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医療ビジネスコミュのタイ:上場する国境なき病院、海外患者は年43万

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上場する国境なき病院、海外患者は年43万
http://business.nikkeibp.co.jp/article/money/20080317/150339/?P=1

日系ビジネスオンライン 2008年3月21日 金曜日 此下竜矢

 タイの株式市場について、日本のマスコミのインタビューを受ける時、必ず受ける質問がある。「タイの株式市場には何か特徴的な銘柄はありますか?」。この質問には必ず「病院です」と答えている。タイでは当たり前のことなのだが、日本の人からはまず「え、病院が上場!」と驚かれるからだ。

 日本では「病院が上場する」ということは、考えもつかない話なのだろう。いまだに保険診療と自由診療についてあれこれ議論がやまない状況を考えると、それも致し方ないだろう。人命を救うことが市場経済の中に組み込まれることを、感情論から拒絶する向きもある。

 そうした風土の中で、中進国のタイでは既に病院が上場している話を聞くと、一瞬、狐につままれたようになるのは当然かもしれない。今回は、タイの病院セクターの中で最大の、そして世界的な知名度を高めているバムルンラート病院(BUMRUNGRAD HOSPITAL PUBLIC COMPANY LIMITED、証券コードBH)を中心に、タイの病院セクターについて書きたい。

13の病院が上場

 タイの医療セクターには、バムルンラート病院を含め、13の企業が上場している(表)。1980年に設立されたBHは89年にタイ証券取引所(SET)に上場している。バムルンラート病院の2007年の業績は、売上高が94億1300万バーツ(1バーツは3.2円で換算 約301億2160万円)、純利益が16億500万バーツ(51億3600万円)、時価総額235億バーツ(752億円)。ROE(株主資本利益率)は42%で、ROA(使用総資本当期利益率)が30.7%とある。

 バムルンラート病院は、上場している病院の中では、売り上げではバンコクドゥシットメディカルサービス(証券コードBGH)の188億8500万バーツ(604億3200万円)に差をつけられているが、純利益では4億バーツほど上回る。バンコクドゥシットメディカルサービスの売上高が大きいのはタイ東部を中心に病院チェーンを展開し、ここ最近もM&A(合併・買収)などで参加の病院数を増やしていることがある。

 バンコクドゥシットメディカルサービスは国内拡大路線に対し、バムルンラート病院は、顧客層を国内外の富裕層に絞るなど限定型の拡大路線を取っている。これが2つの病院の売上高と純利益の違いに表れている。

 改めてバムルンラート病院の特色を挙げると、まず国際性だ。

 同病院は、年間に100万人以上の外来及び入院患者を受け入れている。このうち43万人は世界190カ国からの外国人患者が占めている。医師の数は歯科医師、非常勤医師を含めると900人に上る。

 そのうち200人を超える医師が、米国での医師資格を保有している。そのほかにも、英国などのメディカルスクールなどに留学した経験者もいるなど、国際的な教育を受けた人が多い。

 BHは米国の代表的な病院認定機関で非営利団体のジョイント・コミッション・インターナショナル(JCI)の認定を2002年にアジアで初めて取得して、世界レベルの病院であると認定された。JCIの認定は2005年に更新している。

 JCIの認定を得るには350以上の項目を満たす必要があり、これを得ているということが、世界でも高いレベルの医療技術、サービス、衛生、スタッフを揃えているということの証明となっている。残念ながら、日本には今のところJCIの認定を受けた病院はまだない。

 BHのもう1つの特色は、規模の大きさ。病床数は554、1日に最大3500人の外来患者の受け入れが可能で、現在さらにこれを600床、6000人に増やすべく、新病棟の建設や旧病棟の改築が次々に行われている。


ライバルは5つ星ホテル

 先日この病院で健康診断を受けた。前日に予約を済ませる。病院に入るとホテルのようなロビーがあり、様々な国の人々が行き来している。特に911(米同時多発テロ)以降、欧米での先進治療を受けにくくなった、中東系の富裕層の姿が目立つ。欧米と違い、タイではイスラムの人々が、民族衣装をまとっていても、町中や病院で後ろ指をさされることがないのが、彼らにとって快適なのだ。

 検査フロアーに入ると、広い受付に座りやすいデザインもお洒落なソファーが並んでいて、そこで、初めての問診を受ける。私はタイ語が分かるのでタイ語で問診されたが、タイ語ができなくても、英語はもちろん日本語の通訳もいて、望めば彼らが対応してくれる。私のすぐ後ろで問診を受けているのはアラブ系の患者さんで、アラビア語らしき言葉で話しているし、すぐ後に入ってきた集団は韓国語で問診を受けていた。

 検査室は様々な検診を順番に快適に受けられるように配置してあり、着替え室は高級スポーツクラブと同じようなもの。検査中、あるいは検査後の軽い軽食などが用意してあるコーナーもある。壁には英語、タイ語、日本語などの様々な言語の新聞等が置いてあり、少しの待ち時間も飽きることはない。

 検査が終わると、医師から結果は2時間ほどで出るが、今日中に検査結果を知りたいか、それとも後日の都合がいいか尋ねられた。血液検査、尿検査、心電図、その他もろもろの検査結果を知るのに、日本では何日必要なのだろうかと思いながら、当日に結果を教えてもらった。担当医師からはさらに、詳しい資料は後で、郵便かメールで送りますが、どちらがいいですか、とまで丁寧に聞かれた。

 この病院にはVIPルームと言われる病室がいくつもある。BHの関係者は常々、ライバルは5つ星ホテルだと語っている。病院内にスターバックス、マクドナルド、日本食料理屋、その他のレストランなどの店舗が出店し、どの病室からでもルームサービスを注文できる。病院食しかない日本とは大違いだ。病室だけでなく、泊まりがけの外来患者用にプール付きのサービスアパートも用意されていて、快適な宿泊が楽しめる。

 この病院を訪れていつも感じることは、とにかく患者本位に快適さと、便利さを追求していること、つまり単に体を治せばよいと考えているのではないことを感じさせられる。細かい気遣いのある、まさにサービス業の本来の姿をそこに見ることができる。

 また、ウェブサイトに病院の紹介を、タイ語、英語、日本語、アラビア語、中国語、フランス語、韓国語、ネパール語、スペイン語、ベトナム語で載せていることで分かるように、外国人にもとても優しく、快適に過ごすことのできる環境が整えられている。病院が世界標準であるだけでなく、サービスやマーケティングも世界標準なのだ。米国の健康保険組合などが積極的に提携を求めてくる理由が分かる。単に医療費がタイの方が安いだけでなく、医療水準が世界レベルで高く、彼らの組合員が快適に過ごせる安心感がそこにはある。


経営者は米国人、患者だけでなく医師も経営チームにとっては顧客

 病院の経営は米国人のCEO(最高経営責任者)をはじめとして、タイ、英、豪などから集まった病院経営の専門家で構成されている。グループのCEOであるカーティス・シュローダー(Curtis J. Schroeder)氏は、米国でホテルチェーンの経営に20年以上携わっていた人物だ。

 同氏に病院経営の仕組みについて話を聞くと、経営のプロと医療のプロの明確な役割分担を強調した。「経営と医療は区分されているので、医師や看護師が医療に集中できる体制を整えている。患者はもちろん我々病院のお客様だが、同時に医師や看護師は我々マネジメントのお客様だ。この体制によって、医療に携わる人たちが経営などに惑わされず、患者に集中できる環境が整うのだ」ということだった。

 BHに世界各地から患者が集まるのは、経営と医療行為の役割分担を徹底することで、医師は医療、経営陣は患者の満足度を高める様々な仕組みを整えることに集中できることが大きいが、価格競争力もある。シュローダー氏によれば、医療コストは米国の8分の1、EU(欧州連合)の3分の1、シンガポールの2分の1という。


水平展開と垂直展開で収益力向上を追求

こうしたコスト競争力は、従来の医療行為の水平展開と、医療関連分野への進出という垂直展開に伴う規模の拡大が寄与していると言える。

 水平展開では、BHはここ数年で、フィリピンの大型病院を買収して子会社化し、ドバイには地元資本と共同出資して病院を建設している。こうした海外展開によって、初診は現地で、深刻な患者はバンコクでという体制が整い、運営の効率化が進み、また海外の富裕層を中心とした顧客層の拡大を実現している。

 垂直展開では、一昨年にはアジア最大の腎臓移植ネットワークの会社を100パーセント子会社化し、拡大する移植医療でも対策を講じている。そのほかにも、美容、健康維持、アンチエイジングなどを手がける100パーセント子会社も保有した。

 今後半世紀、世界の経済成長のエンジンとなるアジアは人口増大と、歴史上かつてない、高齢化を経験することとなる。その中で、ますます豊かになるアジアの人々はより安心で、高いレベルの、しかも快適な医療を求めて国境を越えて移動し始めるだろう。

 自分の生命と健康のためなら、人々は国境を越える切実さを間違いなく持つだろう。このますます拡大するアジア医療市場を制することができるのは規制と国境に守られた医療機関か、それとも積極的に世界市場を見据えて展開する上場企業だろうか?

 BHを追いかけて新たにバンコクホスピタル(BANGKOK DUSIT MEDICAL SERVICES PUBLIC COMPANY LIMITED、 証券コードBGH)がJCIの認定を受けた。彼らは世界の資本市場と医療市場の両方で、世界の患者を獲得し、満足させるために毎日、しのぎを削っている。




コメント(4)


全ては、官僚行政の失敗です。医療水準は 日本のほうが はるかに上なのに・・

医療制度 金融制度の 未熟= 官僚、政治家の不勉強&怠慢 が日本の
医療を後進国にしている・・

一日も早く 官僚制度を壊さないと、日本は 大変なことになってしまう。
タイの事例の様にマネジメントサイドを強化する必要はあると思う。しかし、官公立、民間問わず本来病院マネジメントに当たるはずの事務長に対する評価は低い。最近は融資元の銀行OBが随分入っているが、十分には発揮仕切れてはいない。何より今のような診療報酬制度の頻繁な変更では医療行政を信頼できない。投資を伴う誘導はリスクが伴い、有効な打ち手も打てないままにジリジリと追い込まれていくようです。
私の考える理想像がタイで現実に稼動している、というのが驚きでした。
私の中では理想でしたから。

ただ、どのくらい費用がかかるかを知りたいですね。
富裕層向けで、かなり高い費用がかかるのでしょうか・・・
(顧客がいるということはニーズがあり、ビジネスとして成立している
ので、なんら問題ないのでしょうけど)

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