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山岡家 辛味噌ラーメンLOVEコミュの第9話 『 3度目は絶対に… ない!! 』

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新感覚!! mixi小説『ある夜 山岡家で…』


               第9話 『 3度目は絶対に… ない!! 』



 川上条とその友人と救出された中年のサラリーマンを乗せた日産ムラーノは碁盤目状に続く道路を直線的に走っていた。

 中年のサラリーマンは今野と名乗った。長野に本社を置く小さな出版会社で働いており、コンピュータのプログラミング言語の書籍の編集を主に行っていると述べた。零細企業ではあったが、システムエンジニアからは解りやすいと評判が出るようになり、この不景気の中なんとか糊口を凌いでいるとも加えて述べた。


 友人は「システムのことはよく分からないけど、今野さんは何で、あいつらに絡まれてたんだ?」と疑問を投げかけた。今野さんは「最近、この辺りで若者たちの恐喝が多発してるってニュースで騒がれているでしょ。いわゆる<オヤジ狩り>のようなヤツですよ。」っとエピソードを話始めた。





 彼が言うにはこうだ。一週間前彼は道端で100万円を拾った。道路の真ん中にあからさまに裸の100万円が落ちていた。今野さんは訝りながらも周囲に誰も居ないことを確認しラッキ〜っと懐にその札束を入れ、まんまとねこばばに成功。鼻歌混じりに大人気なくスキップしながら進んでいくと、10分後に若者の恐喝グループに絡まれ、ねこばばしたばかりのお金を盗られてしまったとのことだ。





今野さん「一回お金を出したのをいいことに、今回も金を出すように言われるんですよ。」


友人「でもねこばばした金じゃないですか!交番に届けないといけないっすよ。でもせっかく100万円拾ったのに、すぐ盗られるなんて天国から地獄っすね。」


今野さん「濡れ手に粟みたいなことなんて、人生そんなにスウィートじゃないな」と鼻白んだ顔つきで言い、前の2人もむべもかなっとうんうん頷いた。


 次第に道路を走る車の数も増えてきた。
 条はふっと横に目をやるとホンダ・オデッセイが隣を走っており、後部座席には2匹のビーグルが舌を出しながらこっちを見ていた。条は『そんなつぶらな瞳で俺を見るなよっ』と呟きそうになった。

今野さんは顔をしかめ傷を抑えながら「でも、また絡まれたらどうしよう…」と不安げに言った。


友人「俺たちが付いてるから大丈夫ですよ。条はかなり喧嘩強いし!」


条「そうだよ!3度目はないですよ今野さん。フェルマーの最終定理ってやつと同じですよ!」

友人「フェルマーの最終定理?何だっけ?ヤンマーのエコディーゼルなら知ってるが…」


条「『マーの』しか合ってないよ…。フェルマーの最終定理ってのは数学の法則の一つだよ。3 以上の自然数 n について、Xn+Yn=Zn (nはn乗) となる 0 でない自然数 (X,Y,Z) のは存在しないって法則だよ。つまり32+42=52(2は二乗の意)っていう答えはあるけど、X3+Y3=Z3とかnが3、4、5…って3以上は絶対ありえないわけ。忘れちまったのかよ!」


友人「最初から知らんわ!」


条「つまり俺が言いたいのは人生でも3回目以上は絶対ないってことだよ。安心してくれ今野さん!」


友人は「大袈裟だな。また条の処世訓みたいなものが始まったよ。」とあきれたように言った。条はうんちくやら処世訓を垂れるのが好きなのだ。




今野さんはにこっとして丁寧に感謝を言いった。こんな大人の人に感謝されるのは気持ちいいものだと条は思った。そして車はもうすぐ友人の家に到着しようとしていた。



条は3回以上は絶対ない!!っと口にしたものの、今年に入って女の子に5回フラれていることには、決して言及しなかった。



               第10話に続く

コメント(2)

サラリーマンと一緒で、僕も今野ですぴかぴか(新しい)
そうだったのかexclamation ×2

読み返してくれてありがとねウインクぴかぴか(新しい)

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