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NPM(新公共管理)コミュのNPMの最後の切り札が、公会計の改革です

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1990年代初頭から現在の日本と同じように財政赤字の拡大に悩んできた欧米ではNPMの理論を行政・財政に導入することで行政の効率化及び財政の健全化に努めた結果、日本との差を際立たせているといわれています。

このNPMの最後の切り札とされているのが、公会計の改革と政策評価の導入です。

何故、公会計改革が必要かと申しますと第一に市民の皆さんに私たちの税金がどのように使われているのか、コストはどうなっているか、わかりづらいというのが一番の問題ではないかと考えます。

公会計の改革は何の為にするのか、まさにこれらの説明責任をしっかりと果たす為のツールとして使っていくべきではないかと思います。

第二に行政から、必要に応じた公共サービスを的確に出せるようにする為です。
地域のニーズに対して有効に機能する区を作っていくのが目的です。其の為にはどういう財務会計制度が必要かという観点が重要だと思います。

第三に経営改革に予定される民間委託・指定管理者制度には収入と費用が企業会計原則に基づいて開示される事が前提となると考えます。

現行公会計制度の問題点について、最初に分かり易い事例をお話します。

例えば、3億円で建設した市民ホールの運営に関して、毎年2000万円の維持コストに対し、3000万円の利用収入があったとします。

現行公会計の現金主義に基づいた場合、初年度は建設費の支払いがあるので赤字になりますが、その後は毎年1000万ずつ利益が上がっているように見えます。

しかしこれは市民ホールの収益性を正しく表しているとは言えません。
仮に施設の寿命を20年と仮定すると2億円しか収益が上がらない為、建設費3億円の元は取れていないからです。

では企業会計の発生主義に基づいて、市民ホールを固定資産計上した場合どうなるでしょうか?
発生主義では、減価償却費を損益計算書上で費用と認識する必要があります。

償却年数を20年と想定すると、毎年1500万円の減価償却費が発生する為、事業の収支は毎年500万円の赤字ということが明らかになります。

この様に発生主義を適用すると事業の収益性がより正確に把握できる為、公共投資の抑制や行政運営の効率向上を促すメリットがあります。

公会計制度の主要な問題点は次の3点と言われています。

?財政状況に関する網羅的・体系的なフロー・ストック情報が欠如しているという事です。

予算を前提としたフロー(現金収支)の状況は把握できても公会計と一体化したストック(資産・負債)の把握を行うシステムとはなっていません。

資産を取得する段階までは、歳出項目によって把握できても取得以降の資産は台帳など別の管理体系に委ねられ、会計情報として一貫して管理するシステムとはなっていないということです。

?政策・施策・及び事務事業ごとのコスト情報が欠如している事です。

例えば施設を建設するまでの経費と維持管理、さらには更新投資に必要になる経費がそれぞれ分断され建設から廃棄にいたるまでの一貫した事業の必要コストを測定する機能を持っていません。

この為、施策・事務事業を立ち上げる際にはその施策等に必要となる一部のコストのみを把握し、其の比較において実施の適否や予算配分が決定されないか。

個別事業に関して、スタートから終了に到るまでのライフサイクルコストを把握できる公会計制度にする事で政策優先順位の判断に必要となる財政情報が可能になるのではないかという点です。

?決算と予算の関連性が欠如していることです。

区の行政は財政面から予算に統制されている事から決算の役割として、予算統制が的確に機能したかどうか、合規制に関する情報を提供することが最重要と考えられています。

歳入・歳出決算は歳入・歳出予算の執行実績を表示したものであり、行政サービスの提供について効率性、有効性から評価するのに有用な財務情報は含まれていません。

この結果、予算執行による会計処理は歳入・歳出決算の作成をもって終了し、剰余金が生じた場合には翌年度の歳入に繰り入れられたり、各種基金などに繰り入れられたりするだけで決算が翌々年度の予算編成に直接反映される仕組みになっていないのではないかという点です。

次に公会計制度の改革の手法についてです。

?会計処理に発生主義・複式簿記を導入すべきではないかということです。

公会計が利益の獲得を目的としないため発生主義に基づく損益計算は不要とされ、公会計においては、現金の流出入を測定する現金主義が採用されてきたところです。

現金主義の長所は社会資本形成の資本的支出や社会保障給付といった移転支出も把握しえる公共政策上の意思決定に、有用な情報提供が可能です。

しかし、現金主義会計の場合その測定である現金は貸借対照表に計上されるストックの一項目の為、その他のストック(固定資産・長期負債)に関する情報が不足し、その結果財政運営が将来に及ぼす影響や将来負担を把握できないという問題が生じます。

公会計においても発生主義会計が必要とされる由縁です。また複式簿記が導入されるとフロー情報とストック情報がリンクして処理される事から、決算の早期作成が可能となり、企業会計並みに年度末経過後3ケ月以内に区議会へ提出することが理論上可能になります。

これにより、決算に開示される自治体の行政活動の実績及び財政状態を決算対象年度の翌々年度の概算要求及び予算編成に反映する事が可能になるのではと考えます。

?政策別の予算・決算制度を導入すべきではないかということです。

区の内部にセグメント会計・事業部制を導入し事業ごとにあるいは複数の事業が束ねられた施策単位の会計管理とすべきと考えます。

各事業部に権限を可能な限り委譲しその担当業務に関する計画を作成します。
其の上で計画に基づく予算配分と評価を実施します。

予算が配分された時点では、各事業部の負債に計上し、受け取った現金は資産に計上します。

仕事の進捗に合わせ、実際に行政サービスに消費したコストを提供した度合いに応じ、負債から当該事業部の収益に転記します。
この際、行政サービスに消費したコストを基準に収益へと転記するのではなく、当初の計画で意図した行政サービスの水準をどの程度充足したかに応じて負債から収益に転記を行います。

この為、計画終了時において、予定した行政サービスを充足していない場合には、実際の予算額すなわち予算配分によって資産に計上した現金を消費していたとしても、充足されていない行政サービスが存在するため事業部としての貸借対照表には負債が残る結果となります。

これに対し予算額を残しつつも計画の目標水準を達成している場合、負債は全て収益に転記されるものの、予算配分で受け取った現金は事業部の手元に残る結果となります。

すなわち、計画で予定された効率性を上回る質で行政サービスを提供すれば、事業部として現金等の資産が積み立てられ、事業部内の裁量で他の施策等に活用できる原資とする事が可能になります。

また事業部制を本格的に導入した場合には、総務・財務などの間接部門の経費も、各事業部に原価配分されることになります。
この為、例えば本庁舎内で仕事をする部局に対しては、本庁舎の建設コスト、維持・管理コストなども原価配分される事になり、これまで認識できなかったコストが認識され、区職員のコスト意識にも結びつくことになると考えられます。

?発生主義予算・(資源会計・予算)を導入すべきはないかということです。

発生主義予算の一種である資源会計・予算では、現金支出を伴う歳出に加え、現金支出を伴わない資本費用が運営コストとして計上されます。

資本費用とは
1.固定資産保有に係る機会費用(他に投資していれば得られたであろう利益・利息で一律何%と設定されます)

2.固定資産にかかる減価償却費です。
資源会計・予算では決算で得られる財務情報が予算の編成・配分にリンクされている為、有効に活用されていない固定資産の売却処分が促進されます。

固定資産の新規取得に当たってはライフサイクルコストを考慮した検討が行われます。
(群馬県太田市でも土地を別の用途に使った場合に得られる収入を「機会コスト」として計上したという新聞記事がありました)

コメント(3)

かつて産炭地として栄え、メロンの産地や映画「幸福の黄色いハンカチ」のロケ地として有名な北海道夕張市の財政が破綻しました。
私も岩見沢市に住んだ学生時代に毎月のように通った思い出の地です。

破綻しますと財政再建団体として国の管理下で立て直しを図ります。
民間企業でいえば、会社更生法の適用を受けることと同じです。
区市町村が再建団体になれば国の主導で大胆な歳出入改革を迫られます。
国の基準を上回る行政サービスは全て削減対象になり、区営住宅の家賃や全ての区の手数料、使用料も軒並み上がります。
そして徴税強化となります。
再建団体になるとそれまでのツケが住民に一挙にのしかかります。

夕張市の一般会計予算は110億円ほどです。
これに対し負債額は金融機関からの短期借入金が288億円、市債などの長期借入金が262億円、何年か先に支出すると約束した額(債務負担行為)82億円を含め632億円に上りました。

自治体の会計制度は借金で得たお金も収入に含む現金主義を取っている為、様々な方法で隠れ借金をする事が可能です。
夕張市は長年にわたり一般会計と特別会計の間で資金を貸し借りし、こうした赤字を隠蔽してきました。

特に短期の資金繰りの為に認められた一時借入金が予算書に載せずにすむ「隠れ借金」の温床になっており、決算を底上げできます。
現実に04年度は50万円の黒字でしたが、粉飾決算操作である事は言うまでもありません。

公会計制度の不備が露呈した格好です。

自治体の税金は年度を越えて四、五月に入ってくることが多く、借入金も翌年四、五月(出納整理期間)に返すことが認められています。
夕張市はこの出納整理期間に、次年度予算から償還原資をひねり出していました。

次年度の歳出(特別会計)を当年度の歳入(一般会計)に充てる手法をとると、現行の公会計制度では資金不足が表面化しません。
年度末の残高をゼロにできるからです。

このほか土地開発公社に借金を肩代わりさせて、向こう20年かけて割賦返済させていく方法も採っていました。

自治体の本当の債務は区債だけではなく、こうした一時借入金や、債務負担行為まで含めないと実態がわかりません。
自治体制度の実態を把握する為には公会計制度の改革が不可欠だと考えます。

自治体本体の資金繰りしか分からない会計の仕組みを改め、公社や特別会計の含み損を見渡せる制度にする必要があります。
民間に準じた連結方式で決算をまとめるべきです。
公会計でも自治体会計について少し書かせていただきますが、・・・
自治体会計の問題点として、
?本来的な外部監査がない
?会計制度の設定主体が国である
?会計基準の細部があいまいで好き放題の処理ができる
?最終的な責任を取る人がいないに等しい
という本質的な問題があります。
細部をいじくっても、こういう本質が「ざる」なので、制度会計の枠内にとどまっている限り、満足なディスクロージャーにはなりません。
自治体がそれぞれ頑張って会計情報を充実させ、住民へのディスクロージャーの競争をするのが公会計改革への近道だと思っています。
総務省の審議会も本質は語らせないようですし、公認会計士の世界にも公会計のプロが皆無に等しく、監査委員は論外なので、どこか意欲的な自治体のチャレンジに期待しています。
首長の決意がないと、それもなかなか困難です。
私の個人的な問題意識として、道路、河川といった
ものについて、それらが極めて換価性に乏しい公物
であることから、ストックとして計上するのは適当
でないと思います。
まして、再取得価格で計上した高速道路なんて粉飾
もいいところです。

このあたりは、外部不経済の内部化をどこまでする
のか、という点にも関係しますが、これらにつぎ込
んだ費用は「費消してしまったもの」と考えて欠損
のように扱う方が、まだしもマシなのではないか、
とも思っています。

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