ログインしてさらにmixiを楽しもう

コメントを投稿して情報交換!
更新通知を受け取って、最新情報をゲット!

短歌点コミュの短歌点1023△お題「夢」

  • mixiチェック
  • このエントリーをはてなブックマークに追加
サワオさんのお題「道路」よりバトンを受けとりました、きく、です。

今回は「夢」でお願いいたします。

表記は漢字平仮名熟語音読み訓読みいずれでも結構です。

ご投稿受け付け締め切りは頃合いを見計らって告知いたします。

しまらくの沙汰なき日々のつれづれに見しよこしまの夢は浮き島(拙歌)

ルール
1:出題者が、お題を出します。
2:お題は、何でもありで面白そうなもの。50題以前に出されたものであれば、既出のお題でもOKです。
3:トピック本文に「前回の出題者名」「前回のお題ワード」を明記して下さい。(例:●●さんの「▲▲」と言うお題からバトンを受けとりました)
4:出題者じゃない人は、お題を詠み込んだ短歌を書き込みます(一人一首のみ)
5:一週間以後、出題者が(独断で)もっとも素晴らしいと思った短歌を1つ選び、その選出理由を書き込みます。
6:次のお題は、最優秀短歌をつくった人が出すことになります。(新トピックの番号は「自分が選ばれたトピック番号+5)」
7:その後は、みんなでワイワイ感想を交わします。

※2012年4月17日一部改定
(基本ルールに「特定の単語、文字列を指定して下さい」を加筆。管理人:ツトム)
※2022年3月9日一部改定(ルールの3番として以下加筆。「トピック本文に『前回のお題ワード』を明記して下さい。(例:●●さんの『▲▲』と言うお題からバトンを受けとりました)」
3番を4番に移動し、以下同じく。管理人:とみいえひろこ

コメント(65)

(選歌対象外)
夢よりもかるい抱き寄せ方でしたいつ逃げ出しても構わぬような
締め切りから、ずいぶん日にちをおいてしまいまして大変申し訳なく、お詫び申します。

感想の下書きを読み返しては書き直すを繰り返すを何度も。
煮え切らないもので、、。

そろそろそれも止さなければと、やっと。

かけた時間の割りには内容はたいしたものではありません。

そこのところよろしくお含みおきくださいますようお願いいたします。



>>[1]

三つ編みをほどき少女は夢見がち真紅のドレスはまだ無理みたい
(ラッコさん)

上句「三つ編み」「少女」と下句「真紅のドレス」から、ほんの少しほころびかけた、真紅の薔薇の蕾にイメージがとび
ました。

しっかり編まれていると思われる三つ編みに、校則や家庭の躾を素直に守っている少女の日常を想像 。

その三つ編みを、蕾がほころぶようにほどくと、次は大輪の花を咲かせるのは自然の摂理。少女の成熟を止めることはできないけれど「まだ夢見るだけでいてね、時節がくるのを待ちましょうよね」

案じて見守る年長者の目差しが見える歌、と読みました。
無限あるいはメビウスの輪のような平野歩夢のスノボの軌跡
(ユッコさん)
言うまてもないことですが、先の冬季オリンピックスノウボウドハーフパイプに出場し、見事金メダルを獲得された平野歩夢さんを詠んでおられます。
平野歩夢、いいお名前ですよね。

無限とメビウスの輪、同じ意味合いの言葉だと思いますが、微妙にニュアンスが違う二語を繋ぐに「あるいは」がよく作用していると思います。

「メビウスの輪」
平野歩夢選手が、冬の北京の青空に高く高く描いたループを表現して臨場感。
下句「平野歩夢のスノボの軌跡」
彼が、金メダル獲得の夢を叶えるまでの努力をかさねた日々をも示唆されていて、かつ余情をも醸されているようで、とても良いですね。

あの生命にかかわりかねない危険な競技を無事に終えて、美しく着地を決めたのが何よりですよね。
You may me tight.
吐息まじりのささやきに焔に熔けて
「あぁ夢みたい」
(コアランさん)

You may 〜していいよ
me わたしを
tight きつく
英語ですか、高校英語レベル、それも半世紀以上前に学んだこととて、全くちんぷんかんぷんの私め。

単なる語呂合せと読むことにいたしました。

「ユ、メ、ミ、タイ」
五音に収められた初句絶妙。
「あぁ夢みたい」
夢の中で発した言葉でしょうか?

作者さんの知見の広さ
が伺える「焔(ほむら、ほのお)」や「(熔)けて」の凝った表記、英語を用いた語呂合せ、さすがです。

この花を咲かせし土を作りしは叶わなかった夢たちの日々
(ジョズエさん)
「土」「夢」から、とても安直(自分の思考が)でお恥ずかしいのですが、甲子園球場で開催される、高校野球全国大会を思いました。
夢に見た全国大会出場が叶った高校球児たち。そこに至るには母校の多くの先輩たちが培ってくれた土壌があったればこそ。

ことさら説明する必要はないくらい、各句の名詞動詞形容詞が、高校野球の様々を指しているようで。
ただ、高校野球だけでなく、こと成った暁の感慨を表現するに「花、土、夢」と言う道具立てはとても効いていると思います、と書き添えさせていただきます。
夢みてることわかってるってことはおきてるってこと ねえ
(うどんやさん、さん)

会話の一部を切りとって一首にしたてられた作品かと思います。

お説教するひとされるひと、か、ちょっとはすっぱな語調から、同年代の気のおけない二人の会話かも。

どちらにしても、この会話を読みとく情報はこの会話のみなので、感想文をひろげる伝てが私には見出だせなく。

すみません、力不足です、降参です。
夢現胡蝶の夢も夢の夢夢幻儚し夢散らしの歌

ゆめうつつこちょうのゆめもゆめのゆめむげんはかなしゆめちらしのうた

夢という言葉に誘われて夢中で夢の歌を詠むのに没頭した。
その最中、ふと自分はいま何処に居るのか、辺りを見回したが、没頭する余り、現と歌世界の見分けがつかなくなっていた。これは所謂忘我の境というものか、などとしばし悦に入り、そして夢とは現あってこその夢と思うに至り、詠みあげたのが夢散らしの歌である。
荘子の説く胡蝶の夢を芯に据えられた歌かと詠みました。

夢散らしの歌、お見事ですね。


すみません。
レスNo.33の感想文、作者さんのお名前記入もれです。
作者さんゆー@毎日酔っ払いさんの作品です。
申し訳ありません。


またもや日にちを空けてしまいました。
すみません。

続けます。

色彩を失くした部屋にくれなゐの嗚咽が漏れる夢の破れ目

(むらしんさん)

色彩を失くした、から真っ暗闇を、と、部屋と言う四角い空間から、上映前館内のあかりが落とされた映画館を想起しました。
開演を報せるブザーが鳴るやいなや、スクリーンにくれなゐの亀裂が走り、もの悲し気な嗚咽が漏れ出でた。それがあまりに衝撃的で、
その後のストーリーの展開は定かには覚えてはいない。

真っ暗闇の背景にくれなゐの嗚咽そしてストーリーは不明瞭、まるで夢のようであった。


夢の中から傷だけが持ち出せる くたびれた部屋にもらった花束

(おこげさん)

夢、花束の道具立てに卒業式に思いが及びました。
確かに夢や希望を抱いて始まった筈の学生生活が、終えてみるとそれらを叶える道筋はまだ見えず、思い起こすのは傷ついたことばかり。
徒労感に満ちた部屋に、卒業式のセレモニーの一環として手渡された花が、その傷を象徴しているかのようだ。

夢、傷、部屋、花束。
歌の中のこれらの語彙に学生生活青春時代を、とてもくきやかに集約させ語らせています。
そして「傷だけが持ち出せる」この持ち出せるに、作中主体の意志が読みとれ、花束を凝視する姿が見えて来る歌です。

雨の夢として静かに落ちていく感覚
もうすぐ終点です

クンタ・キンテさん
(選歌対象外)

諸々の気象条件により雨は降ります。
その雨の夢として落ちていく感覚と詠んでおられる。
雨の夢とは一体どのような夢なのか、と読む側の想像をいざなうこの初句、作者さんの技を見る思い。
しかも、雨の夢/として、と、雨の夢で一旦きることで、雨の夢を際立たせ、雨つぶがぽつんと落ちてゆく様を描き、句跨がりで、二句につなげ三句四句へ。
この辺り巧みです。

そして字余りの結句「もうすぐ終点です」
まるで最期に遺す呟きのようで、ひとしずくの孤独が胸にせまりました。
下書き殆ど済ませていますのに、読み返すと全く違う読みになり書き直すを繰り返し、で今日。

感想書き込み再開させて頂きます。

常世より吹き越す風か夢の野に限りもあらぬ花吹雪する

(おださん)

常世、永久に変わらない世界(死後の世界黄泉とも)を指す。

来し方行末はわからねども、常にこの世に吹いている風。
覚めればうつつの夢の野。
咲けば散る花。
これらの事象をひと括りにすれば無常とか万物流転とか。

「吹き越す」風、花吹雪「する」の細心な言葉使いに、風は自らの意志で吹き、花もまたおなじくを読みとり、穿ちすぎ僭越かも知れませんが、そこに作中主体の死生感がこめられているように思いました。

風、花、の風物と夢の絶妙な道具立てで、重詠みあげられた重厚な歌と思います。

寝ころんでこたつでとろとろまどろんで午後のつかのま夢にとろける

(ひでさん)

猫的つかのま、ですね。
漢字と平がなの配置がとてもいい味をかもしておられる。

漢字がこたつで寝ころんぶ作中主体や午後と言う具体に存在感を与え、平がなは主体の回りにポッポと浮かんでいる鼻風船(鼻提灯とも、熟睡中に用いられるたとえだそうですが)のようでこの字面、読む側に漫画的な光景を提示して、とても秀逸な修辞だと思います。
のどかな春こたつの歌。

この闇はおそらく事後の海だろう夢打ち際に潮の満ちゆく

(ナカノフスキさん)

事後、一般的には何らかの事柄の終わった後のことなのだそうで、他に隠語なども。
実は一読、その隠語が脳裡にひらめいたのです。

倒置的に下句からアプローチして事後に迫ってみると、、、
夢打ち際に潮の「満ちゆく」に充足感。
そして上句に戻ると、闇は眼裏の闇、眼を閉じて何らかの事が終わった後(事後)の余韻に身を委ねている様。
で、上句と下句の情景がかさなりあって、夢のようなひとときを過ごした後もいまだその余韻覚めやらず「おそらくは」に、少しばかりそんな自分を意外に思っている。

意味深長な歌と読みました。


わたしたちふたりの異母のめだま焼き思い出せない夢もあります

(食紅さん)
身の上話を聞くような作品と読んだのです。
が、平易な言葉で構成されたその内容は、各句が絡まることで異彩を放たせている。
「思い出せない夢もあります」
さんざん読む側を惹き付けて突き放すこの結句、私、ちょっとやられちゃったな、な歌です。






わたあめをちぎりて口へまつしろな夢はあまくてはしからとけぬ

(はしるさん)
夢、勿論わたしにも夢はありましたよ。それはまっしろであまくて、ちぎって口にするとすぐにとけてしまうので、次から次へ(はしから)口にしてしまったあのわたあめのような夢だったと思います。
いまにして思えば、明々白々ほんとうにまっしろな夢でしたのに、その甘さゆえだったのでしょうか、ついつい口にしてしまったのは。

まつしろ、花嫁衣装を白無垢と言うように、まっしろは純粋無垢の象徴、そして白無垢には白い綿帽子。

追憶の歌かも知れません。

飾ったふうが一切見受けられない言葉選びが、この作品に品格をかもさせていると思いました。


再開します。
ゆめもねぇきぼうもねぇなんにもねぇけど生きているみんなわすれたきのこのおうち

(りりる♪さん)
スマホをかえたので♪←小さい記号に変換する方法がまだわかりません。
すみません。

上三句までの、破調と言うより乱調と言うほうが相応しいような表記が、読む側の胸に訴える力を与えていると思います。
その十九音の内「生きている」の「ル」音に、それまでの激しさに区切りとしずまり。
「みんなわすれたきのこのおうち」
上句二十四音を収束させた終章に作中主体の理知。
不如意なこと多々の現在を生きるに、自らを支える術を会得している様が読みとれる歌です。
「きのこのおうち」
調べると絵本のようです。
わすれた、と言うことは覚えているからなのではと思います。
生きているにこめられた万感はとても大切だと思います。




ロープウェイ·モンキー号の運転手になる夢をまだ諦めていない

(サワオさん)

モンキー号から、えっさえっさえさほいさっさ♪
おさるの篭やと言う童謡を口ずさんでしまいました。

もうだいぶ繁ってしまいましたが、青葉若葉の中のロープウェイ、この季節絵になる光景ですね。

幼い頃ロープウェイの運転手さんの後ろ姿への憧れが、いつしか作中主体の夢となり、その夢はまだ諦めていないと詠んでおられる。

童心(初心に置き換えました)忘るべからず

閉塞感に満ちた時勢下、このお歌のみずみずしさにいっとき癒されました。

あと二首
明日午前中には選歌を終えますので、それまでお待ちくださいますようお願いいたします。
夢をみるために眠って夢になるひと日を生きるために起きます

(蜜柑さん)

強い意志明確な目的。
それを支えるのは「夢」

流れるまま流されるまま、漫然と生きている私にはとても眩しく、惚れ惚れと眺めていたい歌です。

夢よりもかるい抱きかたでしたいつ逃げだしても構わぬような
(とみいえひろこさん)

なぜかしら、もっとそのひとの胸もとに抱きしめられて甘えていたいのに、そっと鳥かごに戻された小鳥の呟きのような、そんな歌のように思えました。

まるで鳥かごの中の小鳥とひと。

この両者があいまみえることそのものが、夢物語りであるかのような間柄。

そんなシチュエーションが思い浮かんだ歌です。
書き忘れています。
とみいえひろこさんの作品は選歌対象外です。
以上十八首。
作品をお寄せくださった皆さまありがとうございました。

そして二か月以上の長きに亘る間、トピックを停滞させてしまいましたこと、申し訳なくお詫び申します。


最優秀作品は

わたあめをちぎりて口へまつしろな夢はあまくてはしからとけぬ

はしるさんの作品に。

次点は
常世より吹き越す風か夢の野に限りもあらぬ花吹雪する

おださんの作品に。

あと、とても気になり印象にのこり、衝撃的で惹き付けられた

わたしたちふたりの異母のめだま焼き思い出せない夢もあります

(食紅さん)の作品に、お気になり賞を。


はしるさん
バトンお受けとりくださいますようお願いいたします。



>>[49]
お疲れ様でした。
大変丁寧な読み解き歌評、選歌本当に頭が下がります。ありがとうございました。
>>はしるさん
最優秀おめでとうございます。
ノスタルジックで甘やかで気持ちの良いお歌ですね。良い作品を読ませていただきありがとうございました。
>>きくさん
選歌、講評おつかれさまでした。
次点に挙げて下さりありがとうございます。

>>はしるさん

わたあめをちぎりて口へまつしろな夢はあまくてはしからとけぬ

最優秀おめでとうございます。
口調なだらかで、イメージがすんなり伝わるお歌ですね。
未来希望図としてのユメについては、白さ甘さの奥に微量の痛み悲しみがひっそり埋めてある感じですが、いっぽうで別口の意味合いのユメ(夢枕とか夢まぼろしのユメ)の成分も少なからぬ割合で配合されているようでもあり、悲痛さが尖らず、おっとりまとまっている印象を受けました。
お気になり。(※感想長いです)

わたしたちふたりの異母のめだま焼き思い出せない夢もあります
(食紅さん)

異母姉妹ふたりとそれぞれの母親ひとりずつ(プラス、父一人)という人物構成と理解しました。
「思い出せない夢」は実のところ「思い出してはいけない」むしろ「忘れたくても忘れられない」ほどの、なにか不穏な内容を示唆しているように思われました。それを「思い出せない夢」と優しく丸めていて、異母姉妹を大切に思う心もあわせて感じられます。

「異母のめだま焼き」。語としてはめだま焼きであっても、読むときどうしても「異母のめだま」が切り出されて意識されてきます。実子でない娘を見る女の目つきと「思い出せない夢」の内容との関わりを匂わせているような気がするのですが、どうなんでしょう・・・。

愛憎的なあれこれは包み隠しつつ所々チラ見せしたりして、穏やかな口調でまとめながらも印象の強いお歌となっていると思います。

歌から感じられる作中主体の人柄が「ああ、いいなあ」と思わせられました。忘れ切れないわだかまりは、奥に仕舞い込んで思い出せないことにしておく。怨みつらみには手を付けず、いま大切な人をできるだけ大切にする。
理想化ではない現実の人間の、しかしうんと優しい部類の人間の心ばえが肌感として感じられるように思います。
>>[49]
ご講評、選歌、お疲れさまでした。
それぞれのお歌への深い洞察と読み解きは、多くの投稿歌の講評で全く味わえていなかった読み解きを知ることができました。
深いご講評、本当にありがとうございました。
>>[21]
最優秀、おめでとうございます!
初句から結句まで流れるようなお歌。
その中で口と夢だけが漢字で、それ以外のかなが、綿あめの白さと柔らかさ、甘さを醸し出すように感じました。
素晴らしいお歌をありがとうございました。
>>[46]
講評と選歌、お疲れ様でした!

私への講評もありがとうございます。
もう現実を夢みたいにふわふわ生きてもいいんじゃない?みたいな思いで詠んだのですが、意外な詠みをしていただいて、これだから短歌はおもしろい!と思いました。笑

>はしるさん
最優秀おめでとうございます!
私も好きな短歌でした。
まつしろな、から結句までが印象的で溶けてゆくわたあめの甘いにほいが、夢というものを最大限に象徴していて、お題を巧みに捉える、はしるさんのお力を感じました。

多忙にて思うようにわいわいに参加できずにいますが、お礼とお祝いまで。
>>[31]

ご選歌及びご講評頂き、ありがとうございました!

また、拙歌へのご講評もありがとうございました!
拙歌を高校野球につなげていただき、きくさんのお言葉をいただいたことで、拙歌に躍動感が出て、色彩が強くなり、歌に輝きが出たように思います。

とても感謝致します!
本当にありがとうございました!


はしるさん、最優秀おめでとうございます!

私も、はしるさんのお歌、とても素敵だな、すごいお歌だなと思いました。
私もこんなふうに自分の感情を表現したいと強く思いました。

本当におめでとうございます!

はしるさんの次のお題を楽しみにしています!
>>[49]

本当にお疲れ様でした。
講評頂いたのが嬉しくてすぐに返信したくなっていました。



これを落とされた時ね。
もうどうにもならなかったのです。


始まりも終わりも知らずひたすらにいまは途中と花は散るらし

これが散らついて。
僕は短歌なんて何もしらないのです
どうしても何を考えてても
全てがこれに直結するの。
全て蝶の見る夢
いっぱいね
夢夢夢って並べたのは
ゲシュタルト崩壊して欲しくて
花がそこに咲いてるのと
変わらないの。
全て途中。
夢ってこんな漢字だっけ?つって
人の見る夢なんて簡単に崩壊してしまえばいいよ。
花と変わらないの
私そう思う。
値千金もね。きくさんに触発されているんです。
本当に凄い人尊敬します
大変遅ればせながら。

きくさん
ご講評と選歌、お疲れさまでした。

評されるのをリアルタイムでは追えなかったですが、「感想の下書きを読み返しては書き直すを繰り返す」と零されるのが、我が事のようで共感でした(^^ゞ

「夢」は、楽しくもあり、眩しくもあり、切なくもあり、辛くもあり、そういう意味では、非常に幅の広い良いお題だったなあと思います。
何かこう、皆さんの夢の一端に触れさせていただいたような、特別な思いを享受したような、贅沢なトピックでした。


はしるさん
最優秀おめでとうございます。


■わたあめをちぎりて口へまつしろな夢はあまくてはしからとけぬ

わたあめを口にふふんだ時に広がる甘さと、ほどけるようにすぐ溶けて無くなる口当たりに、かつて純真無垢だったころ描いた夢を追懐しているのでしょうか。

わたあめのフォルム、色合い、質感、匂い、味、口当たり。
その全てが、まだ何も知らない幼心に見る夢そのものを体現しているようです。

上句から下句へとわたる途中で、読者の意識を「わたあめの歌」から「幼心に見た夢の歌」へ、極自然にスライドさせていくさり気ない技術に膝を打ちました。

そして、「口にふふんだ端から溶けてしまう」わたあめの特性から、その「夢」が叶わなかっただろうことを暗示する巧みさもあり、余情もひとしおです。

全体的なひらがな表記が、わたあめのふわふわ感を表現していることもあり、まだその夢の中に身を委ねているような浮遊感を覚える、不思議な読後感の歌でした。


お気に入りは後ほど。
大変遅ればせながら、以下お気に入りです。


■無限あるいはメビウスの輪のような平野歩夢のスノボの軌跡(ユッコさん)

「無限あるいは」
まず、破調から入るこの導入部に、シビれました。
そして、「無限」と並列する語として、「メビウスの輪」を持ってこられるセンス。

それらイメージを「ような」という分かりやすい直喩によって繋ぎ、「平野歩夢のスノボの軌跡」へと収斂させてゆく構成のまとめ方が、お手本のようです。

また、無限の記号「∞」やメビウスの輪のあのねじれが、ジャンプやターン・宙返りなどの技を決めながらハーフパイプ(半円筒状の雪上)を右へ左へ滑走してゆく、まさにボーダーの軌跡のようで、ありありと映像が浮かびました。

とりわけ「平野歩夢」の滑走には、「無限」や「メビウスの輪」に見る“永遠性”へのいざない、とでも言うべき引力がたしかにあって、バシッと決まった表現に思いました。

■色彩を失くした部屋にくれなゐの嗚咽が漏れる夢の破れ目(むらしんさん)

交錯する夢現、去来する色や音と、心底に降り積もる感傷が、うら寂しさを感じさせる一方で、どこか少し寒心もする読み口。
しかし、美しい哀感の裡にひそむこの寒心こそが、惹かれる一因なのかもしれません。

何か大切なものを失った悲しみ(失恋、と読みました)に、しばらく何も考えられず、ひとり、ただただ部屋で呆然としていたところ、俄に堰を切ったように嗚咽する姿が浮かびます。

恋という夢の延長線上にある「色彩を失くした部屋」は、色も音もない「非現実」であり、作中主体ただひとりの存在する世界であり、心象風景なのでしょう。
やがてその「夢」に破れ目が生じ、そこから「くれなゐの嗚咽」が漏れ出でる(世界に色と音が戻る)とともに、破れ目の外側から「現実」がなだれ込んでくる。

夢が甘く、現実が厳しいものならば、破れゆく夢にある種の美を見出すのもまた、芸術だなあと感じ入りました。

■雨の夢として静かに落ちていく感覚
 もうすぐ終点です
 (クンタ・キンテさん)

二行分かち書きですが、一行目は「夢」の世界、二行目は「現実」の世界でしょうか、住み分けがうまく為されているため、この改行がとても活きているように思いました。

作中主体は雨の夢を見ているというより、自らがひとしずくの雨粒として落ちていく夢であり、その非現実に身を委ねているのだと読みます。
この感覚がどこかデジャヴを引き起こして、ずっと頭の中に余韻として雨音が静かに鳴り響きます。

実景としては、雨の夜、バスや電車内で終点まで寝過ごしたひとこまでしょうが、何かしらの含意が込められた歌のようにも思えます。
はろばろと、もう引き返せないところまで行き着いてしまった──(そうしたもののひとつやふたつ、身のうちにあったかもしれない)と考えながら鑑賞すると、胸にじんわりと滲んでゆきました。

とても繊細な心の機微を、うまく詩に掬い上げられた一首です。


その他お気に入りは、長くなるのでコメントを二分いたします(つづく)。
(つづき)

大変遅ればせながら、以下お気に入りの続きです。


■常世より吹き越す風か夢の野に限りもあらぬ花吹雪する(おださん)

挽歌でしょうか。

(泉下のあのひとがいるそちらの世界から吹き過ぎる風なのか、私の夢の中に広がる野に、花吹雪が無極に舞い続けています)と、作中主体が心で語りかけているように読めました。

「限りもあらぬ」や「花吹雪する」の言い回しが格調高く、瀟洒な印象を受けます。
また、「限りもあらぬ花吹雪」という修飾も、雅馴な筆致です。

言葉の組合せにも親和性があって、「常世」と「限りもあらぬ」という語には、どちらも果てのない永遠がありますし、「風」と「花」は、縁語のように響き合っています。

何と言いますか、そうした花鳥風月を文語調にしたためられたこの詩文の雰囲気が、上質に心奥に沁みわたってゆく感覚があって、静かにゆっくりと声に出して詠みたくなるお歌でした。

■わたしたちふたりの異母のめだま焼き思いだせない夢もあります(食紅さん)

この短い一文の中に、複雑な家族構成を自然なかたちで、説明的にならず尚且つ詩情も乗せて、読者に読み取らせる表現力に、まずは唸りました。

自分は、実姉妹ふたりとその異母ひとり(プラス、実父ひとり)という関係図を、頭に描きました。

血の繋がりのない女性を母親として家族に迎え入れるとき、当然ながら子は少なからず実母の影を求め、比べ、当該女性と反りが合わずに、反撥することも間々あります。
ましてや実姉妹の強い結束があれば、より強固な壁を作って、頑として受け入れられないもの。

彼女らの関係性の良し悪しを読み解く鍵は、「異母のめだま焼き」と「思いだせない夢」にあると思われますが、こうした家庭環境の自然例としての上述を加味したうえで読むと、おださんの仰る“不穏”な空気感が、ひた迫ります。

ただし、それは「わたしたちふたり」からのベクトルのものであって、個人的には「異母」側は歩み寄る姿勢はあるのかなあ、と読んでいます。

「思いだせない夢」とは、もしかすれば、幼心に触れた実母の面影なのかもしれません。
その確かな温かさや慈愛に満ちた笑みは断片的に思いだせるけれども、鮮明な記憶として実母との思い出が残っているわけではない。

そう読んだとき、途方もなくやるせない思いが胸を染めてゆきました。
>>[64]のお歌への感想ですが、よくよく考えたら「義母」じゃなく「異母」なんで、やっぱり読みとしては、おださんの異母姉妹の方が自然なような気がしてきました。
(それでも自分は自分の読みを推したい)

こういう読みもどうですかって提示した手前、いやはやお恥ずかしい(;´▽`A``

ログインすると、残り28件のコメントが見れるよ

mixiユーザー
ログインしてコメントしよう!

短歌点 更新情報

短歌点のメンバーはこんなコミュニティにも参加しています

星印の数は、共通して参加しているメンバーが多いほど増えます。

人気コミュニティランキング