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短歌点コミュの短歌点1133△お題「栞」

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お世話になっております。

1128△お題「十五」にて、とみいえひろこさんよりバトンを受取りました、@貴です。

新年度となり、変わったこと、変わらないこと、皆さんそれぞれ多かれ少なかれ有りながら、お過ごしのことと思います。
私などは大きく生活が変わったので、慣れるまで、一日いちにちに栞をはさみながら慎重に生きている次第です。

そこで今回のお題は、「栞」とさせていただきます。
漢字・カタカナ・ひらがな表記のいずれかで、「栞」の意として詠み込みをお願いします。


 差しこめる夕日を今日の栞としきみの駅まであと二つほど(窪田政男『汀の時』より)


ぜひ、当トピックを皆さんの新しい生活の栞としていただけたら幸いです。



ルール

1:出題者が、お題を出します。
2:お題は、何でもありで面白そうなもの。
50題以前に出されたものであれば、既出のお題でもOKです。
3:トピック本文に「前回の出題者名」「前回のお題ワード」を明記してください。
(例:●●さんの「▲▲」というお題からバトンを受け取りました)
4:出題者じゃない人はお題を詠み込んだ短歌を書き込みます。(1人1首のみ)
5:一週間以後、出題者が(独断で)もっとも素晴らしいと思った短歌を1つ選び、その選出理由を書きこみます。
6:次のお題は、最優秀短歌をつくった人が出すことになります。
(新トピックの番号は「自分が選ばれたトピック番号+5」)
7:その後は、みんなでワイワイ感想をかわします。

※2012年4月17日一部改定
(基本ルールに「特定の単語・文字列を指定してください。」を加筆。管理人:ツトム)
※2022年3月9日一部改定
( ルールの3番として以下加筆。「トピック本文に『前回の出題者名』『前回のお題ワード』を明記してください(例:●●さんの『▲▲』というお題からバトンを受け取りました)」。3番を4番に移動し、以下同じく番号を移動。管理人:とみいえひろこ)

コメント(40)

栞紐もちあげる指先にとまる感情…に満たない浮遊感
栞後の本の薄さと人生を重ねる「だが」と異議を入れつつ
色褪せし栞の頁に青馬の画より逃げゆく短歌に見えき

※短歌=うた、見え=まみえ
みまかりし祖母の蔵書の白秋に栞代わりの硬券ありぬ
履歴書をかばんにしまう落ちてきた桜のしおりそのままにして
限りなく恋人だった友だちの活字にならず栞だといい
栞紐じゃれつく猫の温かさアンネ・フランクと息をひそめつ
もし生まれ変われるのなら栞へとなりたい
言葉に眠っていたい
舞い込んではたりと閉じて花栞見上げれば蒼もう春暮るる
こしかたのページをめくり止まるのは栞の頁 きみがきえた日
あとがきをひらけばそこにいる栞みたいな互いを選んだ春の
これは何の栞?突然現れたほくろを撫でて体温を足す
ここまでのご投稿ありがとうございます。
本トピックですが、5月6日(月)いっぱいで締め切りたいと思います。
新規・推敲・差替え等よろしくお願いいたします。
【リマインド】お題「栞」は本日の〆です。
新規・推敲・差替え等まだまだお待ちしてます。
あと半日ほどですが、よろしくお願いいたします。
なかなか時間がとれず遅れてすみません。
締め切ります。選歌まで今しばらくお待ちください。
お待たせしておりすみません。
仕事や所用(+遅筆と読解力のなさ)で、まだすべての歌評の下書きを終えたわけではありませんが、少しずつ順に投下していこうと思います。
久々なのでいつも以上に拙い感想となりますが、甘受いただければ幸いです。
>>[2]

栞紐もちあげる指先にとまる感情…に満たない浮遊感

本の続きを読むために、挟んでいた栞紐を持ち上げる一瞬の心の微妙な動き。「感情」と呼ぶには輪郭のはっきりしない、ふわふわと地に足の付かない感覚というか、活字の海へとダイブする前の、通過儀礼的な何か。そこに焦点を当てた歌と解しました。着眼点がニッチで、連続する句またがりも気にならず、一息に読めます。また、三点リーダの効力か、「…」以下に続く言葉の付け足し感が、凪に近しい本当に微細な心の揺れみたいなものを、うまく掬い取っています。まだ何ものでもない生まれたての現象に名前を与えてあげているような、新たな世界を垣間見た心地の歌です。
>>[3]

栞後の本の薄さと人生を重ねる「だが」と異議を入れつつ

栞を挟んで閉じた後の本の薄さに、ある時ハッとする。思うところがあるのでしょう。「薄さ」は頁の薄さというより内容の薄さを指すのか、これまで歩んできた人生と重ねてしまう自分がいる。一方で、そんなことはないと言い聞かせる自分もいる。そうした認知バイアス(錯誤相関)は往々にしてあるもので、それから逃れようとする葛藤も含め、どこか人間味を感じます。非合理的な思い込みに陥る上句に対して、下句は「だが」「異議」など変にロジカルに見せている強がりにも思え、その落差にも興があります。結句「つつ」の言いさしに哀感を伴う含意があって、その強がりの裏にある悟りを滲ませているあたり、読み手のなかにいつまでも広がる波紋として残りました。
>>[6]

色褪せし栞の頁に青馬の画より逃げゆく短歌に見えき
※短歌=うた、見え=まみえ

歌の核に据えられた「青馬」が印象的で、シャガールの画をイメージしました。「色褪せし」「見えき」という言い回しから、「昔日に心に留めて栞を挟んだまま仕舞っていた頁を、時が過ぎた今また開いて、初めて出逢った時の新鮮な気持でその歌と対峙している」作中主体の姿が思われます。「青馬の画より逃げゆく」が難しいですが、たとえば古代中国の五行説よろしく、青は霊的な象徴性があって春の到来を表し、馬は陰陽の「陽」に属する獣であるという補足情報を踏まえると、往年の若々しく色鮮やかな日々を懐古する歌のように、文脈から読み取れました。

※追記
あらためて調べてみたところ、紺野万里という歌人の以下の歌に辿り着きました。
「あはあはと光を運ぶ春の雪 青馬ひとつ画より逃げゆく」
生まれや境遇から「原発」や「光」というものを主題にされる歌人とのことで、当該歌を下敷きにされた背景に触れるとまた、存在と時間の経過にペーソスを感じた掲出歌の味わいもひとしおでした。
>>[10]

みまかりし祖母の蔵書の白秋に栞代わりの硬券ありぬ

亡くなった祖母の遺品整理の場面でしょうか。蔵書のなかに北原白秋の詩集もしくは歌集があって、そこに硬券が挟まれていた。「硬券」は、硬い厚紙で作られ、戦前から鉄道利用者に長年親しまれてきた乗車券のこと。祖母がたしかに生きた長い歴史をここに感じるとともに、それを栞の代わりとして使い続けてきただろうところに、少し横着な祖母の茶目っ気のある性格まで表れているように思いました。孫である作中主体が生前の祖母の姿を感じるには十分すぎる、とても貴重で素敵な品であったことは言うに及ばないでしょう。また、老年期を表す「白秋」という語が歌に穏やかさと品を与えていて、文語の格調高さも相まって、実感の伴う説得力がひしと伝わる歌でした。
>>[12]

履歴書をかばんにしまう落ちてきた桜のしおりそのままにして

作中主体は就職(転職)活動中なのでしょうか。まさに今これから面接試験を受けに行く直前の最終確認で、履歴書をかばんから出し、仕舞う。その刹那に舞い落ちてきた桜の花びらを振り払うでもなく、そのままにして。そんな情景を思い浮かべました。人生のターニングポイントである就職(転職)の場面では、替えが利かないからこそ、その一瞬一瞬を正しく整理し、受入れられる心が必要なのではないでしょうか。舞い落ちてきた桜の花びらが偶然だとしても、それを「しおり」として次のステップへの人生の記録とする心が、素敵に思いました。作為的でも小難しいテクニックを使うでもない、平明に素直な詠み口が歌意に合っている、と感じた歌です。
>>[13]

限りなく恋人だった友だちの活字にならず栞だといい

そういう関係をよく「友達以上恋人未満」と呼びますが、「恋人“のよう”だった」ではなく断定しているところから見ると、もしかしたらそれよりもう少し進んだ関係だったのかもしれません。下句は、そんな「友だち」が「活字にならず栞(のような存在)だといい」という願望と受取りました。何となくのニュアンスですが、「言葉ではなく心で繋がる関係性の希求」を云いたかった歌なのではないかな、と。活字になる=説明的な関係性は無粋であり、心に留めておきたい頁へいつでもすぐ繰ることができる栞のような関係性こそ至高、といいますか。はっきり「恋人」とは呼びきれない不安定な間柄だからこその“揺れ”に物語性があり、それゆえの希求に切なさもあり、また、「栞」というアイテムに象徴性を持たせたところに詩情を感じました。
>>[15]

栞紐じゃれつく猫の温かさアンネ・フランクと息をひそめつ

「アンネ・フランク」と言えば、『アンネの日記』の著者として知られていますね。弱冠15歳でナチスによるホロコーストの犠牲となるまで、隠れ家生活のなかで密かにしたためた日記。いつ見つかって強制収容されるか分からない恐怖と隣り合せの状況で、まさに「息をひそめ」ながら綴られただろう言葉の、リアルで生々しい息づかい。それを読む作中主体も自然と「息をひそめ」てしまう。片や、じゃれつく猫の温かさを感じながら。片や、日中のあらゆる生活音を押し殺し常に外界に怯えながら。まるで時代も環境も違うふたりが、四句目の「と」一字で繋がり、同じ「息をひそめ」る所作で景が重なり合うのが、巧みな描かれ方です。それにより、日常と非常は紙一重であること、日本も今や例外ではないことを、昨今の世界情勢も鑑みながら、深く考えさせられる歌でした。

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