠という感じではない。
外は青く晴れていて気持ちがいい。
きつねうどんとたこ焼きを食べて、軽くフロに入る。甲板の上をブラブラ歩き、日向ぼっこをする。昼にカレーライスを食べ、残ったチケットで焼きそば、エビピラフ、焼きおにぎりを買い持っていくことにする。
1時に入港。
港周辺は殺伐としている。
バスで徳島駅へ。200円。
時計の電池を買う。189円。
徳島駅より電車で1番寺に最寄り駅である坂東駅に向かう。260円。
徳島駅はわりと都会だったが、そこから外へ出ると無人駅である。電車は1車両の整理券制で、降りるときに運転手に切符、運賃を整理券といっしょに渡す。
駅から1番寺へ歩く。
近江あきのりという青年にあう。
一番寺の入り口で自転車に乗って現れる。この17歳の青年も八十八ヶ寺を回っているようだ。ただ、13番寺までいったところで姉と彼女が誕生日なため一時家に戻ってきているらしい。この近くに住んでいて、大検を受ける勉強をしている。遍路中の話をきく。どのような情報でも欲しかった。

1番寺で遍路で共にする菅笠と羽織遍路シャツを買う。5450円。
いよいよだ。
歳と同じ日数で回る。
中々ハードな要求、いや希望だ。が、前に進むためにいい目標であり試練にもなる。
4時に1番寺霊山寺を出る。
遍路シャツに出会った人たちの名前を書いてもらうために油性マジックを買う。141円。
なんか焦っている。歩きに余裕がない。早く回り終えようとする気持ちが先立っているのだろうか。
2番寺極楽寺に4:30着。
少しだけ立ち寄るかのように、すぐにこの寺を後にし次に向かう。
歩き始めてしばらくすると背後から自転車でおばあちゃんが暑いやろうと缶ジュースをわざわざ追いかけて持ってきてくれる。
感謝。
早速シャツに名前を書いてもらう。三原さん、71歳。何度も何度も「若いからって無理するなよ」と言われる。
5時半、3番寺金泉寺着。
ゆっくり落ち着きなおし、ガイドブックを読む。前の寺で気がつかなかったことがいっぱい書いてある。
4番寺に向かって暗い中を長々と歩く。途中、道がわからなくなり人に聞きながら進む。予想以上に長い。選挙活動の最終日のようで、道中、村中にうるさいぐらい選挙宣伝の車が走り回っている。
暗くなりヘッドランプを点けるが、まもなくして電池が切れる。予備を持っていない。自分の準備の悪さにあきれる。ライトなしで、寝るところを探しながら歩かなければならない。
4番寺大日寺に7時に着くが、閉まっている。来た道にあった神社まで戻り、そこの軒下で寝ることにする。
夜中に雨が降り、吹き込んでくる。寝始めた頃暑くて眠れなかった。が、その後、徐々に気温が落ちてきた。眠っているような寝てないような感じ。


10月3日

6:00に起床。
雨がしとしと降っている。
疲れが取れているのかわからないが、気持ちは強く出ている。
舟で買ったピラフを食べ、身支度をする。
4番へ再び向かう。
7:30に着く。多分一番乗りだ。
苦手な朝だが、今日はなんとなく気持ちいい。
寺を出ると4番に向かう人達や車とすれ違う。
4番大日寺から5番地蔵寺までなんとなく距離がわかるせいか遠く感じない。五百羅漢を通り抜けて地蔵寺へ。
8:00着。
6番安楽寺まで車の多い道をひさすら真直ぐ歩く。
9:20着。
何かいろいろとボーと考えながら歩く。何を考えていたかを今は思い出せない。
7番十楽寺まですぐと思っていた。が、思っていたよりは距離がある。
10:00着。
すぐに8番熊谷寺へ。
また遍路道と違った道を通ってしまったようだ。どうも「遍路道」と「四国の道」を混同してしまう。ついでに、「車の道」もありこんがらがる。
11:15着。
あまり速いペースではない。結構焦る。
9番法輪寺まで遍路道らしき道を通る。
ぱっぱっと参拝を済ませ、次へ向かおうとする。すると、だんご屋のおあばちゃんにお茶をすすめられる。焼いもとだんごをもらう。山本絵美子さん。
感謝。
そこにはすでに八十八ヶ所を回り終わり、お礼参りをしている伊藤教永さんにいろいろとアドバイスを受ける。寺で泊まれる場所などなど、参考になる。
10番切幡寺までわりと距離があり、しかも長い階段もあった。が、それ程苦しくなかった。
2:00着
ここから11番藤井寺まで長い長い車用の国道を歩かなければならない。気がめいる。途中で道がわからなくなり、何人もの人に聞く。ヘッドランプの電池や食料を買う。1268円。
藤井寺、5時着。
住職に本堂の軒下に寝かせてもらうことを許可してもらう。
今日は距離にして32-35km。思ったより歩いていない。
寺を8つ回ったが、特に印象がない。ただ、どんだけ気持ち良く歩けるかを考えている。寺はそのための通過点なのかもしれない。
この寺に他に若い2人がいっしょに野宿をすることになった。同じ神奈川出身の渡辺康さんと高橋誠さん。
特に多くは会話しない。だけど、そこに遠い距離があるわけでもない。
明日はきつくなりそうだ。
楽しみだ。


10月4日

2,3時間寝ては目が覚めていた。
5時にお参りに来た人たちに起こされる。朝早くから熱心なものだ。
天気は申し分なく晴れている。
お参りに来ている人たちと会話を交わす。
寺の住職にお礼をいい、若者2人より早く6時に出発する。
最初から結構とばす。今日は12番、さらに13番まで行きたい。
歩き始めの登りから結構きつい。自然の中にあるけもの道である。土の感触は足に気持ちよく、それ程精神的に負担はかからない。むしろ楽しい。
身体的にもコンクリートの上を歩くより、土の上の方が衝撃を吸収してくれ楽である。
ただ登り下りの連続と不整備の道のために足元に神経は集中しなければならない。
オーストラリアでセイドーと一緒にいった国立公園のブッシュウォーキングが懐かしい。歩いているときはいろいろな記憶が蘇る。
歩けば歩く程、息が上がり苦しい。でも、緑の中で吸う空気は激しく呼吸をしている時でも不快な辛さを与えない。
歩いた距離と残りの距離はいつも気になる。
登りは体力的にきついが、下りは精神的にもきつい。せっかく登ったのに下りなければならない。また登らなければならないことがわかっているにも関わらずだ。
柳水庵に8:00に着く。
水がある。大変有難い。その後も要所要所に水を補給するところがあり、助かった。
柳水庵の家主に「今日は早いな。お前が一番乗り」と言われ嬉しかった。
しかし、その分顔にはクモの巣がいっぱいついていた。
メッセージを書き残すところがあった。
「一度だけの我人生。いつまでも自由に夢を追い続けよう」と記す。
<ここで上まで半分来た。>
さらに登って、一本杉庵に8:55着。
「歩き続ければ、行き続けれれば、きっと何か見えてくる」と記す。
<後少しだ。>
英語で何か書いてある。...鐘の音が聞こえる。焼山寺が近いことに気づき、ホッとした。そのようなことが書いてあった。
その時ちょうど鐘の音が聞こえた。まさにその通りだ。
登り、そして下り、民家が現れた。もう寺がすぐ近くにあるという期待が高まった。
あまかった。
最後にハードな登りが待ち構えていた。
10:20着。
4時間半弱。まぁまぁかな。それ程速いペースではなかったが、普通は6-7時間かかるらしいのでいいんじゃないかな。
1時間程休憩し、次に出発しようとすると、中年の方々が登ってきた。4時間半かかったと言われた。ビックリした。同じではないか。もう優越感に浸っている場合ではない。
さぁ、12番へ。
山の上に登った後は下りが中心になる。しかも、ほとんどがコンクリートで脚につらい。でも、下ったたら登らなければならない。土の上を歩けるけもの道をすすむ。自転車で回っている人に会う。けもの道では自転車を押しながら登るという。
歩いても歩いても先が見えない。
川に辿り着いた。
<顔でも洗おう。>
地元の少年たちが下に降りている。その踏みならされた道を下る。最後のところにいっぱい苔がはりついていた。そこで、少し安心したのか、おもいっきり滑り、尻と背から落ち、手の甲を打撲した。服とザックも汚れ、顔を洗うどころか、これらを洗うはめになった。ついてない。
気を取り直し、遍路道を歩き始める。しかし、間違って違う道に入ってしまったみたいで、行き止まりで引き返すはめに。かなりの時間のロスだ。山を横切り関係のない寺を通る遍路道を通るつもりだった。が、暗くなってきたので国道に戻った。かなり大回りをしてしまい、無駄に多く歩いてしまった。足に疲れがどっと出てきた。
ただ13番大日寺までひたすら歩く。途中で缶ジュースを2つ男の人からいただく。
6:50着。
寝る場所を探さなければ。
大日寺向かいの一宮城跡の神社で寝ることにする。体がちょうどいっぱいいっぱい入るベンチがあった。そこで寝かせもらうことにする。
9:00に寝る。


10月5日

6時起床。
わりとぐっすり寝れた。しかし、板の上はかたい。
神官さんが朝のお参りで神社を開ける。あまりいい顔をされないが、後で井戸の場所などを教えてくれる。
7時に大日寺で参拝。
バイクで回っている人や歩いて7回目という人に会い話をする。
歩いている人の話を黙って聞いていたが、どうも自分の考えと合わない。寺を回るならお経を唱えろといわれる。
その辺りのことへのジレンマは確かにある。しかし、何よりも歩くことに意義があると思っている。八十八ヶ所回った時に何かが見えるはず。
彼はお接待のことを自慢していた。
そのために歩いているのではない。歩いて物乞いをしているのではない。ただ、お接待をしていただける人たちの気持ちに感謝、そしてその人達の分も寺を一緒に歩いて回ることを考えるだけである。
14番常楽寺に8:00着。
15番国分寺に8:30着。
16番観音寺へは真直ぐの田んぼ道をただ歩く。
17番井戸寺へ向かう途中、朝食が少なかったため、あんパン、牛乳、豆腐を買う。250円。けっこうな食事になった。
その後、遍路道を迷っていると地元のおじさんが散歩をしていて、親切に一緒に歩いて井戸寺まで連れて行ってくれるという。結構いいペースで歩く。とても定年後とは思えない。これから山の上まで歩くという。
17番井戸寺を出てからしばらくするとどうも膝の調子がよくない。左膝の左端が痛む。山越えをするか、町へ出る回り道を選ぶか迷う。
国道の車の多さにうんざりしていた。
山越えをすることに決めた。
脚、膝が痛く途中の地蔵院(寺)で休みをいれる。登りは何とか登れる。しかし、下りが始まると膝が非常に痛い。後ろ歩きをしてみたりする。その時、ハッと思い出し、腿の裏側のハムストリングを伸ばしてやる。大分痛みがとれた。それでもまだ少し痛みが残るが前よりはスムーズに歩ける。ペースを取り戻す。ひたすら車が多く通る道を歩く。単調な道が続き途中だらだらと歩くも、そのうち遍路道に入り"ノリ"始める。民家に入ってからがまた長い。
18番恩山寺のしるしが出てから、再び登る。どんどん続く。とどめに階段である。本尊への長い階段の前でとりあえず、ベンチで一休み。
20km強の歩きだ。
ツアーの団体さんがいた。そのうちの一人のおばあちゃんに話しかけられる。孫がオーストラリアのシドニーに留学していて寂しいという。
寺を出て行く最後に挨拶をする。
他のツアーの方から励ましていただく。その時、一人のおばさんから1000円の接待をいただいた。名前を聞けなかった。始めての現金の接待だった。やはり、嬉しい。
一番から歩き始める前に会った近江明則に再び会う。てっきり先を歩いているものだと思っていた。後ろでゆっくりしていたらしい。
19番立江寺まで一緒に行くという。それぞれのペースで歩いた。
立江寺に着いたのは6:15PMだった。閉まっていた。明朝再び行くことにする。
少し離れたスパーに食料品を買いに行く。欲しい以上に買ってしまった。1140円。また、お客さんと店のおばさんにお惣菜(寿司、サンドイッチ、煮物)をご馳走してもらった。
寺から少し離れているが、立江駅で寝ることにする。駅に着くと先におじさんが陣取っている。このおっちゃんが結構おもしろい。アル中だったらしい。死ぬまで四国を歩き続けると言っている。2月から歩き始めて、今回で5回目になるようだ。
洗濯を洗面所で済ませる。
今日は快適な所で寝れそうだ。


10月6日




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