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短歌点コミュの短歌点707△お題「乱」

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702「透」から引き継ぎました。
お題は「乱」です。漢字を読み込んでください。熟語OKです。


身も蓋もない正論だ人参のような正しさだ 乱切りにする  吉川みほ


締め切りは9月いっぱいを目処に(予定)考えてます。
またご案内します。


1:出題者が、お題を出します。
2:お題は、何でもありで面白そうなもの。
  50題以前に出されたものであれば、既出のお題でもOKです。
3:出題者じゃない人はお題を詠み込んだ短歌を書き込みます。(1人1首のみ)
4:一週間以後、出題者が(独断で)もっとも素晴らしいと思った短歌を1つ選
び、その選出理由を書きこみます。
5:次のお題は、最優秀短歌をつくった人が出すことになります。
 (新トピックの番号は「自分が選ばれたトピック番号+5」)
6:その後は、みんなでワイワイ感想をかわします。

コメント(94)

■一花さん
想われる匂いにいまだ馴れぬ脈さくらの葉っぱ散るね乱調

私は一花さんの歌のこっそりファンなのですが、この歌はちょっと読み切れなくて、感想を一番最後に書きました。ここの「匂い」というのは「気配」ぐらいの意味か。人に恋われる気配にいまだ私は馴れないでいるのです…で「脈」で躓きます。歌はほとんど躓くところが大事なところで、この「脈」を単純に胸のときめき「動悸」のようなものと解釈してよいものか。葉脈なのか? 三句で切れてからの展開、「さくらの葉っぱ散るね乱調」は心と景色、内と外を重ねるかたちで脈と乱調が符丁のように響き合っています。古典的な匂いと現代の語り口調が混じって面白い味は出ていると思いました。そこのポイントに「脈」があるということなんだがなあ。


■nero.さん
大風ののち散乱の花びらのなかに骸の虫のひかるも

「骸の虫」って何だろ。あまり具体的に考えない方がいいのかな。歌意は平明で、風の強く吹いた(あるいは台風?)あとに散り来る花びらの中には虫の死骸も光っているなあ、ぐらいか。平明なだけに引っ掛かる。何故、花びらを詠うのに骸の虫が必要だったのか、そこにこの歌の鍵がある気がするけど、読めません。花鳥風月、雪月花、幾時代を経ても短歌の主要な題材である「花」にも毒というか、諸手を挙げての賛美に一言物を申したかったのでしょうか。それなら、そういう歌の存在に一票という立場です、私。


■ぼんぼりさん
さよならに在る質量を観測し乱丁本と知って読みます

「さよなら」に存在する悲しみ、寂しさを超えた狂気。人生を惑わせ、あるいは狂わせ、筋書き通りには何事も存在しないことを逆説的に知る。順接で真実を知る人は少なく、そういう人は幸せ者だ。人の多くは逆接、不幸の中で幸福を知ることが多い。はい「そう言ったことをすべて了解しちゃって、自分の人生を客観的に読者のように読みます」というこの歌は、かなりクレバーなこの作者ならではのスタンスだ。これだけのことを電車道、一直線の歌≒三十一文字で歌ってしまうのは、ぼんぼりさんのスゴサだといつも思う。


■山椒さん
乱丁のような別れにゆっくりとひらく形見のシャツの花柄

これまで追ってきた、ある程度予測できたストーリーが急に途切れ、気付けばわれを失うほどの物語の中に居る自分を見つける。「乱丁のような別れ」。なるほどなあ。「別れに」の「に」を省く方法はなかったものかとも思う。二句切れの方が後の展開は生きた気がする。三区以降に「形見」という言葉が出てきて読み手は驚かされる。別れ=死別だったのである。そして花柄のシャツに思いが残るのではなく、シャツの花柄、文様に思いは残る。「花柄のシャツ」とやってしまうと凡庸であったはず。花柄としたことでこの歌は人を弔うことに成功した。物に魂が宿るときがあるが、その魂の言葉は作者の中で変容する文様なのである。

■りなさん
真夜中の鏡のなかの乱気流ターコイズよりセルリアンが好き?

鏡というのは不思議なアイテムで「真夜中」に続くだけでもう妖しげな雰囲気を醸し出します。私なんぞは朝、顔を洗うときぐらいしか鏡を見ないので、ちょっと迫り切れないかもしれません。三句切れで読みました。作者は鏡の中に居る何者かに語り掛けています。写った自分は違う自分。例えば、明日、誰か大切な人と会うとして「乱気流」は心の状態でしょうし、鏡の何者かさん、私にはターコイズブルーが似合う?セルリアンブルーが似合う? 大切な人はどちらが好み? と書けば少女漫画のようです。ですが、どちらのブルーも美しい空の色で、乱気流で吹き荒れる黒々とした嵐の去った後の気持ちを示していますし、またここでのカタカナ語は物語性を高める効果があったと思いました。右と言えば左と答える「鏡の中の乱気流」自己愛を客観的に見つめている、いい喩ですね。


■蜜柑さん
色づいてしまったものなら乱れ散れ 北風紅く紅く染めつつ

紅葉から裸木になる季節がきました。「色づいてしまったものなら」という覚悟は実に作者らしい表現だと思いました。季節の変化を詠うときはどうも受け身になりがちですが、こういう“攻めの”詠い方もあるのだな、と思います。なるほどね。「北風紅く紅く染めつつ」は寒風が紅葉を押し進めていると取るのが普通でしょうが、印象派などの絵画のように光が変化する中、紅葉と北風がまじりあい風に色がついてゆくような。風景ってそういう感慨を持たせますよね。北風だから乾きかけたざらっとした絵の具が親指に残ります←これは読んだ後の体感的評。「乱れ散れ」は「散り乱れ」の常套的語句をずらして「覚悟」を表わすのにうまく機能した気がしました。


■ジョジさん
心拍の乱れて月にあの恋の埋み火を見る雲の出口よ

この季節にこそ詠める美しい情景ですね。しかも情景に自分の恋心を重ねながらずっと時間が進んでいっている。「埋み火」を月が顔を出す「雲の出口(よ)」にたとえたところが秀逸。人はあの朧なる明かりを、どう例えようかと古代からいろいろと詠ってきたと思いますが、これはいい。もうこれは喩というより直球。何だかもうすがすがしい気持ちです。落ち着いてるし、時間を掛けられたんだろうなあ、と思いました。そういう作り手の丁寧さまで伝わってきました。

お気に入り5首選



■ふみまろNEOさん
もう息を乱す朝も来ぬ人よ腕の先から手首を垂れて

■リスさん
内乱を告げるかのようエレベーターホールは無風 点る▼

■ぼんぼりさん
さよならに在る質量を観測し乱丁本と知って読みます


■山椒さん
乱丁のような別れにゆっくりとひらく形見のシャツの花柄


■ジョジさん
心拍の乱れて月にあの恋の埋み火を見る雲の出口よ



で、
最優秀には

■山椒さん

乱丁のような別れにゆっくりとひらく形見のシャツの花柄


を選びたいと思います。
山椒さん、連投になりますが、よろしくお願いします。



次点を選んでおきます。

■ジョジさん

心拍の乱れて月にあの恋の埋み火を見る雲の出口よ


です。


お付き合いありがとうございました。
読み損ねた、たどり着けていない歌がありますが、
それはまたワイワイの中で。

>>[059]

丁寧な講評、選歌、お疲れ様でした。
なるほどと思いつつ読みました。

>>山椒さん
最優秀おめでとうございました。
>>[48]
お疲れさまでした。
This boyです。ご指摘の通り「混乱」という言葉は正確ではなかったようです。「少し乱れる」くらいが心情に合っていました。
>>パンタタ☮さん
講評、選歌お疲れ様でした。
丁寧で深く蘊蓄のある講評はとても読み応えがあり、たくさん気付きをいただけました。
ありがとうございました。

>>山椒さん
最優秀おめでとうございました。
パンタタさん、ご講評選歌ありがとうございます!皆様のお歌にとても刺激を受けました。私のはすみませんの一言でございます。私が寅年で三人姉妹ということでございました。上五七五をしっかりときりたかったのでがなかなかどうして。精進致します。


山椒さん、お見事でございました。おめでとうございます!


私のお気に入りは、

ぼんぼりさん

さよならに在る質量を観測し乱丁本と知って読みます

さよならで終わった恋を、乱丁本と知って読みますとその思い出を表現してると感じられて、それはとても素敵だなぁと思いました。上五七五も言葉の冷静さが乱丁本を引き立てていると思いました!素敵!


薊さん

乱れたる心のままに台風の中ひた走る我取り戻さんと

台風の中を走っているうちに、あまりの台風の凄まじさに自分はいったいなんのために走っているのか分からなくなるようなそんなイメージを私はまず感じました。後で作者は、ああ、あの時私は自分を取り戻すために走っていたのかも知れないと思ったのかもしれないなぁと思いました。切羽詰った感じが手に取るように伝わってきました。
薊さんのお歌を読んで、人はどんな時に走るのか、って考えたりしました。



>>[60]

投稿ありがとうございました。
だいたい一番乗りで、ワイワイも一番乗り。
頭が下がる思いですよ、本当に。

>>[61]

視線は作者の視線でよかったのですね。視線の乱れと心の乱れ(これは男性にしか分からないかも)をう塩梅よく詠えたらいいですね。This boyはビートルズからですね。渋いハンドルネーム、いいですね。
>>[62]

初めての感想が私とは不運な。もっと歌の魅力を引き出すのが上手な人がいっぱいいるのに。許してくださいね。眠っている? 起きている? どちらの想定だったのでしょうね、気になりました。
>>[63]


他の人の書き込みを見ていると、台風の中を車で走ってる情景のようでした。そうか!と納得。私はまったく車とまったく縁のない生活していますので、頭の中には「車」の文字はほとんどありませんでした。そうですよね、風雨の中、生身では走りませんよね、失礼しました。
>>[64]

投稿ありがとうございました。スミマセン細かいところ突っ込んじゃって。二通り読める場合は意図していないときは全力で避けた方がいいようです←歌会で誰かが言ってました(私はその限りでもないかなあ、と思っています)。破調でもよかったのではないでしょうか。

ぼんぼりさんの歌はいいですね。「言葉の冷静さが乱丁本を引き立てている」なるほどです。

薊さんの歌で「ああ、あの時私は自分を取り戻すために走っていたのかも知れないと思ったのかもしれないなぁと思いました」の感想、なるほどなあ、とそこまで寄り添えなかった自分を反省しております。すみません。
>>[65]

「に」余計なことを書きました。色んな花柄が頭の中をぐるぐる回っております。http://www.xpl.jp/ここの理事をしている下中菜穂さんは文章も薀蓄も素敵です。一度覗いてください。ご存知ならスルーでね。
>>[67]

投稿ありがとうございました。
古来、人は今のように合理的ではなく晴れの日ばかりの良しとしていたのではないでしょう。そんなことを改めて思い出させてくれました。「埋み火の月」これは忘れない言葉になりました。歳を取っていますから、スマホのメモへ「埋み火の月」と。

カニパンさんの歌の川底の眼鏡は喩だったのか、とも思い直しました。兪ではなく想像上の(創作上の)仮定だと思ってました。読み直してみます。

リスさんの歌、ジョジさんがおっしゃるように、日常の一瞬を切り取った物だったのかもしれませんんね。私は廃墟の写真集を持ってまして、もうそこの映像から離れられませんでした、笑。駄目でした。日常の方がはるかに廃墟への可能性を秘めているというわけですか。改めて怖い。
パンタタさん、ありがとうございます。
山椒さん、おめでとうございます。しっとりと綺麗です。

なんか私の歌、乱れてますね(笑)。
桜の葉っぱが散るとき感じた匂いみたいのも、漂わせたく。。
うーむ、少し寝かせてまた取り出してみます。

面白いと感じていただけて、幸せです!

私は、リスさんの歌にときめきました。
>>[64]
お気に入りに入れていただいて感謝です。
素敵な読み方をしてくださって嬉しかったです。

>>[67] ジョジさん
お気に入りに入れていただいて感謝です。
ドンピシャ、台風の日に車で走っている時の歌です。
好きって嬉しいなぁ〜^^

>>[71] パンタタ☮さん
失礼だなんてとんでもないです。
どこにも「車で…」なんて書いてないですもん。
いろいろな読み方をしていただけるのも楽しいです。
ありがとうございました。
>>[75]

投稿ありがとうございました。
葉っぱが散るときに感じた匂い、匂いとは微妙な心の動きですね。
微妙過ぎて、共通の認識に寄りかかれないのかもしれませんね。
そら難しいわ。

リスさんの歌、人気ですね。
点る三角ですからね。


>>[69]
This boy 知る人のあり 三人はひとつマイクに顔寄せ歌う
>>[79]


https://www.youtube.com/watch?v=yRZOI1y4M28 まあ、世代ですからね。ジョンの声がいいですね。
>>[72]

本当にありがたい御指摘でした。パンタタさんのご指摘は基本中の基本のことですので、仰っていただけるのは本当にありがたいです!感謝しております。

薊さんのお歌は、嵐の中を車で走行中なのですね。
激しい雨の影が運転席の薊さんを濡らす様子が見えてきました(^-^)絵になりますね!素敵!

>>[54]

お疲れさまでした。
ありがとうございました。
それぞれのご講評に読み浸っております。

拙歌は仰る通り古典的な感情、むしろ感傷だったかも知れません。
若々しい父親が写った小隊の集合写真の記憶から作りました。
初め感情の形容詞の有る無しで迷い、次に「悲し」と「哀し」で迷いました。
自分には難しすぎる材料を掴んでしまったように思います。


好きな歌が沢山ありました。


 血と肉と涙のような成分で二人というのは乱暴でした


 波跡が乱れぬほどの風の音に驚くふりをしようか否か


 とるにたることで眼鏡は川の底 深夜の乱視都市をさまよう


 内乱を告げるかのようエレベーターホールは無風 点る▼


 さよならに在る質量を観測し乱丁本と知って読みます


 乱丁のような別れにゆっくりとひらく形見のシャツの花柄


 真夜中の鏡のなかの乱気流ターコイズよりセルリアンが好き?


 心拍の乱れて月にあの恋の埋み火を見る雲の出口よ



最優秀の山椒さん、次点のジョジさん、

おめでとうございます!!
素晴らしい短歌だと思います。



パンタタさん
講評と選歌ありがとうございました
毎回、ただで読むのが申し訳ない気持ちになります。。

身も蓋もない正論だ人参のような正しさだ 乱切りにする  吉川みほ

また、パンタタさんの上げておられたこの歌がめちゃくちゃ好きでした
ご紹介ありがとうございました

きゃろさん仰っておられたように
今回好きな歌がたくさんありました

ぼくの歌に言及いただいたかたありがとうございました〜
>>[57]
ご講評ありがとうございます。
拙歌を丁寧に拾ってくださり、感謝の気持ちでいっぱいです。
「乱」、わたしにはとても難しいお題でした。


山椒さん、最優秀おめでとうございます!

きゃろさん、お気にいりの歌に入れていただいてありがとうございます(^^)
>>[84]
ダリの「内乱の予感」、これに私もシンクロしていれば、少し読みは違っていたかもですね。ああ、何故、ダリを思いつかなかったのだろう。身近にある絵画なのに。

リスさんの山椒さんの歌の感想、いいですね。「思い出が甦りよみがえりする感じに、切なくなります。とてもすてき。 」これはちょっと私には入っていけない感覚だなあ。それが感じれて良かった。

>>[88]

過分な言葉です。


身も蓋もない正論だ人参のような正しさだ 乱切りにする 

吉川みほの歌集は「フラスコ書房」https://bccks.jp/store/160478とても魅力的な詩歌、小編集をご夫婦で出しておられます。

>>[89]

「鏡の中の乱気流」は素敵な喩だと思います。これを核にいろんな言葉が生まれる気がします。
投稿ありがとうございました。

>>[83]

悲しい、とか、哀しい、とか表記は後の問題として、この感情表現を今の時代に置いて緊迫したリアリティーを与えているのは、やはり若い詠み手さんでしょう。私らは物語として詠むしか今のところないような気がします。



>>[88]

余談です。先日YouTubeでサンドウィッチマンのコントを見ていると、富澤(金髪じゃない方)が職安か面接、なんかそういう大事な場面で、カニパンを食べるシーンがありました。その時の伊達さんのツッコミが「カニパン食ってる! 何時どこで食べていいか分からないパンだし…」みたいなことでした。カニパンさんにHNを変更されたときに、何かそうれに通じる一文を描かれていたように覚えていて、それの相乗効果もあって、げらげら笑ってしまいました。

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