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魔法使いへの道コミュの魔法使いへの道 第三章 目覚めよDNA

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さて、DNAアクティベーション体験後の
最初の一週間、
二人は女子高生として、
驚きの連続を体験することになる。

いつも通りの当り前の高校生活が、
大いに変化を遂げたのだ。

まず、教科書を一度読んだだけで、
スムーズに要点を理解し、
記憶することができるようになった。
集中力が断然アップしているのだ。

体育が苦手だったモモは、
ソフトボール大会でホームランをかっとばした。
相変わらず運動音痴で、
そのあと三塁に向かって走り出したのだけれど。

一方、目立つことが嫌いなサクラは、
通学電車の中で男子高生からラブレターを手渡されていた。
もちろん、こちらは、ただちにシュレッダー処分されたのだけれど。

そして、次の土曜日の午後、
ビルの五階、魔法学校の教室に二人は居た。

そこには、老若男女、
あわせて十五人ぐらいの人が居た。
魔法学校の初級クラスの生徒たち、
サクラ達のクラスメイトだ。

講師は、ガイドと呼ばれる上級の魔法使い。
とんがり帽子にマント姿を勝手に想像していたのだけれど、
白いブラウスにラベンダーブルーの長めのフレアスカート、
肩までの黒い髪と黒い瞳が知的で印象的な、
カメリアより少し年上の女性だった。

彼女は教室に入ると、
生徒たちを見回して、
にっこりとほほ笑むと
「ごめんなさい。皆さんのご期待に添えなくて。
 とんがり帽子にマントという古典的な服装は、
 もう流行らないのよ」

その言葉に、生徒たちがどっと沸き、
教室の空気が一気に和んだ。

「今日から、この初級クラスを担当する
 ローズと申します。
 よろしくお願いしますね」

そして一人ずつ自己紹介が始まった。
サラリーマン、OL、公務員、消防士、
ダンサー、学校の先生、大学生・・・
サクラとモモが最年少だった。

全員が先週までに
DNAアクティベーションを受けており、
各自がその後の変化について報告を行った。

苦手だと思っていたことが、
実は単なる思い込みにすぎなかったことに気づいた人。

子供の頃、バレエが好きだったのに、
習うことを当時は親に許してもらえなかったことを思い出して、
さっそく取り組んでいる人。

ダンスや音楽を習い始めて、
自分を表現しはじめた人。

これまで興味のなかったメイクやおしゃれを
楽しむようになった人。

今まで無理だと諦めていた、
懸賞小説に応募するための小説を書き始めた人。家

族全員が風邪を引いても、何ともなかった人。

「素晴らしいご報告をありがとうございます。
 皆さんの誰もが、少しずつ、
 自分の人生の舵を自分自身で取る方向へと
 進んでおられるようですね。
 誰かが引いたレールの上を歩くのではなく、
 自分の人生を自分の力で切り拓いていると、
 とても毎日が充実しますよね」

生徒たち全員の顔も笑顔で輝いていた。

「これまで、世間という正体不明のものに
 流されていたということに気づきましたか?
 気づくことで、もっと自分に自信を持って
 毎日を楽しく過ごすことができるようになりますよ」

皆が静かにうなずいた。

「初級クラスの方は、
 引き続きDNAアクティベーションを受けていただいて、
 魔法使いとして必要な潜在的能力を活性化していきましょうね」

「それにアクティベーションを受けるということは、
 エネルギーがチャージされるということなので、
 活力に満ちて、とてもポジティブな状態でいることができます。
 思考がポジティブだと免疫抵抗力も高まり、
 病気になりにくくなります。
 これから風邪の季節ですからね、
 マスクを買いに走る心配がなくなりますよ」

「才能が目覚めると、
 それを使っていきたいという気持ちが湧いてきます。
 皆さんの中でどんな才能が目覚めるのを待っているのか、
 とっても楽しみですね」

「それでは、まず魔法使いとして必要な
 基本心得について、今日はお話ししていきましょう」

「魔法使いが魔法を使う時には、
 まず宇宙の法則を理解して、
 それに則っていなければなりません。
 宇宙の法則を無視し、宇宙の法則に逆らった魔法は、
 必ず、どこかの段階で破たんし、
 自分自身や自分の周りの大切な人を傷つけてしまいます」

生徒たちは、全員が熱心にノートに
ペンを走らせていた。
魔法学校の授業とはいえ、
このあたりの教室の光景は普通の学校と変わりない。
強いて違いをあげるなら、居眠りをしたり、
ノートのすみに落書きをしたりするような退屈な時間が
一切ないということだった。

「この宇宙は、自分が発信したものを
 必ず受け取るようにできています。
 日本のことわざにもありますでしょ?
 『情けは人のためならず』って。
 昔の人はうまいこと言いますよね。
 人に親切にすると、
 それが回りまわって自分に返ってくるのです。
 ですから魔法は善なる目的のために
 使わなければなりませんし、
 善とは何かを学ぶ必要があります」

「ここで、一つ皆さんに質問です。
 魔法使いにとって大切なものは何でしょう?」

「体力」「賢さ」「判断力」「瞬発力」
「洞察力」「思いやり」「謙虚さ」・・・
それぞれが、思い思いの答えを述べた。

「今、皆さんがあげてくれた、
 どれもがとても大切なものですね。
 では、この中で一番大切なものは何でしょう?」

教室が、急に静かになった。
そしてローズ先生が静かに告げた。

「今日の講義はここまでです。
 来週までの宿題として
 『魔法使いにとって一番大切なもの』を探してきて下さい。
 では、また来週。ごきげんよう」

ビルから外に出る。
それぞれが家路を急ぎ、
結局サクラとモモが最後に残った。
同じクラスの仲間たちの顔をもう一度思い浮かべる。
どこにでもいる普通の大人たちと変わらない人たちだ。

もしかすると、この町の雑踏の中にも、
魔法使いがまぎれていて、
この世界の平和を守るために、
人知れず活動しているのかもしれない。

そう考えると、世界がこれまでとは
違って見えるような気がしていた。
知ることによって、世界の見え方が違ってくるのだ。

サクラはモモに問いかけた。
「私たちみたいな女子高生の魔法使いも、
 世界のどこかで活動しているのかな?」

「本物のプリキュアだね。
 いつかどこかで会えるといいね。
 そのためにもしっかり修行しなくっちゃね」
とモモは笑顔で答えた。

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