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ブックトークオフ――読書会コミュの読書会レポート 2026年6月20日(火) 【大人な読書会】『美しい夏』を居酒屋でゆるりと語る夜

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開催概要
日 時:2026年6月20日(火)19:00〜21:00(予定)
場 所:有楽町駅近くの居酒屋(個室)
課題本:『美しい夏』 チェーザレ・パヴェーゼ(著) 河島英昭(訳)(岩波文庫)
参加者:4名(男性・女性比は確認できず ※要確認)

告知ページでは
6月の読書会は、パヴェーゼ『美しい夏』(岩波文庫)をテーマに開催しました。

都会で働く16歳のジーニアと19歳のアメーリア。二人の女の孤独な青春を描いた、イタリア最高の文学賞ストレーガ賞受賞作です。

本を読んで感じたことや、心に残ったフレーズを、少人数でゆったりと語り合う――そんな夜になりました。

自己紹介
参加者の皆さんに、自己紹介と最近の読書スタイルについて話していただきました。
◯大学のときは英文学ばかり読んでいたので、最近はもっぱら日本の方が書いた本ばかり読んでいます。社会人も2年目になりましたが、自分でなかなか本を読む機会が減ってしまったので、こういう機会がないと読まないなと思って、できるだけ参加するようにしています。よろしくお願いします。
■普段読む本は、小説が半分と、もう半分が哲学とか、自分の関心に近いことが分かるような本を読むことが多いです。海外の小説も日本の小説も同じぐらい読んでいます。この会に参加しようと思ったのは、1年くらい前に映画が公開されるタイミングで原作を読んで、それがすごく良かったからです。今回この読書会を見つけて、もう一回読もうと思って参加しました。よろしくお願いします。
◆映画は見ましたか?
■はい、見ました。銀座のシネスイッチで見ました。
◆私も映画を見ました。試写会で。日比谷図書館の地下にホールがあって、そこで上映があり、イタリア文学の翻訳者の方とイタリア文学の研究者の大学教授がお話をしてくださって、理解が深まって面白かったので、この本を取り上げてみようと思ったんです。映画が本当に良かったので、原作を読んで読書会をと思ったんですが、岩波文庫から出ているのをしばらく知らなくて。古い白水社のシリーズの合本は持っていたんですが、活字が小さくて読みづらいなと思っていたら、文庫になっているのを知って、それで取り上げてみることにしました。今日は6人の予定だったのが半分になってしまいましたが、頑張っていきましょう。

感想など(ネタバレあり)
◇: (小説を読んでみて)どうでした?
◎: すごい雑な聞き方(笑)。
☆: 第三者視点で語られている割に、あまり親切に説明してくれていない気がして。結構ポコポコ登場人物が出てくるじゃないですか。「誰?」ってちょっと戸惑うところがありましたよね。
◇: でも、書いているのは男性(チェーザレ・パヴェーゼ)なんですよね。不思議です。思春期の女性をこんなに細かく書いているのが。
☆: 女性の立場からすると、「え、こんなことはないわ」というシーンはなかったですか?
◇: 私は違和感を覚えませんでした。自分自身は年上に憧れたりとかあまりない子供だったんですけど、今の子ってキャバ嬢とかがランウェイでモデルとして歩いているのを見て「私もなりたい」と思う中学生がたまにいるらしくて。SNSが発達しているからなのかもしれないですけど、そういうのと重なるなと思いました。仕事のことをよく知らないけど、なんとなく大人っぽいから憧れて、ちょっと痛い目を見て手を引っ込めるみたいなところが、今もあるなと思いましたね。
◎: 最初読んだ時は語り口がすごく柔らかくて、ポンポン読めてしまう感じがして、そのリズム感がすごく好きだったんですけど。今回読んだ時は、作者が女性の語り口をイメージして、女性になりきって書いているというのを意識して読みました。解説にあった「アメーリアの後をジーニアが追いかけるように書いてある」というのを踏まえた上で読むと、こういう緻密さがあったんだと想像できて。「書いてないけど描く」というところを読ませるのがすごいし、想像するのも楽しいなと思いながら読みました。私は映画を見てからこの本を読んだんですが、映画では本当に憧れている年上のアメリアに憧れるようになる過程が描かれていたんですけど、小説ではあまりそれが明確には描かれていなくて、「なんとなく」みたいな感じでしたね。
◇: この女の子(ジーニア)の最初の職業、洋裁店に勤めているじゃないですか。
◎: そこはね、映画は最初きっちりと描かれているんですよ。それは見せ方の計算があったんだなというのは分かるけど。本と映画では見せ方が違うんだなとは思いました。ただ、場面だけがふわふわと流れていくような感じで、それはそれで面白かったな。『美しい夏』だからひと夏の話なのかなと思って読んでいたら、「何年か経ってるんだよね」っていうのがイメージしていたものと違ったけれど面白かった。
☆: もう一つは、あの美しい夏はもう戻ってこないな、というシーンがあるじゃないですか。友人が梅毒になってしまうという厳しい現実の前で、何も考えずに無垢でいた時というのは美しかったんだな、と振り返るところがちょっと心に残りましたね。
◇: 他に、このシーンは好きなんだとか、ここはどういう意味なんだろうとか、ありますか?
◎: 最後の終わり方がすごくおしゃれでいいなと思って。ジーニアの自立で終わっていた。「私を連れてって」とジーニアがアメーリアに言う終わり方。最初からアメリアを追いかけている少女が女性への成長を体験する話として書かれていて、それを最後のセリフで「私を連れてって、これからも私を連れてって」と。ずっとアメリアの後を追いかけている子供をこのセリフで描くというのがすごくおしゃれだなと。これがこの小説の中で一番好きなポイントですね。あのシーンの画面がとても綺麗だなと思って。色々大変なのに、二人の友情なのか何なのか分からないけれど、これからも続いていくんだなというので終わって、ちょっと良かったですよね。
☆: 私はただ、ジーニアが恋に落ちるじゃないですか。なんでだろうっていう説明がないのがモヤモヤしたな。「なんで気になっちゃったの?」と思いながら。
◇: 確かに心情が語られるのって少ないなと思いますけど。なんかその場の雰囲気とか、なんとなく年上の男の人に憧れる年代とか、多分そのぐらいの理由しかなかったんじゃないかなと勝手には思うんですけど。
◎: 二人同時に出会うじゃない。アメリアの方となんかなっているのかなと思ったのかな、わからないけど。そこら辺がちょっと不思議な感じはしましたよね。
◇: 映画と見比べると面白いかもしれない。映画の方はかなり労働が映像として流れていたけど、小説の方ではジーニアのお針子としての失敗とか遅刻とかそういうのは全くなくて、ただ「労働に行っている」みたいなことしか書かれていない。そこが小説と映画の結構大きな違いですよね。
◎: 小説だと「いつからやってるんだろう」と思いまして。ちょいちょい思い出させるように「お針子やってるんだよ」っていうのがたまに挟まれると、周りは遊んでばっかりだよねと。あと、映画ではアメリアとジーニアを演じた女優さんの実際の年齢が逆なんですよね。それがちょっと面白いなと思いながら見ていました。お兄さんは結構毎日働いていて、アメリアたちは結構遊んでいるだけだよね。遊び回っているようになんとなくね。
☆: 映画だと兄との関係も少し描かれているんですけど、小説だといるだけだよね。お兄さん影が薄いなと思いながら読んでいて。昔の話だから携帯電話もなく、ただひょいっと行くんだなと思って、そこら辺面白いなと思って。
◇: 小説の中では、ファシズムの影響っていうのはほとんどわからないですよね。
◎: 全然わかんないよね。書いたら出版できないとかそういう事情もあったのかもしれないけど。それにしても映画と比べると全然その影も見えないよね。ちょっと徴兵に行っているみたいなのはあったけど。
☆: 絵に描かせているところなんですけど、普通はモデルというのを自覚した上で「絵に描かせている」という言い方をしているところが引っかかって。読み終わった時に「なんでこんな言い方をしたんだろう」と考えると、男に描かれているという従属的なところは、あまりいい気持ちはしないんじゃないかなと思ってて。自分の主体性を示すためにわざと「描かせている」としているのかなと。描かれるというのはかなりの傷っていうのはある。アメーリアもだけど、ジーニアは先に体験しているだろうから、その心の傷を自分でケアするために、自分で主体的に描かせているんだっていう認識の転換をしているんじゃないかなという風に想像してみたり。
◇: アメーリアって結構気位の高い女性で、気が強い割にはフラフラしているっていうか。モデルだけで食べていけるのかなという気はしていたけど、なんか男性に依存しているような感じがちょっとしたんですけどね。自分は主体的にやっているぞと言いながら、いないと困っちゃうみたいな。この辺がもしかすると後の伏線なのかなとか思ったりしましたよね。
◎: ちょっと面白いよね。男性なのにね、よく女性だけを主人公にして上手く書くなと思います。是非ね、映画見れるようになったら見るといいと思う。街並みとか自然とかすごい綺麗。最初の湖のところとか。お針子の職場とかも、あまり日本ではもうないし、映画でしか見れない気がするから。
◇: この作家はこれを書き終えた後に亡くなっちゃったんだよね。だから戦争中とか大変な思いで書いたのかなと思いましたよね。書きたいものは書けなかったのかな。他の作品読んだことあります?
◎: 私もないです。でも後ろの解説を読むと、作品ごとに文体が違うっていうのを読んで、すごい人だなと。全く違う人が書いているような小説になるっていうか、ちょっと読んでみたいなとは思いましたね。

その他 雑談
主催(◆)からは、今回の『美しい夏』が思いのほか人を集めにくかったという裏話が語られた。実はこの本を読書会で取り上げるのは今回が2回目で、1回目は参加者が集まらず中止となり、ようやく今回の開催にいたったという。海外文学を課題本にすると、英米文学に比べて参加者が集まりにくいのではないか、という話も出た。

これまでの読書会で人気があった作品としては『プロジェクト・ヘイル・メアリー』(アンディ・ウィアー)の名前が挙がり、次回の課題本の案としてはアフリカのマジックリアリズム文学『やし酒飲み』(エイモス・チュツオーラ)が話題になった。

一方、他の読書会でジョゼフ・コンラッドの『闇の奥』を取り上げた際には、暗く難解な作風から「読み切れない」という声が相次いだ、という思い出も語られた。マイケル・オンダーチェ原作の映画『イングリッシュ・ペイシェント』(邦題『イギリス人の患者』)や、カズオ・イシグロ『充たされざる者』――長く読みづらいが、それもまた作者の意図ではないか、という感想も出た――なども話題に上がった。

読書会で言及された書籍・映画
『美しい夏』 チェーザレ・パヴェーゼ(著) 河島英昭(訳) 岩波文庫 ※今回の課題本
映画『美しい夏』 監督・脚本:ラウラ・ルケッティ(2025年8月日本公開)
『闇の奥』 ジョゼフ・コンラッド(著) ※翻訳は複数あり(岩波文庫・中野好夫訳/光文社古典新訳文庫・黒原敏行訳など)
『イギリス人の患者』(映画題:イングリッシュ・ペイシェント) マイケル・オンダーチェ(著) 土屋政雄(訳)  創元文芸文庫
『充たされざる者』 カズオ・イシグロ(著) 古賀林幸(訳) ハヤカワepi文庫
『やし酒飲み』 エイモス・チュツオーラ(著) 土屋哲(訳) 岩波文庫
『プロジェクト・ヘイル・メアリー』 アンディ・ウィアー(著)  ハヤカワ文庫SF

次回
・6月23日(火)  アート 本好きの美術展散歩 アンドリュー・ワイエス展をゆく
http://nands.way-nifty.com/booktalkoff/2026/06/post-3d3ec3.html
・7月1日(火)  アート 本好きの美術展散歩 大ゴッホ展にゆく
 http://nands.way-nifty.com/booktalkoff/2026/06/post-02a98b.html
・7月4日(土) リベンジ! お散歩読書会――複数本 歩いて巡る、本屋さん・古本屋さん in 早稲田 ランナーぴかぴか(新しい)
https://peatix.com/event/5027522
・7月12日(日)  下見会:お散歩読書会 in 横浜・桜木町〜関内|一足先に巡る、書店・古書店
https://peatix.com/event/5027675
・7月19日(日) お散歩読書会――複数本 歩いて巡る、本屋さん・古本屋さん in 横浜・桜木町〜関内 ランナーぴかぴか(新しい)
https://peatix.com/event/5027817
・7月26日(日) 【大人な読書会】夏の宵に、一冊の小説を肴に語らう。in 有楽町 三日月本
https://peatix.com/event/5027892

関連リンク
Peatix:https://peatix.com/group/28669
ブログ:http://nands.way-nifty.com/booktalkoff/
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#ブックトークオフ読書会 #大人な読書会 #パヴェーゼ #美しい夏

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