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エコロ書店コミュの未知との遭遇 その3

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<ハラペコでは出発できない>

彼の身支度は完了しているとは思えなかった。
ヒゲが少し伸び、さっきまで着ていたスーツがベッドの上に脱ぎ散らかされていた。
さらに、スキーウェアはハンガーに掛かっている。
遅めの夕食をこれから食うらしく、
テーブルの上にはスリーエフの「カルビ丼」が湯気をたてていた。
「オレ、メシ食ってないから、食い終わるまで、テキトウに待ってて」
と言われた。おぃおぃ...
半泣きの状態で、彼に回答を求めた。

電話のあと、何してたの?
「テレビとか見てた。モグモグ...(カルビ丼食いながら)」
電話切ってから今までの約2時間、テレビ見てたんかい!ワレ!支度しとけぇ!どないやねん!
「だってぇ..メシ買ってくるの忘れたから、買いに行ってさ。
 おまけにジャンプが出てたから立ち読みしてた。モグモグ...」
私もメシ食ってないんだけど...
「電話のときに言えば、よかったのに...いまさら言われても...
 そこのコンビニにならあと数個弁当あったよ。モグモグ...」
まぁ、仕方ない...風呂とか入るの?
「当たり前だろ! ヒゲもそらないと! モグモグ...」
私が来る前に入っとけよぉ!
「だから、コンビニ行ってたから入れなかったんだって! 
 お前も早く行かないと、弁当なくなっちゃうよぉ。
 ご馳走様! マンプク、マンプク」
後半は問答になってないな...と感じながらも、彼がカルビ丼をたいらげる様を見ていた。

ハラペコでは、この後の長旅はキツい。
それはヤバいな、今から買ってくるよ。とコンビニまでトボトボと歩く。
部屋を出るときに彼に「ついでにオレのタバコも買ってきて」と...
なぜだか、涙が止まらない...


コンビニに到着。
弁当の選択肢は無かった。
おにぎりすら無い...
彼が食っていたのと同じ「カルビ丼」が3個、弁当コーナーに寂しく積んであるだけ...
まさに売れ残りのカルビ丼...
”カラ揚げ弁当”とか食いたい気分だな...
と思いつつも、嫌いじゃないのでカルビ丼を手に取る。

タバココーナーで友達のセブンスター、私のマイルドセブン・ライトを取る。
部屋に帰ると彼は風呂に入っていた。
レンジでチンし終わったカルビ丼のフタをあける。
う〜ん、ギトギトした美味そうな強烈なニオイ。これぞ男のどんぶりだな!
ガツガツと食う。食う。食う。あっという間にやっつけた。
彼が風呂から出てきた。
風呂でひげそり、歯磨きは完了させたようだ。

「うわ! すげー強烈なニオイ! お前もカルビ丼かよ! 他の弁当無かったのか?」
と言われたので
このカルビ丼のほかには、カルビ丼とカルビ丼があったから、このカルビ丼にした。
と答えると、
「あぁ...カルビ丼が3個しかなかったね...残念。
 さっきは”カラ揚げ弁当”とかハンバーグとかもあったんだけどね」
と言ってはいけない”カラ揚げ弁当”という言葉を口にした。
あぁ...
今日は2回も彼女にフラれた気分だ...

彼は短髪なので、タオルでゴシゴシしたらあとは服を着て、身支度完了。深夜2:00を過ぎていた。
クルマのトランクに荷物を詰め込む。
彼の免許取得禁止の刑が解禁されるまで、あと半年。
このドライブ、担当ドライバーは私しかいない...過酷な旅になるかもしれない...
進行方向は「とりあえず北」だ。

時間はクサるほどあるので高速道路は使わない。
運転するのが好きな2人なので、ずぅ〜っと一般道でいく。
「出発進行!」と、彼の号令とともにクルマは走り出した。
「ウキウキ感を増幅させるようなゴキゲンなナンバーは用意してきたかい?」と聞かれたので、
CDチェンヂャーの4枚目がゴキゲンだぜ!と返す。
彼はカーステレオをイジり、ボリュームを大きめにセット。
キャ〜! ドリカムの「The Swinging Star ('92/11/14 リリース)」 
冬って感じぃ!

エンジンも快調だ!ガンガン行くぜぇ!と北に進路を取った。
なんだよ早速...渋滞かよ...



その4に続く...

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