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短歌点コミュの短歌点1125△お題「短歌」

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クンタ・キンテさん「倒置法」からバトンをつなぎます。

お題は「短歌」です。短歌の文字列を短歌に詠み込んでください。

ーーー

ふりかえるために詩にする ふりかえる景色はすこしとけてきらめく

ーーー


ルール

1:出題者が、お題を出します。
2:お題は、何でもありで面白そうなもの。ただし、直近で既出のお題を避けてください。
3:トピック本文に「前回の出題者名」「前回のお題ワード」を明記してください(例:●●さんの「▲▲」というお題からバトンを受け取りました)。
4:出題者じゃない人はお題を詠み込んだ短歌を書き込みます。(1人1首のみ)
5:一週間以後、出題者が(独断で)もっとも素晴らしいと思った短歌を1つ選び、その選出理由を書きこみます。
6:次のお題は、最優秀短歌をつくった人が出すことになります。
 (新トピックの番号は「自分が選ばれたトピック番号+5」)
7:その後は、みんなでワイワイ感想をかわします。

※2012年4月17日一部改定(基本ルールに「特定の単語・文字列を指定してください。」を加筆。   管理人:ツトム)
※2022年3月9日一部改定( ルールの3番として以下加筆。「トピック本文に『前回の出題者名』『前回のお題ワード』を明記してください(例:●●さんの『▲▲』というお題からバトンを受け取りました)」。3番を4番に移動し、以下同じく番号を移動。  管理人:とみいえひろこ)
※2023年6月9日一部改定( ルール2番、「50題以前に出されたものであれば、既出のお題でもOKです。」→「ただし、直近で既出のお題を避けてください。」に変更。  管理人:とみいえひろこ)

コメント(62)

韻文は遣らずの雨に還るからあなたの好きな短歌ください
劇的に生きるも死ぬも無さそうで短歌は今日も詠めそうにない
考えがあって
言葉があって
そして短歌はきっといつまでも先
二度とない瞬間を抱きしめたくてリボンみたいな短歌を結ぶ
本棚の森の奥へと消えてゆく子鹿みたいな短歌のせなか
まだ誰も知らない短歌をポケットに忍ばせてふふんふふんと歩く
10日までは9日いっぱいであってるかな、、🤔
とりあえずのこり2〜3時間ですが、よろしくお願いします!
締め切ります!読みやすかったものと、まだうまく読み開けないものがあるので感想は順不同です。
>>[26]

考えがあって
言葉があって
そして短歌はきっといつまでも先


三段書きはつまり三段落ちを表現すると思うのですが、考えと言葉の距離は近いけど、それが短歌になってくれるには惑星の隔たりのように距離がある、ということを簡潔に視覚的にも表現しています。
もしかしたら距離だけでなく、考え言葉短歌の順序は読み手によっては、どんどん輪郭や手触りをえていくとか、どんどん重くなっていくとかいろんな感覚を想起させそうです。
三段書きにするなら個人的には
考え
言葉
短歌
を揃えたくてちょっとむずむずしてしまいました。
>>[2]

てやんでぇすっとこどっこいべらぼうめ短歌のお題に啖呵を書いた


コアランさんの短歌はいつも結構好きなのですが、今回は「そうですね」で終わってしまう、事実を並べた内容なのでもう一捻り読み手へ読み開きの余地を与えて欲しいと感じました。
掛け言葉の中にも何か心情やストーリーが見えてくる言葉や一旦読み手のターンにする工夫があれば、読み手も置いてけぼりにならなくてお歌に入り込むことができそうです。
>>[12]

済んだ日を短歌に詠んだ方の負け傷には傷としての痛みを


このお歌ももう一回転欲しいと、いつもの蜜柑さんのお歌を見ているので欲が出てしまいます。言いたいことがシンプルすぎるかなと感じてしまいました。
差し出がましいかもですが、済んだ日でなく「澄んだ日」にしたいかも、となんとなく思っちゃいました。
>>[20]

君に詠んだ短歌を川に捨てたよいつか涙に戻る夜まで


「川」に捨てて「戻」る=「涙」になる、という漢字の言葉遊びだと読み取りました。
失恋や訣別のお歌の割にはハイライトに感じられる盛り上がりはないのですが、なんか逆にそれが雰囲気を醸して良いかも、、ちょっと既視感は否めないですが、好感の持てる読み口です。
>>[18]

いくつかの短歌を読み流しながら待っている開かない窓のなか


韻律を崩した形なので、一気に読むのが良いのかもしれない。韻律を崩す歌は少し苦手だったりするのですが、この歌に限っては語呂の悪さがこの歌の意図と空気に合ってるのかもしれません。
お歌の空気感は全体的に不穏。曇り空の鈍い空気の部屋で何かをぼんやりと待ち焦がれている感覚が伝わります。

>>[5]

短歌誌を燃したのなんか分かるかも審美の纏う醜さを見て


歌意はうまく掬い取れないのですが、それこそ「なんかわかるかも」なお歌です。短歌誌の講評や投稿歌そのもののせいで言葉のきらめきに作られた光が見えてしまったというか、作為のようなあざとさを感じてしまったのでしょうか。
言葉選びとか口語調とそうでないブレ具合とか全体感がしっくりくるのは、言葉のディティールの良し悪しを無意識に判断できるくらい言葉と仲良しであるから自然にリズムの良いお歌が生まれるのだろうなと思いました。
>>[29]

二度とない瞬間を抱きしめたくてリボンみたいな短歌を結ぶ


推敲前の「ケーキ」と「なめらか」が肝だったかなと思ったので、個人的にすみません推敲前をめちゃ推してました><
でもこのお歌もその先入観なしに読めば良いお歌だなと感じます。わかりやすくて、女性ならではの感性で想像を形而下に落とす表現になっています。短歌を詠むをリボンを結うという喩え、ありそうでなかったかも。些末な生活も晴れやかにしてあげるような、心の持ちようでありふれた日も特別になるような、優しさや愛に満ちたお歌です。
>>[30]

本棚の森の奥へと消えてゆく子鹿みたいな短歌のせなか


言葉選びの唯一性が光るお歌です。仔鹿は生まれたての頼りない姿でも自分の足で立ち走る。出来立ての短歌を子鹿に例えて、言葉を従えて立派になってまた手元に帰ってくることを願う作者。
本棚の森は実際の書斎かもしれないし、自分の頭の中でもどっちでもしっくりきます。
やや突飛に映る仔鹿の背中の喩えも、背中のまだらが原稿用紙が散らばったような、ちょうど575のマスを載せてるようなイメージがあってなんとなくわかる。
>>[25]

劇的に生きるも死ぬも無さそうで短歌は今日も詠めそうにない


「ドラマみたいな人生」と言い喩えるように、劇的な変化もないつまらない日常を送る自分には詩が降りてこないと、自虐のような言い訳のような気持ちを呟いたお歌。
短歌はむしろ日常で取りこぼす光や温度や機微を受け止めるような感覚で、短歌は淡々と流れる日々に少しだけ抗うような、少しだけ永遠にしてみるような行為だと感じているので、自分の思う短歌というモチーフからはちょっとしっくりこない印象でした。
>>[21]

マッチングアプリの趣味の二つ目に〈その他/短歌〉と書いた。出会えた。


短歌、最近はニュー短歌ブームというか、若い歌人のカジュアルなお歌が人気だったりで市民権を得た趣味になってきてるなと感じます。
それでもやっぱりマッチングアプリに書くほどの趣味には遠いかなと思う「短歌」(だからカテゴリがなく「その他」になってしまう)アプリでは肩身がせまい趣味を主張して出会えた二人。出会えた、の後に素敵なドラマがありますように。
>>[32]

まだ誰も知らない短歌をポケットに忍ばせてふふんふふんと歩く


誰も知らない歌は主体に会心の歌ができたことと読みました。ちょっと神がかった歌を詠めた時のご機嫌具合が見事に表現されています。すべての言葉選びに外れがなくかつ共感性が高い。「ふふんふふんと歩く」の画も思い浮かぶ。
それを無理なく三十一文字に収める短歌の地力もお持ちで、「短歌をポケットに忍ばせる」という比喩も、さらっと言葉にしてるのに秀逸。
>>[31]

白黒のラブロマンスを地上波でたしなむごとく短歌をよめり

地上波で嗜む、が表現の肝になっています。
まだ上手く読み開けてないのですが、昔の映画を白昼の放送で観てるのは場違い、時代違いのことの喩えでしょうか。今は短歌はブームで若い層にも市民権を得てますが、短歌を詠んでいることは高尚ですこし年齢の高い趣味かなと感じてしまうイメージです。日常をドラマにするなら、現在では携帯のカメラで撮ったりSNSでつぶやいたりが一般的。そうでなく日々を短歌で残すことは、ちょっと古めかしい硬派な愛を宣うくらいがちょうどいいのかも。
>>[11]

短歌とう柔らかな和紙心象の水に浮かべて写る風景

歌意がわからずですが良い雰囲気をまとっていると感じました。
これは実際に筆をとって歌をしたためてる情景ととりました。水占いのように和紙の詩の文字から立ち上がってくる風景。歌全体の空気に統一感があって、漢字が多いのにやわらかい印象を持ちました。
>>[24]

韻文は遣らずの雨に還るからあなたの好きな短歌ください


こちらもしっかり歌意を読み取れずですみません。
晴れやかなのか思いなのか、すがるような思いなのかで歌の雰囲気が変わってしまうなと思いつつ、前者のポジティブな空気感で受け取りました。
575のリズムがあなたを引き留める雨に消えてしまうけど、代わりにあなたの言葉として好きな短歌を教えてほしいということかなあ。短歌を詠んでくださいでなく、教えてくださいと読みましたが、好きな空気感を持った歌なのでもっと理解したかったなあ、、
14首、素敵なお歌をありがとうございました!
最優秀の前に、特に好きだった3つを挙げさせていただきます。


りなさん

二度とない瞬間を抱きしめたくてリボンみたいな短歌を結ぶ


りりる♪さん

本棚の森の奥へと消えてゆく子鹿みたいな短歌のせなか


小竹陽さん

まだ誰も知らない短歌をポケットに忍ばせてふふんふふんと歩く
バトンをお渡しする最優秀は、

---

二度とない瞬間を抱きしめたくてリボンみたいな短歌を結ぶ

---

人生、生活、すべての一分一秒は二度とない瞬間。
短歌を詠むことへの喩えのなかに、人生の不可逆性への気づきも示唆する。そしてそれを愛を込めて詩にする。
りなさんらしさもある晴れやかな温かみのあるのお歌でした。バトン、受け取ってください拍手
そして次点は本当に僅差で、

小竹陽さん の

まだ誰も知らない短歌をポケットに忍ばせてふふんふふんと歩く

を選びます!
こちらも晴れやかなお歌をありがとうございました晴れ
>>[51]

わー!!
「短歌」というわたしにとって難しいお題で、まさか最優秀をいただけるとは…恐縮です、ありがとうございます。
しかもしかも、最初に投稿していた短歌まで推してもらってたなんて…!嬉しすぎます(T_T)
幼いころに色々なリボンを集めて大切にしていたように、ひとつひとつかけがえのない短歌を詠んでいけたらなぁ…と思います。
バトンありがたく受け取ります。


お気に入りだったお歌です。
・小竹陽さん…ふふんふふん、がかわいい。このるんるんしちゃう気持ちわかるなあ、と思いました。短歌とポケットも相性いいなぁと感じました。
・@貴さん…わたしも上手く読み込めてはないのですが、好きでした。
>>[53]へ

講評と選歌、お疲れ様でした。おこげさんのぶれない視点に好感が持てました!

りなさん、最優秀おめでとう御座います。僕も一番お気に入りでした!リボンのように結ばれた短歌はしあわせだと思います。僕もそんなふうに繊細な向き合い方を心がけていこうと、改めて思いました。

あと、拙歌を次点にしていただきありがとうございます。勿体無いくらいの講評をいただいて嬉しかったです!…よく仕事中にふふんふふんと歩いています。。

他のお気に入りは、りりる♪さんの子鹿でした。
>>[37]
講評と選歌、お疲れ様でした。
私のトピックを停滞させていましたので、先におこげさんのトピックが進んでいて気持ちが救われてました。
そして相変わらずの的確な歌評は見習いたい気持ちです。

私の投稿歌への歌評もありがとうございました。
まさに見透かされた講評で、実は上句はまだなんとかしたい気持ちでいましたが、間に合わずでした。
澄んだ日、確かに!
もう少しあたためて推敲したいと思います。

>りなさん
最優秀おめでとうございます。
まさにりなさん!という投稿歌でした。
「短歌」は難しくて、自然な感じにどう詠み込むか悩みました。
そういう意味でもりなさんの短歌はよかったなぁと感じました。

そのほかのお気に入りは、ナカノさん、クンタさん、小竹陽さん、ぼんぼりさん、でした。
>>[51]
ご講評・選歌お疲れさまでした!
おこげさんのご講評は投稿歌に丁寧に向き合いながら読み解かれているように感じて、改めて投稿歌を深く味わうことができました。
また、拙歌にも丁寧なご講評いただきありがとうございました。

お気に入りは、りなさん、りりる♪さん、小竹陽さんでした。
>>[29]
最優秀おめでとうございます!

二度とない瞬間を抱きしめたくてリボンみたいな短歌を結ぶ

私もこの歌には引き込まれました。
「二度とない瞬間を抱きしめたくて」確かに短歌に詠みたいと感じる今この瞬間は二度とはありません。このみずみずしい感性を短歌に表現することを
「リボンみたいな短歌を結ぶ」と表現された斬新さ・新鮮さに魅了されました。
おこげさん
ご講評と選歌お疲れさまでした。

読み解きにくい歌の提出をしてお手間をお掛けし、すみませんでしたあせあせ
その中でもわりと好意的に読んでいただき、ありがとうございます。

もっと腰を据えてしっかりとコメントしたいところですが、まとまった時間がとれず簡易的で申し訳ありませんが、まずはご挨拶まで。
後日またわいがやに参加させていただきます。
あらためまして
おこげさん、ご講評と選歌お疲れさまでした。

講評する側になってみて思うのが、「歌に寄り添う」「作者/作中主体を推し量る」一方で、「イエスマンにはならない」・・・それらの割合が案外難しいんだな、ということです。
今回のおこげさんの評は、歌や作者/作中主体に寄り添いつつも、疑問に思ったり物足りなく思ったりする箇所を、忌憚なく仰る。そうした評展開は角が立っちゃったりして中々難しいものですが、さくさくっとアサーティブに進められて、とても勉強になりました。
言葉運びやニュアンスはもちろんですが、お人柄や持ち前の詩眼がなせる業なんでしょうね。

拙歌への評、ありがとうございました。
そしてあらためて、難解な歌で読みに困らせてしまってすみませんでした。


りなさん
最優秀おめでとうございます。

■二度とない瞬間を抱きしめたくてリボンみたいな短歌を結ぶ

短歌は、瞬間を切り取るのに最も優れた文芸のひとつだと思います。

感動したとき。驚いたとき。発見したとき。etc...
「二度とない」出来事との邂逅。だからこそ抱きしめたい。
歌にすることで、「瞬間」は作中主体の中に永遠に生き続けるのでしょう。
そしてその永遠は、読者にもやがて波及してゆく。

打算と作為が見え隠れするどの歌よりも、瞬間を切り取った歌は(感性由来だから)美しいのかもしれません。
そうした「短歌」にリボンを結んであげて、吾子のように愛おしむ眼差しが感じられます。
「結ぶ」は、リボンと結句のダブルミーニングになっていて、小洒落ていて巧いなと思いました。
「リボンみたいな短歌」・・・イイ表現ですよね。こういう、作者の大切な想いが乗った短歌を、いつか自分も詠んでみたいな、と思わせられます。


お気に入りは後ほど。
>>[54]

今更気づいて後からコメント失礼します。
お気に入りありがとうございましたクローバー
以下お気に入りです。(図らずも、おこげさんの選と全く同じになりました)

■二度とない瞬間を抱きしめたくてリボンみたいな短歌を結ぶ(りなさん)

感想は前述のとおりですが、
この歌の親しみやすさの正体って何だろうと考えたときに、「二度とない瞬間」の解釈の自由性が、ひとつ要因として挙げられるんじゃないかと思いました。

たとえば、ちょうど今の時季だと「卒業」など人生の節目となるイベントが頭を過ぎりますが、何か特別な出来事でなくても、仕事に、恋愛に、生活に、おのおのの・そのひとにとっての何でもない一瞬一瞬が、抱きしめたいほど愛おしい存在になり得るものなのかもしれません。
(少なくとも作中主体はそう感じているだろうし、皆ももっと自分のこと愛してあげてほしいと思っているんじゃいかなってマインドが、ひしひしと伝わってくる。ある種の人生賛歌)

コブクロも歌の中で言ってました、「何気ない瞬間を今日からはかけがえのない瞬間に」と。
コブクロつながりでもうひとつ言うと、「100万枚撮りのフィルムでも撮りきれない程の想い出のひと欠片をありふれた今日の何処かに見つけだそう」ですよ。

そうした “純度の高い想い” を「短歌」に永久保存する、大切にたいせつにリボンで結ぶ(正確には「リボンみたいな短歌を結ぶ」)、という表現が心に沁みました。

余談ですが、以前「度」のお題でお気に入りに挙げた、おこげさんの

 初句だけが迷子の歌を作り置き、何度も月が満ち欠けている

という歌とのつながりを少し思いました。
日々の何気なくも「二度とない瞬間」とは、ふと思い浮かんだフレーズや表現のアイデアのように、一期一会なものなんだなあと。

■本棚の森の奥へと消えてゆく子鹿みたいな短歌のせなか(りりる♪さん)

「短歌」を詠み込んだ短歌と出逢うことがそもそもそんなにないのですが、それでも今までの短歌人生で、「短歌」を「子鹿」に見立てた短歌を読んだのははじめてです。

「本棚」とあるので、名も知れぬ歌集の一ページにひっそりと佇む、名も知れぬ一行の短歌の姿が思われます。
そのイメージの連関がぎりぎりのところで破綻していないと言いますか、一行の「短歌」の姿と一頭の「子鹿」の姿、まず間違いなく言えるのは “付きすぎ” のイメージではないですよね。では “離れすぎ” ているのかと言えば、おこげさんも歌評の中で仰っていたように、「生まれたての頼りない姿でも自分の足で立ち走る」というイメージの共通項が奥深いところにあって、ホントぎりぎりのところで絶妙に両者はつながっているんですよ。

そこに至るには、一度「短歌」という対象を分解して、そのものの持つ様々なコードの中からひとつ選り出し、そこから発想を別の何かに飛ばし、結びつけ、そして歌として再構築するという工程が必要になる筈。
ともかく、「短歌」というお題から「子鹿」に辿り着いたその発想が、もうすでに秀歌のにおいを発しているわけです。

「子鹿」という喩に「森」という喩を合わせてくるあたりなんかも(こういうの「寓喩」って言うんですかね)、凝っていて良いなあと思いました。

■まだ誰も知らない短歌をポケットに忍ばせてふふんふふんと歩く(小竹陽さん)

これはまた面白くも可愛い、そして同じ歌詠みとして「あるある」と思わず頷きたくなる、楽しくなる読み口の歌です。

(これはイイのが出来たんじゃないか・・・!)っていう歌やその種となる発想が、日常のなかで急に降りてくることって皆さんあると思うんですが、備忘録にと持ち歩いている手帖やスマホに記録しておくのは、自分にも覚えのあることです。
まるでものすごい大発見をしたような、「いま、世界でただひとり、自分だけが辿り着いた真実」を隠し持っているような、そんな高揚感。
それが、「まだ誰も知らない」「忍ばせて」「ふふんふふんと」あたりから、充分伝わってきます。

何て言うんだろう、
世に解き放たれるのを今か今かと待ち望んでいる短歌の動的なポテンシャルと、今のあいだはまだポケットに忍ばせている作中主体の対比、その結果としての「ふふんふふん」の誇らかさが目に見えるようで、やっぱり自分の作品って吾子のような愛らしさがあるものなんだなと、微笑ましくなりました。
今後、「まだ誰も知らない短歌」を思いついたときには、この歌のことを思い出して、ひとりでニヤリと笑うような気がします。

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