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短歌点コミュの短歌点△688お題「枯」

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とみいえです。
お題「飛」よりバトンを受け取りました。

次のお題は「枯」でお願いします!


木枯らしが落葉をさらふざわめきに大統領の秋はいづこへ(松原未知子)



1:出題者が、お題を出します。
2:お題は、何でもありで面白そうなもの。
  50題以前に出されたものであれば、既出のお題でもOKです。
3:出題者じゃない人はお題を詠み込んだ短歌を書き込みます。(1人1首のみ)
4:一週間以後、出題者が(独断で)もっとも素晴らしいと思った短歌を1つ選
び、その選出理由を書きこみます。
5:次のお題は、最優秀短歌をつくった人が出すことになります。
 (新トピックの番号は「自分が選ばれたトピック番号+5」)
6:その後は、みんなでワイワイ感想をかわします。

コメント(80)

送信を押せないメール ツンドラのようにしぶとく冷えて枯れない
春風にひらく生命のあるものを瓦礫の下の枯れた唇
ご投稿ありがとうございます。
しめきっています。もう少しお待ちください。
>>[1]

鉢植えが枯れ草となり壁沿いに並んだままで家朽ち果てる


えっ。「家朽ち果てる」がけっこう唐突で、えっ、と思いました。
この情景はよく分かります。枯れ草ばかりがしぶとく生き残っていて、その持ち主はすっかり疲れ果ててしまった感じ。
少しずつ言葉を省略していながらも分かりやすくスケッチしているので、「家朽ち果てる」までの大胆な展開と時間の流れを見せることができているのでしょう。この強引さが魅力です。
ただ、「家」がなんだか大ざっぱすぎるかなと思いました。
しかししかし、これはこれでいいのかもしれない。小さな鉢植えの中で枯れて「生」をまっとうする「草」と、家という大きな人工物が「死」にゆくさま、その呼応。
>>[2]

空蟬の口無き秋の枯れ柳残る葉を読む罪という字に

叙情性が濃厚で惹かれるのですが、上の句で一首、下の句で一首つくれるように思います。
「空蟬の口無き」、「秋の枯れ柳」は説明っぽいかな、「空蟬」「枯れ柳」だけでいいと思います。が、「口無き」は捨て難い。
、、、と書いてきて、いや、そもそも、「読む」ということ、言葉のことを歌っているのだから、この重なりこそが魅力なのではと思えてきました。そう思って読むと、あえて言葉を意味でぐるぐる巻きにしつつずらしていくような、とてもぎりぎりのたくらみ、駆け引きに気づかされます。ふかく追求してみたくなる世界です。
>>[3]

木枯らしに備えて森に敷きつめる彩のコラージュ永久の循環

「彩のコラージュ」とは、土の下でまだ見えないけれど、春になれば芽吹く予定の「敷きつめ」られたさまざまな命。「永久の循環」は、そんな季節の巡りを表現した言葉。
「永久の循環」は、字面でなんとなく壮大な気にさせられるけれど、説明っぽすぎる気もします。
木枯らしの前にすでに次の春の準備が為されているということにはっとします。そういった重層的で緻密な生命の意図を思ってみたくなる歌。
「敷きつめる」主体が隠れてもいそうな気配はいいなと思いました。
下句のトーンが気になりました。説明ともつかず詩ともつかないような、ちょっと中途半端な印象なところが弱いかもしれません。
>>[6]

枯れ枝に花を咲かせる爺さんが不在なもので造花でごめん

「ふざいなものでぞうかでごめん」の響きがもごもごしていて雰囲気あります。ところどころ「ん」がうなずくように入ってきて、独特のリズムをつくっています。
おとぎ話のなかの「爺さん」がいない→ほんとうの花の世話などできない→だから、ほんとうの花ではなく「造花」をあなたにあげる。
はなから「自分が」花を咲かせることなど、できない・しないと思い込んでいる心があるんですね。
ちょこっと、だけど大胆に認識がずれているようなさまに味わいがあります。
言葉を読み解こうとすることはその「ずれ」こそがおもしろいんだと、妙になっとくさせられました。
>>[7]

かたくなに愛ってよんだものたちの力とともに枯ススキで飛べ

「飛べ」、「枯ススキで飛べ」が単純に気持ちいいなと思いました。ひとつの「愛」が終わった心象かなとも思って読みました。「愛」のぬけがらがあること、それが「力」になって「飛べ」ること。きゅうに生々しい筋肉を感じるようで、おもしろいです。「力とともに」のところは音やリズム的にぐっとふんばる感じもありながら、ここらへんがまどろっこしさ・理屈っぽさにもつながるのかも。
>>[11]

木枯らしとのみ書きしるすこの星の上ではいつもどこか夕暮れ

星の上であてどなく「書きしるす」ことの孤独感や、存在の重み・はかなさが感じられて惹かれます。「木枯らし」と「夕暮れ」が言葉的に似たポエジーを含んでいるように思うので、そこはお互いを引き立てあっていないと思いました。「木枯らし」と書くのはかっこつけすぎのような気がします。いっそ「マヨネーズ」とかのほうが詩情が出たのかも。でもありがちなのかもしれない。
>>[12]

赤りんご届きましたよ!あなた発木枯らし35号に乗って

「届きましたよ!あなた発」あたりのリズムがフォークソングっぽくて印象的。「木枯らし」も全体的な雰囲気も昭和な感じで、いい味。「!」に思いのほか気分がのせられますね。
>>[15]

年を経て立ち木古るれば風雪に枝は折るれど心は枯れじ

起承転結がはっきりしていて、切れることなく読み下す構成。ふむふむとうなずくところがあるのですが、誰が歌ってもいいような、標語のようなつくりだと思いました。
>>[19]

お気に入りだけ挟み込んだバゲットと枯れ葉を踏み続けていたいだけ

気分、世界があり、印象でぐっと引っ張る歌。読む人を選びそうで、また、共感をつよくもって読む人がいそう。
文章通りに読むと「バケット」も踏み続けることになるんですが、作者としてはそういう意図ではないはず。バケットを「抱えて」とかだと思うので、工夫して分かりやすくしたほうがよかったと思います。
「踏み続けていたい」もなんとなく分かるのですが(「枯れ葉の音や色や感触、そういう道を歩きたい」という意味だと読みました)もう少し違う表現の方が分かりやすい気がします。
バケットと枯れ葉の取り合わせが、まず「音」を想起させてくる感覚、いいなと思いました。
>>[24]

交わえることのかなわぬ君といて枯淡の海になにを棄てるか


「交わえる」に違和感がありました。「交わることのかなわぬ」が自然ではないでしょうか。「なにかを棄てないとなにかを得ることができない」という概念があり、ここがつよい軸となっています。
君といながらも別れや孤独を強く感じているさまがひしひしと伝わってきます。言葉のトーンが一首のなかでまとまっていて、「枯淡」なかなしみを醸し出しています。
>>[25]

冬枯れの川辺にひとり投げ捨てる要らなくなったダイアの指環

絵になりすぎているかなあという印象でした。「ひとり」も「投げ捨てる」も、「冬枯れの川辺」も、舞台が整い過ぎているところが物足りなかったです。
でも、「要」の字がすごく効いていると思います。自分が相手を「好き」という心情より前に、自分が相手にとって「必要か」ということを問い続けてきた主人公なのかもしれません。そこに個性と深いさびしみが感じられました。
「ダイア」は「ダイヤ」としたほうがいいのではないかなと思いますが、どうでしょうか。
>>[26]

木に石にパイルダーオン器なる法衣の枯骸微笑んで坐す

「パイルダーオン」って何だろう?まず検索せずに読んで、でも、一首として死や生・喜怒哀楽・山川草木…が入り交じった妙なる雰囲気があり、成り立っているしおもしろいと思います。漢字のインパクトや助詞の使い方を分かってつくっているからでしょう。「木や石、どこにでもパイルダーオンは視えないけれどいるよ」という歌意と、自らの骨のすきまを感じるような、涼しげな世界観を鑑賞しました。「器なる」とは、「パイルダーオン」が「器」として此の世にいる、という意味かな。
「微笑んで」は「微笑みて」として文語調に合わせてもいいと思います。
>>[30]

からまれば枯れるよりほか術のなき枝と知りても ねえ私たち

最後に語調が転換して、ぐっと自分の身に引き寄せるつくりが力強くも情があって、いい歌、と思わされます。K音でリズムがつくられているところ、「よりほか」「知りても」「ねえ」とくねらせるような韻律の生み出し方も魅力的です。
希望と悲しみをそのまま受け入れ、やや前方を見つめている姿勢に共感します。

なんとなく、素直に生きて素直に表現することは、いちばんストレートで強い方法だろうなということを思いました。想像をどこまで広げられるか、また、自分が自分に想像するということをどこまで許容するかという力のことを思います。
>>[32]

縁側に掛けて眺る枯山水 紅葉は舞いて闇に散りぬる

色の感覚をもとにこの歌なりの枯山水を組み立てようとしています。赤というもっとも激しい色が闇に吸い込まれるイメージが、余韻を引き出していますね。
「散りぬる」と連体形で終えることでその続きを読み手に想像させようとしたのかと思いますが、これはこれでいいのかとちょっと戸惑いました。
>>[33]

手習いの下塗り終へし油絵に天地の色と知る枯葉色

素直に読み下せる一首で、きれいにまとまっているなあという印象でした。「終へ」て、「天地」という〈はじまり〉の世界と出会う、それも「枯葉色」という、輪廻や死を感じさせる色。
「油絵」という選択もいいなと思います。
「手習いの」は謙遜とか挨拶的な意味でつけたのでしょうか。
>>[34]

枯れ方を覚えるまでは生きている引きずることはきっと終わらない


「きっと終わらない」の1文字多いだけなのに、まさに引きずっているような感じが音からも感じられます。
「きっと」に力がこもってもいて、執念のようなものを覚えました。
終わりたくないのか、きれいに枯れたいのか、自我の問題なのか、何かこだわりと理屈が伝わってきました。
理屈で終わっているような気もする。
>>[37]

かろき葉と生まれ来たよに立ち上がるプライド高きすれっ枯らしよ

葉っぱみたいに軽く扱われ、それを逆手にとって「立ち上がる」、立ち向かう。葉っぱが立ち上がる光景がおもしろいです。「立ち上がる」っていう感覚が、読んでいて音と一緒に立ち上がってきました。
下句で説明しすぎかなと思います。
口調に雰囲気がすごくあって、なんとなく主体像が浮かび上がってきます。そこがいいなと思いました。
>>[40]


さ迷えば枯れてもゆけないものだからずっとずっとずっとさ迷う


「さ迷う」=生きる、「枯れ」る=終わり、という観念がなんとなく感じられます。「枯れてもゆけないものだから」というひねくれ方あたりから感じさせているのか、観念をはっきり言い過ぎていないところが歌っぽくていいと思います。
生きていたいがために、追い立てられるように自分をさ迷わせているような不安定さは「ずっと」のくりかえしなどからも感じられます。
「迷う」という意思を歌っているところが、ひねくれていて切実で必死でいいなと思いました。
いい仰せている感じもあって、余韻は少ないという物足りなさも。
>>[44]

送信を押せないメール ツンドラのようにしぶとく冷えて枯れない

喩の極端さに惹かれました。「しぶとく」「冷えて」「枯れない」あたり、ぎりぎり意味がつながり合っているような危うさが、この歌の尺みたいなものを大きく広くしているのかもしれません。読むほうもぎりぎりまで手を広げて受け取ろうとし、自分の立ち方が危うくなり揺さぶられる、という効果が生まれるように思います。
上句の情況がありありと分かるような気にさせられます。
>>[45]

春風にひらく生命のあるものを瓦礫の下の枯れた唇

「唇」が生々しくてぎょっとしますね。でも、葉っぱの輪郭は唇に似ているし、「唇」とは「瓦礫の下の」声かもしれない、とも、すぐに納得させられます。
いったん自分を平らな・プレーンな状態にしないと、たとえば「唇」という言葉はここで出てこないような気がしました。
ぎょっとする分読む方は気持ちが揺さぶられ、「瓦礫の下の」言葉にならない〈こと〉を、より読んでいる現在の自分に引きつけて思うことができる。
春風、ひらく、唇、一首のなかで上手に意味や音、トーンをつなげて、全体的なたたずまいをつくっています。
「ひらく生命の」、「ある」と言ったのがよかったと思います。絶望と希望と絶望の歌。
「瓦礫」という言葉はドキッとするし、そこで少し思考停止に陥る感覚もありますね、今は。歌を受け取るほうはいつもぐらぐらしているのだということがよく分かりました。
お気に入り



空蟬の口無き秋の枯れ柳残る葉を読む罪という字に(月形半分子さん)

枯れ枝に花を咲かせる爺さんが不在なもので造花でごめん(薊さん)

木枯らしとのみ書きしるすこの星の上ではいつもどこか夕暮れ(nero.さん)

枯木立 アポリネールの二行目を空へ放ちつママはどこなの(ミサイルぶっかけご飯さん)

からまれば枯れるよりほか術のなき枝と知りても ねえ私たち(きくさん)

送信を押せないメール ツンドラのようにしぶとく冷えて枯れない(カニパンさん)

春風にひらく生命のあるものを瓦礫の下の枯れた唇(ふみまろさん)


>>[44]

一等賞は、カニパンさんです。

送信を押せないメール ツンドラのようにしぶとく冷えて枯れない



なぜ送信を押せなかったのか、、余韻がじわじわ効いてきました。
次のバトンをお願いします。

みなさまありがとうございました!
ワイワイしてください。
お気に入りのなかでも一等賞にしたいなと、迷ったのはこちらでした。



枯木立 アポリネールの二行目を空へ放ちつママはどこなの(ミサイルぶっかけご飯さん)

からまれば枯れるよりほか術のなき枝と知りても ねえ私たち(きくさん)

春風にひらく生命のあるものを瓦礫の下の枯れた唇(ふみまろさん)
>>[069]

選歌・講評お疲れ様でした。

>>カニパンさん、
最優秀おめでとうございました。
>>[69]
一等賞ありがとうございます!

この歌は自分の中で何だかよく分かってなくて
引っかかりだけが強くあってという、あまり無いパターンでした

とみいえさんに講評いただいた内容は自分の印象とぴったりで
上手く言えないけど、なんか伝わる感じというのは
短歌的であるのかなあと思ったりしました

今回お題の自分以外の歌では
よいうた沢山でしたが、きくさんの歌と付いたとみいえさんの評がとても心に響きました

ちょっと忙しいので次回の課題おくれるかもしれませんが
準備進めたいと思います。

今回も勉強させていただきました。ありがとうございました〜
>>[71]
コメントありがとうございました〜
>>とみいえひろこさん

講評・選歌お疲れ様でした。
とみいえさんの謎解きのような解説で浅い読みしかできず疑問に思っていた部分が解明されました。
また、私の歌をお気に入りに入れてくださって大変光栄です。ありがとうございました。

>>カニパンさん

最優秀おめでとうございます。
今の季節にふさわしい感じがしました。
ずいぶん朝夕冷えてきましたもんね、お風邪など召されませんように…次回楽しみにしております。
お疲れ様でした。いろいろとお教えいただきありがとうございます。

>>[68]


とみいえさんの、読む側はいつもぐらぐらしていることに気付かされるという言葉にただただやられてしまいました。
本当にそうだなぁと。こういうことをすらりと仰るとみいえさんがとても素敵でした。
講評、選歌本当にありがとうございました。
語りかけて下さるようなとみいえさんの文も嬉しかったです。

それと、お気に入りに加えていただけましたこと、嬉しくてたまりません。嬉しい〜ヽ(*´∀`)ノ

後でまたワイワイしにきますね!
>>[73]

一等賞おめでとうございます!!
下の七七がまさに
カニパン節でしたねーヽ(*´∀`)ノ



>>[72]

おお、すごい。理屈は置いておいて、とにかく形にしたのがよかったんですね。
>上手く言えないけど、なんか伝わる感じというのは
短歌的であるのかなあと思ったりしました

ほんとにそうですね。短歌的なことってけっこうころがっているんですね。
コメントを書いていて自分がこう感じているのかと思うことのほうが多いので、書くことは大事だなと思いました。
>>[77]

ありがとうございます。
こちらこそ、発言や作品にいつも刺激されております!

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